「ダメ…。アカネ、んっ、あっ…ここ、教会だって…」
「人が素直になるための場所なんだし、フーリエも素直になりましょ?」
「言い訳だよそんなの。アカネが…あ、ぁ、ちゅっ…ゃぁっ…はぁっ」
言葉が奪われる
重なった唇から、吐息と一緒に吸い出され、肺の中まで空っぽになった所で、私は慌てて空気を吸い込んだ
心がチクチクする
兄さんの顔が頭に過りながらも、繰り返される口づけに、身体に力が入らなくなってくる。気持ちがいいと、一瞬に出来た気の迷いに、引きづられて心が抵抗する気をなくしていた。触れられた場所が、そわそわと落ち着かなくなり、そんな甘い刺激がどうにも抗い難い
心の隙間に入り込むように、口の中に入ってくるアカネの舌先
それをなんとか追い出そうとして、自分の舌を動かせたのも最初だけ。すぐにアカネの舌に絡め取られると、何も出来ずに翻弄されてしまう
「んちゅっ…ぁっ、やぁ…はぁっ、あかね、ねえちゃっ…んむぅ…」
途切れ途切れに息を吸い込みながらも、しかし口を閉じることが許されない
息苦しさも手伝ってか、頭がぼぅっとしてくる。頬を撫でられ、顎を持ち上げられて、半開きになった口の中。ひっきりなしに入ってくるアカネの舌に繰り返される愛撫
他人が触れる事のない場所を、自分ですら意識もしない場所に触れられる
慣れない刺激に、心臓が強く脈打ち、そわそわするだけだった くすぐったさが、ジリジリと纏わりつくようなもどかしさへと変わり、私から余裕を奪っていった
1分か、10分か、時間の流れが鈍い
ずっとキスしていたような気がするし、それが少しの事と思えば、不思議と物足りない気さえする
「あ、はぁ…はぁ…もう、良いでしょ…お姉ちゃん」
一通りの愛撫の後、離れていったアカネの唇。やっと自由になった口から大きく息を吸い込んだ
けれど、ようやくゆるされた言葉は何処か甘く響き、脇腹をくすぐられた後の様な焦れったさが、全身を纏わりついて離れてくれない
「良くない。ちゃんと自分でもしなさいって言ったのに」
「それは…だって、こんなこと…はずかしいよ」
「我慢ばっかりしてたら、変な時に我慢が効かなくなるって言ったでしょ?」
「…」
それはアカネの言う通りで、返す言葉もなく黙り込んでしまった
兄さんと目が合っただけで心臓が跳ねた。何時も繋いでいた手が恋しくなり、意味もなく手を伸ばしたくもなる
そんなこと、大人たちに見られたまた睨まれてしまうのに、我慢をしようとして、必死に隠そうとして、それを誤魔化そうとするほどに、どうしてか身体は疼いてしまう
視線が合えば胸が落ち着かなくなるし、暇ができれば兄さんの事を考えてしまう
考えて、考えて、気づけば頭がいっぱいになっていて、それがどうしようもなくなると、無意識に自分の身体に伸びていた手を、慌てて抑える様な日々が続いていた
「ほら、力抜いて? いい感じに楽にしてあげるから。適当に気持ちよくなって、嫌なことはとりあえず忘れちゃいましょ?」
「そんな事言って、アカネがエッチな事したいだけじゃない…」
「そうだよ? だからフーリエはなーんも悪くないの。私のせいにしてくれて良いんだから」
意地悪な人だ
そう言ったら、私が流されてしまうのを知っている
嫌なことが続いて、嫌な気持ちに潰されそうになって、気持ちの弱った私には、それを跳ね除けるほどの元気はなかった
だって、アカネお姉ちゃんが悪いんだもの
人のせいに出来ることの、なんて気持ちが良いことか
ただ流されるだけの、なんて気が楽なことか
他人に肌を許すなんて、はしたないと知ってはいても、触れられる度に色めき立つその感覚は、少しずつでも私の悩みを薄れさせていく
「フーリエの~、気持ちが良いのは、どーこかな♪」
「変な、歌…うたわない、で」
「こーこかな? こっちっかな? いいえ、此処でしょ?」
「ひゃんっ…」
鼻歌交じりの指先が、身体の線をたどりながら服の中に忍び込んでくる
柔らかな羽先で肌を撫でられるような感触。くすぐったくて、焦れったくて、時折混ざる官能に触れられると、変な声を上げさせられてしまう
「こんな風に、フーリアに触られた気持ちいいんでしょうね?」
不意に聞こえた兄さんの名前に、想像させられてしまった
触れるアカネの指先が、大好きな人の指だったらと
繋いだ手の感触を思い返す。あの優しい温もりに、自分の肌を撫でられたら…
ドキンっと、その想像だけで心臓が一段と跳ね上がった
我慢していた何かが弾けて、肌が火照っていくのを止められない
「お腹を撫でられながらさ、ゆっくりゆっくり、上ってきて、フーリエの可愛らしいおっぱいが、すっぽりと手の平に収められちゃうの」
言わないで、言わないで、聞きたくないのに、聞こえてしまう
アカネの声が耳をふるわせ、頭に浮かんだ情景に身体が浮かされる
兄さんの手の平、兄さんの指先。仲良く手をつないで遊んでいた記憶を思い返しながらも、ありもしない記憶が鮮明に浮かび上がってくる
あの手に触れられて、あの優しい感触に包まれて
アカネの肌の温もりを直で感じながらも、心の隅で兄さんの影を追い求める
そんな風に肌を撫でないで欲しい、そんな風におっぱいを触らないで欲しい
兄さんとは全然そんな事は無かったのに、兄さんにして貰えたらって考えるだけでも、心臓のドキドキが止まらなくなる
「そのままキスをされて、求められて、もっとエッチなことされちゃうの」
「そんな事、言わないで…。兄さんと、私は…」
「そうなりたいんでしょ? こんな風にさ…ぁむ、んちゅ、ぺろ…ふぅっ」
「それは…。ゃっ、あ、みみ…舐めちゃ、やぁぁ…」
ゾクゾクと広がる快感から身を捩って逃げる
エルフ特有の伸びた耳の先が、アカネの唇に啄まれ、舐められて、耳元に息を吹きかけられた
肌の薄い、繊細な部分を弄られながら、囁かれる言葉が私を追い詰めていく
違う、そんなこと無いって、言い返したくても、今一番にそれを求めてい私にとっては、その言葉は毒でしかなかった
心がじわじわと溺れていくみたい
冷たくて、重たくって、薄暗いような後ろめたさ。しかしそれは、冷え切った私の心に温かく、抗いがたい誘惑に包み込まれていく
伸びた耳の先。アカネの唇に啄まれた薄い肌が、じんわりと温かくなっていくと、ピリピリとした感覚が耳の先から伝わって、鼓膜を甘く震わせた
「ぁぁ、それ…やめ、だめぇぇ…みみ、へんに、とけちゃっ…ぁっ」
心がぽかぽかする
こんな簡単に流されて、兄さんを裏切ってやしないかと、背徳感に背中をもたれさせながらも、与えられる官能が狂おしくってしょうがない
もっと、もっとと、身体が疼き出し、モヤのかかった頭の中が桃色にさえ染まって見えた
「ひゃっ、あっ、んんぅぅ…はぁ、はぁっ。おね、お姉ちゃん、私…」
「気持ちいい?」
コクリ…。頷いてしまった
問われるままに首を小さく動かして、認めた途端に、身体がゾクリと震え上がった
官能に身を任せる。ただ気持ち良くなっていれば それでいい
もし、兄さんが同じ様に私に触ってくれたらと、想像するだけで夢見心地が深くなっていく
「子供って、何処までが子供なのかしら? フーリエの身体はもう、こんなにエッチなのにね?」
「あ、やだ…そこ…まって、アカネ、あっ」
太ももの内側に、手が滑り込んできただけで期待は声になって口から飛び出した
スカートの中にまで忍び込んできた指先に、下着を撫でられると、濡れた感触が押し付けられる
エッチな気分になっちゃてる。身体がエッチな事したくなってる
女の子が気持ちよくなると、お股が濡れてくるって、言葉だけの知識よりも実感でそれを覚え込まされていた
愛液が、おちんちんを挿れられても、痛くならないようにって、何時かは兄さんのおちんちんがココに入ったら良いなって、考えるだけで頬が染まり、耳の先までが、自分で分かるほどに熱くなってしまう
「良いよねぇ。フーリアのおちんちんがココに入ったら絶対気持ちが良いもんね。最初はちょーっと痛いかもだけどさぁ」
「んっ、はぁ…あっあぁぁ。にい、さん、フーリア、ぁぁ…アカネ、やぁぁ」
ふわふわと考えが纏まらない、官能に身体が浮かれてしまう
アカネの口から出た兄の名前に心がざわつく。その存在がより強く、私の快感を押し上げていく
ただ気持ちが良いと、気の抜けた声と一緒に、嫌なことさえも忘れていくと、少しずつ胸のうちが軽くなっていった
「フーリエ、口開けて?」
「んっ…ぁ、はぁ…ぁぁぁ…ん、ちゅっ…ぁむ…ゃぁ、んぅぅ」
言われるままに口を開き、何も考えらない内に唇を重ねていた
アカネの舌を受け入れる度に、クチュクチュと、唾液を掻き混ぜられる音が聞こえてくる。それとは別に、聞こえすぎるエルフの耳は、股の間、濡れた下着を這う指先からも、同じような音を届けてくる
音が私を満たしていく
濡れた水音、掻き混ぜられる音、粘ついていて、纏わりつくエッチな音
身体が火照り、頬が熱くなる。熱の籠もった吐息に声が混ざると、それは甘く響いて口から飛び出してしまう
気持ちいい、気持ちがいい
重なっている唇が、絡め取られる私の舌が、撫でられるおっぱいも、固くなった乳首を擦られるのも気持ちがいい
恥ずかしさに太ももを閉じようとしても、震えた足に力が入らない。ただ下着の上から、私の女の子をなぞられているだけなのに、そこから幾重にも重なった快感が溢れ出し、全身に広がっていく
頭がぼぅっとして何も考えられない
熱くなった身体が、心までも乱して、何もかもがどうでも良くなっていく
「我慢しないの。気持ちいいなら素直にいって」
「あぁ、うんっ。気持ちいい…気持ちいいの。はぁ、あぁぁ、お姉ちゃん…私、兄さんに、フーリアに触られてるみたいで、ゃぁぁっ、んはぁ、頭ふわふわして…身体ぽかぽかして、あっ。おかしくなる、変に、変なの、すぐ、きちゃってて」
形にならない言葉をただ口ににして、自分の口から飛び出た言葉に興奮する
ついには快感に耐えきれなくなり、アカネの身体を掴まえた私は、身体を縮こまらせていた
「あ、やだ、いっちゃ、いっちゃ…っ、ぁ、ぁぅ」
高められた官能が、お腹の奥でぎゅっと潰される感覚
それはそのまま快感へと変わると、ふっとした瞬間に私の身体を軽くしてみせていた
ふるりと身体が震え、心が溶ける
雪が溶けていくような心地に包まれながら、私の身体から力が抜けていった
「あ、はぁ…あぁ、はぁ…やぁ、また、わたし…おねえちゃん…んっ」
イっちゃった、イカされちゃった
絶頂を感じて、気持ちよくなって、何もかもどうでも良くなっていた
アカネお姉ちゃんに甘やかされて、甘えちゃって、それが全部で良かった
自分のこと、兄さんの事、これからの事、そんな面倒なことよりも、いまはこの快感に微睡んでいたい気分にさせられる
気持ちいい、気持ちが良かった
けど、物足りない
お腹の奥でまだ官能が燻っている。きっとそれは、おちんちんを受け入れてしか得られない満足感なんだろうと、エッチに慣れない私にも何となく分かってしまう
いっそ、このまま滅茶苦茶にしてくれればいいのに
不意に、破滅的な願望が頭を過っていた
だって、そうでもされなきゃ、兄さんの事を忘れられそうにない
どこかの誰か、知らない人なんかよりはずっと良い
いっそ、アカネのモノになってしまいたい。女の子同士だって言っても…ううん、おちんちんくらい、どうにでも都合はつけそうな人だし
きっと、私の悩みなんて無かったみたいに忘れさせてくれるんだ
でも、そう思う度、チクリと心が痛む
兄さんの顔が浮かび、幼い恋心が刺激される
兄さん…ごめんね、私もうダメかもしれない
絶頂の後、官能に酔いつぶれた私の心のタガは、何処かが外れたままだった
今まで続けていた我慢もそこが限界で、どっちに転がるにしても、これ以上宙ぶらりんではいられない
「ねぇ、お姉ちゃん…。お願い、聞いてくれる?」
女神様の前で、それ以外の誰かにお願いをするのは随分と失礼には思う
でも良いんだ。祈るしかない相手よりも、お話を聞いてくれる身近な人に私は頼りたかった