短く……短く……コンパクトに……
食堂へ向かうエミリア一行。
あとは朝食を取るだけなのだが、ここで問題が発生する。
朝勃ちが……収まらない!
そう、朝勃ちである。すべての思春期男子を悩ます生理現象だ。
ちんこが勃起している。ならば抜かねば立派な武士とは言えない。
しかしだ。起きて早々抜いてしまえば朝から体力を浪費してしまい、その後の一日に身が入らなくなってしまう。朝抜いた手で好きな子と手でも繋いでみろ。背徳感で軽くイけるぞ。
なんなら彼女も実は昨日一人遊びで濡らしまくったのかもしれない、なんて考えた日にはフル勃起不可避だ。
可愛い彼女も実は家でオナニーしてるなんて……それはなんて素晴らしいことなのだろう。
そう、それは素晴らしいことなのだ。ということは、だ。
逆説的に考えれば、男である俺が朝勃ちを抜くことも女の子たちにとっては素晴らしいことということになる。
これが真なる男女平等かッ!
※絶対に違う。
てなわけで理路自然と理論武装を決めた俺は朝から一発マス掻くことを決意した。
しかしここで公然と女の子たちの前で抜くわけにもいかない。
うん、それはそれで興奮するけども。
※クソ変態が。
リアに抜いてもらうこともできない。
参った。なので仕方ない!
「ごめん! ちょっとトイレ!」
ここは必殺コナンくんスタイルだッ!
※コナンくんに謝れ。
「えっ?」
トイレの前を通り過ぎた直後、その扉を開いて中へと入った。
ガチャン、と扉が閉まり、さっそく息子を鎮めようかとベルトを外していたら……
「……あれ、ここトイレじゃない」
「──入って来るなり下半身を晒そうとするとはいい度胸なのよ、ヘンタイ」
なんかいた。幼女いた。
いやなんで?
「あれれーおかしいぞー」
お決まりのセリフを言いながらズボンを脱いだ。
「っ!? なんでそのまま脱いでるのかしら!? お前頭おかしいのかしら!」
「あ、そうだった」
流れで脱いでしまった。
うーん、目の前に幼女がいる。
金髪ブルーアイズの所謂ドリルロリだ。
……この屋敷の娘さんかな?
お貴族様の箱入り娘って感じだ。
てっきりエミリアがお貴族様なのかとも思ったけど……彼女は神聖さこそあるけど如何せん貴族っぽい高貴さがないんだよな。お人好しすぎるし、何より人を信用しすぎてる気がする。
その点、正面のこの子は警戒心たっぷりにこっちを睨みつけているからな。余計にそれっぽい。
うん。そんなお嬢様幼女にパンパンに膨らませたパンツを見せつけるこの絵面……犯罪的ですね。悪くないッ!
「なんでガッツポーズを決めてるのよ! いいから早くしまうかしら! 汚らわしい!」
そう言うなって、だんだん可愛らしく思えてこないか?
フリフリと下半身を振ってみる。
「お、おままま お前っ! 頭がおかしいのかしら!?」
いい反応だなぁ。
からかい甲斐のある幼女だ。
と、ふざけるのはここまでしておこう。
あんまり機嫌を損ねて首を刎ねられるのも面白くない。
息子をしまった。
「それで、ここはどこなの? 図書室?」
「っ、切り替えの早い奴かしら。ここはベティーの寝室兼書室なのよ」
「へー、寝室。ベッドで寝転がりながら本読むの? わかるー、俺もよくやる」
そう、エロ漫画とかスマホを片手にベッドで下半身を露わにしてな。
つまり、この子も幼いながらにえっちな本を読んで夜な夜な幼い花芯を弄っているのだろう。可愛らしいものだ。
「その生暖かい微笑みをやめるのよ、胸くそ悪いかしら」
「んで、ここは確かにトイレだったはずなんだけど、どういう仕組み?」
「ふんっ、お前に教えてやる義理はないかしら。なんでベティーが教えてやらなきゃいけないのよ」
ツンツンだ。
ならば、これをデレデレにするのが主人公である俺の役目!
「まぁまぁそう言わないでさーベティ、困ってるおいらを助けておくれよ~」
「その気味悪い口調で喋るのを止めるかしら、鳥肌が立つのよ」
まずは警戒させないよう近づく。
「あと気安くベティーの名を呼ぶんじゃないかしら。身の程を分かっていないようなのよ」
やっぱり貴族のお嬢様なのかな?
しかし! それで諦める俺ではない!
椅子に座る彼女の前に膝を突いて、俺は精一杯の決め顔と共に告げた。
「──私と食事でも如何ですか、お嬢さん」
お貴族ナンパスタイルでどうだ。
「絶対ノーなのよ」
振られた。
じゃあもういいや。
「そんなこと言わないで行こうよー」
そのまま彼女の手を握る。
「っ!? 離すかしら!」
──ビリッ
「ん?」
静電気が走ったように一瞬、手が痺れた。
「んなっ! 確かに吸い取ったはずなのにっ、お前、どんだけマナを溜め込んでいるかしら!」
「んー? 何か吸い取られたような……なんだろう、ん~? あっ」
気づいた。
──朝勃ちが、収まっている、だと……?
パンパンに膨らんでいた息子がいつの間にか孫になっていた。
つまり、こいつに一瞬で抜かれた……?
※違う。
俺ですら見逃すほどの早抜き……!
※だから違う。
ちげぇな。
※違ぇよ。
どういうこっちゃ。
「これだけのマナ……あのハーフエルフの娘並みなのよ。お前みたいな凡庸な奴がどうして……」
よくわかんないけど、これで抜く必要はなくなったわけだ。
ならそれでいっか。うん。
──ぐぅ~
「お腹空いた!」
一発抜くと腹が減るよね!
抜いてないけど。
「ほら、行こベティ! 朝ごはんが僕らを待ってる!」
「ちょ、待つのよ!」
小さなベティをテディベアのように抱えて扉を出ようと──したが透明な壁のようなものにぶつかった。
「あいたっ!(>_<)」
「ベティーは……ここにいなきゃいけないかしら」
「……」
彼女は幼女とは思えない複雑な表情をして言った。
この子……
でも、それはどう見ても楽しそうな表情ではなかった。
なら──。
「こんなとこに一人ぼっちでいるよりみんなでご飯食べた方が四百倍は楽しいし美味しいって!」
「ベティーはっ」
悩まし気に目を逸らし、しかし確実に拒絶しようと目を合わせて──。
「行こうぜベティ! 絶対楽しいから! ね?」
「──っ」
ベティー──ベアトリスは、眩しいものでも見たように目を細めて……
◆◇◆
突然トイレに入ったと思ったら、暫くして勢いよくテンガは扉から出てきた。
「見てリア! めっちゃ可愛い子見つけてきた!」
「ダメよ、返してきなさ……って」
抱えられた幼女を見て、エミリアは驚いたような顔をして、
「……ベアトリスじゃない」
「あら、ベアトリスっていうの? じゃあベティは愛称みたいなものか。ならベアトリスって呼んだ方がいい?」
そう聞くと、彼女は疲れ果てたかのように溜息を吐いて、
「……好きに呼べばいいのよ」
「そっか、じゃあベティって呼ぶね!」
「勝手にするかしら、ふん」
デレデレかな? 早くない? 君もチョロインなの?
可愛いから、ぎゅってした。
それをまんざらでもなさそうにベアトリスは受け入れた。
なんだおい可愛いな!
※かわいい。
「……ほんと、テンガってばすごーく不思議」
そんな二人の様子を、エミリアは不思議そうに首を傾げて見つめ、可笑しそうに笑った。
なんかすごい微笑ましい目で見られてる。
「ま、なんでもいっか! みんなでご飯食べよ!」
そのままベティを抱えて、リアたちと共に食堂へと向かった。
パックがいなくなったことによる被害者二号。
パックいなくしてみて思うけど、パックいない方がスバル楽だったんじゃないの?
次えろ行けるかなぁ?