本当に不調。一週間掛けてこれしか書けなかった。
──竜車が止まった。
「ん、着いたみたいだね。ほら、エミリア着いたよ」
「ふぇ……?」
あ、ダメだ。ふにゃふにゃになってらぁ。
仕方ない。
俺はエミリアの肩をもって竜車の外へ出た。
外へ出ると、そこにはいたのは御者さんもとい【桃髪】の美少女メイドさんだ。
そしてその横にもう一人、【青髪】のそっくりなメイドさんがいた。
双子かな?
「「──っ」」
メイド二人はこちらを見るなり眉間にしわを寄せた。
それはほんの小さなものだったが、確かに顔を顰めていた。
竜車から漏れ出たエミリアとの秘め事の淫臭でも嗅ぎつけたのかもしれない。
いや……
「ん♡どうしたのぉらむ~♡」
どう考えてもこのふにゃふにゃエミリアたんのせいですね。
よくよく考えればメイドがいるような家の子ってことはエミリアってばもしかしなくても地位がある子? 貴族様? え、俺これ殺されません? どこをどう見ても不敬罪だよ。やっば。
「っ、いえ、肩をお貸しします」
「ありがとぉ~♡」
「──っ」
──色気。
いつもの固い笑みとは違う柔らかな微笑み。それはまさしく天使の如き尊貌で、その破壊力たるや女であるラムですら一瞬心を奪われるほどのものだった。
「レム、私はエミリア様をお連れするから。お客様の案内をお願い」
「はい、姉様」
この子たちはやっぱり姉妹のようだ。まず間違いなく双子だろう。
「お客様、お部屋へ案内します。こちらへ」
「はーい」
俺は青髪のメイドさんに連れられて屋敷の中へと入った。
屋敷に入ると、そこは高級そうな赤のカーペットが敷き詰められ、壁のいたるところに意識高そうな絵画や壷があった。
ああ、こりゃ貴族の屋敷ですわ。居心地悪いなぁ。
内装を見物する俺を気にすることなくメイドさんが迷路のような廊下を進んでいく。
俺は見失わないよう後ろ……ではなく、顔が見える真横を歩いた。
「レムさんでいいのかな?」
「……」
勇気をもって声を掛けるも、返答はなかった。
「あのー……」
「……」
やはり返答はない。
──なら一方的に話しかけるか!
※黙って付いてけよ。
「メイドさんは彼氏さんとかいるんですか?」
「とっても美人さんですよね。化粧品とかって使ってるんですか? え?使ってない?凄い!元のお顔がお綺麗なんですね!」
「とてもお若く見えますけど、メイドさんだなんてご立派ですね。ここで働いて長いんですか?」
「メイドさんメイドさん、この絵画とかってやっぱりお高いんですか?」
「いやぁこんな美人なメイドさんがいるなんて羨ましいなぁ」
「──お客様」
お?
独り言の成果かようやく言葉を発してくれた。
「夜も遅いですからお静かに付いてきてくださいますよう」
しかし、返ってきたのは無感情なお叱りだった。
「はい、すいません……」
普通にお叱りを受けた俺は意気消沈してその後、黙々と付いていった。
「こちらです」
「あ、はい」
案内されたのは階段を一回昇った端の部屋だった。
扉を開いたメイドさんに促されて入れば、そこはかなり広り部屋だった。
大人が三人は寝れそうな大きなベッドが置いてあった。
「お~高級ラブホみたい」
「ベッドはそこに、寝具はあちらに。ではごゆっくりどうぞ。御用の際にはお声かけください」
何でもいいの?
「あの、彼氏さんっていたり」
「ないようですので失礼します」
ぱたん
「あ、あれー?」
完全に無視されている……。
お ん な の こ に き ら わ れ た(´・ω・`)
悲しい……。
「……ねるっ」
不貞寝した。
おやすみ! すやぁ( ˘ω˘ )
◆◇◆
【お前さえいなければ!】【クソ野郎!】【澄ました顔しやがって!】【死ね寝取り野郎!】【クズが!】【クソ野郎!】【死んじまえ!】【ぶっ殺してやる!】【俺の方が先に好きだったのに!】【僕の天使をッよくも!】【リア充が死ね!】【あの子にも手を出したのか!】【最低野郎!】【顔だけ野郎が!】【死ね!】【お前が許せない!】【死ね!】【殺してやる!】【ヘラヘラしやがって】【気色悪い!】【気味悪い!】【気持ち悪い!】【──お前なんか誰も愛するはずない】
◆◇◆
「ふぁ~、よく寝た~!」
昨日がかなり濃い一日だったからかぐっすり眠れた。
……。
ま、兎にも角にも新天地での初めての朝だ!
テンション上げにゃ損損!
おぉおおお! 俺はやればできる子だ──ッ!
「我が名はテンガ! 天上天下唯我独尊!」
それただの中二病。
「……」
一人だ。
……寂しい!
ばっと起き上がった俺は人の温もりを求めて部屋を出た。
がちゃんと扉を開けば、目の前には大きな窓。
そこから白い光が差し込み、昨日とは違う雰囲気を纏った廊下を照らしていた。
「お~、ひッろ!」
外を見渡せば一軒家が丸々入りそうな広々押した庭が見えた。
こんなの外国の金持ちの豪邸でしか見たことないぞ。
日本じゃまず見られない光景だな。
「ま、それはさておき」
相変わらず音のない空間だ。
人の気配がまるでしない。
その廊下は何処までも続いてるかのように淡々と佇んでいた。
「廊下探検と行こうかね」
ぼちぼち歩いていこうかと足を動かす。
歩いて。
歩いて。
歩いて。
うん。ループしてますね?
「なんだこりゃ」
無限に続く廊下。昨日見たはずの階段は見えてこず、外の景色が一向に変わらない。
進んでも進んでもどうやら戻ってきてしまっているようだ。
「ん~、そういう魔法?それとも幻覚?」
わからん。そもそもなんで急にそんな魔法を掛けられているのか。
異世界の防犯装置か何かか? 物騒そうだもんな。それくらいあるか。
つまり俺ってば不法侵入者扱いされてるってこと?
参ったな。
「仕方ない、それなら大人しく元の部屋に──」
そう思って扉を開けば、
「──えっ?」
そこには──絶賛お着換え中の【エミリア】がいた。
その傍には着替えを手伝っているであろう昨日の青髪メイドさんがいたが、それは俺の眼中になかった。
俺の目を奪うのはただ一つ。
露わになる彼女の柔肌。昨日はしていなかった白のブラジャーとパンツが色白の肌によく映えている。とてもよくお似合いだと思います()
彼女はこちらに気づくとわなわなと震え、顔を赤く上気させた。
とりあえず何か弁明しなければと考えて──
「──ナイスおっぱい!」
うん。馬鹿なのかな?
渾身のウィンクとサムズアップを決めながら告げると、次の瞬間──視界を蒼白い氷塊が埋め尽くした。
「テンガのばか──!」
あれ、俺これ死ぬのでは?
「ぐべっ」
衝撃が脳を揺らし、俺は白目を向いて倒れた。
◆◇◆
「はっ……知ってる天井だ」
再び同じベッドで目が覚めた。
「記憶が曖昧だ……まぁいっか!」
能天気すぎる。
「我が名はテンガ! 唯一無双の一人っ子!」
テンガが厨二ポーズで格好良く言い切ると予期せぬ返答が返ってきた。
「起きて早々エミリア様の御着替えを覗いたド変態ですわ。ねぇレム」
「そうですね姉様、女の敵です」
罵倒に次ぐ罵倒。
声の方を見れば、そこには手を合わせ、蔑んだ瞳でこちらをみる双子の姿があった。
寝起きのハイテンションを見られるとは……恥ずかしい。
適当に誤魔化そう。
「ふっ、美少女の罵倒は我々の業界ではご褒美です」
「姉様姉様、お客様ってば心の病気をお持ちらしいです」
「そうねレム。お客様ってば頭がおかしいわ」
「言い過ぎ言い過ぎ」
心底ドン引きした様子で距離を取った双子にベッドから降りたテンガは歩み寄り、
「「「あ」」」
──二人のおっぱいを両手で揉んだ。
三人の声が重なった。
どうして揉んだ本人が呆けた声を出しているのだろう。
おかしい。
デコピンでも食らわせてやろうかと思ったのに気づいたらその慎ましやかな胸に手が伸びていた。何を言ってるのかわからないと思うが安心してくれ、俺もわからない。
何故、俺は彼女らのおっぱいを揉んでいるのか。
A.そこにおっぱいがあったから。
理由になってねぇよ。
「「──変態」」
ま、まずい。
軽蔑の目が本気の目になった。
二人が手を振りかぶる。
「……ナイスおっぱい!」
お前はそれしか言えんのか。
──パシンッ!
激しい音が部屋に響き渡った。
◆◇◆
「テンガ、起きたのね!」
エミリアが慌てて部屋に入ると、そこには──頬に紅葉をくっつけてメイドの前で正座したテンガの姿があった。
一体何があったというのか()
「もしかして私の魔法の後遺症……?」
「いいえ、エミリア様。これは
「いいえ、エミリア様。
「反省してます……」
一見して反省した様子のテンガ。
「ど、どうしたのテンガ? どこか痛い? ごめんなさい。私貴方に酷いことしちゃって……」
「……いいんだよリア。悪いのは僕さ……」
儚い笑みを浮かべて非を認めたテンガ。らしくもない。
「大丈夫? 何だか元気ないみたいだけど……」
「大丈夫だよ。僕なんてどうせ最低でクズな変態だからね……」
一見して反省した様子のテンガは……割とマジで反省していた。
う~ん、なんかこっちに来てから【性欲】が制御できないな。これまでも隠してきたつもりはないけど、ここまで露骨にセクハラするようなことはしてこなかったんだけど……。
俺は女の子が大好きだし、当然嫌われたくなんてない。言うまでもなく傷つけたいわけではない。なら、何故こうも女の子に嫌われるようなことをしてしまうのか。
「はぁ……」
反省である。原因が何にせよ、改心すべきは己の心故。
「何だかよくわからないけど、テンガも反省してるみたいだし、ね? 二人も許してあげてくれないかな」
「はい、エミリア様」
「……はい」
粛々と受け入れた少女と不服を隠さぬ少女。
彼女らの優しさにエミリアはお礼を伝え、ベッドの上でのの字を描くテンガに近づいた。
萎れた頭で漠然と考える。
……不服って、なんかエロいよね……
※てめーさては反省してねぇな
「ほら、テンガ頬っぺた出して」
「ん……」
エミリアの言う通り頬を差し出すと、彼女の手のひらが向けられ、温かな光が頬を包んだ。
そして、十秒もせぬ間に紅葉は完治した。
「おおー! 押鳥典雅──復・活!!」
「はいはい、はしゃがないの、もう」
お母さんのように窘められた。
エミリアたんに、ママみ……?
──アリだな。
もうだまれよ。
「ほら、もう朝ご飯できてるから、早く行きましょ?」
ああ、違うわ、これママみじゃなくてママだ。
ぐすっ、地球に残してきた義母を想うと自然と涙が……出ないな。うん。
とにかく、久々に感じられたママみに大人しくテンガは従った。
「はーい」
ママみってなんだよ。
うん。ママみってなんだよ。
ほんとーになんでかわかんないんだけど妄想力が死んでる。
休んでも回復せんせん。
エロいことが考えられない~致命的~
次もエロなしかなぁ
その次とその次はエロになるはずです。予定では……。
この調子じゃいくらかかるか分かったもんじゃありません。
拙くてもいいからぱぱっと書こうって思ってるんだけどなぁ……?
お待たせしますです。かしこ