「うぅ、ん……」
なんか、寝苦しい……。それに胸が――。
胸が苦しい、とはいっても心臓が痛い、とかそんなんじゃなくて。まるで詰め物をしてるみたいで――。
あまりの不快感に、目が覚めちまった。
それになんだよ、すごく胸が重いんだけど……。
おれは思わず視線を下――寝ているのだから下、というのも変な話だが――に向ける。そこには、
「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
……思わず叫んでしまった俺は悪くない。そう思いたかった。
「まったく、朝っぱらから叫んで。一体どうしたの、京香?」
「あ、えっとぉ……」
俺の名前は、如月京介。だった筈、なのだが……。
あの後、俺の叫び声を聞いて目の前の女性。俺のお袋が慌てて部屋に飛び込んできた。
それは良い、いや、そこまで良くはないのだが。
第一、俺の記憶が正しければ、もう十年以上前に家を出て一人暮らしをしていた筈。
それに、お袋も最後に見た時よりもなぜか若々しく――。
色々とあり得ない事態に、俺の頭が混乱してるのは間違いない。
「な、なぁ。お袋……?」
俺の言葉を聞いて、お袋がこれ見よがしにため息をつく。
だが、それ以上に俺は、俺自身の声を聞いて混乱に拍車が掛かっていた。
なんというか、男としてあり得ないほど声のトーンが高いのだ。声変わり前、いや、まるで――。
「まったく、
「……は?」
男に、憧れる……?
憧れるもなにも、俺はもともと男なんだが。
そう思う俺だったが、それとは別に心臓が痛くなる程に、ばくばく、と鼓動している。見たくなかった現実を直視させるように。
先ほどから、俺が発している甲高い声。そして思わず叫んでしまった原因である胸の膨らみ。
「どうしたの、京香! 顔が青ざめてるわよ!」
お袋が心配そうに俺を見つめている。でも、俺はそれどころではなかった。
俺は、目の前にお袋がいるのも忘れ、股間に向かって手を伸ばす。
「ない、ない……!」
そこには、
俺の行動に怪訝そうな顔をするお袋。
しかし、俺はそれどころじゃなかった。
慌てて辺りを見渡しあるものを探す。
あった、鏡だ!
なんで男である俺の部屋にスタンドミラーが置いてあるのか。それすら疑問を抱かず、転げるように鏡の前に立つ俺。そこには――。
「……えっ?」
――そこには、驚きの表情で目を見開く、黒髪を肩口まで伸ばし、モデルとして通用しそうなほどスタイルの良い、少し童顔ながらも高校生ぐらいに見える女の子が立っていた。
「……ぅえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!」
三度、思わず叫んでしまった俺。その後、お袋から頭を叩かれるまで俺は放心していたのだった。
「本当に今日はどうしたの、京香? 貴女、本当におかしいわよ?」
「……そ、そうかな?」
キッチンで調理器具を洗いながら、呆れた様子で俺に話しかけるお袋。
対して、俺は内心混乱が続きながらも、なんとか返事をしていた。
あの後、お袋は時間がないんだから早く着替えてきなさいね。と、言って部屋を出ていった。
お袋が部屋を出た後、正直途方に暮れていた。
なにせ、俺の意識は、というよりも記憶は男のそれだ。着替えろ、と言われたところで女物の服の着方なんて分かる筈ない。と、思っていたんだが……。
どうやら、記憶がなくても身体が覚えていたらしく、
問題は『俺』という意識が年頃の、しかも可愛らしい少女の裸体を直視することになって、興奮と恥ずかしさで精神的に追い詰められたくらいだ。
……もし、お袋が時間がないから早く降りてこい。という話をしていなかったら、それこそ色白ながらも豊満な胸や、……ほんのり、と湿っていた
そこは本当、お袋に感謝だ。
それはそうとして、本当にどういうことだろうか?
俺の記憶が正しければ、如月京介はアラフォーに差し掛かった男で、昨日も働いていた会社の残業を終わらせ、くたくたの身体で家に帰り、死んだように眠った筈だ。
それがどうだ。
起きたらお袋は若返っているわ、身体が女の子になっているわ。一応、家は変わっていないようだが、しかし……。
こんがり焼けたトーストをもそもそ食べながら、考え事に没頭する俺。
そんな俺の耳にお袋の声が聞こえてくる。
「ほら、京香。いつまでも食べてないで。遅刻するわよ」
「……遅刻?」
「なに言ってるの、今日も学校でしょ」
お袋にそう諭されて俺は時計を見る。そこには短針は8の字を、長針は5の字を指していた。
それを見て、サァ、と血の気が引く俺。
俺が今、着ている制服――女子生徒用であるが――は、かつての母校のもの。そして、それが正しければ、家から学校まで20分かかる。
即ち、今の時点でかなりギリギリな時間な訳で……。
「やっべ……!」
俺は慌てて、残っていた朝食を牛乳を使って無理やり腹の中へ流し込む。
「ごちそうさま!」
そして洗い台に食器を置くと急いで歯磨き。いくら急いでるといっても、歯は磨いとかないと虫歯になっちまうからな。
「ん、良し!」
最低限、きちんと磨けたことを確認した俺はカバンを掴むと玄関へ!
「行ってきます!」
「気を付けていくのよ!」
「はーい!」
お袋に返事すると、俺は勢い良く家から飛び出した。のだが――。
「きゃっ!」
「うおわっ!」
飛び出てからすぐ、誰かにぶつかってしまった。痛てて、お袋からも注意するように言われてたのに。
「あたた、ごめん。大丈――」
俺はぶつかった人に手を伸ばしつつ謝――ろうとして硬直。
「……もう、京ちゃん。危ないよぉ」
「宮部、真奈――?」
「どうしたの、京ちゃん。急にわたしの名前を呼んで……」
頬をうっすらと赤く染め、微笑みながら首をかしげている小動物みたく可愛らしい少女。
かつて、俺の記憶ではその優しい性格と、誰にでも分け隔てなく接する姿から高校内で男女ともに好かれながらも、男連中からは高嶺の華として扱われていた少女、それが宮部真奈だ。
かくいう俺自身も彼女のことは憎からず思っていた。しかし、高校在学中は結局、誰とも付き合わず、風の噂では後に商社マンと結婚。三児の母になったと聞いたが……。
いや、それよりもなぜここに?
少なくとも俺が卒業するまで、一度も通学路でみた覚えはないんだが……。
「京ちゃん、今日は遅かったね。もう置いていこうかと思っちゃったよ」
「……あ、あぁ。ごめん」
「うそ、うそ。わたしが京ちゃん置いてく訳ないでしょ?」
そう言ってはにかむ真奈。
今日は遅かった? 置いてく?
それじゃまるで
あり得ない事態に先ほどまでとは、また別に混乱し始める俺。しかし、真奈はそんな事関係ないとばかりに俺の手を握って。
「ほら、京ちゃん。このままじゃ遅刻しちゃうよ? 早く行こっ!」
「えっ、ちょっ――!」
俺が混乱しているのもお構いなしに、真奈は俺を引っ張って楽しそうに駆け始める。俺もまた、そんな真奈に連れ去られるような形で通学するのだった。
学校に到着してからも大変だった。なにせ俺からすると、高校なんて最早二十年近く前の話だ。服の着替え方こそ身体が覚えていたから良かったものの、クラスのことなど覚えている訳がない。
運良く真奈が同じクラスだったから良かったものの、そうでなければ途方に暮れていたことだろう。
それに高校、というよりも全体的になにかおかしい。
まずクラスだが、男が、男子生徒が一人もいない。この高校は女子高では――というよりも女子高なら、かつての俺が通える訳がない――なかった筈だ。
それに教師も、だ。今日1日、誰一人として男性教師を見なかった。
さらにいえば通学路。
あの時は急いでいたこともあって気付かなかったが、誰一人として男性とすれ違わなかった。それどころか、すれ違ったのはすべて女性だった。
そんなこと、あり得るのだろうか?
今まで起きた不可思議なことで頭を悩ませていた俺の肩を、ゆさゆさ、と誰かが揺すってくる。
「んぁ……?」
「ねぇ、京ちゃん。この後、少し良い?」
そこには夕暮れ時だからか、少し頬が赤く見える真奈の姿――というよりも、教室には彼女以外の姿がなかった。
どうやら色々と考えすぎて、いつの間にか下校時間間際になっていたようだ。
そんな中で、彼女は俺のことをずっと待っていたのだろう。その事に申し訳なく思った俺は……。
「うん、良いよ」
彼女の願いを快諾する。
それを聞いて花開いた、満面の笑みを浮かべる真奈。そして彼女は――。
「それじゃ京ちゃん、こっち!」
「ちょっ、待てって――」
通学の時と同じように、俺の手を引いてどこかに連れていこうとする。
それに苦笑しながら、俺は自身のカバンを手に取ると、彼女へ着いていく。なんというか、かつてとはまた違う青春、のようなものを感じながら。
……もっとも、実際はそんな生易しいものではなかったのだが。
「……京ちゃん、ここ」
「ここ……?」
真奈に連れられてきた場所、それは屋上に続く階段の踊り場。この学校は屋上への出入りを禁止されていることから、実質的な学校で一番高い場所だった。
確かに、ここであれば生徒も、先生も滅多に訪れることはないから、内緒話にぴったりだった。
「それで、話ってのは――」
「ねぇ、京ちゃん。
俺の疑問を遮るように告げる真奈。
考えてくれた、とは一体……?
意味が分からなかった俺は、困惑して彼女へ問いかける。
「考えてくれたってのは……?」
しかし、俺の疑問に彼女は答えることなく――。
「……ふぅん、京ちゃん。そんなこと言ってしらばっくれるんだ」
先ほどまでとは違う、明確なまでの冷たい声。
そのことで知らず知らずのうちに、彼女の地雷を踏んだことを悟ったが、しかし――。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ! 本当に身に覚えがない――」
大体、朝から既に訳の分からないことばかり起こって、本当に身に覚えがないのだ。
だから、なんのことか教えてほしい。それが俺の望みだったのだが……。
「そんなこと……。やっぱり最初からこうしとけば良かったんだ」
しかし、俺の望みは叶えられることはなく。真奈は俺に飛びかかってくる。
突然のことで対処できなかった俺。そのまま、真奈は俺の首に両腕を回して抱きつくと――。
「……んむ、ちゅっ――」
「……んんっ!」
――俺と真奈の唇が触れる。キスをされたんだと気付くのに時間がかかった。
なんで、どうして!
高嶺の華であった筈の真奈とキスをしている。いや、そもそも今の俺と真奈は同じ女同士――。
あまりのことに混乱している俺。だが、直後。俺の混乱をさらに拍車をかける出来事が起きる。
歯や歯茎にざらりとした感覚。
真奈はただキスをするだけではなく、舌を俺の口へ入れてきたのだ。
思わず硬直する俺。そんな俺に気を良くしたのか、真奈はいつの間にか首から離していた右腕を俺のスカートの中に――。
「……ひぁっ! んむっ!」
ワレメを擦られた!
その事に驚いた俺は無意識のうちに矯声を、口を開いてしまった。
それを待ってました、とばかりに真奈の舌が俺の口の中へ――。
「んぶっ、じゅる……!」
「んんっ! あっ――!」
舌が歯茎の裏を、俺の舌を、歯を、あらゆる場所を蹂躙するように暴れてくる。
しかも、それだけではなく、真奈の人差し指と中指がこしゅ、こしゅ、とショーツ越しにワレメを擦ってくるのだから堪らなかった。
恐らく、今の俺の顔を鏡でみたら、男とはまた別の悦楽を感じている俺は顔を真っ赤にして眉を下げながら悩ましげな表情をしているのだろう。
その証拠、といってはなんだが。俺は無意識のうちに股間、おまんこからさらなる悦楽を引き出そうとして、腰をヘコヘコと情けなく動かしていたのだから。
そして、その行動がある意味、功を奏した。
真奈の指と俺の腰。互いが不規則に動いていたからこそ、俺にとって予想外の場所に真奈の爪が触れた。
――かりっ。
その瞬間、俺の頭の中で火花が散り、視界がまっしろに――。
「……ン、ンゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
――これが、絶頂した。ということなのだろう。そう、俺の頭の中にある冷静な部分が考えていた。
先ほど真奈の指が触れたのは、俺のワレメ。その頂点にある勃起。つまり――。
「う、ふふ……。そっか、京ちゃん気持ち良かったんだね?」
俺が絶頂したことに気付いた真奈は、その原因である勃起。クリトリスに指の腹を這わせると……。
「なら、もっとイッちゃえっ!」
くりくり、とショーツ越しに押し潰す。その暴力的な快感に俺は――。
「ま、まっ――! それっ、つよす――ぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
腰をがくがくと痙攣させ、先ほど以上に仰け反り白目を剥く。ワレメ、おまんこからはびゅっ、びゅっ、と潮を吹き、ショーツがびしょ濡れになって、最早下着としての機能を失っていた。
そして、いつの間にか真奈の拘束から解放されていた俺は床に倒れて痙攣を繰り返す。
「――――、――?」
真奈が、なにか言ってるような気がする。
でも、その言葉が聞き取れない。そのまま意識が……。
目の前の床で痙攣する少女、如月京香を見て真奈、宮部真奈は妖艶な笑みを浮かべていた。
ついに、ついに恋い焦がれていた少女と――無理やりとはいえ――肉体関係を結び、しかも己の手管で気をやらせたのだ。
まさしく感無量、というやつだった。
「……んっ」
自身のスカートを捲る真奈。その中に隠れていた膣もまた京香と同じように、しとどと愛液を垂れ流し、太ももにはショーツが吸収できなかった愛液が垂れていた。
「脱がなきゃ……」
完全に濡れぼそって今さらの話であるが、彼女は己のショーツを脱ぎ捨てる。
そして次に潰れたカエルのように大股を広げ、荒い息を吐いている京香の股ぐらに近づくと……。
「ふふっ、京ちゃんも脱ぎ脱ぎしようね」
優しく諭すように語りかけながら、彼女のショーツを脱がす。しかし、最後まで脱がすことはせず、敢えて足首にショーツを引っ掻けるような形にしていたが……。
「それと、これも、ね?」
そう言いながら今度は京香のスカートに手を掛ける真奈。彼女はスカートのホックを外すと、そちらはショーツと違い完全に脱がしてしまう。
そして彼女は、今まで隠されていた京香の膣口をまじまじと見る。
そこは先ほどまでと吐き出されていた京香の愛液で濡れ、しかも孔からは白く濁った液体が、彼女の本気汁が垂れてきていた。
それを見てにんまりと笑う真奈。
それは、真奈の愛撫で京香が感じていた動かぬ証拠であり――。
「嬉しい、やっぱり感じてくれてたんだね、京ちゃん」
――彼女の愛が、京香に届いていた確たる証拠なのだから。
その、真奈からするとあらゆる歴史的な絵画よりも素晴らしい、この世のすべてのものよりも美しい姿をみた彼女は、自身の膣からさらに愛液が分泌されているのを感じる。
こんな素晴らしいものを独占していることに優越感を感じている真奈。
しかし、いつまでもこのままというのも味気ない。何より、今、彼女の目の前には何者にも勝る甘露が垂れ流されているのだ。
それを放っておく、などという選択肢は彼女の中にはなかった。
真奈は京香の腰を掴むと、彼女をブリッジさせるように股ぐらを、膣口を己の目の前へ持ってくる。そして……。
「……いただきます。――じゅるるぅぅぅぅぅぅ!」
膣口に口付けると思いっきり愛液を吸い始めた。
「――んきゅぅぅぅぅぅぅ! …………っ! ま、なっ! なに、ちょっ……、やめ――!」
その衝撃で失神していた京香が目を覚ます。そして目を覚ますとともに暴力的な快楽に目を白黒させる京香。
かろうじて、その原因が真奈であることは理解できた彼女は制止の声をあげるが……。
「あっ、起きたんだ京ちゃん。なら、もっと気持ち良くしてあげるね」
京香の制止を聞くどころか、今度は膣口の中へ舌を入れる。
自身の膣口に生暖かいものが挿入された京香は半狂乱になって、真奈へ話しかける。
「ひぁっ――。やめ、まな、ほんと――! きゃぅぅぅぅぅぅっ!」
京香の膣口を真奈の舌がぐにぐにと蹂躙する。しかも、今度は彼女の鼻尖、鼻の頭がつんつん、と彼女のクリトリスを刺激する。
「んぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ――――! また、またイッちゃう――!」
腰をがくがく震わせながら、半ば悲鳴を上げる京香。
そんな彼女の声を聞いて目を細める真奈。そして彼女は……。
「ならイッちゃえ、京ちゃん」
膣口から舌を抜く真奈。しかし、それは責めをやめる、という意味ではなく――。
「……あ、む。ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
「――――――――っ!!」
クリトリスを咥えて、思いっきり吸う真奈。そんな暴挙を行った真奈に対して、京香は全身を壊れた人形のようにがくがくと震わせて、まるで射精したかのようにびゅるびゅる、と潮を撒き散らす。
それをもろに受けることになった真奈は頬を紅潮させ――。
「んっ、おいし……。ごちそうさま、京ちゃん」
陶酔したかのように京香に告げる。
もっとも、その京香自身は、再び完全に失神して全くといって良いほど聞こえていなかったが……。