性欲が秩序を上回った世界でTSしたオレとインポ疑惑のイケメン 作:ぶるきえ
セイジがアズマの家に住んで初めて迎える月曜日、アズマは朝早くから仕事に出ていた。アパートの一室に一人残されたセイジは、掃除でもしようかと、部屋の隅に山積みとなっている物たちに目を向けた。
それらが元々片付けられていた押し入れは、現在、アズマの寝床となっている。そのため押し入れに戻すことはできないが、せめて、ただ積み上げられているだけの現状を改善しようとセイジは思っていた。
「ん~ふ~ふ~」
鼻歌を歌いながら、整理整頓を進める。本来季節ものの服が入れられていたであろう箱は、アズマが服を布団代わり利用していることもあってか軽かった。
「…こんなもんか?」
幾許か整えられたような気のする物の山に、セイジは気を良くした。敷かれていた自身の布団を畳んで端へと移動させれば、部屋の中心に寛ぐことのできる十分な空間を確保することができた。
空気を入れ替えるために窓を開けた後、セイジは洗濯に取り掛かる。押し入れの中で敷かれていたアズマの服や、ランジェリーショップで犯された以来シミだらけになってしまった下着などを洗濯機の前に集めた。
「…」
ここでセイジの前に壁が立ちはだかる。洗濯機の使い方が分からない。インターネットで検索しようにも、セイジの携帯端末は高校で置いてきた鞄の中である。そして、アズマの携帯はアズマ自身が持っている。
分からないものはしょうがない、以前母親がやっていたのを思い出すしかない。
セイジはそう思い、洗濯機の蓋を開けた。
電源を入れるボタンを押すとピッと音を鳴った。予め集めていた服の山を洗濯機の中へ落としていく。尚、セイジには洗濯ネットを使うという発想が無い。
「あ、洗剤…」
洗濯機の側にあった粉末洗剤の箱に気付き、セイジはそれを手に取った。重さのある箱の蓋を開けると、そこには白い粉が入っていた。セイジはそれに鼻を近付ける。
「ちょっと良い匂い」
粉の中に埋まっていた軽量カップを取り出し洗濯機へと洗剤を投入しようとしたとき、セイジの前に第二の壁が立ちはだかった。入れる量が分からない。箱に目安は書いているけれども、水量や洗濯物量をどうやって調べるのかが分からない。
考えた末に、セイジはカップ一杯分の洗剤を洗濯機に入れた。
隣人(男性)が言うことには ~始~
悲しいことに、俺は童貞だ。童貞ってのは、女を抱いた経験が無いってこと。
なんでか、女どもはクズみたいな不良どもを好きになる。優しい男が好きなんじゃないのかよ。俺は一度だって、女を無理矢理犯そうとしたことなんてないのに。どうなってるんだ世界ってやつは?
顔か? やっぱり顔が全てなのか? …ああもう、これだから女ってやつはさぁ!
「股開いているだけで人生勝ち組のクセによぉ…」
男の気持ちなんか考えたことないんだろうな。
「ふっ…! んふッ…! …うぅッ!」
今日も俺はボロいアパートの一室で一人自慰にふけっている。いつか俺の剛直なチンポで抱くのに相応しい女が現れる。そう信じている。
その女はきっと、童顔の美少女で、爆乳でエロくて、セックスのセの字も知らなくて、俺の動き一つ一つにアンアン鳴いて、俺に抱かれたくて全裸で土下座する、連続アクメするような、そんな可愛い子。彼氏がいるなら寝取ってやる。俺のチンポが良すぎて、彼氏のじゃ満足できないようにしてやる。ガバガバな肉便器の完成だ。
丸めたティッシュをゴミ箱に捨てる。
「はぁ~、ヤニ吸うか」
決して広いとは言えないベランダに出た。今日は風が強いな…って!?
「お、おぱ…っ!?!?!?」
思わず煙草の箱を落としてしまった。
ベランダに、俺の足元に…パンツが一丁…。黒のレース…スケスケ…エ、エッチだ!
震えた手で拾い上げた。滑らかな感触、この重み、確かに俺の手の中にパンツがある。
「…っ!」
落とした煙草の箱を拾って、心臓がバクバクしているまま部屋に戻った。一人暮らしで、周りに誰もいないのに、キョロキョロと辺りを見渡してしまう。
握りしめてしまっていたようで、手の中でパンツはクチャっとなっていた。両手で摘まみ、目の前で広げると、透けている生地の向こうに、先ほどまでいたベランダが見える。
「はぁ…!」
パンツはまだ完全に乾いていなかったようで、微かに湿っていた。それを被ってみると、淡い洗剤の香りがした。舌を突き出し女の股を隠していたであろう部分を舐める。きっと洗っても取れない体液が残っているはずである。さっきシコッたはずなのに、もう勃起した。
チンポを解放してやる。女の下着は刺激が強すぎた。パンツを脱ぎ、チンポに添えて擦る。このパンツを履いている女を想像して、チンポを刺激していく。
「はぅッ!」
フィナーレを迎え、ほっと息を吐く。
―――ピンポーン
「!?」
家のインターフォンが鳴った。手には精子に塗れたパンツ…もしかして、持ち主が訪ねて来たのか!?
「……」
俺はその場から動けなかった。まるで、金縛りにあったかのように…。
―――ピンポーン
再びインターフォンが鳴る。俺は自分の存在を悟られるわけにはいかないと思った。
暫くして訪問者の気配が無くなったので、俺は記念に自慰をした。
隣人(男性)が言うことには ~終~
「どうすっかな…」
ベランダに干していたパンツが無くなっていた。セイジがそのことに気付いたとき、強い風が吹いていた。隣人のベランダに飛んでしまった可能性にセイジは思い至り、隣室のインターフォンを押してみたが、留守だったのか反応はなかった。
セイジがもう一度訪ねてみようかと考えているとき、仕事から帰って来たアズマが玄関の扉を開いた。
「ただいま。…防護服出してどうした?」
隣人を訪ねた際、セイジは防護服を着るべきか迷い、結局着ることなく外に出た。防護服は脱衣だけでなく着衣の際も複雑な手順を踏む必要があり、その面倒くささから、少し外出するだけなら身につけなくても大丈夫だと油断してしまう女性がいる。セイジもその一人であった。そのため、防護服を取り出したものの、着ることなく床に広げたままにしている。
「おう、あのな…」
セイジがことの経緯を話し、再び隣室のインターフォンを押すつもりであることを伝えた。
「なるほどなぁ」
下着が返ってきたとして、一度他人の手に渡ったそれを使いたいか?
口には出さないものの、アズマはそう思った。
「じゃあ行ってくるわ」
そう言って玄関へ向かったセイジにアズマ続く。
「ついて来んの?」
「隣にどんな奴が住んでんのか知らねぇからな」
「…挨拶回りとかしてねぇの?」
あっという間に隣室の扉の前に到着し、セイジはインターフォンを押した。アズマは自室の扉の前に立ち、その様子を見ていた。
「あのー、すみません」
セイジがそう声を掛けると、扉の向こうが慌ただしくなった。何かが倒れる音がしながらも、住人が玄関へと近づいていることが分かる。
「あっ…!」
扉が開くとともに現れた隣人は、セイジを見て動揺していた。言葉がうまく出てこないようで、「あ、えっと…その、あの…」と同じ音を繰り返す。
「俺、最近隣に住み始めたんですけど、ベランダに干していたパンツが風で飛んでったみたいで…そっちにありませんか」
そう切り出したセイジの腕を隣人は掴んだ。力強く握られ、セイジの腕が悲鳴を上げる。
「い゛っ…!」
「あっ、そ、それならッ…! な、なかに、入って…ど、どうぞ!」
掴まれたまま引っ張られ、セイジは隣人の胸に飛び込むこととなった。伝わってくる体温。不快感で鳥肌が立つ。
女体と密着したせいで、隣人は興奮してしまっている。
「ぼ、ぼひゃっ! だ、だだだだだ大胆なことを!? お、俺の純情を、も、弄んで何がしたいんだぁアンタは!?」
「お、おいっ…!」
隣人は片腕でセイジを抱きしめ、もう片方の腕で扉を閉めようとした。しかし、閉まる寸前、扉は勢いよく開いた。
「兄ちゃん、強引だな」
「ア、アズマ…!」
そう言ったのはアズマである。扉が閉められないように手で抑えながら、隣人と向かい合う。
「そいつ放してくれねぇかな」
「だ、誰だよぉ、お前ぇ!」
「隣に住んでいる篠だ。挨拶回りしてなかったから知らなくて当然だな、よろしく。そいつ俺の同居人でさ、今日干していた洗濯物が風で飛んでったみたいで、そっちのベランダに入ってしまったかもしれねぇってことで尋ねに来たんだが…」
「う、疑ってんのか!?」
隣人の腕に力が入り、セイジを抱きしめる力が増す。隣人は自身が泥棒扱いされていると思ったようである。
「お、俺が盗んだって思ってんのか!?」
「…疑ってねぇよ、他のとこにも聞いてみるつもりだ。だから…な? 放してくれよ」
今まで以上に興奮させるとセイジに危険が及ぶ可能性がある。アズマは隣人を落ち着かせるように言った。
「は、放せよ…!」
セイジが隣人の腕の中でもがく。それが刺激となり、隣人は激昂した。
「お前らはいつもそうだ! 自分の方が優れてるとでも思ってんのか!? 上等だよ、俺の方から願い下げだわこんなブス!」
隣人はセイジをアズマに向かって突き飛ばした。飛び込んできたセイジを受け止め、アズマが数歩下がる。同時に扉を抑えていた手が離れたのを見て、隣人は扉を閉め鍵をかけた。
「…」
「…」
大きな音を立てて閉まった扉を前に、二人は暫く言葉が出なかった。アズマは先程の隣人の挙動に、内心、かなりの衝撃を受けていた。
一方、セイジは、自身を抱きしめたままでいるアズマの胸に耳をあて、心臓の音を聞いていた。少し速い鼓動に不思議と心が安らいだ。隣人に抱きしめられたときとは違い、不快感は無かった。
「…下着のことはもう忘れろ」
「……おう」
セイジはアズマの胸に頭を預けたまま、腕を背中に回した。
支離滅裂ってこういうことでしょうか。会話が成り立っていない感じを表現できていたら嬉しいです。