※この作品はR-18です。

性欲が秩序を上回った世界でTSしたオレとインポ疑惑のイケメン   作:ぶるきえ

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第十四話 この世界の男というものは

 隣人に抱かれ、身体だけでなく心も女になったのだと認めて以降、セイジの心境は至って落ち着いたものであった。自分が女だから、性欲が身体の奥底から溢れてくるのだ。そうだと分かれば、男に犯されることに対して抵抗感が無くなっているのは仕方のないことのように思えた。

 

「んちゅ…♡、んうぅ♡♡」

 

 自慰に勤しむことが新たにセイジの習慣となった。日々快感を求めて身体に触れ、性感帯を増やしていく。

 現在、セイジは布団の上で、自らの乳房を吸うことに夢中になっていた。晒された、重量のある胸を手で支えて口に運ぶ。頂にある屹立を口を窄めて吸ったり、舌で転がしたり、歯で甘噛みをしたりして、刺激を与え続ける。

 

「ちゅうっ♡、んん…♡、あふっ♡♡」

 

 胸の重みで手が疲れる。しかし、セイジは吸うことを止められなかった。腰が小さく震え、衣服の擦れる音がした。

 セイジは視界に映る自らの痴態を絶景だと思った。二つの山のうち、一つは舐られ、もう一つは指の腹で摘ままれ、それぞれが甘い痺れを脳へと訴えている。

 

「……ん゛ん゛んっ!!!♡♡♡♡♡」

 

 乳房への悪戯は大詰めを迎える。引き千切らんばかりに乳首を抓り上げ、また、ジュッと音がする程に強く吸った。

 

「はぁっ…!♡ はぁはぁ…!♡♡♡」

 

 赤い顔で荒い息をしたセイジは、側にディルドがあるのを横目で見ると、服を脱ごうと下半身に手をかけた。

 

「ふーっ♡♡♡、ふぅーっ♡♡♡」

 

 露わとなったセイジの割れ目は濡れ、下着へと糸を引いていた。生まれたままの姿で大股を広げ、ディルドを手に取り、ゆっくりと挿入する。

 

「お゛お゛ぉ…!!!♡♡♡♡」

 

 男に犯されてこその女である。

 そう考えているセイジは、玩具とはいえど奥深くまで男性器を受け入れていく自身の身体を見て、現在、まさしく女として生きているのだと実感できた。

 付属のリモコンを手に取りスイッチを押すと、中に納まったディルドが振動を始める。

 

「あっあっ…!♡♡ お、おもちゃのっ!♡ ん゛んっ♡♡、ち、ちんぽでっ♡♡、ふ…ふうぅぅぅ!!♡♡♡ かんじ、ちゃっ…う゛う゛う゛ぅ!!!♡♡♡♡」

 

 布団の上で悶える姿は他者からは滑稽に見えるだろう。しかし、そこにはセイジしかいない。

 より強い快楽を得ようと、膣が傷つくのを恐れることなく、セイジはディルドを乱暴に出し入れした。

 

「お゛お゛お゛っ、ほぉ゛っ!!!♡♡♡♡」

 

 セイジは身体を反らせ白目を剥いた。舌を突き出した口から涎が垂れて、布団にシミを作る。

 

 ―――ドンッ!

 

 壁を殴る音がした。隣人が、壁の向こうから聞こえてくるセイジの妖艶な声に耐えきれなかったのである。

 

 ―――ドンッ! ドンッ、ドンッ!

 

 これは部屋に来いと催促する音だった。抱かせろと訴えているのだ。

 

「はぁ…っ!♡♡ たくっ♡…しょうがねぇな♡♡」

 

 絶頂の余韻に浸っているセイジは暫くの間、壁から聞こえる鈍い衝撃の音を味わってから立ち上がり、隣人のもとへ向かうべく裸のまま外へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 町を歩けば、どこもかしこも男だらけ。そのことだけでも、セイジの女としての人生に彩りが添えられる。纏っている防護服さえ脱げば、好きなだけ男に犯されるのだから。

 

「よし、もう買う物はねぇよな?」

 

「おう! さっさと帰ろうぜ、俺腹減ったよ」

 

 セイジはアズマと一緒に何度目かの外出をしていた。二人の手には食材の入ったレジ袋が握られている。比較的重たいものはアズマが持っていた。

 

「なぁ、セイジ」

 

 帰宅する途中、人通りの少ない道でアズマがセイジの名を呼んだ。カラスが鳴いている。日が傾き、空は赤くなっていた。

 

「あ? なんだよ」

 

「お前、一人で暮らしたくないか?」

 

「…え?」

 

 突然のことに、そう問い返したセイジに対してアズマは言葉を続けた。

 

「ヨウタさん…覚えているか? あの人がセイジに良いアパート紹介してくれるってさ」

 

「ヨウタ…あの優男か」

 

「ははっ、優男か…確かにそうだ」

 

「……」

 

 レジ袋がガサリと音を立てる。小さく笑うアズマの隣に立ち、防護服の中にいるセイジは考えを巡らせる。

 

「悪い話じゃねぇだろ」

 

「ええ…?」

 

「セイジ、今更かもしれねぇが俺のアパートの周りははっきり言って治安が悪い。…お前の今の身体は女だ。防護服があっても危ねぇもんは危ねぇ」

 

 自分は男である。

 そう思っていた頃のセイジであれば、アズマの提案は乗らない選択肢は無かっただろう。しかし、今のセイジは身体だけでなく心も女であると認めていた。「犯される心配がない」ということをあまり良いことだと感じなかった。

 

「………」

 

 それでも、広々として部屋を手に入れるのは魅力的に思えた。

 セイジの返事が無いことを、深く思い悩んでいるからだと考えたアズマが口を開いた。

 

「…もう襲われることもねぇよ」

 

 アズマは、セイジが配達員以外にも犯されていることに気付いていた。アズマが気付いていることを、セイジはこのとき知った。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある少年が言うことには ~始~

 

 

 

「……殺す」

 

 女…殺す。

 

「殺す……殺す…」

 

 女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す女殺す…。

 

『いいか、よく聞けよ! 忘れるんじゃねぇぞ!』

 

 勿論だよ。パパが言っていたことを忘れた日は無いんだ。女は悪だ。女は罪だ。女は…殺さなければならない。

 

「…」

 

 手にしたナイフを見る。鏡のような銀色が、僕の姿を映す。僕の顔が女への憎悪で歪んでいるのが分かった。

 

「よし」

 

 今日も女を殺しに行こう。一日一人、それが僕の掲げるノルマだ。

 

「行ってきます!」

 

 ナイフを懐に持ち、パパにそう声を掛けてから玄関の扉を開いた。

 

『お前は女を殺すために生まれてきたんだ!』

 

 家の奥からパパの声がした。

 外へ出て、夕日の眩しさに目を細めた。地面に伸びた影が、僕に寄り添ってくれているみたいだった。

 

「……」

 

 暫く街中を歩いたけれど、それまでに女の姿を見なかった。いつもなら、道端に捨てられている筈なのに、珍しいなぁ。でも諦めちゃ駄目だよね、パパ。

 

「!」

 

 道の向こうから人影が二つ近付いて来る。あのシルエット…一人は女だ! 防護服を着た女に違いない!

 ようやく現れた女だ。この絶好のチャンスを逃しちゃいけない。僕は懐のナイフを手に持って、小走りで二人へと近づいた。

 

 

 

とある少年が言うことには ~終~

 

 

 

 

 

 

 

「っ…!」

 

 腰が抜け、地面に座り込んだセイジは、震える手でスマホを耳に当てる。歯はカチカチと音を立て、電話の呼び出し音を遠く感じた。

 突然のことだった。道の向こうから小走りに近づいて来た少年が手にナイフを持っていた。その刃先を向けられたのは、防護服を着たセイジではなく生身のアズマであった。

 

「放せ! 放せぇ…!」

 

 暫くの悶着の後、アズマは少年を取り押さえた。ナイフは少年の届かない所に転がされている。少年は拘束を逃れようと暴れるが、体格の差もあって脱出は失敗に終わる。

 

「僕はっ…、僕はそこの悪魔を殺すんだっ!」

 

 少年は殺意の籠った目でセイジを睨みつけている。

 

「何で邪魔をするんだ! お前も殺してやるぞ!」

 

「端から俺を刺そうとしてきた癖に何言ってんだよ。元から殺す気だったじゃねぇか」

 

「五月蠅い!」

 

 少年がアズマにナイフを向けて取り押さえられるまでの間、セイジは見ていることしかできなかった。防護服の内側で、全身が小さく震えていた。

 

「女…くそッ! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!」

 

 漸く電話が繋がった。セイジは電話の向こうにいる警察に、しどろもどろになりながら状況を説明した。

 数分後に警察がパトカーと共に到着し、少年は連行された。パトカーのサイレンの音を聞き家から出てた人々が扉を開けて様子を窺っている。

 喧噪の中、セイジは電信柱に体重を預けて何とか立ち上がった。

 

「アズマ……っ!」

 

 微かに血の匂いがした。アズマの頬と掌から血が流れ、地面に滴っていた。

 

「それ…っ! だ、大丈夫かよ…」

 

「問題ねぇよ、掠っただけだ。血もすぐ止まんだろ」

 

 そう答えたアズマは眉間に深い皺を作っていた。鉄分の匂いが防護服越しにもセイジの鼻に届いている。掠り傷である筈がなかった。

 

「ど…」

 

 どうして。

 セイジの頭に次々と疑問が浮かんでくる。どうしてアズマは一人で逃げなかったのだろうか。どうして掠り傷だと言い強がるのか。どうしてセイジを守り、心配させまいとするのか…。

 一人で考え込むセイジには周囲の音が届かなかった。答えを導くかのように、過去の出来事を思い出していく。ゴミ捨て場での出会い、男であると打ち明けたときに受け入れてくれたこと、卓袱台を囲んで共に食事をしたこと、配達員に襲われていたところを助けてくれたこと、防護服などの生活用品を購入してくれたこと、隣人に連れ込まれそうになったときに助けてくれたこと、そして、少年から身を挺して守ってくれたこと…。

 やがてセイジは一つの答えに至った。

 

「アズマって……俺のこと好きなんじゃね?」

 

 セイジが無意識に発した言葉を聞いた者は誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 アズマの好意を確信してからというもの、セイジはアズマのことを意識するようになっていた。風呂場からシャワーの音が聞こえると水の滴っている鍛えられた裸体を想像し、洗濯物を洗濯機に入れる前に衣類の匂いを嗅ぎそうになり、布団で眠るときには寝息に耳を澄ませ、寝顔を眺めてしまう。

 

「くそっ…!♡♡ 五感の全てで俺を誘いやがって!♡ アズマのやつ頭可笑しいだろ!♡♡♡」

 

 平日の昼間、セイジはアズマの服を興奮材料として身に着け、自慰をしていた。

 

「んお゛ぉ゛ッ!♡♡♡ お゛っ♡、あっあっ!♡♡ もう、イグッ…!♡♡♡」

 

 ―――ドンッ!

 

 壁から鈍い音がした。壁の向こうで、性器を勃起させた隣人が今か今かとセイジが来るのを待っているに違いない。

 

「クソみてぇなタイミングで壁ドンしやがって! 畜生っ!!」

 

 セイジは下半身を露わにしたまま、怒りに任せてベランダに出た。隣人の部屋の方を見て声を荒らげる。

 

「ざけんなよテメェ! 今良いところだったのによぉ、空気読めやこの野郎!」

 

 壁を殴る音が止んだ。そのことに満足したセイジはベランダから部屋に戻り、自慰を再開した。

 その日の夕方、いつものように、セイジとアズマは卓袱台を囲み夕食をとる。彼らの前には湯気が立っている白米と、具材が豊富な味噌汁、そして野菜炒めが並べられていた。どれもセイジが作ったものである。

 

「そういやお前、飯作るの上手くなったよな」

 

 味噌汁を口に運んだ後、アズマがセイジにそう言った。

 

「そ、そうだろ…!? やっぱ、俺って天才…?」

 

「はいはい、天才天才」

 

 心臓の鼓動が速まっているセイジとは対照的に、アズマは穏やかそうであった。

 アズマの頬と掌には、少年に付けられた傷が痕として微かに残っている。セイジはそれを見る度に、アズマが身を挺して守ってくれたことを思い出す。

 食事を終え、風呂に入り、夜が更けたため二人は寝ることにした。明かりを消した暗い部屋の中で布団を並べる。

 

「な、なぁアズマ…!」

 

「…どうした」

 

 日付が変わった頃、寝付けずにいたセイジが布団に横たわったままアズマに話しかけた。その声で目を覚ましたらしいアズマは、眠たそうに返事した。

 

「ヨ、ヨウタのことだけどさ」

 

「…おう」

 

「俺、此処に居たいんだけど」

 

「……」

 

「駄目か…?」

 

「…良いのか?」

 

「お、おう! 俺此処に住んでたい!」

 

「………良かった」

 

 そう呟くや否や、アズマは再び眠りについた。その言葉はセイジの耳に届いていた。セイジは一瞬、心臓を握られたかのような心地がして、その後は鼓動が全身に響いているのを感じた。

 

「…っ!」

 

 セイジは叫び出したい気持ちを何とか抑えた。やっぱり、アズマは俺のことが好きだったんだ!

 そうしたやり取りの次の日の夜、セイジはアズマの好意に応えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 暗い部屋の微かな光の下で、セイジは下着だけを身に着けていた。それは嘗てランジェリーショップで購入したものであり、煽情的なデザインをしていた。

 セイジは四つん這いになり、布団で寝ているアズマに覆いかぶさっていた。触れないギリギリまで顔を寄せ、彼の寝顔を堪能した。

 

「ああ…くそっ。相変わらずイケメンだ」

 

 顔で俺を釣りやがって。セイジはそう思った。

 眺めるのに満足した後、セイジは足元からアズマの布団の中に潜り込んだ。温かい布団の中で、アズマの匂いで肺を満たさんばかりに深く息をした。

 

「ふーっ♡、ふーっ♡」

 

 子宮が疼く。匂いで誘うとは、何て奴だ。

 真っ暗な視界の中で、セイジはアズマの寝巻に手を伸ばして脱がせ、下腹部を露わにした。ゆっくりと手を運びそこに男性器があるのを確認すると、その先端を口に含んだ。

 

「んっ♡♡、ふぅ…♡♡♡ んちゅっ♡♡」

 

 アズマのものを舌で味わっているセイジの口から、涎が溢れる。それを潤滑油替わりにし、セイジの動きは大胆になっていく。刺激を受け、下腹部に熱が溜まっていった。

 

「ア、アズマのちんぽ…♡♡ んちゅ、ちゅう♡♡、俺に舐められて勃起するなんてっ…!♡♡♡ んんっ♡、そんなに俺を抱きたいのか…?♡♡♡ この変態めっ♡♡♡♡」

 

 セイジは喜んでアズマの屹立を咥えた。他の男のものとは違い、美味に感じられた。アズマの匂いや体液の全てがセイジの興奮を促す。

 

「はぁ…っ!♡♡」

 

 熱い息を吐いて、セイジは性器から口を離した。セイジが身体を起こすと、それにつられて布団が持ち上がる。暗闇に慣れたセイジの目では、小さな常夜灯の助けもあって、アズマの姿がよく見えた。

 

「待ってろよ…♡♡♡」

 

 セイジは仰向けで寝ているアズマに跨ると、屹立に手を添え、それ目掛けて腰を下ろした。しとどに濡れているセイジの割れ目は性器を飲み込み、歓喜に震えている。

 

「お゛っ!♡♡♡ んお゛ぉ゛…!!!♡♡♡♡♡♡」

 

 これがアズマの…!

 アズマの腹に手を置く。咥えこんでいる屹立を味わうように、セイジの中は蠢動した。今までで一番心が満たされた。

 

「んん、……あ゛?」

 

 絶頂を迎えたセイジの下で、アズマが目を覚ました。そして、目の前で行われていることに言葉を失った。卑猥な下着を身に着けたセイジがアズマの上に跨り、男性器を受け入れている。アズマにとって信じられない光景である。

 

「セ、セイジ…! やめろ、何やってんだ…!」

 

 驚きのあまりアズマの意識はすぐに覚醒した。しかし、混乱のせいで身体が固まっている。

 

「んあ゛っ!♡♡♡ …なぁアズマ」

 

 セイジの声色には発情がはっきりと現れている。顔には笑みを浮かべていた。

 

「シャワーの音聞かせて、服の匂い嗅がせて、寝顔見せて…。ちんぽからあんな美味いもの出して、俺を魅了するって魂胆だろ? そこまでされたらさ、しょうがねぇよな。抱かれてやるよ。俺を孕ませたいって思ってんだろ? 俺の中に出したくて、情けなく腰ヘコヘコさせるんだろうな」

 

「は…!?」

 

 アズマの様子などお構いなしに、セイジは続ける。

 

「金玉で作られる精子、全部搾り取ってやるから♡♡♡♡♡」

 

 セイジはアズマの射精を促すように、腰を動かし始めた。夜が明けるのはまだ先のことである。

 

 

 

ーendー




これにて完結です! ここまで読んでいただきありがとうございました!
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