※この作品はR-18です。

Re:ゼロから始める異世界性活(仮)   作:萎える伸える

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えろなし


『純愛レムりん』

◆◇◆

 

 

 コンビニから出ると、そこは古い古民家が集う見覚えのない村でした。

 

「え、何が、ここどこ──」

 

「──貴様何奴ッ! 者共取り押さえろッ‼」

 

「うぇっ、おいっちょっとまッ」

 

「問答無用ッ!」

 

「ガッッッ」

 

 手加減はしてくれたのだろうか。 

 

 降り抜かれた刀は鞘に収まっていたようでざっくばらんに斬り刻まれることはなかった。

 

 だが、首を強打された俺は強烈な衝撃に意識を飛ばした。

 

 気絶する間際、俺は見た。

 

 突然襲ってきた彼らには、人とは思えぬ『角』が生えていたことを。

 

 

◆◇◆

 

 

 言葉は日本語。

 だが、どう考えてもここは日本じゃなかった。

 俺はなんて不運なのだろう。

 

 突然の転移。まさかこれが流行りの異世界転移というやつだろうか。

 

 だとしたら俺を召還した美少女はどこ。

 俺はなんで呼ばれたんだ。

 

 俺は何もわからぬまま虜囚として日々を過ごした。

 

 ……飯は上手かった。

 

 

 

 

 

 しばらくして、ここへ薄い青髪の目隠れショートボブの超絶美少女が宛がわれた。

 

「……レムです」

 

「貴様にはこやつと行為をして子を成してもらう。当然貴様に拒否権はない。いいな」

 

 俺を閉じ込めている老人は言った。

 

「……え?」

 

 今なんて言った?

 

 拝啓、故郷のお父さんお母さん。

 

 今日、愚息は大人になるみたいです。

 

 

 

 

 

 密室に二人。何も起きないはずはなく……と言いたいところだが、実際どうもできなかった。

 

 いや、いきなり美少女と二人っきりとか正直キツイっす。

 

「えっと、レムちゃんだっけ? これってどういうことか説明してもらえたり……」

 

「………」

 

「えぇっと……」

 

 だんまりである。どうしたものか。

 

 その時、

 

 ぐぅ~

 

 と、可愛らしい音が鳴った。

 

「──っ」

 

「! お腹空いてるのか? なら、これ食えよ。すっげぇ美味いから!」

 

 彼女は顔を赤く染めて目を逸らした。

 

 俺がいつも食べている食事を差し出すと、

 

「……それ、美味しかったですか?」

 

「ん? ああ! もう大大大好きだぜ! これのおかげで今の状況で元気保ててるまである! 俺が元気なのはこのあったかい食事のおかげと言っても断じて過言じゃない!」

 

「──ふふ、大袈裟ですよ」

 

「笑った?」

 

 微笑む彼女はとても眩く、やはり美少女であるのだと再認識した。

 

 

 

 

 

「私、出来損ないなんです」

 

「え? そりゃなんでまた……」

 

「男の人見ると、怖くて身が竦んじゃうんです。どうしてもそういうことに耐えられなくて……だから、子供が作れなくて、里のみんなに見放されました」

 

「そりゃ、子孫繁栄は大事だけど、無理にやることじゃねぇだろ? いやまぁこっちの世界だとそれが常識なのかもしれねぇけど、でもっ!」

 

「優しいんですね。でも、事実です。レムは臆病者の役立たずです。両親も私には期待していません」

 

「………」

 

 嘆く彼女に、自分が何かできることはあるかと思案するが思い浮かばない。

 

 そもそも自分が知ってるのはこの部屋の中だけだと言っていいほど、情報がないのだから。

 

 でも、それでも、暗い顔をする彼女に何かしてあげたいと思った。

 

 

 

 

 

「種付けをしとらんようだな」

 

「……ああ」

 

 族長が俺に話しかける。

 

「死にたいのか? やらぬなら死ね。それが嫌なら言う通りにしろ。貴様は儂の言うことを大人しく聞いておればよいのだ。それとも、何か? あんな醜女じゃ勃たないか?」

 

「──お前今なんつった!? あんな美少女この世のどこを探したっていやしねぇよ! 目ん玉腐ってんのか、このハゲ!」

 

 つい、感情的になって言ってしまった。

 

 やばい。殺される。

 

「ふん。威勢がいいの。なら何故しない。あ奴は不出来な子じゃ。鬼族にとって子を成さない女は必要ない。貴様がせんのならば追放する他ない」

 

「んなっ! そんなの滅茶苦茶だろうが!」

 

「貴様の意見など聞いとりゃせん。それが仕来りじゃ。そもそも、あ奴は追放だが、──貴様は処分であることを忘れるなよ」

 

「──ッ」

 

 何も言えない。逆らえない。だって力がないから。

 

 しょうがない。

 

 俺には何もできない。

 

 

 

 日々は過ぎていく。

 

 

 

「──それでな、うちの母親ってばグリンピース記念日とか言って山盛りのグリンピース作ってさ」

 

「ふふ、なんですかそれ」

 

 いろんな話をした。

 

「──俺ってば結構芸が細かいからさ、こんなこともできちまうのさ」

 

「ほわぁ、すごいですね。これは猫、ですか?」

 

「この集落にはいないのか?」

 

「いませんね。家畜ならいるんですが……」

 

 たくさん話をした。

 

「やっぱりレムりんの食事は美味しいなぁ! ぜひ毎日みそ汁を作って欲しいッ!」

 

「そんなに褒めてもなにも出ませんよ。明日は具沢山のおみそ汁を作りますね」

 

「やだこの子ちょろい! でも嬉しいから止めない!」

 

「あと、レムりんってなんですか?」

 

「仲良くなれるおまじないみたいなもんだよ、レムりん?」

 

「へぇ、そうなんですね」

 

 話を……。

 

「──スバルくん」

 

 初めて、名前を呼ばれた。

 

「あ、ああ、どうした?」

 

「……ありがとうございます」

 

「何がだ? 俺は何も……」

 

「───」

 

 彼女は黙って、こちらに微笑んだ。

 

 その微笑みは、どこかもの悲し気で……胸に、残った。

 

 

 

 

 

「あ奴の追放処分が決まった。貴様ももう用済みだ」

 

「は?」

 

「聞こえなかったか? 貴様はもう用済みだと──」

 

「違ぇ! 今なんつった!? レムを追放しただと!?」

 

「そうだ。当然だろう。──結局、貴様は一度も奴を抱かなかった」

 

「……だからって」

 

「散々言ったはずだ。どちらにしろもう遅い。奴はこの里を去った」

 

「──くそッ」

 

 俺は族長を押しのけて外に出た。

 

 止められると思ったが、俺は何も問題なく外に出れた。

 

 外には何人かの鬼族がいて、普段通りの生活をしていた。

 

 すぐそこにいた男性に俺は尋ねた。

 

「あんた、レムを知ってるか!?」

 

「あ、ああ」

 

「どこに行ったかわかるか!?」

 

「いや、レムがどこにいったかは彼女の家族しか知らないはずッ、うぐっ」

 

 男の胸倉を掴み上げて、俺は聞いた。

 

「──レムの家族の家はどこだ」

 

「それは──」

 

 

 

 

 

 バタンとドアを躊躇なく開けると、俺は土足で踏み込んだ。

 

 そこには机にうなだれる男がいた。

 

「あんた、レムの父親か!?」

 

「き、君は誰だね!?」

 

「そんなことどうでもいい! レムはどこだ!?」

 

「離したまえ! ぐッ」

 

「言うまで離さねぇ、とっとと言え!」

 

「なぜ、何処の誰とも知らない君に娘の居場所を言わなければいけないッ、君に言うことなどない!」

 

 それはそうだ。

 俺は、なんだ。

 レムにとって、俺と言う存在がなんだというのだろう。

 

 そう思うのも束の間。

 

 頭の中に流れる記憶、思い出、彼女の悲しげな微笑み。

 

 

「──俺はレムが好きだ」

 

 

 あいつが、レムが俺をどう思ってるかじゃない。

 俺がレムをどう思ってるか、大事なのはそれだろ。

 

「あいつが好きだ。レムと一緒に居たい。まだ話したいこと、やりたいことがたくさんあるんだ。──だから、あいつの居場所を教えてくれ、頼む」

 

 頭を下げて、頼み込む。

 

「……レムは、娘は……」

 

 

 

 

 

 わずかな食料をもって里を出た。

 後悔はない。

 

 これでよかったのだと思う。

 役立たずのごく潰しに居場所はない。

 

 でも……

 

『美味い!美味しい!』

『レムりんまじ天使!』

『羽のように軽いな!』

『毎日みそ汁作ってくれ!約束な!』

『笑えよレム、笑ってるお前が一番かわいい』

『ちょっとずつ一歩ずつで何が悪いってんだ。お前はすげぇ奴だよ』

『レムりん』『レム!』『レム』

 

 

「……本当に、馬鹿なんですから」

 

 

 後悔なんてないと思っていた。

 男の人なんて、みんな怖いと思っていた。

 

 でも、どうしてだろう。

 

 彼のことは、嫌いになれなかった。

 

 彼女の足がふいに止まり……後ろを振り向こうとしたその時──。

 

 

「ガルルルルるうぅぅぅ」

 

 

 背後の草むらから魔獣ウルガルムが現れた。

 

 そいつらは油断した彼女へと突然襲い掛かってきて──。

 

 

「──しゃがめレム!」

 

 

 後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 咄嗟の判断で、レムはしゃがんだ。

 

「オラァ! 唸れ俺の右肩ッ!」

 

 スバルが右腕を振りかぶり、何かを獣に投げつけた。

 

 すると、それは獣の鼻先に直撃し、弾けた。

 

「キャウンっ!」

 

 獣は破裂したそれから距離を取り、キャンキャンと吠えながら、仲間を連れてこの場を去った。

 

「これは……」

 

「魔獣避けだ。それも超高濃度の」

 

「──スバルくん」

 

「おう。昨日ぶりだな」

 

 足が多少ぶるってるものの、精一杯の笑顔で、スバルは告げた。

 

 

 

 

 

「どうして」

 

 そのどうしてにはいろんな意味が含まれていたと思う。

 

 だから、俺は簡潔に──。

 

 

「──好きだよ、レム」

 

「……え?」

 

 

 レムは呆けた顔をしていた。

 

「お前が好きだ。超好きだ。大好きだ! 毎日みそ汁作って欲しい。毎日お前と朝おはようを交わしたい。ずっと手を握っていたい。ずっと抱きしめていたい。ずっと言えなかったけど、それは俺が日和ってたからだ。でももう、堪えられない」

 

「───」

 

 レムは、だんだんと目が潤んで──。

 

 

「──お前が好きだ。だから、俺と結婚して欲しい」

 

「──っ」

 

 

 その言葉の前に、レムは言葉が出なかった。

 

「……レムで、いいんですか?」

 

「お前がいい。お前じゃきゃダメなんだ」

 

 精一杯格好つけて、スバルは手を差し伸べる。

 

「っ、だって、レムはダメな子で……ほんと、だめだめで……できないことばっかりで、役立たずで……っ!」

 

「───」

 

 それでも自分を卑下する彼女に、スバルは恥ずかしさを押し殺して──。

 

「────!?」

 

 ──彼女の唇を自分の唇で塞いだ。

 

 

 

 

 

「好きだ、レム。お前の答えを聞かせてくれないか?」

 

 レムは、臆病だ。

 

 逃げて、隠れて、やり過ごしてきた。

 

 でも、今、もう隠せない。

 

 隠しきれない、想いが溢れて止まらないから。

 

 

「──私も、好きです」

 

「っ」

 

「スバルくんが、大好きですっ!」

 

 泣き笑いの笑顔は百万ボルトで。

 

 喜びと感動に抑えきれず、もう一度、キスを交わした。

 

「──」

 

「──」

 

 一人の少年と一人の少女が、誰もいない自然の中で、接吻を交わしていた。

 

 

◆◇◆

 

 

 レムとスバルくんはめでたく結婚し、その日のうちに初夜を終え、毎夜毎夜あんあんと喘ぎ声が里中に響き、彼女は一月もしないうちに孕んだ。

 

 そうしてめくる年、二人の子供が生まれ、鬼の里で一番のおしどり夫婦となった二人は子供二人と仲良く暮らしましたとさ。

 

 おしまい。

 

 

◆◇◆





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