※この作品はR-18です。

煉獄家の嫁   作:平安調美人


原作:鬼滅の刃
タグ:R-18 性転換 人妻 NTR 剃毛 現パロ 煉炭♀ 槇炭♀ 千炭♀
地元のパン屋の看板娘である竈門炭子は、キメツ学園高等部教師である煉獄杏寿郎と結婚するが、仕事に忙しく、夫婦生活を送っていない……。


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これは日本一やさしい鬼退治とは全く関係ない世界の話である。

登場人物紹介

炭治郎♀(炭子)…杏寿郎の妻。22歳。大学卒業後に杏寿郎と結婚したが、すれ違いが基で欲求不満になってしまう。

杏寿郎…キメツ学園歴史教師。32歳。炭治郎がキメツ学園初等部で知り合い、高等部卒業後に婚約。大学卒業を待って結婚。仕事に忙しく、夫婦生活を送っていないのが悩み。

槇寿郎…杏寿郎と千寿郎の父。63歳。妻の瑠火は20年前にガンで亡くなっている。妻一筋だったが、杏寿郎が炭治郎を紹介した時に一目惚れ。秘かに炭治郎を抱きたいと思っている。

千寿郎…杏寿郎の弟。大学生。21歳。炭治郎に想いを寄せる。


煉獄家の嫁

「父さん、母さん。長い間お世話になりました」

 

春の空気に包まれながら、炭子は両親に別れの挨拶をした。

 

竈門炭子は、竈門ベーカリーの長女で、太陽のようにあたたかくて笑顔が眩しい看板娘である。

 

彼女が嫁ぐ相手は煉獄杏寿郎で、幼い頃からの友達である。竈門家と煉獄家は家族ぐるみでつきあっているご近所同士である。物心がついた時から実の兄妹のようにつきあっていたが、互いに異性を意識したのは7年前のことだった。この時の炭子は高校1年生、杏寿郎は私立キメツ学園高等部の歴史教師。その年の差は10歳。杏寿郎は教師の立場上、炭子に手を出していなかったが、高等部を卒業後に婚約した。

 

「お父さん、炭子さんを私にください!」

 

炭子との結婚の許可を得るために杏寿郎が頭を下げると、炭子の父炭十郎が、

 

「改まって頭を下げることはないよ、杏寿郎君。君には12年前に炭子を助けてくれた恩がある」

 

それは12年前、男に車で連れ去られそうになった炭子を杏寿郎は親友と協力して助けたことだった。

 

「炭子は『お母さんが事故で入院しているから、病院まで送ってあげよう』という嘘を信じてついてしまった。その時の妻が4人目の子を妊娠していたから、炭子はすっかり騙されたのだな」

「あの時は無我夢中でした」

「こんな不束かな娘だが、よろしく頼みます」

 

4年後、炭子が大学を卒業したと同時に結婚した。

 

それから実家の店番を手伝いながら、炭子は煉獄家の嫁として支えている。

 

朝早く起き、杏寿郎の弟千寿郎と共に朝食と弁当を作り、剣道場を清掃してから実家の手伝いをこなし、夕方近くになると買い物を済ませ、夕食の断取りをしてから、風呂の清掃、お湯張りを行なう。義父である槇寿郎にお酒とおつまみを用意してから、夫の帰りを待つ。

 

性生活は週に一度。土曜日の夜に一通りを済ませてから、杏寿郎は先に眠る。

 

炭子は夫が寝静まった時に自慰をしてから眠りにつく。子供の頃から杏寿郎を知っているが、未だに子供扱いされている感覚から抜け出されていない。高等部時代で恋人同士でつきあっていたにも関わらず、口づけから先には進んでいなかった。確かに教師と生徒の恋愛は禁じられている。

 

かつて生徒を妊娠させた教師が懲戒免職を受けた事例が他校で起きたことを受け、生徒とのメール交換やSNSでのやり取りは禁じられていることもあって、律儀な杏寿郎は炭子の在学中に手を出さなかった。

 

初めて肌を重ねたのは、炭子が大学に入学してからのことだった。夜景が見えるホテルのレストランでディナーをし、そのまま客室に向かってから肌を重ねた。

 

彼女が3人抱えている親友から女の抱き方を学んだ杏寿郎は自信がないが、炭子を労りながら抱いた。

 

炭子も炭子で杏寿郎からの愛情を受け止めるように努力した。が、脳まで蕩けるような感情も快樂を得られないまま、結婚してしまった。

 

煉獄家の当主である槇寿郎は、仏壇の前に座り、線香を上げてから鈴を鳴らした。

 

瑠火、今日も何事もなく過ごせたよー。

 

仏壇には亡き妻の瑠火の写真が飾られている。

 

4人家族だった煉獄家は、20年前に妻の瑠火を胃ガンで亡くして以来、住み込みの家政婦が身の回りの世話をしている。

 

近所からも何かと世話になっているが、特にパン屋を営んでいる竈門家とは家族ぐるみでつきあっている。

 

4年前、杏寿郎が炭子を将来の結婚相手として連れてきた時、槇寿郎は驚いた。

 

幼稚園時にパン屋の手伝いを始めた炭子がこんなに大きくなったものだ―。

 

赤みがかった黒髪に大きな赤い瞳、額に炎のような傷痕を忘れさせてくれる屈折のない笑顔。時折見せる憂いを帯びた表情がたまらなく、できれば息子の目を盗んで、この少女をものにしたいという欲望が湧いてきた。

 

妻を亡くして以来、新しい妻を作ることはしなかった。杏寿郎も千寿郎も母が恋しいだろうが、新しく迎える妻が杏寿郎と千寿郎も愛するとは限らないし、妻と過ごした思い出も汚したくない。

 

時々、妻に似た女優が出演する人妻系のAVをこっそり見ては自分の肉棒を扱いたこともあるが。

 

杏寿郎が結婚したい女性がいると連れてきた。それが杏寿郎の幼なじみで教え子だった炭子である。家族ぐるみでつきあっているパン屋の看板娘。

 

慎寿郎は真面目な顔で、

 

「炭子さん、つまらないことを訊くが、子供ができたから結婚をするわけではないでしょうね?」

「お父さん、それは…ありませんけど…」

「そうか、一教師が教え子に妊娠させるといった破廉恥なこと、杏寿郎はしなかったのだな」

 

豪快に笑いながら、いつするのだと訊くと、杏寿郎は炭子が大学を卒業してからと答えた。

 

そして4年後に杏寿郎と炭子が結婚して、現在に至る。

 

「ただいま」

 

玄関から炭子の声が耳に届いた槇寿郎が駆けつけると、炭子が両手で紙袋を抱えてきた。

 

「お帰り、炭子さん」

「お義父さん、実家からさつまいもをいただきました」

「そうか。杏寿郎が喜ぶな」

「はい。夕食にさつまいもごはんを作っておきます」

「トキ」

 

槇寿郎が住み込みの家政婦のトキを呼ぶと、

 

「はい、ただいま」

「夕食の仕度をしてくれ。炭子さんがさつまいもを持ってきてくれた。今夜は杏寿郎の好物のさつまいもごはんだ」

「では、おかずは秋刀魚の塩焼きに大根おろしを添えておきますね」

「ああ、頼む」

 

午後7時すぎ、杏寿郎が帰宅してきた。

 

「おかえりなさい、杏寿郎さん」

「ただいま、炭子。今夜はやけに嬉しそうだが?」

「今日の夕食は、さつまいもごはんに秋刀魚の塩焼きです」

「うむ、さつまいもか」

「あははは、また杏寿郎さんの『わっしょい!』が聞けますね」

 

杏寿郎が好物のさつまいもを食べる際に「わっしょい!」、美味しいものを食べる際に「うまい!」と連発する。それは今日生きてきたことに感謝する言葉だと炭子はこう捉えていた。

 

夕食を終え、杏寿郎が父と晩酌を楽しんでいる時、

 

「杏寿郎、炭子さんとの結婚生活はどうなんだ?」

 

思わず咳き込んだ。

 

「父上、俺は毎日が幸せです」

「そうか」

「古めかしいことですまないが、一日早く孫の顔を見せてほしいと思っている」

「父上…」

 

杏寿郎は顔を曇らせた。ここ最近、教師としての仕事で毎日神経を擦り減らしていて、炭子との結婚生活に支障がきたしている。

 

「お前が教師としての勤めなければという気持ちはわかっている。その気持ちをこじらせて、間違った方向へ踏み外すことだけはしないでくれ」

「父上…」

 

ある土曜日の夜のことだった。

下半身を合わせるだけのセックスルーティンを終えた後で杏寿郎が先に眠り、炭子が自慰をしてから眠る。

 

その日は眠るにも眠れない炭子がベッドからこっそり抜け出して浴室に入る。

 

髪を結い上げ、両手でボディソープを泡立ててから裸体に乗せる。

 

この両手が杏寿郎の大きな手だったらと思うだけでも乳首がピンと勃って、子宮が収縮してしまう。

 

左手で円を描くように左の乳房を揉みながら、右手で股間を当てる。

 

「あぁ…」

 

杏寿郎に弄られるのを妄想しながら、人差し指で陰核、中指と薬指で腟口を挿入してから描き回す。クチュクチュと音を立てながら甘い声を出す。

 

「あ…あ…はぁ…」

 

同じ頃、トイレを済ませた槇寿郎が浴室を通り過ぎようとした。

 

「あぁ…杏寿郎さん…」

 

浴室から洩れる女の嬌声が耳に届き、足音を立てずに入口まで近づいてからそっと耳を当てる。

 

あれは―!?

 

扉をそっと開けると、自慰をしている炭子が目に入る。

 

「イく、イく、イく、イく!」

 

体を強張りながら炭子が絶頂を迎えたその姿に慎寿郎は衝撃を受けた。体中の血液が陰茎に向けていき、これまでにない固さになっていく。バンと扉を開き、炭子を押し倒す。

 

「お義父さん、何をなさるのですか!?」

 

炭子が狼狽して槇寿郎を払い除けようとするが、男の力に敵うわけがなく、なすがままにされ、股間に怒張した肉棒を捩じ込まれた。

 

ことが終わると、炭子は酷いと言いながら大粒の涙を流した。

 

夜が開け、一家揃って朝食を済ませ、杏寿郎と千寿郎兄弟が外出した後で、

 

「トキさん、これから炭子さんと話し合いがあるので」

「わかりました。では…」

 

トキがお辞儀をしてからその場を去ると、

 

「すまなかった、炭子さん」

 

槇寿郎が炭子に土下座する。夜中に目を覚まして用を足した後とはいえ、浴室で炭子を犯した事実は変わりはなく、ただひたすら謝罪するだけだった。

 

「お義父さんは、お義父さんは悪くありません」

「何故なんだ?」

「元はと言えば、杏寿郎さんが私をかまってくれないのが…」

「炭子さん、杏寿郎との仲がいいのでは?」

「確かに杏寿郎さんは私を大切にしてくれています。ただ…」

「ただ?」

「子供扱いというのか、妹扱いというのか、とにかく物足りないのです!」

 

炭子は肩を落としながら泣く。家族ぐるみでつきあっているため、杏寿郎への気持ちはわかると槇寿郎が炭子の肩を抱く。

 

「炭子さん、俺がしてあげられるのはこれだけしかないが…」

 

背後から抱きしめ、胸に手を入れる。炭子は抵抗をしない。

 

許してくれ、瑠火―。

 

炭子が顔を上げると、慎寿郎は唇を重ねながらそのまま押し倒した。

 

杏寿郎と千寿郎兄弟が巨大ディスカウントストアで買い物を済ませてから、フードコートで昼食を摂っている。

 

「千寿郎、就職活動の準備をしているようだが?」

 

11歳下の弟、千寿郎は大学3年生。世間的に言えば就職活動の準備をする頃になる。ただでなくても学業やアルバイトで忙しいのに、就職活動で目当ての会社に内定を取る人生など、千寿郎ができるはずがないと杏寿郎は心配していると伝えると、千寿郎はまだ決まっていないと答えた。

 

「焦らなくてもいい。何処に就職しようが、どんな職業に就こうが、千寿郎は千寿郎なりの道を歩めば、俺はそれでいい」

「兄上」

「ところで、千寿郎。つまらないことを訊くが、誰か好きな子はいるのかな?」

 

千寿郎は飲みかけたカプチーノを吹き出しそうになった。まさか兄から彼女のことで訊かれるなんて思わなかったのだから。

 

「あ、兄上。何を今さら!?」

「ハハハハハ。お前に恋人の一人や二人いてもおかしくないと思っていたが、愚問だったようだな」

「ところで兄上。炭子さん、否、義姉上と結婚して、今は幸せですか?」

「幸せだ。今までもそうだが、これからもそうだ」

 

◇◇◇◇◇◇

 

「あっ…」

 

炭子は槇寿郎に抱かれている。舌と舌が絡み合い、互いの唾液が混じる音が仏間に響く。

 

お義父さんから欲情の匂いがする―。

 

生まれつき嗅覚が鋭い炭子は、人間の感情を匂いで感知することができる。欲情を纏ったその匂いは、クチナシの花のように甘い。その匂いを嗅ぐと、炭子の理性が保てなくなる。

 

そういえば、杏寿郎さんも同じ匂いがー。

 

初めて杏寿郎と肌を重ねた時を思い出した。杏寿郎の体から放つクチナシの花のような甘い匂いに頭がクラクラして、気がついたら子宮に熱い迸りが注がれていた。

 

その甘い匂いが脳内に届いたその時、炭子はあの頃を思い出しながら、槇寿郎に身を委ねる。

 

槇寿郎も炭子の若い肉体を味わうとは思わなかった。4年前、杏寿郎が結婚したい人がいると紹介してくれたのが、近所のパン屋の看板娘の炭子であった。

 

炭子さんがこんなに大きくなったとは―。

 

妻を亡くしていてから間もない頃に、竈門家が引っ越してきて以来のつきあいである。その竈門家の長女で看板娘として店に貢献している炭子が大人になっていることから、時間の流れを実感した。

 

赤みがかった黒髪に大きな瞳、愛くるしい笑顔はそのままだが、たわわに実った果物のような胸、肉感的な肢体に槇寿郎は長年我慢を続けたものが蘇ってきた。

 

できれば息子の目を盗んでこの少女の肉体を味わいたいー。

 

妻の瑠火が胃ガンでこの世を去って以来、新しい妻を娶ることなく過ごしてきた。妻を裏切って新しい女に手を出すことなど槇寿郎はできなかった。

 

杏寿郎と炭子が結婚してさぞや仲が良いのだろうと解釈して、槇寿郎は欲情を封印し続けた。

 

夜中に浴室で自慰をしている炭子を見て、無理矢理押し倒して、股間に怒張した肉棒を挿入し、射精した。

 

そして、朝を迎えて炭子がこれまでの不満を告白した。いつまで経っても子供扱いをされて、自分から誘っても「疲れたから」とか「明日の仕事に差し支えるから」と言われる始末だった。話し合いの結果、なんとか週に一度の頻度で夫婦生活は保てられるようになったが、これでは満足できないと、性行為した後で自慰をするしかなかったと。

 

槇寿郎は彼女を労っていく成り行きで、彼女の唇を重ねた。

 

炭子は杏寿郎しか男を知らない体だったために、槇寿郎からの愛撫に戸惑いながらでも、反応していることに気づいた。

 

杏寿郎さん、許して―。

 

心の中で杏寿郎に謝罪しつつ、槇寿郎に体を委ねた。

 

「あぁ…あぁ…」

 

槇寿郎の匂いと手慣れた愛撫によって、炭子の理性が壊れつつある。乳首が勃起し、陰核の皮が捲り上げられ、蜜壺から愛液が溢れ出している。

 

「お義父さん…」

「ここでは槇寿郎で言いなさい…」

 

槇寿郎の肉棒がギンギンと熱り立ち、炭子の蜜壺に挿入すると、炭子の口から喘ぎ声が溢れ、槇寿郎がそのまま腰を前後に動かす。

 

「あ…あ…あ…」

 

理性が外れた者同士が体位を変えながら求め合う。

 

槇寿郎の腰の動きと炭子の子宮の締まりが一致すると、互いの意識がプッツリと切れ、子宮に精液が注がれる。しばらくして、槇寿郎は炭子から体を放すと、

 

「槇寿郎さん…」

 

恍惚な表情を浮かんだ炭子の顔をやさしく撫でる。

 

「気持ちよかったか?」

「はい…」

 

◇◇◇◇◇◇

 

帰り道、千寿郎は俯きながら物思いにふけている。

 

言えないー。

義姉上が好きだなんて死んでも言えないー。

 

千寿郎にとって炭子は初恋の人である。物心がついた頃から一緒に遊んでいた仲だったが、10歳前後になって友達と共に遊んでいくうちに疎遠になってしまった。

 

炭子に異性を意識したのは6年前のことだった。太陽みたいに笑う彼女の顔を浮かびながら肉棒を扱くと、日頃のモヤモヤが解消する気分になる。できれば彼女を自分のものにしたいという欲望が頭を占めてしまい、一時は勉強が疎かになってしまった。

 

勉強に支障をきたすなら、炭子への想いを封印した方がいいと千寿郎は我慢を続けた。

 

1週間後ー。

 

千寿郎が友達と外食して帰ってきた時に、浴室へ向かうと、聞き覚えのある男女の声が耳に届いた。

 

「あ…あそこを剃っちゃったら杏寿郎さんにバレてしまう…」

「自分で剃ったと誤魔化せればいいじゃないか…」

 

千寿郎が浴室の扉をそっと覗くと、鏡の前で炭子が両足を広げて慎寿郎に身を委ねている様子が目に映った。広げられた股間にカミソリが当てられ、ボディソープの泡と共に陰毛が剃られていく。

 

「は…恥ずかしい…」

 

鏡に写った炭子の女陰は、花弁のように美しく、なおかつザクロのように肉感的である。

 

千寿郎が腰を抜かしながらその場を去り、自室で自分の肉棒を扱いた。

 

精液がついた右手を見ながら、千寿郎は罪悪感と嫌悪感を抱いた。全ては想いを寄せていた炭子が兄杏寿郎と結婚したせいだと。

 

心が清らかで誰にもやさしい炭子の存在は、太陽のように眩しいけど遠い。そんな炭子を父・槇寿郎によって穢されたと思うと、千寿郎は腸が煮えくり返った。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「炭子ちゃん」

 

実家の店を手伝っている炭子に近所の肉屋の主人が声をかけた。

 

「いらっしゃいませ」

「最近、色男の旦那さんとどう?特に夜は…?」

「ま、まぁ…」

 

炭子が変な顔を作りながらその場を誤魔化そうとする。客が面白がって炭子を近づくと、

 

「あんた!まぁた炭子ちゃんを困らすようなことを言って…」

 

肉屋の妻がやってきて、夫の襟を掴む。

 

「いやいや、これはほんの挨拶で…」

「こんなとこで油を売ってないで、店へ帰った帰った!」

「いててて、そんなに乱暴に扱うなよ」

「ごめんなさいね、炭子ちゃん」

 

一部の客からのセクハラは慣れているが、肉屋の主人から言われたことに心が揺れる。

 

「喧嘩するほど仲がいいか…」

 

炭子が一人で呟くと、

 

「炭子、石窯ピザを焼くのを手伝ってくれないか?」

 

父炭十郎の声で我に返り、厨房へと向かった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

数時間後ー。

 

「ただいま」

 

炭子が帰宅すると、

 

「おかえりなさい、義姉上」

「あれ?千寿郎君、今日はバイトなのでは?」

「シフトが交代してくれたので」

 

炭子が靴を棚に仕舞い、部屋履きを履く。靴を仕舞い込む際にしゃがんだ肉感的な臀部、部屋履きを履く際に上げた足に千寿郎は下半身に神経が集まり、勃起したことを自覚した。

 

このまま背後から義姉上を襲ってみたいー。

 

千寿郎が炭子の背後に回り、そのまま抱き締めようとしたその時、

 

「おかえりなさい、炭子さん」

 

トキがやってきたために未遂に終わった。

 

夕食後ー。

 

「義姉上」

 

千寿郎が食器の片付けをしている炭子に声をかける。

 

「何ですか、千寿郎君?」

「食器洗いが終わったら、僕の部屋に来てくれませんか?」

 

炭子がキョトンとした後で「わかりました」と答えた。

 

「珍しいな、千寿郎自ら炭子に相談したいことがあって」

 

杏寿郎が珍しそうな目をしながら芋焼酎のお湯割りを飲むと、

 

「確かに珍しいことだな…」

 

槇寿郎も釣られて芋焼酎のお湯割りを口にしつつ、

 

まさか―!?

 

「父上、何か心当たりでも?」

「否…」

 

◇◇◇◇◇◇

 

千寿郎から言われてから30分後、炭子が千寿郎の部屋を訪ねたその時、背後から羽交い締めにされた。

 

「何するの!?」

 

乱暴に服を脱がされ、露わになった乳房が揉まれる。

 

「いやぁ、千寿郎君」

「ずっと前からこうしたかった」

 

炭子をベッドに押し倒して覆い被せると、千寿郎が暴れる炭子の唇を無理矢理抉じ開けるように唇を重ねる。

 

「むぅ、うぅ…」

 

しばらくして口を放すと、炭子の白い首筋に唇を当てる。

 

「千寿郎君、あなた、正気なのですか!?」

「父上と関係を結んでいる貴女に言われたくないですね」

「どうして知っているの!?」

 

千寿郎は炭子の体を乱暴に愛撫しながら、夜中に起きたことを話した。

 

「その時僕は、貴女を想いながら自分のものを扱いた」

 

千寿郎がファスナーを下ろして、炭子に自らの肉棒を差し出す。

 

「しゃぶって」

 

炭子は首を横に振ると、千寿郎がカッとなって、

 

「父上はよくて、僕は嫌だというのか!?」

 

自分の肉棒を炭子の口を押し込む。潜った声を上げながら、炭子はしゃぶり始める。

 

「ふぅ…」

 

トイレで用を足した杏寿郎が千寿郎の部屋を通り過ぎようとした時に、

 

「しゃぶって」

「嫌です!」

「父上はよくて、僕は嫌だというのか!?」

 

千寿郎と炭子の声が聞こえてきて、杏寿郎が戸を開ける。千寿郎に覆い被せられ、口に肉棒を押し込められた炭子の姿を目撃した杏寿郎は、千寿郎を炭子から放して、左頬を打つ。

 

「大丈夫か、炭子?!」

 

杏寿郎が炭子を抱き上げると、炭子から平手打ちを喰らった。

 

仏間に槇寿郎、杏寿郎、千寿郎の3人の男が炭子と向かい合うように座っている。

 

炭子は乱れた服を直してから正座をすると、

 

「杏寿郎さん。貴方は何のために私と結婚したのですか?」

 

杏寿郎は言葉に詰まった。杏寿郎にとって炭子は妹のような存在だった。屈折のない笑顔を守りたいと意識するようになったのは、16年前に誘拐犯から彼女を助けた出来事からだった。

 

親友(今はキメツ学園美術教師)の宇髄天元と共に学校から帰る途中に防犯ブザーが耳に届いた。最初は子供がふざけて防犯ブザーを鳴らしていたと思った。が、防犯ブザーが鳴っている近くで少女が車に乗り込まれそうとなっているのを目撃した杏寿郎が持っていた木刀で俊足に男を撃退し、少女が地面に落とされそうになったところを天元が助けた。

 

失神した男を放置して車が走り去ると、天元が携帯電話でナンバーを撮っていたために、後日警察から車の所有者と少女を連れ去ろうとした男を誘拐未遂現行犯として逮捕したと連絡が入り、感謝状が贈られた。その少女こそ当時小学1年生の炭子だった。

 

父のもとで稽古をしたおかげだった。今は衰退したが煉獄家は戦国時代から武蔵国の城主に仕える武士の家系だった。明治維新による士農工商が廃止され、廃刀令によって刀を持つことが禁じられた。ほとんどの元武士が武士の魂というべき刀を持てないことに絶望して自殺する中、煉獄家は生き残るために剣術師や警察官にならざるを得なかった。

 

槇寿郎は剣術師で剣道場主だったが、少子化の影響と騒音問題によって、道場を郊外のテナントに移して運営している。

 

杏寿郎が教師になっているのは、父の後を継ぐための繋ぎだったと告白した。

 

炭子が杏寿郎と結婚したのは煉獄家のためなのかと問うと、杏寿郎は違うと返した。

 

「そう。所詮は元武士と元炭焼とは結ばれてはいけないというわけですね?」

 

炭子が結婚指輪を外して、宅台に置く。

 

「私、荷物を纏めて、実家に帰らせていただきます。短い間でしたが、お世話になりました」

 

炭子が仏間を去ろうとしたその時、

 

「「炭子さん!!」」

 

槇寿郎と千寿郎が声を出して、

 

「「すまなかった」」

 

「お義父さんと千寿郎君が土下座をなさっても私の決意は変わりません。私は『杏兄ちゃんが好き』なのに、どうして煉獄家にこだわるのですか?」

 

炭子は障子を締めた。

 

槇寿郎と千寿郎は杏寿郎に謝罪した。

 

槇寿郎は浴室で自慰をしていた炭子に欲情して犯してしまったことを、千寿郎は父との関係をネタにして炭子に肉体関係を迫ったことを。この親子が共通しているのは、炭子に想いを寄せていることだった。

 

杏寿郎は愕然した。母一筋の父と恋人の影が見えない弟を虜にしてしまう炭子の魅力に自分は何故気づかなったのか。

 

確かに彼女を独り占めしたい。いざ結婚して、独占するあまりに彼女の心が離れてしまうのが怖かったと告白すると、

 

「馬鹿者!」

 

槇寿郎から平手打ちを喰わされた。

 

「たった一人の[[rb:妻 > おんな]]を守れずに、それでも煉獄家の男か!?煉獄家の男は妻一筋が多い。かく言う俺もそうだ」

「父上、炭子との関係は?」

「何を言ってる!?確かに炭子さんは魅力的だが、生涯愛しているのはお前たちの母だけだ。炭子さんを愛しているなら誠意を見せろ」

 

◇◇◇◇◇◇

 

炭子が自分の荷物をキャリーバッグに詰めている最中、杏寿郎の机の写真に目に入る。小学時代の自分が高校時代の杏寿郎の頬にキスする写真。

 

それは誘拐犯から助けてくれたお礼としてキスをした時に撮られたものだった。

 

「今のは?」

「たすけてくれたおれい」

「あ、ありがとう」

「わたし、おおきくなったらきょうにいちゃんのおよめさんになる!」

 

この出来事が杏寿郎と自分との縁を強く結びつけた―。

 

その縁を自分から断ち切ってしまう―。

 

炭子は写真立てを抱き締めながら涙を流す。

 

「杏兄ちゃん…杏兄ちゃん…」

 

物心がついた時から仲よしだったのに、どうしてすれ違ったのかと思うと涙が止まらない。

 

「炭子…」

 

背後から抱き締められる。寂しさの匂いが鼻孔を擽る。

 

「杏寿郎さん…」

「今まで君を寂しくさせたことには謝罪する。これまで忙しかったのは、この家から独立するための物件を探していた。教師としての報酬が低い割には仕事が多すぎてなかなか君と同伴できる余裕がなかった。君から求めていた時は嬉しかったが、それも余裕がなかった」

「…寂しかった。理性が壊れてしまいそうな愛がなくて私は寂しかった…」

 

炭子が目を瞑ると、杏寿郎は唇を重ね、そのまま押し倒す。

 

「むぅ…うふぅ…」

 

舌と舌が絡み合い、互いの唾液を交換する。クチナシの花のような甘い匂いが杏寿郎の体から溢れ出し、炭子の鼻孔を燻る。

 

甘い匂いに酔いしれながら2人は体を重ねながら朝を迎えた。

 

◇◇◇◇◇◇

 

1年半後ー。

 

近くの賃貸アパートに新居を構え、新しい生活を始めた杏寿郎と炭子に、新しい家族が加わる。

 

産婦人科病院の分娩室で力んでいる炭子と励ます杏寿郎の姿があった。陣痛の頻度が短くなり、分娩室ヘ運ばれてから6時間が過ぎ、朝日が昇ってきた時に、炭子の胎内から赤子が元気な産声を上げながら生まれた。

 

半日後、煉獄家で槇寿郎と炭十郎が日本酒を飲み交わしていると、杏寿郎からline通話が届いた。

 

『父上、お義父さん。新しい家族ができました。元気な男の子です』

 

スマートフォンの向こうでは、すやすやと眠る息子の姿が映し出される。

 

「父親似ですね」

 

炭十郎が一言を述べると、槇寿郎はそうだなと応えた。

 

「杏寿郎、名前は決まったか?」

『既に決まっています。桃の花が咲いた季節に因んで、『桃寿郎』です』

「桃寿郎か。良い名前だ」

『ありがとうございます』

 

雨降って地固まるー。

 

これから杏寿郎と炭子は生まれたばかりの息子と共に新しい家族生活を送ることになる。

 

そして、大学を卒業し、銀行に働くようになった千寿郎は、住み込みの家政婦のトキの孫娘のふくと交際し始め、結婚したのはそれから5年後のことだった。

 

終

 


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