※この作品はR-18です。

誇り高き竜狩りの民であるボクたちが、つよつよ過ぎる雄様に角を折られてデカ乳ぷにあなに変えられてしまい肉輪躾けで大惨敗♡ 最高のマゾアクメヴォイスを、おおいに奏で尽くしちゃうヤツ   作:デイジー亭

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急遽始まる怪獣決戦……手に入れた、大団円へと続く鍵

『おお、やっと揃ったかのう? ……なんか部外者と思しき汝、何故裸なの? 妾を舐めておるのかや?』

 

「何だ貴様、我の一世一代の告白を邪魔しおって!」

 

「ぬぅっ! キャラが被っておるッ……!」

 

「落ち着け我が勇者ッ! 一人称と二人称が違うッ!」

 

「うむ、非常事態だな」

 

「りゅ、竜が何で集落にッ!?」

 

 佇む全裸。それに相対するは、取り巻く小山を超えて山脈が如き威容。赤く煌びやかに輝く鱗と、流暢なる人の言葉。竜どもを引き連れた古竜が、集落に攻め入ってきていた。いやコイツ、この状況でよくガンを着けられるな……明らかな大ピンチにもかかわらず、ボクの返事を聞けなかったことに滅茶苦茶キレ散らかしている。

 

『古き約定の履行が出来ぬゾマケーマを、滅ぼしに参った。一切合切残さずに、全てを灼き尽くしてくれよう』

 

「む? 何のことだ?」

 

「我が賢者よ、約定の内容って何じゃっけ」

 

「竜と戦うこと。それ以外にないよ」

 

『そう、それじゃ。汝らの祖が妾と結んだ、神聖なる盟約。ゾマケーマは我らと戦わなければならぬ』

 

 だが相手もそれに負けぬぐらいに怒っている……蒸気を鼻から噴き出して、問い詰める口から漏れるは紅く輝く焔。灼炎竜の白い焔よりも、見た目の温度は低く見えるが……わかる、比較にもならないほどにこちらの方が危険だ。離れているのに肌が灼ける、浄滅の焔がボクらに狙いを定めている。だが……疑問がある。

 

「えっ? ボクらの祖先は、神と約定を結んだんじゃ……!」

 

『永き時の果てに、失伝してしもうたかのう? それとも隠したか……知らぬならば、教えてやらねばなるまい』

 

「め、メモしないとっ! レリュー、紙とペンをっ!」

 

「お師匠様は、こんな時にもブレないですぅ……ちょっとは空気読んでくださぁい」

 

 口伝と違うのだ。神と結んだはずの契りは、竜との間に結ばれていたという信じがたい事実。知的好奇心の塊たる、補佐が眼鏡をすちゃりと掛ける。そして求めるは、筆記用具の類。どうやら記録するらしい……仕方なさそうに手渡すド鬼畜シスターは、声も出せぬ様子のガキどもを後ろに隠している。包囲から脱する自信が無かったのだろう、正しい判断である。

 

『始まりはそう、一人の生贄であった』

 

「生贄……? 益荒男ではなく?」

 

『違うのう、か弱い人の子であったが……そやつが妾に提案したのじゃ、至上の遊戯をのう』

 

「遊びだって!?」

 

『そう、永き生に飽いたこの身が飛びついてしまうほどに。魅力的なゲームじゃよ、末裔よ!』

 

 生贄……身代わりの羊。我らゾマケーマが容認し得ぬ、竜に捧げる供物が始まりだったと言うのか。興奮した竜の発する熱がさらに高まり、その体躯の下に敷いた青草が発火する。その威容に対して、無力な角も生えていない我らが祖先は、何を告げたというのか……予感はある、あるが信じたくはない。

 

『大した度胸じゃったよ、まさに勇者と言えようぞ! まさかまさか……生贄を捧げる代わりに、我が愛し子らと戦い妾の永劫の無聊を慰めようとは!』

 

「まさか、俺たちの角は……!」

 

()()よ! 詰まらぬじゃろう、やる気があるとは言え弱者を嬲るのは! 汝らは妾の力の欠片を以て、妾の末裔と戦っておったのじゃ!』

 

「なんだって……ボクたちは、竜の遊び道具だったっていうのか!?」

 

『道具ではない。遊び相手じゃよ……そして対等に遊べねば、ゲームとは言えぬ。妾が与えた角を奪い合う、闘争の交わり! 生贄などとは比べ物にならぬ、素晴らしい娯楽であった』

 

 祖先は嘘を伝えてはいなかった。コイツは……神だ。運命を支配して、盤上で踊る駒を弄び笑う邪悪なる神。すなわち、『神竜』。始まりにして、終わりを告げる者の高らかな笑い声が集落に響く。耳障りなそれに対して、耳を塞ぐことが出来ない。弱き我らに出来るのは、膝を折って屈することだけ。

 

「だが……貴様の自慢の竜どもも、命を散らしていたではないか!」

 

『当然じゃ、それが闘争じゃろう? 無益に永らえるより、楽しく遊んでくたばった方が幸せではないか』

 

「角を失うと雌に変わるのは、もしかして」

 

『面白いじゃろう? おやおぬし、片角が残っておるな……いかぬぞ、それは妾が定めた禁忌じゃ』

 

「なん、で」

 

『紅きこの身であるが、白黒はっきり付けるのが好みでのう! 強くあらねば弱くなれ、半端な物など要らぬのじゃよ!』

 

 ボクたちはおもちゃだった。神竜に与えられた力で強くなり、それを奪われると弱くなる。産まれてから死ぬまで、竜の手のひらの上で踊り狂い続けるからくり人形。

 

『そして全てが弱くなってしもうたから、継続は無理と判断したのじゃ。寂しくはあるが……ちゃんと片づけをするまでが、遊戯じゃろう?』

 

「そうしてまた、新たなゾマケーマを創るのか!」

 

『創るとも。妾こそが、神竜デアエクスドラゴ……全てを統べる、運命の支配者である』

 

「黙っていればべらべらと……よく聞けよ貴様」

 

『むぅ?』

 

「あっ♡」

 

 だがそこに、たった一つの異物が存在した。盤上に存在する、神が用意した駒以外の者。たった一人で立ち尽くしたソイツの不遜なるまなざしが神竜を貫いて、ついでとばかりにボクの身体を抱きすくめる。赤銅の肌から伝わる温もりは、怯え竦んだ心を解きほぐす。

 

「とってもキュートであろうがッ! 我の妻を侮辱するな、このトカゲ風情がッ!」

 

『と、トカゲ? ……被造物をどうしようが、妾の勝手じゃろう。そこを退くがいい、それとも……汝が、妾と遊ぼうと言うのか?』

 

「当たり前だ。我の妻だ、我が守らねばならぬ」

 

「き、君さ。自分だけ逃げようとか考えないの? きっと、君だけなら見逃してくれるよ」

 

「我は勇者だ。それに……貴様の居ない我が生に、何の価値が有ると言うのだ」

 

 そうして上げた高らかな雄たけびは、まごうこと無き宣戦布告。コイツは馬鹿だ、本当に馬鹿……馬鹿過ぎて、ボクらを見捨てるとか考えもしないのだろう。どんなに相手が強大でも何一つ諦めない、その姿こそが……本当の勇者。勇者とは、()気を以て戦う()の称号である。

 頭は冷ややかに考える、この状況では勝てる訳が無いと……だけど、けれでも。でも、しかし。もし、もし、コイツが勝てたならば。ボクを愛していると告げた、この雄が勝利の雄叫びを上げたならば。おなかの奥からこみ上げる、熱い物は……きっとボクをダメにしてしまう。

 

『ほほ、面白いのう! 角が有るところも好ましい……貴様はどの神に創られた末裔なのかのう!』

 

「鬼人の勇者、シュテン……我らが祖は、八俣(やまた)の竜と約定を結んだという」

 

『ほぉう、あやつか! 良いぞ良いぞ、同格じゃ! 楽しませてくりゃれ、愛しき我が遊び相手よ!』

 

『祖よ。マズは我ガ……盟友ギャラるホるンを討ッた手並み、確カメタく』

 

『良いぞ良いぞ、ダインスレヴ! まずは確かめるが良い、遊戯参加の資格をのう!』

 

 そしてオーガの祖もまた、竜であったらしい……事実を知っても驚いてなかったのは、アホだからではなく同じ宿命を背負っていたから。でもコイツ、竜と戦ったことあるのかな……オーガは亜人同士の戦を、クソほど好むと聞いたのだけれど。まぁその竜は穏健派だったのだろう、きっと被造物を見守る優しい神竜に違いない。あと勘違いしてるよ、君たち……あの竜はボクたちが狩ったんだけども。

 

「お前様、ちょいと待ってくりゃれっ!」

 

「む?」

 

「幾ら旦那様と言えど、武器が無くては無謀だゾ。褒めて?」

 

「よしよし、偉いぞシャルル。だが要らぬ」

 

「きゅぅん……」

 

 そして竜狩りには、獲物が必須……がらがらと荷車を引いてきた馬鹿犬が、誇らしげにデカ乳をだっぷんっ♡ する。その頭をなでなでして、ご褒美は上げるが手に取らない。コイツ、まさか素手で挑む気か……? 確かに武器を使ったところを見たことはないが、こん棒の一つぐらいは使えるだろうに。

 

『ナルホど、盟友の遺体に刻マレタ殴打痕……ヤハり、間違イナい!』

 

「いや、あれは俺のハンマー……」

 

「もう持てないでしょ」

 

「かなしい」

 

「ボクも弓を引けやしないし、お揃いだよ」

 

 だが納得されたらしい。竜って遺体の検分とかするんだ、初めて知った……あとボクの放った杭は、華麗にスルーされたらしい。まぁ打ち込まれて埋まってたし、あのデカい瞳じゃ見逃してもしょうがない。つらみを覚えている我が勇者を慰めつつ、大人しく戦の行方を見守ることにする。

 

「征くぞ、えーと……セメダインッ!」

 

『ダイんスレヴだッ!!』

 

「ぬぅっ!」

 

「うお、受け止めたッ!?」

 

「竜と力比べとか、ボクたちよく無事だよね……」

 

 豪快に名前を間違えつつ、真正面から殴り掛かるアホ丸出し。ちんぽすら隠さぬ雄々しい姿に、ムカつき竜爪が振り下ろされる……が、無事。呆れたことに竜の膂力に真向から対抗している。いやマジか、アイツ……力が強いとは思っていたが、ボクたちと接する時はマジで慎重に扱ってくれていたらしい。

 

『ごッ……バぁ゛ァ゛ァ゛ッ!!』

 

「うおアッツゥイッ!!」

 

「熱いで済むとは、頑丈じゃのう……」

 

「我が勇者、拙は思うんだけど生物としておかしい」

 

「さすが旦那様だゾ」

 

「神ですから、ご加護が自分にあるんですぅ多分」

 

 そして竜との戦闘には、やはり慣れていないらしい……受け止められた自らの腕ごと灼くドラゴンブレスに、悲鳴を上げて悶える馬鹿。ボクたちの場合、あれで終わっていたのは間違いないが元気……鈍いのは知ってたけど、オーガって火にも強いんだなぁ。やはり裸一貫で戦う種族は違うのだろう……先達賢者の見解では、やっぱりおかしいらしい。

 

「おのれ、勇者でなくば死んでいたところよっ!」

 

「俺なら死んでる」

 

「鬼人の勇者の基準、厳しすぎない?」

 

「だが我が熱い愛の滾りの前では、弱火に過ぎるぞトカゲッ! お返しだ、受け取れィッ!」

 

『ゴブぁ゛ッ!?』

 

『うお、ヤマタの奴め、張り切ったのう……妾のとは、出力が段違いではないか』

 

 そして返礼のアッパーカットが、竜の顎をカチ上げて……折れた牙どころか、重々しい身体ごと宙を舞って森へと帰っていく巨体。現実味を失わせるほどの、凄まじすぎる戦闘風景。ボクらよく、アイツと戦おうとしたな……手加減されてなかったら、ミンチにされていたのは確定的に明らかである。

 

「よし、次と行きたいところであるが……面倒だな、使うか」

 

「お? 呪印かや!?」

 

「発動……呪印大具足・【十拳(とっか)】ッ!!」

 

『うお、デッカいのうっ!』 

 

「「「「「かっこいいっ♡♡♡」」」」」

 

 次の竜に殴り掛かろうとしたオーガであるが、思い直したように肌に刻まれた黒い文様を煌めかせる……そして、ボクたちに使わなかった理由が分かった。どこかオリエンタルでメカニカルな装甲に包まれた、ボクらの心の奥底に残ったそれ。少年のハートを刺激する、鎧に包まれた勇ましき騎士が爆誕していた。白馬に乗っていないのは残念だが、がしゃがしゃ鳴る金属音すら滅茶苦茶にクール♡

 

【対人には向かぬからな、こういう時で無くば使いどころが無い】

 

「なるほど、拳が十個ではなく十倍の拳……!」

 

「何と戦うことを、想定してたんじゃろ」

 

「今まさに、役に立ってますぅ」

 

「こんなこともあろうかとって、呪術師たちがキメ顔してるのが目に浮かぶね」

 

 刻まれた効果は、恐らく決して多くはない。膂力の増大と、呪力を用いた装甲の具現化。そして何よりも……巨大化。2メルトル50サンチの長身が、もはや神竜と同じ大きさに。デカくて力が強ければそりゃあ強い、単純すぎる脳筋種族的な考えがモロに反映されていた。人を相手にしたら踏むだけで終わってしまうので、使いたがらないのも納得である。

 

【では参るぞ、妻どもを潰すわけにはいかんからあちらの方へ……うむ? 貴様ら、何故着いてこない】

 

『『『ぐ、グギャァ……』』』

 

『無茶を言うでないよ、ダインスレヴは、愛し子の中でほぼ上限。それを倒す汝がそのようになっては、怯えるのも無理はない』

 

【せっかく久しぶりに活用できると思ったのだが……】

 

『なぁに、使わせてやろうぞ。妾自ら、汝の相手をしてくれよう』

 

【そう来なくてはな!】

 

 どしん、どしんとボクらに気を使って森林破壊しつつ歩み去る鎧騎士。だがその背を追う竜は、一匹たりともありはせぬ。まぁ……気持ちはわかるよ、一撃で潰されるのは間違いないし。代わりに空を舞ったのは、それと同サイズの巨体。中天に輝く太陽が双つに増えたかのように、紅色の神竜が高度と光度を増して……示し合わせたようにそれぞれのファイティングポーズを取り、怪獣大決戦が今始まる。

 

『では小手調べと行こうかの……溶けてなくなれィッ! ――――――――――ッ!!!』

 

【何の、旋風回し受けッ!!】

 

「「「「「弾けて……ないッ!?」」」」」

 

『む、無茶苦茶頑丈じゃのう……結構自信が有ったのじゃが』

 

【レーザーはズルくはないか】

 

 大きく息を吸った神竜の口から吐き出されたのは息吹を超えて、一筋の光線に収れんされたドラゴンブレス。その輝きが、鎧騎士のブン回された拳に当たり……焔をかっこよく吹き散らそうとしていたのか、そのまま拳が旋回し続けて無防備になった胸板の装甲に直撃する。だがノーダメージ、ちょっと赤くなっただけである。

 

『汝も大概インチキじゃがな……では妾も、本気を出そうぞ!』

 

【むぅっ!?】

 

「森が、無くなっていく……!」

 

「なんて熱量だ、アレが当たればさすがの主様も!」

 

『クハハハハッ! この一帯ごと、焼滅させてくれるっ!』

 

 これでは幾ら撃とうとも、効果は無い……そう悟ったのか、神竜がその神たるゆえんを示す。その最も高貴なる輝き放つ両角の間に、真紅の球体が浮かびあがる。天高く舞い上がっているのにも関わらず、その竜体の下の木々が一瞬で蒸発して毎秒ごとに被害半径を拡げていく。それが解き放たれれば、言葉通り地上に焦熱地獄が現出するのは間違いない。

 

【タメが長い】

 

『んごぉ゛ッ!!』

 

「ああうん、そうだよね」

 

「敵前で動きを止めるのは、ちょっとナメ過ぎじゃよなぁ」

 

「実戦経験は無さそうだゾ」

 

「いい的ですぅ」

 

 まぁ、放てればの話である。対竜戦闘も対人戦闘も、一対一で大技などキメさせてもらえないのは世の道理である。強いのは強いのだろうが、舐めプの代償を支払わされる神竜。浮かべた球体の中心を、跳びあがった鎧騎士にあっさり拳で打ち貫かれる。両角の間で大爆発が起こり、爆圧で地面に凄まじい勢いで墜落。

 

『な、何がッ!? 何が有ったと言うのじゃぁっ!』

 

【もう少し高く飛んでおくべきであったな】

 

『わ、妾は神竜じゃぞっ!? 被造物如きに負けるはずがっ!』

 

【我らの祖も、同じことを言っていたな】

 

『えっ』

 

「あっ……ボクわかっちゃった」

 

「必要じゃったんじゃなぁ、アレ」

 

 そして地に堕ちて汚れた鱗をバタつかせる、神竜の角がむんずと掴まれる……始めて味わう敗北の予感に、怯えるその身が鎧騎士の一言で止まる。

 

『ま、まさか汝。ヤマタを……!』

 

【うむ、集落の総意と協力により、勇者たる我が駆除した】

 

『ひ、ひぃぃぃッ! ゆ、ゆるしてっ! もう悪いことせぬからぁっ!』

 

「勇者っていうか、鬼人の歴史に残る大英雄では?」

 

「鬼人の集落、今頃大騒ぎだよね多分」

 

 悪いことしてる自覚はあったんだ……思わず遠い目をしてしまうほどに、あのオーガの経歴はヤバかった。神殺しを成し遂げた英雄が、集落を出奔して自由きままに旅をするな。多分アイツ、誰にも告げずに出てきたに違い無い。ボクらは助かったけど、あの神竜マジで後悔してるだろうな。そこらへんをほっつき歩いてていい身分じゃないぞ。

 

【ふむ? 本当に反省しているか?】 

 

『し、しておるしておるっ! 殺さないでッ!!』

 

「アレがボクたちを創ったかと思うと、幻滅しちゃうなぁ」

 

「貴重な造物主のドゲザシーン……」

 

「器用じゃな」

 

 怪獣大決戦は、裁きの場に早変わりした。竜の骨格では無理がある姿勢を、なんとか取って許し乞いする神竜。多分アレ、ボクらの生活も覗き見してて覚えたに違いない。だが鎧騎士の手つきに容赦はなく、地に身体を擦りつけたままの神竜をしっぽを掴んで引きずってくる。

 

【ケルマ。無事で何より】

 

「う、うん。君のおかげだよ……その。ボクは、お礼をしなきゃいけないと。思うんだけど……」

 

【要らぬ。当然のことをしたまでだ】

 

「そ、そう。そっかぁ……♡」

 

 熱い、あついあついあつすぎる。おなかの奥が煮えたぎるよう。コイツ、今ならボクに何を求めても断れないのに。望めば何だって、受け入れてしまうのに。それぐらいの偉業を成し遂げたのに、代価の一つも求めない。それは欲しくないから? 違う……ボクのことが欲しすぎて、釣り合わないと思っちゃってるんだ。神殺しよりも価値が高いって、ボクのことを評価しちゃってるぅ……♡

 

【我が祖は我らの同胞をエサにしていたので、駆除する他無かったが……人肉は食わぬのだろう? 貴様にチャンスを与えよう】

 

『わ、妾なんでもするのじゃぁっ!』

 

【だ、そうだが……どうする? ケルマ】

 

「えっ、ボク?」

 

【プレゼントだ、好きにするがいい】

 

『た、たしゅけてぇ……!』

 

 だが頭に急遽、冷や水を掛けられた気分。身をちぢこませた巨体は、せめてものコイツの誠意なのだろう……でもこんなデカいプレゼント要るか、貰って困る贈り物ランキングナンバーワンである。だが、ふと思いついたことがある。ボクたちを創り出した、神竜ならばもしかしたら。試してみる価値はある、駄目ならば始末させればいい。どのみちボクに損はない、一つ一つ確認していこう。

 

「ね、君さ。人のカタチになれたりする?」

 

『な、なれるのじゃぁっ!』

 

「なってみて」

 

『わかったのじゃ……むんっ!』

 

「おお、我が勇者そっくり♡」

 

「もしかして、儂らのモデルはこやつ自身なのかのう?」

 

 まずは見上げていると首が痛いので、最初に確認すべきはこれ。ぽんっとコミカルな音と共に、その雄大なる体躯が煙に包まれて……うん、巫女頭は血が濃かったんだな。そう納得させる、紅髪灼眼。違いはそそり勃つ両の角と縦に裂けた瞳孔ぐらいな、デカ乳で低身長なぷにあな雌がそこにオドオドと立っていた。

 

「こ、これで良いかのう?」

 

「拙は大満足だよ、まさに我が世の春ッ!」

 

「滅茶苦茶喜んでおる……儂、どう反応していいのやら」

 

「君たちには聞いてないよ。さ、君も戻って?」

 

【うむ】

 

 従順な態度を崩さぬ姿に、新たなギャップ萌えを見出してはしゃぐ補佐。それを見て複雑な表情を見せる巫女頭であるが、構っている暇などはない。続いて鎧騎士が見なれたオーガに戻り、ようやく落ち着いて話が出来る。馬鹿とハサミと造物主は使いよう、後はどのぐらいこちらのニーズに答えられるかだ。

 

「君、その姿からは変われるの? 例えば、ボクの姿に変わるとか」

 

「「断固反対ッ!!」」

 

「で、出来ぬのじゃあ。人と竜を行き来は出来るが……それぞれの姿は、魂のカタチにて定まるのじゃ。そう粘土細工のようにはいかぬ」

 

「チッ」

 

「ヒエッ」

 

「「良かった……」」

 

 どうやら、期待外れのようだ。思ったより万能ではない、使えないトカゲである。あと外野がうるさい……巫女頭に対して相棒を超えた情欲を抱く補佐が騒ぐのは分かるが、何故我が勇者までもが強硬に意義を唱えるのか。苛立ちに任せて舌打ちすると、怯えるさますらも憎らしい。だがまぁ、まだ結論を出すには早いしオナホぐらいには使えるだろう。

 

「じゃあ、外見以外は? ボクらの祖に角を与えたようなことは、その子孫のボクらにも出来るのかな」

 

「それは出来るのじゃ。そ、その折れた角を戻してほしいのかのう?」

 

「……ッ!!」

 

「余計なことを喋らないでもらっていいかな? 聞かれたことだけに答えなよ……場所を変えようか」

 

「わ、わかったのじゃあ……ひゃぁうっ♡」

 

 よし……狙い通り。それが出来るのであれば、全くもって問題ない。とても素晴らしいトカゲであるが、余計な口を叩くのは頂けない。デカ乳掴んで黙らせながら、強制連行と行こう。じっくり聞かねばならないし、反抗する気配もない。部屋の外にオーガを待機させておけば、一切の心配なく尋問出来るだろう。

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