「え、何? どういうこと?」
戸惑うウルザに対して、大人の状態にまで自分を成長させたアルフレートは、涼やかな流し目を送りつつ答える。
「君が悪いんだ、ウルザ。その美しさが、僕の中の夜の獣を目覚めさせた……闇の紳士を自認する僕も、君を前にしては風雅の衣を脱ぎ捨てて、一頭の浅ましき雄に堕ちざるを得ない」
「えーっと」
ウルザが返事に迷っていると、アルフレートはさっと髪をかき上げた。
「僕は悦楽の海の深層にまで連れて行かれ、そこで溺れるほどの至福に浸ることができた。しかし君という美しい人魚に導かれるまま舵を取っただけの男が、果たして海の男として認められるだろうか」
「あー、つまり、やられっぱなしじゃいられないってこと?」
ウルザの視線は、ついついアルフレートの股間に行く。
アルフレートの男根は、さっきまでの角度を維持したまま、長さも太さも大きく成長していた。
当然のように皮は完全に剥けていて、傘も大きく張り出している。
ウルザは凶悪さを露わにしたアルフレートの怒張に、ごくりと唾を飲んだ。
「羽ばたけども未だ飛び立つこと叶わぬ雛鳥が、大空を見上げて悔しさに嘴を鳴らす様を君は笑うかい? しかし僕の卑小なる自尊心を別にしても、君がその女神のごとき肉体に秘めた愛の悦びの欲求を享受していないのが僕の幼さ故だとしたら、それを放っておけるほど自分勝手でもない」
ウルザはアルフレートの言っていることを理解するのに五秒ほど要した。
「つまり、攻める側にまわって、私をイかせたいのね。いいわ、来て」
ソファの上で身体の力を抜き、手を差し出すウルザ。
アルフレートはその手をとって、手の甲に音を立ててキスした後、ウルザの体に覆い被さる。
体格差が逆転し、自分よりも大柄な男に組み敷かれることに、ウルザは心臓が高鳴るのを自覚した。
二人の唇が触れる寸前、ウルザは両手を頭の上に組んで言った。
「一つアドバイスをあげる。私は、優しくて可愛いアルフレートはもう堪能したわ。だから今からは、激しくて乱暴なアルフレートでお願い」
「その言葉、僕の中の獣を縛っていた最後の鎖を断ち切ったことを思い知らせてあげよう」
瞳を欲望に光らせながら、アルフレートはウルザの唇にキスする。
すぐさま舌を差し込むと、彼女の口の中を蹂躙し始めた。
「ちゅっ、んんっ、ちゅ……ちゅくっ……ん、んんんっ……!」
ウルザは苦しげに眉を潜めたが、抵抗はせず、されるがままだった。
少年態だった時より長く、肉厚の舌は、ウルザの舌にからみつき、歯の裏をくすぐり、頬の内側をなぞっていく。
うめき声の中に次第に甘いものが混じり始め、ウルザは、自分とアルフレート、二人分の唾液を素直に飲んだ。
アルフレートは唇から離れ、今度は形の良いあごにキス。
さらに下がって首筋にキスする。
「あんっ、うふふっ……んんっ……あっ、あっ」
何度も首筋にキスされて、くすぐったそうにウルザは身をよじった。
アルフレートは片手でウルザの両腕を頭の上でまとめて掴んで動きを封じており、もう片方の手は胸を撫でまわしている。
吸血鬼の嗜好なのか、アルフレートは血を吸いこそしないものの、首筋に執着した。
息を荒げながら、いくつものキスマークをつけたり、甘噛みしたりする。
ようやく首から口を話すと、今度は鎖骨にキスする。
そこからさらにさがって、乳房を口に含んだ。
片方の胸を口で、もう片方を手で愛撫する。
大きくなったアルフレートの手のひらは、ウルザの弾力のある乳房を掴むのにちょうど良い大きさになっている。
こね回し、押しつぶし、その柔らかさを指の一本一本で確かめるような手つきだ。
「んあっ、あっ、あっ、胸、気持ちいいっ……!」
さきほどのまでのキスの嵐で充分に高まっていたウルザは、胸へと与えられる快感に背をのけぞらせる。
かたくなった乳首を舌先と指先でこね回されて、たまらない感覚に何度もよがり声をあげた。
愛撫というにはやや乱暴な扱いを受けているというのに、ウルザの白い肌が紅潮するほどに感じている。
若い乳房を存分に堪能してから、アルフレートの唇は、さらに下へ下へと道を進む。
唾液の後をうっすらと腹筋が浮き出る腹に残し、ヘソを一舐めしてから、ついに秘所へと辿り着いた。
アルフレートはウルザのしなやかに伸びる両足を抱え込むと、彼女の股間に顔をうずめる。
「濡れているんだね、ウルザ。僕のキスが気に入って貰えたのは僥倖だ」
「うん……身体中にキスされるの、好きよ」
うっとりとした声色で、ウルザは応えた。
キスしてる間は、若い吸血鬼特有の珍妙な長広舌を聞かなくて済むのも良い、とは言わないでおいた。
アルフレートは、ウルザの太ももの感触を手と頬で楽しみながら、割れ目に舌を伸ばし、クンニを始める。
「んあっ、あっ……ん、そこぉ……あっ、そこ、いいっ……んあっ、あっ、あああっ!」
アルフレートの舌が動くたびに、ウルザは悦びの声をあげる。
手でアルフレートの頭を押さえて、自分の股間に押し付けるようにし、さらに太ももで顔を挟んだ。
少女のクリトリスを、大陰唇を舌と唇で存分に弄ぶアルフレート。
たまに太ももにキスをして焦らすと、ウルザは怒ったように顔を挟む太ももに力を入れてきて、その感触も楽しい。
「さて、そろそろ次の段階に行こうか」
ウルザの反応がどんどん強くなってきたのを見て、アルフレートは一度身体を離した。
どうせウルザを絶頂に導くならば、口よりも男根でしたいと思った。
「あん、早く、早く来て……!」
おあずけされた形のウルザは、泣きそうにも見える切ない顔でアルフレートを誘う。
恥ずかしげもなく大股を開き、両手を差し出すその姿に、アルフレートの肉棒は一層張り詰めた。
「ああ、僕も我慢の限界だよ」
そういうなり、アルフレートは怒張の先端をウルザの割れ目へとあてがう。
ウルザは自ら腰を動かして位置を微調整するが、その動きが男を誘うようでなまめかしい。
「んっ……んうううっ……! あっ、大きい……!」
ついに挿入が始まり、ウルザが苦し気な声をあげた。
余裕と知識があるように見えて、実際にはウルザはさっきまで処女だった。
普段から激しい運動をしているのと、相手の少年態アルフレートの肉棒が子供サイズだったことから、破瓜の痛みを感じなかったのだ。
しかし今のアルフレートのペニスは大きさも形状も標準以上。
それが十四歳の少女の膣をこじ開けて進んでいくのである。
「ウ、ウルザ……すごい締め付けだ……! き、君は大丈夫かい?」
「心配、しないで……慣れてきた……! はぁ、はぁ……」
額に汗を浮かべているウルザだったが、アルフレートは腰の前進を中断することはできなかった。
まだ全長の半分が侵入しているだけだというのに、熱く湿った肉ひだの包み込み、締め付ける感触が想像以上だ。
はやく一番奥までたどりつきたい、根本まで差し込んでもっともっとこの快楽を味わいたいという、凶暴なまでの性欲に抗えない。
「ああっ、あっ……そんな深くまで……っ! 届くんだ……! んううっ! あっ、い、一番奥に当たって……!」
「くぅっ! ウルザ……! 凄い……凄く気持いいよ……!」
ウルザ背を弓なりに反らし、アルフレートは感極まった声をあげる。
亀頭が膣の一番奥に辿り着いたのだ。
さっきまでの性交ではここまで届かなかった。二人は未知の感覚に、同時に身体を震わせている。
「はぁ……はぁ……つ、貫かれてる感が凄い……」
息を整え、ウルザは自分の下腹部を見ながら言った。
こんな場所まで男のモノを受け入れているのかと思うと、不思議な感覚だった。
「ウルザ、動く、よ!」
一方アルフレートは、現状を冷静に観察している余裕など無い。
荒れ狂う本能に身を任せて、腰をいったん引いて、すぐに打ち付ける。
「きゃあんっ!」
身体の奥に強い衝撃を感じ、ウルザは目を見開いて悲鳴をあげる。
しかしアルフレートは止まらない。
ウルザの腰を両手で掴むと、激しいピストン運動を始める。
「あっ!? あっ、あっ……! は、激し……んああああっ!!」
ガクガクと身体を揺さぶられながら嬌声をあげるウルザ。
一拍遅れて二つの乳房も上下に動き、そのアルフレートを視覚的にも興奮させる。
さっきまで散々自分を翻弄した年上の婚約者が、今は立場を逆転させて溺れるように喘いでいる。
その事実が、アルフレートの心を燃えるように煽った。
「ウルザ、ウルザ、好きだ! 愛してる! ずっと一緒に居たい!」
感極まったアルフレートが、叫ぶように言った。
「あっ、私も愛してる……!」
言葉で愛を確かめ合うと、より一層の悦楽が身体中に駆け巡るようだった。
快楽の水位が急速に上昇して、二人はほとんど同時に激しい絶頂に達した。
「あっ、あっ、ああっ、ふあああああーっ!」
「ウルザっ! 一番奥に、出すよ!」
膣内射精の感覚に、ウルザは手足を突っ張らせて快感に震えた。
数秒の硬直のあと、がくりと脱力して、荒い息を整えるように目を閉じる。
アルフレートはそんなウルザの身体を抱きしめ、頬や首筋に軽いキスをしながら、射精の余韻に浸っていた。
やがて、ウルザは恥ずかしそうに何度か瞬きした後、言った。
「ちょっと悔しいなあ。さっきまで童貞だった男の子にイかされちゃった」
その言葉に、アルフレートはほっとした表情になり、そして満足げに笑った。
「君を僕と同じ悦楽の深淵に導けたのかい? 僕は身体と心の二つの喜びで満たされているよ」
「でも……」
「でも?」
急に逆接の言葉が飛び出してきて、アルフレートは真顔になる。
ウルザはその表情の変化にくすりと笑うと、誘うような目つきで続けた。
「もっと気持ちよくしてほしいなあ」
そう言ってウインクするウルザに、アルフレートはすかさず飛びかかった。
◆ ◆ ◆
それから二人は、何度も何度も濃厚な性の交わりを続けた。
時にはウルザの身体をひっくり返して、動物の様に背後から挿入した。
アルフレートがウルザのうなじや背中にしつこいほどキスを繰り返し、手を前に回して胸を揉みしだき、膣道の一番深い場所をグリグリと怒張の先端でえぐるように攻めると、ウルザはソファに唾液をこぼしながら激しくよがった。
また時には、座って向かい合った状態で抱き合い、性器が繋がったまま濃厚なキスで唾液交換を繰り返した。
ピストン運動ではなく、お互い小刻みに腰を動かす交わりでも、二人は深い満足感と悦びを得た。
また時には、壁に向かって手をつかせたウルザに背後から激しく腰を打ちつかせる、まるで無理矢理犯しているようなセックスも行った。
ウルザの足が床を離れるほど強烈な勢いの挿入をされているというのに、ウルザは潮を吹いて絶頂した。
一体どれほど時間が経ったのか、何回絶頂し、何回射精したのか、もうわからなくなった頃、アルフレートは、はっと我に返った。
自分のさっきまでの言動の記憶が、黒歴史となって襲いかかり、思わず床を転げ回りたくなるが、今はそれどころではない。
目の前に、ぐしょぐしょに濡れたソファにぐったりと座るウルザの裸体。
白くきめ細やかな肌のあちこちにキスマークや歯型があり、見るも無惨な状態だ。
股間の秘裂からはとめどなく濃厚な白濁液が溢れ出して、少女がどれだけ激しく執拗な凌辱を受けたか物語っている。
「あわわわ僕はなんてことを……」
頭を抱えていると、ホラー映画のようにいきなりウルザが跳ね起き、アルフレートに掴みかかると、ソファに引き倒した。
まるで相手に組み付いてマットに引き倒し、寝技に持ち込む格闘家のごとき動きだ。
上下入れ替わってマウントポジションをとったウルザは、一度髪をかきあげて言った。
「ルーお母さんが、ティアお母さんをお父さんに引き合わせた理由、知ってる?」
「え、知らないけど」
「私も同じ決断をしなきゃいけないのか、それともアルフレートを独占できるのか。せっかくだからそれを確かめるの」
そして一度深い口づけをしてから挑発的な目つきで言った。
「ラウンド3よ」
アルフレートのプロポーズ 終わり
余談1
アルフレートはその後、自分の身長がウルザより少し高くなる外見年齢で固定するようになった。
実年齢より少々年上に見えるが、魔力の高い者が自分の外見年齢を操作するのはさほど珍しくもないので、貴族学園で奇異に思う者はいない。
なお、なぜそうしたかについてウルザが尋ねると、
「だってウル姉、僕が身長低いと、攻め手にまわって際限が無いから、身体が持たないんだよ」
母親と同じようなこと言うアルフレートだった。
余談2
コトがあった翌日から、ウルザはこれまで以上に熱心に剣術を練習するようになった。
額に汗を浮かべながら素振りや型の練習をし、それが終わるとアースやメットーラ相手の稽古を繰り返すウルザに、アルフレートは問うた。
「なんでそんなに特訓してるの?」
「え? そりゃ、キアービットさんを撃退できるようにしておかないとね? 私、結構独占欲あるから」
キアービットがアンにトラインとの婚約を相談するのはこの少し後の出来事である。
「異世界のんびり農家」は子供世代の話が好きなんですが、原作では最近、あんまり子供世代の話をやってくれなくて寂しかったので書きました。