※この作品はR-18です。

超昂運命 Beat/Grand Order   作:ゲーマーN

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Beat/Grand Order -Exceed the Grand Order-
第1章 第一特異点 A.D.1431 邪竜百年戦争 オルレアン 副題「竜の魔女」
第1節 百年戦争の地


第1章 第一特異点 A.D.1431 邪竜百年戦争 オルレアン 副題「竜の魔女」
第9話 百年戦争の地


【推奨BGM:Brave】超昂大戦より

 

「それでは、第一特異点の攻略に向けたブリーフィングを開始します」

 

 レイシフト用の特殊装備を身に着けたオルガマリーの宣言に職員一同は顔を引き締める。

 人理守護指定、焼却された人類史を取り戻すための奪還作戦。人理継続の尊命、冠位指定を果たすための第一歩をカルデアは踏み出そうとしている。

 それを理解している管制室にいる人員たちは、全員どこか緊張して張り詰めている様子だった。

 

「まずは……そうね。わたしたちのするべきことを改めて確認しましょう」

 

 所長の目配せを受け、彼女の後ろに控えていたロマンが前へ出てきた。

 

「一つ目は、特異点の調査及び修正。その時代に於ける人類の決定的なターニングポイント。キミたちはそれが何であるかを調査・解明して、これの修正をしなくてはならない。さもなければ2017年は訪れない。2016年のまま人類は破滅するだけだ」

 

「以上が第一の目的。これからの作戦の基本原則となります」

 

 特異点は過去と未来から独立しており、前後の辻褄を合わせる必要がない。通常の時間軸よりも安定したレイシフトが可能であり、どのように改変を行っても時間の復元力で影響はない。歴史改変の原因を取り除けば、やがて自然消滅することになる。

 本作戦は、人間を霊子化させて過去に送り込むレイシフトを行うことでこの特異点に介入、歴史の修復を行うのを基本原則とする。

 

「では、作戦の第二目的。それは『聖杯』の調査だ」

 

「聖杯……レフの持ち去った結晶体のことか」

 

「ええ、その通りです。推測の域を出ませんが、特異点の発生にはあの結晶体が関係しています」

 

 空中に特異点Fで目にした黄金の結晶体が投影される。

 

「恐らく、何らかの方法で手に入れた聖杯をあの男が悪用したのでしょうね」

 

「というか、聖杯でもなければ時間旅行とか歴史改変とか不可能だから。ホントに」

 

「時間跳躍(タイムトラベル)……先輩もしたんですよね?」

 

「俺の場合は、させてもらった、だな。創造神アマツの力を借りて……それでも片道切符だ」

 

「そこを考えると、人理焼却の黒幕は相当恐ろしい存在だね」

 

 未来世界では、タイムマシンを起動するためのエナジーを確保しようがなかった。そこでアマツ神は、自身の持つエナジーを供給する事で人類に協力した。元より神としては死にかけの状態だったとはいえ、正真正銘の神が力を使い果たすほどのエナジーが時空間移動には必要となる。

 にも拘らず、人理焼却の黒幕は七つの特異点を生み出した。尋常ではない所業だ。想像するだに恐ろしいほどの力を持つのは間違いない。

 

「なので、特異点を調査する上で必ず聖杯に関する情報も見つかるはずです。本物であれ、偽物であれ、それが『聖杯』と言われるだけの魔力を持っていることは変わりませんからね」

 

「歴史を正しいカタチに戻したところで、聖杯が残っていたら元の木阿弥だからね。キミたちは聖杯を回収するか、或いは破壊しなければならない」

 

「以上、二点がこの作戦の主目的です。……ここまではいいかしら?」

 

 大丈夫です、と特異点突入班の二人は頷く。

 

「……では、最後に一つだけ。特異点にレイシフトした後の行動に関してです。冬木の時と同じように霊脈を探し出し、召喚サークルを構築する必要があります」

 

「召喚サークルを……?」

 

「ええ。念話連絡程度はこのままでも問題ありませんが、補給物資などを転送するには、召喚サークルの確立が必要不可欠です」

 

「それに召喚サークルがあれば、新しいサーヴァントを召喚することもできる。恐らく、召喚されるのはその時代や場所に近しいサーヴァントが主になるだろう。そうやって戦力を強化していくわけだ。わかったかな?」

 

 特異点にレイシフトできるのは基本的にレイシフト適性を有したマスターのみである。カルデアで召喚したサーヴァントを連れて行くのも非常に難しく、原則としてレイシフト適性を持つ三人以外がレイシフトすることはできない。

 これはサーヴァントそのものがレイシフト適性が低く、特異点に外部から干渉する力を持たないが故である。

 

 但し、カルデアに待機しているサーヴァントを一時的に召喚することはできる。一時的にではあるが、サーヴァントを複数騎同時に運用できるため、数的な意味でも頼もしく、英霊それぞれの特色を活かした幅広い戦術の組み立てが可能なのがカルデア式の強みだ。

 尤も、一時的は一時的。常に彼らと行動を共にすることは不可能であり、同行戦力は特異点内部で確保する必要があるという欠点も存在する。

 

「……理解しました。何はなくとも、まずはベースキャンプを構築する。必要なのは安心できる場所、屋根のある建物、帰るべきホーム……ですよね、マスター?」

 

「ああ、頼りにしている」

 

「そ、そう言って頂けると、わたしも大変励みになります。サーヴァントとして依然未熟なわたしですが、どうかお任せください、頑張りますから!」

 

「キュー!」

 

「あの大人しくて、無口で、正直何を考えているか分からなかったマシュが立派になって……」

 

 後方保護者面するロマンにジト目を向けたオルガマリーは、はぁ、と大きな溜息を吐くと、共に特異点に突入する二人に視線を戻す。

 

「そこのお調子者は置いておくとして……二人共、休む暇もなくて悪いけど、わたしたちには余裕がないわ。早速レイシフトの準備をするけど、いいかしら?」

 

「もちろん。準備も覚悟もできている」

 

「はい、問題ありません」

 

「よろしい。前回とは違い、今回は三人分のコフィンを用意してあります」

 

 レイシフト中は「その時代に存在しない異物」ということで世界からの修正力の影響を常に受けており、確率でその存在を構築する概念が部分的に変質してしまうリスクを負っている。この変質は徐々に全体に及び、自己を保てないレベルまで及ぶと、『意味消失』という現象が発生する。

 『霊子筐体(クラインコフィン)』はレイシフトを安全に行うために用いる箱舟のようなものであり、修正力による転移先での意味消失を防ぐための機能を有している。

 

「いいかい? 向こうに着いたら、こちらは連絡しかできない。繰り返すけど、まずはベースキャンプになる霊脈を探すこと。レイシフト先の時代に対応してからやるべきことをやるんだぞ」

 

 他のスタッフと共に作業していたロマンがコフィンの中の三人に最終確認を行う。

 演算装置起動。精神測定完了。肉体測定完了。魂魄測定完了。搭乗者三名の肉体面・精神面共に問題はなく、多少の緊張が見られるのみ。

 後はレイシフトを実行に移すだけ。所長に作戦指揮を預けられたロマンが術式を起動する。

 

「では―――健闘を祈る!」

 

 鼓舞する声と共に、三人の疑似霊子転移(レイシフト)が開始した。

 

『アンサモンプログラム スタート。

 霊子変換を開始 します。

 レイシフト開始まで あと3、2、1……』

 

 霊子変換、疑似霊子化した三人の肉体(データ)を数値として特異点に出力する。

 

『全工程 完了(クリア)。

 グランドオーダー 実証を 開始 します』

 

 そうして三人が投射された第一特異点。その名は―― 

 

 ☆

 

 第一特異点                              人理定礎値:C+

 

 

 

A.D.1431 邪竜百年戦争 オルレアン

竜の魔女

 

 

 

 

 ☆

 

【推奨BGM:Strain】超昂大戦より

 

 ――レイシフト。

 

 疑似霊子転移、或いは疑似霊子変換投射とは、人間を疑似霊子(データ)化させて異なる時間軸、異なる位相に送り込み、これを証明する空間航法。時間跳躍(タイムトラベル)と並行世界移動のミックス。対象を霊子分解し、数値として時空帯に出力する。

 実行時には外部からの操作が不可欠であり、コフィン内部から操作することはできない。

 

 詳細は以下の通り。まずはレイシフトする者のステータス数値を測定、「○○という個体がどのような数値で成立しているか」の定義付けをする。

 定義付けが完了すれば、コフィンに魔術をかけることで『チャンバー』を形成する。これは、コフィンを魔術的に『シュレディンガーの猫』に仕立て上げることで、入った者の生命活動は観測できなくなる。

 

 霊子変換こそ最も危険なモノと言われるが、これはレイシフト対象を実際に分解している。同時に対象が消えることで起きる歴史や因果の狂いを計算、それを補正することで対象が生きていると世界に『誤認』させる。

 そして、一度霊子と化した対象を時空帯に投射、目標特異点にて肉体を再構築する。そのために必要な膨大な電力と魔力を用いてカルデア内のあらゆる演算装置を駆動させ続ける。

 

 霊子転移はレイシフト適性を持つ人間にしか行えない時の旅路。今現在、レイシフト適性を持つ存在はマスター適性者の二人。そして、本来の肉体を失い、接限力でその存在を維持するオルガマリーの三名のみ。

 霊子化した三人の肉体が特異点に再構築される。目を開けば、そこは西も東も見渡す限り緑の草原だった。すぐに全員が無事にレイシフトを終えたことが確認できた。

 

「……ふう。無事に転移できましたね、先輩」

 

「前回は意識を失ったからな」

 

《――マスター。マスター、起きてください。起きないと殺しますよ》

 

《!? 今、殺しますよ、とか言わなかったか!?》

 

《……言い間違えました。正しくは殺されますよ、でした》

 

 空間特異点F、冬木で意識を取り戻した直後の物騒極まりないモーニングコールを思い出す。

 この直後、数体のスケルトンに襲われた立香は反射的に迎え撃とうとして――その前に、体当たりするように勢いよく飛び出したマシュがスケルトンを蹂躙した。

 当時の立香は、超昂戦士の如き戦闘能力を発揮する彼女の勇姿に驚いたものである。

 

「本来はこれが正常なのよ。前回はあの男のせいで――」

 

「フィーウ! フォーウ、フォーウ!」

 

「キャア! な、なに!?」

 

 その時、沈鬱な表情をするオルガマリーの顔面に謎の白い影が飛びついた。突然、視界を遮られたことにオルガマリーが狼狽している間に白い影は背中側に回り込み、最終的に肩に落ち着くとその身体を彼女の顔に擦り寄せる。

 

「フォウさん!? また付いて来てしまったのですか!?」

 

「フォーウ……ンキュ、キャーウ……」

 

「フォウ? ……ああ、この子が報告に上がってた例の怪生物ね」

 

 薄く微笑みながらフォウの身体を撫でるオルガマリー。

 

「フォウもレイシフトできるのか……?」

 

「……そのようです。恐らくはわたしたちのコフィンに忍び込んだのでしょう。幸いなことに、フォウさんも身体状況に異常はないようです。わたしたちの何れかに紐付けされているのですから、わたしたちが帰還すれば自動的に帰還できます」

 

「そういうことなら問題ないか。フォウのためにも無事に帰らないとな」

 

「はい。わたしたちは運命共同体です」

 

 ピピッと機械音がする。

 気が付けば、フォウを肩に乗せたオルガマリーが調査用の携帯端末を操作していた。

 

「時間軸の座標を確認したわ。どうやら西暦1431年のようね」

 

「西暦1431年……百年戦争の真っ只中という訳ですね」

 

「ええ。けど、この時期は丁度戦争の休止期間だったはずよ」

 

「休止期間?」

 

「はい。百年戦争はその名の通り、百年間継続して戦争を行っていた訳ではありません」

 

 女性講師二人による歴史の授業を興味深げに聞いていた立香はふと空を見上げ――

 

「……………………は?」

 

 言葉を失った。

 

「捕らえられた騎士が金を払って釈放されるなど日常茶飯事だったそうで……先輩?」

 

「二人共、空を見てくれ」

 

「何が……え?」

 

「な…なによ、あれ」

 

 同じように空を見上げた二人も、そこに広がる光景を見て完全に停止した。

 

『よし、回線が繋がった! 画像は粗いけど映像も通るようになったぞ!

 ―――って、どうしたんだい三人とも? 揃って空を見上げちゃったりして』

 

「……ロマニ、映像を送るわ」

 

 どうにか声を絞り出したオルガマリーが携帯端末を操作する。

 彼らの目の前に広がる光景。特異点に来訪した三人を迎えた異常の正体が、三人の存在証明を行うカルデア管制室のモニターに表示される。

 

『これは――』

 

 それは、天に架かる光の帯だった。

 

『光の輪……いや、衛星軌道上に展開した何らかの魔術式か……? 何にせよ、とんでもない大きさだ。下手をすると北米大陸と同サイズか……?』

 

 北米大陸の面積は約2400万平方キロメートル。地球上の全陸地に於ける約16%を占める大陸と言えば、光帯の大きさが伝わるだろうか。

 前世、幾度となく人類と地球の危機を救った立香もこれほどの異常現象は見たことがない。地球全体に石化フィールドを広げようとした幻魔王の大権能ならば、あの光帯に匹敵する大災厄と言えるかもしれないが……。

 

「何れにせよ、1431年にこんな現象が起きたという記録はありません。あの光帯は、間違いなく未来消失に関係しています。ロマニ・アーキマン。光帯の解析はそちらで進めてください」

 

『了解です。それで、所長たちは……』

 

「現地の調査に専念します。……まずは霊脈を探すことからね」

 

「所長の仰る通りです。周囲の探索、現地民との接触、召喚サークルの設置……やるべきことは山ほどあります」

 

「……調査の基本は足、か。取り敢えず、情報収集のためにも人里を目指すところからかな」

 

 何はともあれ、この特異点が発生した原因を調査する必要がある。

 三人は、道なき道を歩み出した。その先に、何が待ち受けているかなど知る由もなく。

 

 ☆

 

「ストップ。二人共、止まりなさい」

 

「何があった?」

 

「確認……どうやらフランスの斥候部隊のようです」

 

 草原を進む三人は遂に第一現地民を発見した。

 フランス兵。正体を確認したマシュは、司令官である所長に指示を仰ぐ。

 

「所長、接触(コンタクト)を試みますか?」

 

「……そうね。二人は何時でも動けるように。彼らとの交渉はわたしが行います」

 

 休止中とはいえ、フランスはイングランドと戦争中。万一の際に用心するに越したことはない。

 すぐに動けるように警戒しつつ、三人はフランス兵の下に向かう。頻りに空を見る兵士たちは三人の接近に気付くことはなく、彼らが気付く頃には数メートルの距離まで詰めていた。

 注意散漫。戦時とは思えない兵士の様子に違和感を覚えつつ、オルガマリーは口を開いた。

 

「ボンジュール。ごきげんよう。わたしたちは旅の者ですが――」

 

「ひぃっ……!?」

 

 フランス兵の喉の奥から悲鳴が漏れる。また一つ、違和感を深めたオルガマリーは、軽い魅了魔術で兵士たちの警戒心を解しつつ、情報を聞き出すために言葉を続ける。

 

「貴方がたに危害を加えるつもりはありません。どうか、その武器を置いてはくれませんか?」

 

「敵では……ないのか……?」

 

『む。案外簡単に信用するね。魅了魔術が効いたのかな。それとも――』

 

「……戦う気力がないほどに疲弊している、か」

 

《ええ。けど、この時期は丁度戦争の休止期間だったはずよ》

 

 百年戦争は、フランス王国の王位継承及びイングランド王家がフランスに有する広大な領土をめぐり、フランス王国を治めるヴァロワ朝と、イングランド王国を治めるプランタジネット朝及びランカスター朝というフランス人王朝同士の戦争──内戦だ。

 1431年、フランス側のシャルル7世がイングランド側に付いたフィリップ3世と休戦条約を結んだ、というのが正常な歴史である。

 

(勿論、小さな小競り合いくらいはあったでしょうけど……その程度の小戦闘でフランスの精鋭が疲弊するとは考え難い。となれば、休止期間にあるはずの百年戦争が今も続いている……?)

 

 数秒の間に考えを纏めたオルガマリーは、その内容をフランス兵に尋ねることにした。

 

「シャルル王が休戦条約を結んだと風のうわさに聞いたのですが……」

 

 だが、彼らの返答は彼女の予想の斜め上を行くものだった。

 

「シャルル王? 知らんのか、アンタ。王なら死んだよ。魔女の炎に焼かれた」

 

「王が死んだ……? 魔女の炎に、ですって……?」

 

「ジャンヌ・ダルクだ。あの方は『竜の魔女』となって蘇ったんだ」

 

 ☆

 

 ジャンヌ・ダルク。百年戦争に於いて『オルレアンの乙女(ラ・ピュセル)』と呼ばれた救国の聖女。

 百年戦争後期、征服されかけたフランスを救うために17歳で立ち上がり、僅か一年でオルレアン奪回を果たすという奇跡とも呼べる快進撃を成し遂げるも捕縛され、異端審問官ピエール・コーションに魔女と貶められた果てに19歳で火刑に処せられた。

 フランス兵と行動を共にすることになった一行は、道すがら聖女ジャンヌの講義を行っていた。

 

「……彼女が投獄されてから火刑に至るまでの日々は、あまりにも惨い拷問と屈辱の日々だったそうです。イングランド側は彼女を聖人ではなく異端者として発表したかった。そのために、あらゆる責め苦で彼女自身の口から『私は主の声を聞いてはいない』と言わせたかった」

 

「――ですが、彼女は最期の最期まで心を折りませんでした。火に焼べられた時でさえ。無力な少女の想いが世界を変えた――その例で言うのならば、ジャンヌ・ダルクは最高級の英霊です」

 

 彼女の死後、名誉回復が行われ、四百年後には正式な聖人として認定された。悲劇的な結末を迎えたものの、僅か二年の間で行動し、フランスを救った彼女の名は人類史に刻まれた。

 

「おい、砦に着いたぞ」

 

 フランス兵の言葉。三人が視線を向けた先には、

 

「これは……酷い、ですね……」

 

『中がボロボロじゃないか……外壁はそこそこ無事だけど、砦とは呼べないぞ、これ』

 

「負傷兵ばかりだな」

 

「これも魔女の仕業だ」

 

 一行の言葉を聞きつけた兵士の一人が、恐怖と憤怒の入り交じる表情で告げる。

 

「俺はオルレアン包囲戦と式典に参加したからよく覚えている。髪や肌の色は異なるが、あれは紛れもなくかつての聖女様だ。イングランドに捕らえられ、火刑に処されたと聞いて俺たちは憤りに震えたものさ。だが、」

 

 少し間を置き、

 

「――彼女は蘇った。しかも、悪魔と取引して!」

 

「悪魔? それは一体……」

 

「……ッ! 来た! 奴らが来たぞ!」

 

 その時、マシュの疑問を掻き消すように喧騒の声が聞こえてきた。

 

【推奨BGM:危機】超昂閃忍ハルカより

 

『注意してくれ! 魔力反応がある! 少量の魔力による人体を用いた使い魔……骸骨兵(スケルトン)だ!』

 

「あれが、悪魔なの……?」

 

「いや違う。骸骨共だけなら俺たちにも対処できる。だが、骸骨共が来たということは……」

 

 フランス兵は遠くの空を見つめていた。目先の脅威ではなく他の何かを探すように。

 その視線を追うように三人が空を見上げると、遠くの方に大きな鳥が飛んでいるのが見えた。

 

『君たちの周囲に大型の生体反応! しかも、速い……!!』

 

「くそ、やっぱりだ! 来たぞ、迎え討て!」

 

「ほらほら立て立て! ドラゴンが来たぞ! 抵抗しなきゃ食われちまうぞ!!」

 

 ――否、それは鳥ではない。

 

「目視しました! あれは、まさか――」

 

「ワイバーン!?」

 

「まさか、幻魔なのか……!?」

 

 爬虫類を思わせる鱗に包まれた体。胴体から伸びた蛇のように長い首。

 四肢を持つ獣ならば前脚があるだろう場所に翼を持つ、幻想の獣。

 二足の竜。悪意と嫉妬を象徴するという、竜の亜種体の姿がそこにはあった。

 

「マシュはスケルトンの対処を!」

 

「了解です!」

 

「マリー、行けるか?」

 

「……ええ。まさか、初陣がワイバーンになるとは思ってもいなかったけど……」

 

 二人の少女が並び立つ。半英霊の少女が大地を駆け、もう一人の少女は大空に飛ぶ。

 

「ホーリーアムド……ヴァルキュリエ・アニムエル!」

 

【推奨BGM:Holy Armed!】超昂神騎エクシールより

 

 体の内から溢れ出る力。その奔流を受け入れ、心の内から湧き上がる言葉を叫ぶ。

 少女を包み込む莫大な魔力の光。それが晴れた時、そこには新たな戦士が立っていた。

 

「人々の希望を奪い、絶望を撒く魔の尖兵。もはや贖罪の刻は尽きました」

 

 ――――ばさりと。

 鳥のような大きな翼が羽ばたく。

 

「われ、神騎アニムエル!」

 

 少女は、軽やかに天へと舞い上がり、凛とした瞳で、ワイバーンたちを見据えた。

 

「罪に汚れし、その魂……星に代わって誅滅します!」




依代 :オルガマリー・アニムスフィア
真名 :神騎アニムエル
クラス:アンノウン(アルターエゴ)
出典 :『Fate/Grand Order』
属性 :秩序・善・星
容姿 :衣装の白黒が逆転した角のないUーオルガマリー

基本ステータス
筋力:E
耐久:E
敏捷:C
魔力:EX
幸運:C
宝具:A++

保有スキル
・陣地作成(EX)
・道具作成(C)
・天体魔術(A)
・地上神騎(A++)
・単独顕現(E-)

宝具
虚空には神ありき(アニマ・アニムスフィア)
ランク :A++
種別  :対軍宝具
レンジ :10~40
最大補足:500人
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