「あはは……帰ってこれたみたい……」
クゲツに課された娼婦としての訓練を終えると、ヒナタは木の葉の里に帰還する。
これは、シュテン党の構成員の一人に、ヒナタが組み込まれたということ。
各国に草の根のように張り巡らされている、シュテン党の構成員。
シュテン党の構成員は一般人として生活しながら、密かにスパイ活動を行う。
ヒナタはその一員として、シュテン党に認められた。
つまり、ヒナタは潜入任務に成功したということ。
このまま潜入任務を続けて、シュテン党の本拠地を探す。
それが、木の葉の里から、ヒナタに課せられた任務であった。
(でも……ナルト君には……秘密にしなきゃ……)
しかし、ヒナタがシュテン党に潜り込んだ立場は娼婦。
つまりは、これまでと同じように木の葉の里で生活するヒナタは、シュテン党から下される娼婦としての任務を実行しなければならない。
そのことを、ヒナタは恋人であるナルトに伝えられなかった。
それに、ナルトにだけではなく、シュテン党からの信頼を得るため、ヒナタは娼婦になったことを誰にも伝えず秘密にしていた。
(はあ……知らない人と……セックス……しなきゃ……ならないのかぁ……)
狂言のクゲツの催眠忍術によって思考を誘導された結果であるが、当のヒナタはそのことを知らない。
誰かに相談をすれば、すぐさま催眠忍術にかかっていることが判明し、ヒナタは治療される。
無意識の誘導により、自分が助かる道から外れ、シュテン党の魔の手に堕ちていく。
悪辣な手段。
こうして、ヒナタの心がまたひとつ、シュテン党に支配された。
「おかえりだってばよ!」
「ナルト君……♡」
ヒナタは、彼女の無事を喜ぶナルトと久しぶりに再会する。
ヒナタの心に浮かぶ、ナルトを愛する気持ち。
そして、ヒナタはナルトと愛し合った。
「……あ……んあぁ……あ」
心の底から愛する者と過ごす夜。
それなのに、ヒナタの心は満たされずにいた。
(どうして……気持ちよく……なれないのぉ……)
潜入任務につく前は、あれほど満足していたナルトとの夜。
それなのに、潜入任務に成功し、ナルトと再会したヒナタの体は、どうしても気持ちよくならない。
シュテン党に肉体を改造された結果であるが、ヒナタはその事に気づかない。
(どうしよう……ムラムラが……止まらない……)
ナルトと繋がったあとも、ヒナタの体はうずきが止まらなかった。
(……だめ♡ ……我慢♡ ……しなきゃ♡)
誰とでもいいから、今すぐ愛する人以外とセックスがしたい。
そんな不純な欲求が、ヒナタの心の底から湧き出てくる。
「ごめんね♡ ナルト君……あっ♡ ……ごめんね♡」
寝ているナルトの横で、ヒナタは欲望の止まらない体を慰めるために自慰をした。
満たされない夜が、ヒナタの中で続いていく。
そんな折に、シュテン党の連絡役からヒナタに任務が下された。
「任務の時間だ」
「……はい」
ヒナタにとって初めての、娼婦としての任務。
愛する人を裏切る行為なのに、なぜかヒナタの心は、愛する者以外の誰かとセックスできるチャンスに喜びを感じてしまっていた。
(くぅ……そんなこと……)
自分の心に湧き出る感覚を必死に否定しながら、ヒナタはシュテン党から渡された依頼書を読む。
(でも……これは……任務のためだから……)
潜入任務を続けるため。
そのために、自分は愛する者以外とセックスをしてもいい。
だって、忍は任務のために、心を殺さなくてはならないから。
恋人以外の誰かと望んでセックスをするという行為を、ヒナタは心の中で正当化していく。
(さて……任務の時間だ……)
そうして、シュテン党の娼婦としての、ヒナタの初任務が始まった。