・・・・・・遅れてすみませんでした。
今回はエロ薄めです
水着ゴッホちゃん祈願です
8/17
場所を間違ってたので場所を移動
来年こそ頼んだ
トクトクと、酒瓶からアブサンをグラスに注ぐ。
なみなみと注がれたグラスの上にアブサンスプーンを乗せ、角砂糖を乗せる。
その上から更に水を一滴ずつ垂らす。
角砂糖が溶けると共にアブサンに含まれる精油が水と反応し、白濁していく。
その色の変化は神秘的な色彩で、思わず吸い込まれてしまう程だ。
そうこうしている内に角砂糖が程よく溶けたので、グラスを適当にかき混ぜる。
そして、完成したアブサンドリップを、躊躇いなく飲み干した。
アルコールと共に、強烈なハーブの味が口内に広がる。
他の人にはどうかは知らないが、
しかし、それは一瞬だけの事だった。
グラス一杯になる様に注いだとはいえ、所詮はグラスだ。
すぐに飲み切ってしまい、ハーブの味が舌から抜け落ちる。
同時に、ちょっとした悩みが胸の中に蘇ってくる。
アブサンを楽しんでいる間は忘れられたのに。
「…………もう一杯」
「おいおい、もうやめとけって、な? ごっほサンヨ」
その悩みをまた吹き飛ばすためにアブサンを飲もうとしたが、一緒に飲んでいたホクサイに止められる。
今日はホクサイに誘われてやってきたのに、止めろとは。
「…………良いじゃないですか。別に、ゴッホは子供じゃないんですし」
それに、とホクサイの周りに転がっているモノを口を尖らせながら指で示す。
それは日本酒のラベルが付いた酒瓶で、既に何本かは空になっていた。
それに比べたら
故に、ホクサイに止められる謂れは無いはずなのだが。
「いや、そりゃそうだけどヨ。そんな風に悩みながら飲んでも、良くなる事は無いってもんだぜ? 飲むならもっと、こう…………パーっと行かなきゃナ」
「…………む」
言われてみればその通りだ。
確かに、良くなった気分は全然しない。
むしろどんどん沈み込んでいく様な感じがする。
しかし、ではこの悩みはどうしたら良いのだろうか。
「ほら、おれで良かったら聞くからサ。良かったら教えてくれないかい? 酒飲みながら吐き出せば多少は楽になるってもんだ」
「…………ホクサイがそう言うなら…………お言葉に甘えて…………」
すると、ホクサイが助け船を出してくれる。
それは胸のちょっとした悩みをどうにかしたい
アブサンの酔いが回って軽くなった口が、饒舌に胸の悩みをホクサイに吐き出す。
「なるほどなぁ…………ますたぁがごっほサンを子供として見てるんじゃないか、と」
「はい…………エヘヘ、すみませんこんなくだらない悩みで…………」
口に出してみれば、なんて事のない悩みだった。
要は、敬愛するマスターである立香さまが
そんな、絵に関わるわけでも無い、取るに足りない悩み。
「いやいや、せっかくごっほサンが腹割ってくれたんだ、くだらないなんて思いやしないよ。だが…………ごっほサンがそう思うって事は、何か、気になる事でもあったのかい?」
「気になる事って程でも無いですけど…………その、立香さまのゴッホへの態度に、アビーちゃんへの態度と似た様なものを感じて…………」
具体的にはおやつを渡してくる時の立香さまの顔とか。
そりゃまあ、
子供と見られても、おかしくはないだろう(というか、イリヤちゃんあたりは子供と思っている節がある)。
幸い
それがわかるからこそ、もどかしいものもある。
何せ、ゴッホはお酒も飲めるアダルトなお年頃なのだから。
…………それに、ゴッホはもっと立香さまと…………
そんな胸の内を、ホクサイに伝えると。
「なるほどねぇ…………それなら、こんなのはどうだい?」
と、こちらを手招きしてくる。
言われるままにホクサイに近づくと、耳元に口を寄せられてそっと囁かれる。
…………なるほど。
ホクサイの言葉は、わたし達らしい、実に素晴らしい提案だった。
夜、一日が終わったが、さりとてまだ寝るには早い微妙な時間帯に、マイルームの扉が開く音がした。
「ん?」
誰だろう、と視線を扉に向けるが誰もいない。
誤作動でも起こしたかな? と思ったが、そうでは無い事を証明する様に、扉の下に大きな箱が置いてあった。
どうやら、扉の前に誰かがいたのは確からしい。
「落とし物…………じゃないよね?」
辺りを見回すが、人の気配は当然無い。
まあ、部屋の外に箱があるならまだしも、部屋の中に箱が置いてあるのだ。
落とし物とは考えにくいけど、もし誰かの落とし物だったらいけないので箱を検分する。
箱は特に変哲の無い木箱の様だったが、封のあたりに何やら文字の様なものが書いてあった。
「えーと…………?」
書いてあったのはアルファベットだったが英語では無いようで、私には読み取る事は出来なかった。
リツカ、とアルファベットで書いているのは辛うじて読み取れたので落とし物という線は消えたけど。
他の文言も気になるので、端末を通して翻訳をかける。
「親愛なる立香さまへ…………?」
翻訳した結果、読み取れたのはその様な文章だった。
オランダ語を検出、と端末が追加の情報を教えてくれる。
「オランダ…………なるほど、ゴッホちゃんか」
それらの情報から、誰がこれを送ってきたのかを理解する。
オランダあたり出身のサーヴァントで、私をこの様な呼び方をするサーヴァントは1人しか思い当たらない。
「ゴッホちゃんなら箱の中身は絵かな?」
ゴッホちゃん、よく私に色とりどりの綺麗な絵を渡してくれるし。
流石に全部飾っておくスペースは無いから、2枚くらいの絵をローテーションで飾る様にしてるけど。
今回もそれと同じでいつもの様に絵を贈ってくれたのだと思い(何で逃げる様に置いていってるのかはわからないけど)、ナイフを取り出して木箱の封を切る。
そこには。
「おぉー…………」
とても綺麗な、白い花と、黄色い花達の絵があった。
それは桜の花弁の様な形をした白い花、白と黄色のツートンカラーの花、そして小さなヒマワリの様な黄色い花の絵だった。
それぞれガマズミ、シャガ、サンビタリアという花らしい。
無数に咲いた小さな花弁が、絵の全体を埋め尽くしている。
まるで白と黄色の色彩が、光り輝いてるかのようだ。
私は早速額縁に収められたその絵を箱から取り出して、ゴッホちゃんの絵を飾っている場所に設置する。
そのまま、描かれた花達をただ眺める。
彼女の色彩で塗られた花は、重力でも発生しているかの様に私の視線を捕まえて、離さなかった。
架空の花なのに、つい手を伸ばしてしまいそうになる程に。
そして。
「…………あ」
花を触ろうと手を伸ばした瞬間、足に当たった木箱の感触で目が覚める。
「私は一体…………」
何をしようとしていたのだろう。
額縁に収められた花に触れようとするなんて。
出来るわけ無いのに。
自分の行為に呆れるが、不思議と花に触れたいという気持ちは無くなる事がなかった。
これが、多くの人を魅了した色彩の引力という奴だろうか。
「うーん…………」
ゴッホちゃんの絵に感心すると共に、どうしたものかと頭を悩ませる。
絵自体は素晴らしいものなのだが、このまま飾っていたらふとした瞬間にまたありもしない花に手を伸ばしてしまいそうだ。
それはちょっと困る。
色々と考えた結果、申し訳ないけど彼女に返しに行く事にした。
仕舞っちゃえば問題も無いんだろうけど、折角貰ったのに飾らないのもそれはそれで申し訳ないし。
そう思って、額縁を外して箱に戻そうとした時。
「…………うん?」
木箱の底に、何かが入っている事に気づく。
どうやら、額縁に隠れて気づかなかった様だ。
こっちもゴッホちゃんの絵なのだろうか?
木箱の底にある何かに考えを巡らせるが、それは布で覆い隠されていて中身を伺い知ることが出来ない。
とりあえず、その中身を確かめるために額縁を飾ってた場所に戻して、木箱から布で覆われた何かを取り出す。
そこにあったのは、これまた木箱だった。
今度は輸送用の箱というよりかは、保管するための箱といった趣の装飾が施されていたが。
大きさは額縁と同じ程で、側面に留め金がある。
つまり、本の様に開く箱というわけだ。
こっちには一体どんな絵が描かれているのだろうと、好奇心で留め金を外す。
そして、蓋を開けた先には。
「…………同人誌?」
ちょっと大きな、薄めの本が…………私の知識だと、同人誌と呼ぶのが相応しい本が収められていた。
これが実際に同人誌のつもりでゴッホちゃんが作ったのかはわからないが、少なくとも私には同人誌に見える。
「問題は、なんで同人誌が入ってるのかって事なんだけど…………」
検分してみるが、表紙にはひまわりを模した様なサインが描かれているだけで、他に何もない。
裏返してみると、木箱と同じオランダ語が書いてある。
イラスト集みたいなものだろうか。
あるいは、いつぞやの自画像に添えられた手紙の様なものだろうか?
一応、手紙にも見えなくもない書き方ではある。
手紙として見ると随分分厚いけど。
これが何なのか判別に悩むが、その正体を暴くことは出来ず。
しかしわからないからって無視する訳にもいかない。
これもゴッホちゃんからの贈り物だし。
そんな考えから、普段絵を贈ってくるのとは違った彼女の行動に首を捻りながらも推定同人誌の表紙を捲る。
そして。
「…………ぶほっ⁉︎」
予想外のその中身に吹き出し、反射的に同人誌を放り投げてしまった。
「え?」
中身のインパクトにやられて、間抜けな声がつい口から溢れる。
しかしそれも仕方ない。
だって。
「いまの…………ゴッホちゃん…………だよね?」
そこにあったのは、淫靡な雰囲気を漂わせたゴッホちゃん自身の絵だったからだ。
それは普段の彼女とかけ離れた姿で、私の見た事の無い顔の彼女だった。
そのせいか、彼女が贈ってきたものであるにも関わらず、何かイケナイモノを見てしまったという錯覚を覚えてしまう。
ゾクゾクとした冷たくて甘い電流が、背筋を走る。
それはイケナイモノを見てしまったという動揺によるものか、イケナイモノをもっと見たいという、背徳への欲望か。
…………それとも、両方なのか。
自分でもわからないまま、興奮で鼓動が早まっていく。
「…………ゴッホちゃんが贈ってきてくれたんだから、最後まで見ないと」
気づけば、私は自分に言い聞かせる様な言い訳をしながら、同人誌に再び手を伸ばしていた。
逸る胸を抑えながら、震える手で表紙を捲る。
「…………っ」
そこにあったのは、変わらず淫靡な雰囲気を漂わせたゴッホちゃんの絵だった。
予め覚悟していたからか、今度は同人誌を放り投げる事は無かった。
その代わりに、食い入る様に彼女を見つめる。
視界に写るゴッホちゃんは競泳水着の様な服を着ていた。
その水着は胸からお腹にかけて雫の形に切り取られたデザインで、露出度自体はそこまでも無いのに何故かドキリ、とする様な格好だった。
恐らく、普段のゴッホちゃんとのギャップが原因だろう。
普段の彼女も裸に成人男性用のズボンを胸まであげて縛る、という中々激しい格好をしているが、猫背なせいかパッと見ただけでは上着に隠れて子供っぽいと思える様な印象しか与えない。
しかし、同人誌に描かれたゴッホちゃんは背筋をちゃんと伸ばしていて、こちらにその身体が見える様にしている。
更にゴッホちゃんは、こちらを誘う様に三日月に歪んだ笑みを浮かべながら、水着を指で引っ張って隠された場所を見せつける様に描かれていた。
普段の彼女とのそのギャップが、淫靡さを掻き立てているのだろう。
そしてその淫靡さは私にとって同性の壁など打ち壊してしまう程に強烈なもので、ジンと身体の奥が熱くなる感覚を覚える。
劣情が燃え上がり、頭がゴッホちゃんの淫らな姿で埋め尽くされる。
その劣情に突き動かされ、手が勝手に頁を捲る。
次の頁に描かれた彼女は淫靡さを放ちながら、更に過激な姿勢で描かれていた。
それは劣情を更に駆り立て、身体に灯る熱を疼きに変える。
更に捲ると、今度は異形の花が私を出迎える。
先程とは趣向を変えた彼女は、その白い身体を黒い蔦で縛めて、無防備な姿を晒している。
白の瞳が私を見つめる。
それはまるで、縋るような目付きで…………彼女が、この手の中にあると錯覚する。
そしてその錯覚は、私の理性を奪い取った。
「ん、ふ…………っ…………ぁ…………っ」
疼きに耐えきれなくなった身体が勝手に自分を慰める。
「ゴッホちゃん、ゴッホちゃん…………っ」
ゴッホちゃんを求めて指が膣内を掻き回し、疼きが快楽に変換される。
その快楽は淫靡さに溶かされた頭には毒で、理性がどんどん溶けていく。
そして快楽に耐えきれなくなった身体が絶頂するが、手が止まる事は無かった。
むしろ本能のままに快楽を求めて、更に激しく自分を慰める。
彼女に劣情を向けながら行う自慰は普段の自慰とは桁違いに気持ちよく、何度も絶頂してしまう。
やがて最後の頁に辿り着いた時、派手な染みがシーツに広がってしまっていた程に。
しかしそれを見ても理性の溶け切った頭は満足する事は無く。
そのまま、疲れ果てて微睡むまで自分を慰め続けた。
「ん、んん…………っ」
じとっとした不快感が身体を覆う。
微睡む意識が不快感に無理矢理引きずり出され、夢から現に浮上する。
目を開けると、視界に付けっぱなしの照明や記憶より進んだ時計が写る。
どうやら寝落ちてしまったらしい。
…………その、自慰のやり過ぎで。
遅れて、変な姿勢で寝てしまった故の怠さや、自慰のせいでベタ付く身体に気づく。
「はぁ…………」
色々と酷い状況に、眠る前の痴態も含めて何やってんだ私、と呆れの籠った溜息が漏れる。
思い返すのは、自慰に耽っていた時の感情。
あの時の私は、常軌を逸しているとしか思えないケダモノだった。
今までアレほどの劣情は抱いた事が無い、と言える程にゴッホちゃんに欲情していた。
その事実を改めて認識して、自分のやらかした事に息を呑む。
だって、相手はゴッホちゃん…………同性なのだから。
それも、中身はともかく外見は子供と変わらない女の子だ。
確かに、彼女の事は好きだけど…………それはこんな好き、ではなかった筈だ。
「疲れてるのかな…………」
自分の事がわからなくて、気の迷いというそれっぽい理屈でどうにか自分を納得させようとする。
それは結構しっくりくる答えで、そういう事ってあるよね、と腑に落ち掛ける。
しかし。
何故だろうか、ゴッホちゃんの事を性的になんて見ていなかった筈なのに…………胸の中から、彼女の姿が湧き出してくる。
気の迷いというには鮮明に過ぎるほど理外の美しさを持つ、異形で淫靡な彼女の姿が。
それは脳内に根を張るように侵食して、私の中の淫らな感情を呼び起こす。
鼓動が再び速まり、興奮で胸が熱くなる。
先程と同じ様に、思考が彼女に染まっていく。
その瞬間、ピッと甲高い電子音が響いた。
「ひっ⁉︎」
その音に虚を突かれ、心臓が跳ねる。
誰かが来たのかもしれない、と背筋に冷たいものが走り、先程までの感情が一瞬で吹き飛ぶ。
しかし、誰の気配もしない。
「…………?」
恐る恐る音のした方向を見ると、端末にゴッホちゃんからのメッセージが届いていることに気づく。
音の正体は、その通知音だったらしい。
安堵の溜息と共に、自分の醜態を見せる事が無くて良かった、とそっと胸を撫で下ろす。
メッセージを見ると、明日お部屋に来てくれませんか、という旨の文が書かれていた。
「…………あ、怪しい」
先程までのアレコレがあってからのこのお誘い。
タイミングがバッチリ過ぎて、否応なく疑ってしまう。
即ち…………ゴッホちゃんが絵に仕掛けを施し、私の心に介入してきた、という可能性を。
無論彼女がそんな事をしたとは信じたくないが、わざとでは無いとは言え落書きで終末機構を生み出した前科が彼女にはある。
その上でこのドンピシャなタイミングだ。
疑わないというのは…………私には、無理な話だった。
憎からず思っている相手を疑うという行為に感情が矛盾を起こし、気持ちが重くなる。
しかし、返信しないという訳にはいかなかった。
疑念が真実でも私の勘違いのどちらでもあっても、確かめなければならない。
嫌な覚悟を決めながら、了承の返事を彼女に送る。
杞憂である事を祈って。
すると、すぐに時間等が書かれた返信が返ってくる。
「…………そういえば、なんでゴッホちゃんはこの絵を送ってきたんだろう」
その返信を見つめていると、ふと疑問が脳を過った。
しかし、虚空に投げた問いは答えが返ってくる事も、答えが胸から浮かび上がる事もなかった。
…………今にして思えば、この時の私は浮かび上がる答えから目を逸らしていたのだろう。
しかし私はそれに気付かず、明日聞けば良い、と強引に思考を打ち切ってしまう。
それで身体に張ってた緊張の糸が切れたのか、急に眠気が襲ってくる。
「…………よし、寝よう!」
疲れた私は、その眠気に大人しく従う事にした。
別に問題は解決してないしただ先延ばしにしているだけだけど。このまま考えてまたさっきみたいになるのも嫌だし。
再び自慰に耽るよりマシだ、と半ばヤケ気味に独りごちる。
しかしそのままでは寝れたものではないので、ノロノロとベッドから起き上がり、ベタつく身体を洗うためにシャワールームに向かう。
冷たい水が身体を流し、茹だった身体を冷ましていく。
身体を拭き、髪を乾かす。
皺になった服をカゴに入れ、新しい部屋着に着替える。
シーツまでは変えられなかったが、色々切り替えたおかげでさっきよりも随分と気分がマシになった。
ぼすん、と枕とベッドに沈む様に身体を投げ出す。
すぐに眠気がやってきて、意識が夢の世界に落ちていく。
…………夢と現実が曖昧になる中で、彼女への劣情がまた鎌をもたげるのを感じながら。
ぴちゃぴちゃと、水音が響く。
「んちゅ、れろ…………ちゅむ、んはっ…………んちゅ、ちゅぶ…………っ♡ゴッホ、ちゃ…………♡」
「ウフフ…………♡存分に味わってくださいね、立香さま♡立香さまのために、ゴッホが作った蜜ですから♡」
─────暗い、暗い、闇の中。
私は、ベッドに寝転ぶゴッホちゃんの身体に夢中になって舌を這わせていた。
彼女の身体にはとろりとした甘い蜜が塗りたくられていて、舌がそれを掬い取る度に多幸感と快楽に脳が支配され、軽く絶頂してしまう。
それがたまらなくて、もっと蜜が欲しいと舌が執拗に彼女の身体を舐る。
「ゴッホに夢中になってくれて嬉しいです、立香さま…………♡エヘヘ…………嬉しすぎて、咲いちゃいます…………♡」
夢中になってゴッホちゃんを舐めていると、彼女の身体がひんやりと冷たくなり、花の芳香に鼻腔を擽られる。
彼女の胸に埋めてた顔を上げると、そこには白く咲いた
「ウフフ…………♡ゴッホは、こうされるのが好きなので…………♡立香さま、もっとゴッホを味わってください…………♡」
白い花が、私を誘惑してくる。
それは花の蜜に支配された私には抜群の効果で、一瞬でケダモノに堕ちてしまう。
気づけば、花の唇を奪い、貪り始めていた。
甘く、蕩けるような
しかし、ケダモノの欲は尽きる事が無く、すぐにその味に飽いてしまう。
飽くなき欲は、もっと、もっとと花の蜜を求め、いつのまにか開いていた花の口に舌を這わせる。
予想通り、更なる甘さが流れ込んでくる。
夢中になって、その甘さを漂わせる花の口を貪る。
お互いの唾液が混ざり合って淫靡な水音になり、余計に身体が興奮し、小刻みに絶頂する。
呼吸も忘れ、ひたすらに花の蜜を啜り絶頂を繰り返す。
やがて空気を求めて唇を離した時、私の中は先程よりも遥かに強い多幸感と快楽で一杯になっていた。
「ありがとうございます、立香さま…………♡とっても良かったです…………♡だからお礼に、今度はゴッホが立香さまにご奉仕致しますね…………♡」
蜜で蕩けて判断の落ちている私の隙を突いて、ゴッホちゃんと私の位置が上下逆転する。
「エヘヘ…………♡立香さま、遠慮しないでくださいね♡」
私の胸にゴッホちゃんが顔を埋めながら笑いかける。
そして次の瞬間、膣内に何かを捩じ込まれ、
「か、ひゅっ⁉︎♡♡♡」
呆気なく絶頂した。
見ると、ゴッホちゃんの背中から触手が数本、私の膣内に入り込んでる。
触手達は私の膣内を探り、弱いトコを徹底的に責めてくる。
更に、胸に顔を埋めた彼女に乳首を責めたてられる。
彼女の身体を舐めるだけで絶頂してしまう様な身体は当然その責めに耐えきれず、先程よりも深い絶頂を何度も叩き込まれる。
絶頂く度に身体がのけ反る様な電流が走り、脳が快楽に焼かれる。
それは頭が馬鹿になってしまいそうな程の強烈な快楽だったが、既にケダモノに堕ちていた私に拒むだけの理性は残っていなかった。
故に、快楽を与えてくれる彼女を離さない様に足を絡め、抱きしめる。
「ゴッホ、ちゃ…………♡もっと、もっとほしいっ♡♡♡」
「ちゅぱ…………っ♡わかりました♡立香さまが満足するまで、ご奉仕致します♡♡♡」
そして、ゴッホちゃんに更なる快楽を懇願する。
彼女は私のお願いを笑顔で受け入れて、責めを激しくする。
更に強まった快楽に、頭の中が真っ白になる。
絶頂と幸福の中で、意識が手綱を手放した。
翌日。
昨日の約束通り、私はゴッホちゃんの部屋に来ていた。
いたの、だが。
「…………どうしよう」
来てから随分時間が経ったにも関わらず、私は未だにゴッホちゃんの部屋に入れないままでいた。
まるで不審者の様に、彼女の部屋の前で右往左往しているだけだ。
彼女の部屋に入る勇気が出なくて。
しかし、右往左往している間にも時間は無情に過ぎていく。
時計を見ると、余裕を持って出発した筈だったのに、彼女との約束の時間まで後数分も無い、という有様だった。
それでも、身体は彼女の部屋に踏み込もうとしない。
昨日、覚悟は決めてきた筈なのに。
思う様に動かない自分に対して、不安と苛々とした気持ちが込み上がってくる。
…………動かない理由はわかってる。
彼女に、どんな顔をして会えば良いのかわからなくなってしまったからだ。
思い返すのは、昨日の夢。
燻る劣情が見せた、淫猥な夢。
夢で見た彼女の姿が、脳裏に浮かぶ。
「…………っ」
そのゴッホちゃんの姿にドクン、と心臓が跳ねて、顔がかぁっと熱くなる。
思い返すだけでこの様だ。
直接彼女に会ったらどうなってしまうのか、私にもわからない。
そして、思い返すだけでそうなってしまう自分の状況に私の中にある疑念が強くなり、会いたくない、答えを知りたくないという怯えの感情が顔を出す。
結果として、私は足が竦んで、その場から動けなくなっていた。
その時。
「おお? ますたあ殿じゃねえか。ごっほサンの部屋の前で、右往左往と何してんだい? それも、随分とデカい袋なんて持ってサ」
たまたま通りすがったのであろう北斎…………お栄さんに声をかけられる。
同時に、ずしりとした重みが私を襲う。
そう言えば、絵を返そうと思って持ってきていたんだった…………
ずっと夢の事ばかり考えていたから、肩に掛けている事も忘れていたらしい。
その事をお栄さんに伝えると。
「ホー…………ごっほサンの絵…………なるほどナァ」
と、何やら納得した様な顔をされる。
そして。
「そういう事なら、早く入った入った! ほら、ごっほサンも待ってるってもんだからナ!」
「え、ちょっとお栄さん⁉︎」
グイグイと、ゴッホちゃんの部屋に向かって徐に背中を押される。
虚を突かれたせいで私は反応出来ず、お栄さんのなすがままになってしまう。
「へい、ごっほサン! お届けものサ!」
お栄さんが端末を操作してゴッホちゃんの部屋の扉を開けて、蹴り込む様に私を押し込む。
「そんじゃ、後は二人でごゆっくり、ナ!」
そして、そんな捨て台詞と共に脱兎の様に消えてしまった。
同時に扉が閉まり、後には私と…………
「ハウッ…………エヘ、エヘヘ…………えと、その…………い、いらっしゃいませ、立香さま?」
何やら挙動不審な、ゴッホちゃんだけが残された。
「立香さま、こちらにどうぞ…………ウフフ…………」
「あ、うん…………」
何やら妙にテンションの高い様子のゴッホちゃんに促される形で、椅子に腰を落ち着ける。
対面に彼女が座る事で丁度向き合う形になり、否応なく視界に彼女の姿が映る。
彼女は作業のためかいつもの格好から上着を脱いでいて、肩と胸元を大胆に晒している。
その眩しさに視線が勝手に動いて、露出しているお臍やズボンに隠れた胸に惹きつけられ、彼女への疾しい気持ちが湧き上がってくる。
「…………っ」
唇を噛んで劣情を抑えこむが、本物の彼女を見たせいか、燻る劣情は中々消えなかった。
「立香さま、どうされました?」
「…………ううん、何でもないよ。それで、今日はどうしたの、ゴッホちゃん?」
その心の揺動を悟られない様に声を落とし、眼前のゴッホちゃんに今日私を呼んだ理由を尋ねる。
「えっとですね…………ほら、昨日立香さまに絵を送りつけたじゃないですか…………」
「うん…………」
昨日の絵。
そう言われて思い出すのは、3つの花が描かれた静物画と、目の前にいるゴッホちゃん自身が描かれた淫靡な絵。
それらを見た記憶が呼び起こされ、動揺に身体が身じろぐ。
「…………立香さま? どうされました?」
「…………っ、何でもないよ。それで、昨日の絵がどうしたの?」
ゴッホちゃんが私の動揺を見抜いたのか、怪訝そうな顔を向けて来たので話題を元に戻し、動揺を誤魔化す。
「あ、そうですね…………その、昨日の絵はゴッホの中でもとても上手く描けた自信作なので…………立香さまに感想を聞いてみたくなった次第で…………エヘヘ…………」
すると、いかにもゴッホちゃんらしい答えが返ってくるが、それを聞いて疑問が浮かぶ。
「…………なら、昨日私の部屋で聞けば良かったんじゃあ…………」
そう。
ゴッホちゃんが、まるで逃げるように絵だけを置いていった事だ。
これもまた、私がゴッホちゃんに疑念を抱く理由なのだが。
その事を彼女に聞くと。
「ハウッ…………エヘ、エヘヘ…………そ、それはですね…………その、自信作なのは確かなんですが、立香さまに渡す時になって不安になりまして…………それで、逃げたわけでして…………でも、画家としては絵の評価は聞かずにはいられなく、呼び出した次第で…………その、お手数をおかけしてすみません…………」
と、先程とは打って変わってゴッホちゃんの顔が暗くなる。
もしかして、入った時に挙動不審気味だったのも同じ理由だろうか。
私にも経験があるその理由に親近感を覚えると共に、密かに胸を撫で下ろす。
嘘を吐いている様子も無いし、そういう理由なら、逃げる様に絵を置いていってもおかしくないだろう。
それに、自信作だと胸を張る彼女が、その絵に私の疑念を体現するかの様な不純物を混ぜるとは思えない。
彼女を信じたいという個人的気持ちは大いにあるが、内心の疑念が解消された事に胸のつかえが取れる(無論、彼女が無意識に能力を発動していたという可能性は否めないが)。
しかし、何故だろうか。
彼女を責めなくて良い、と安心してるのに胸がザワつく。
まるで、彼女のせいだったら良かったのにと思う様に。
「いや、良いよ良いよ! 私もゴッホちゃんに用があったし、気にしないで!」
「立香さまも、ですか? …………そういえば立香さま、お部屋にいらっしゃった時からお持ちになっているそれは一体…………?」
そのザワつきを誤魔化す様に相槌を打つと、ゴッホちゃんが私の荷物に気づく。
「あ、これは…………」
どうしよう。
絵を返すつもりで持ってきたけど、今の状況で素直にそうとは言いにくい。
かと言って、このまま誤魔化して持って帰っても問題は解決しないだろう。
私の中にある疑念は消えたとは言え…………私がこの絵に、惑わされているのは変わらないのだから。
どうするべきかと逡巡していると、ふと思い出す。
ゴッホちゃんに、訊くべき事があるということを。
「…………ゴッホちゃん」
「…………? なんでしょう、立香さま?」
「…………ごめん、せっかく描いてくれた絵だけど…………私には、わからなかった。だから、教えて欲しいな。ゴッホちゃんが、なんでこれを描いたのかを」
箱からガマズミ、シャガ、サンビタリアの絵と…………ゴッホちゃん自身が描かれた同人誌を取り出して、目の前の彼女に問いかける。
そう。
私はまだ、彼女がこの絵を描いた理由に思い至っていない。
いくら考えても、まるで靄がかかった様に思考が止まってしまう。
だからこそ、私はその理由を知りたい。
それはきっと、私の中に燻るこの気持ちに、疑念が消えても強くなるこのザワつきに、答えをくれるだろうから。
「…………わかりました」
私の問いに対してゴッホちゃんは頷くが、その声は固く、酷く緊張している様だった。
そして、何か罪を告白する様に、あるいは何かに怯える様に、ゴッホちゃんが口を開く。
「…………立香さまは、ゴッホの事をどう思っていますか?」
「どう、って…………ゴッホちゃんの事は好き、だよ?」
いきなりの問いに困惑しながらも、咄嗟に答えを返す。
しかし口とは裏腹に、本当にその答えで良かったのかと内心懊悩する。
勿論ゴッホちゃんが嫌いという訳じゃない。
ただ、今の私には…………彼女への好意こそあっても、それが好きという感情に繋がるかはわからなかったからだ。
まるで、感情の回路が壊れたかの様に自分の事がわからなくなってしまっている。
その返答を受けて、ゴッホちゃんが口を開く。
「ウフフ、ありがとうございます…………ゴッホも立香さまの事が好きです…………敬うべき主としてだけではなく、その…………一人の、女性として」
「それ、って…………」
ゴッホちゃんの言葉はつまり、私への告白だった。
「はい。ゴッホは立香さまの事を愛してます」
「…………」
ゴッホちゃんの言葉はストレートだったが、その分私に逃げ場を与えない。
思い返してみれば、自分を曝け出す様な絵を贈るなんて、好意を持っている相手以外にはやらないだろう。
考えてみればすぐにわかったのに、何故か思考の外から外れていた彼女の考えに思考が固まり、何も答えられなくなる。
彼女が私の様子に苦笑しながら、更に言葉を重ねる。
「わかっています。立香さまとゴッホが女同士だって事は。でも、だとしても、ゴッホは…………ここにいるわたしは、貴女にもっと見て欲しい。貴女にもっと近づきたい。…………そんなエゴが抑えきれなかった。それだけの、自分勝手な理由です、エヘヘ…………」
「…………見て欲しいって、何を?」
答えを聞いても、頭の中の靄は消えなかった。
むしろザワつきが酷くなるばかりだ。
ゴッホちゃんに問いを重ねるが、その声は酷く乾いてた。
まるで、既にある答えに目を閉じている様に。
そんな私の内心に気づいているのかいないのか、彼女が顔を近づけ言葉を描く。
「当然、
ゴッホちゃんが微笑みながら、私の瞳を見つめる。
その笑みは昨日までの私が思っていた子供っぽいなんて印象は微塵も抱かせない程に儚げで、綺麗だった。
しかし、すぐに微笑みは崩れてしまう。
「…………まあ、立香さまの顔を見るに、結果は駄目だったみたいですけど」
「…………」
諦めに顔を染めたゴッホちゃんが自嘲する様に嗤う。
意気消沈したその姿は枯れゆく花を幻視する程に弱々しく、手を伸ばしたら手折れてしまいそうだった。
その姿に、私は改めて確信する。
彼女はただ、絵を贈って来ただけなのだと。
つまり、私はスキルなんて関係ない純粋な彼女の絵に魅せられただけなのだ。
しかし、その事実を認められるかどうかは別だった。
それはつまり、この胸に燻る狂おしい劣情が私の中から生まれたという事になるからだ。
今までの私を形作るものが壊れる様な音が頭に響き、感情が荒れ狂う。
私が彼女の好意に気づかなかったのも当然だ。
だって私は、それを認めるのが怖くて無意識に考えるのを避けていたのだから。
動悸が走り、視界がグラつく。
呼吸が浅くなり、気持ちの悪い何かが全身を駆け巡る。
胸に燻る劣情をどうすれば良いのかわからなくなってしまい、思考が空回りする。
思考の袋小路に何度も突き当たり、段々思考が重くなり、何も考えられなくなっていく。
その時。
「…………立香さま?」
思考の迷路に飲み込まれる私を心配そうに見つめる、ゴッホちゃんの顔が写った。
頭の中に彼女の姿がフラッシュバックする。
美しく咲いた、白い花が。
目を焼く程の眩さを放つ白い花が、迷路を…………常識や価値観といった、私を作り上げてきた壁を壊していく。
壊れた壁の後に残されたのは、抑えきれない彼女への劣情と…………その奥にある、狂おしい慕情だった。
同性であるとか子供っぽいとか私の中にあった
…………ああ、ここまで来たら認めるしかない。
私は、
彼女が魅せた、彼女自身の魅力に。
かちり、と感情の回路が切り替わる音がした。
回路が
認めてしまえば、後は一直線に落ちるだけだった。
「…………ゴッホちゃん、ごめん」
「…………別に、立香さまが謝る事は…………ゴッホが勝手にやった事ですし…………」
「違うの」
「へ?」
「私…………自分の事、誤魔化してた。誤魔化して、ゴッホちゃんのせいにしてた」
思い返せば、元からゴッホちゃんの事は好きだったのだ。
だけど、その愛の形は今の形とは違っていて。
彼女に狂い、変容していく愛の形を私は受け入れられなかった。
だから、彼女を突き放す様な事をしてしまった。
ああくそ、煮え切らない自分が嫌になる。
花の絵の時だってそうだ。
狂ったのは私の方なのに、彼女に理由を押し付けた。
全ては、私の心の内で起きたのに。
「それは、どういう…………」
ゴッホちゃんが困惑した顔を見せる。
そりゃそうだろう。
さっき自分を突き放した相手が、いきなり意見を翻したのだから。
正直、私も虫が良いことを言ってると思う。
だけど、彼女は自分を曝け出してくれたのだ。
なら、私も曝け出さないと。
その結果が何を招くにしても…………このまま自分は隠してバイバイなんて、私は彼女に顔向けできない。
それは嫌だ。
「…………絵を見てから、ゴッホちゃんへの気持ちが抑えられないの。…………それが怖くて、嘘をついた。ゴッホちゃんを突き放した」
ゴッホちゃんに胸の内を明かすが、彼女の顔は暗いままだった。
「…………立香さま、慰めならやめてください…………ゴッホは、気にして、ないですから…………そんな、希望を持たせる様な事は…………」
察するに、ゴッホちゃんは私が同情から好意を騙っていると思っている様だ。
自分の言葉が届かない事に、胸を刺す様な痛みが走る。
だけど、これは私が彼女に与えた痛みだ。
彼女だって痛い筈なのに、痛みを与えた私が逃げる訳にはいかない。
例え彼女が許そうとも、私が許せない。
「慰めじゃない。ゴッホちゃんが嫌なら、もっとちゃんと文句言ってる。…………結果的に突き放した私が言っても説得力は無いけどだけど、信じて。私は、ゴッホちゃんの事が好き。ゴッホちゃんと同じ様に、もっとキミに近づきたい」
だから、私に出来る事はゴッホちゃんに信じて貰える様、言葉を重ねる事だけだ。
しかし。
「…………だから、やめてください…………立香さまは、突き放してなんて…………それに、ゴッホなんて、お金にだらしなくて女の人にだらしなくてルールにだらしないダメサーヴァントなんですから、ゴッホの戯言を立香さまが気に病む必要は…………」
言葉を重ねる中で、ふと溢れたゴッホちゃんの言葉にカチン、と頭の中で何かが切れてしまう、
自分勝手だと冷静な部分が諭して激情を抑えようとするが、抑える手綱も既に切れていた。
「気にするよ! そもそも、ダメなとこがあるなんて、とっくに知ってるし…………それくらいでハイお終い、って出来るなら今こうやってゴッホちゃんの部屋に来たりしないよ!」
声が大きくなり、語気が荒くなる。
ゴッホちゃんの悪いとこなんて、数え上げれば枚挙に暇が無い。
こっそりリソースを食い潰して叱られてるのも知ってるし、自分の絵具を買うためのお金で女の人買おうとしてたし、挙げ句の果てにお金無くて落書きしてたら変なもの作っちゃうし!
成程、確かにろくでなしのサーヴァントだ。
だからって、今更それを言い訳にするなんて!
私の言葉が信じられないのは良い。
私が悪いからだ。
だけど…………ゴッホちゃんが、ゴッホちゃん自身の言葉を戯言と貶めるのは我慢ならなかった。
それも、とうの昔に受け入れた、彼女を好きな理由に比べれば些細に過ぎる欠点で。
まるで、昨日までの私達も嘘だと言っている様で無性に腹が立つ。
「っ、ゴッホは、立香さまが思うよりもっとダメなんです! だから、放っておいてください!」
売り言葉に買い言葉。
激情が互いに交差し、口論がヒートアップしていく。
気づけば、お互いに掴みかからんばかりの距離で睨み合っていた。
そして。
「…………そっちが先に踏み込んだ癖に、逃げるんだ」
「…………ッ!」
お互いムキになって白熱する口論の中で、致命的な言葉が私から溢れた。
口に出した後に、言い過ぎたと背筋に冷たいものが走る。
しかし、時は既に遅く。
ゴッホちゃんの顔が固まり、わなわなと震える。
次の瞬間。
「きゃ…………っ⁉︎」
その小さな身体から信じられない程の力で掴まれ、ベッドに押し倒された。
「なら、教えてください立香さま。今なら好きに立香さまを襲えます。立香さまが叫ぶなら口を塞ぎますし、誰かが邪魔するなら立香さま毎咲くだけです。そうなっても、同じ事が言えますか⁉︎…………ゴッホは、わたしは、立香さまの好意に甘えたら、いつかきっと間違えます。これより酷い、取り返しのつかない間違いを…………だから、希望なんて持たせないで…………敬愛する主と僕で、良いじゃないですか…………」
ゴッホちゃんが私に馬乗りになり、両腕を抑えつける。
流石サーヴァントというべきか、非力な筈の彼女の力ですら私とは比べものにならない程の圧力を感じる。
しかし、私はそれに抵抗しなかった。
正確には、抵抗するという考えが吹き飛んだと言うべきだろうか。
「…………なんで、抵抗しないんですか。ゴッホは、貴女を害しているのに…………」
ゴッホちゃんが訳がわからないといった顔で私を見下ろす。
そんな顔をされても、抵抗するという考えは頭から出てこない。
だって、私は彼女に抑えつけられてる事なんて忘れてしまう程の刺激に捉われてしまっていたのだから。
ただ、それを言うのはとても気が進まなかった。
言ったら、めんどくさい事になる事が目に見えたからだ。
しかし、言わなくても同じ事になりそうな気がする。
迷った結果、どっちも一緒なら言ったほうがマシだと思い素直にゴッホちゃんに告る事にした。
「…………ゴッホちゃん、その、見えてる…………」
目を伏して、躊躇いがちにゴッホちゃんに呼びかける。
「はい?」
文脈を無視した私の言葉に、ゴッホちゃんがキョトンとした顔をする。
そりゃそうだろう。
だって。
「…………だから、その、胸が…………」
私が魅入られていたのは、私の上にのしかかる様に抑えつけるゴッホちゃんのズボンの隙間から、チラチラと見え隠れしている桜色の突起なのだから。
…………いや、うん。
わかってる。
明らかに
でもしょうがないじゃん!
ゴッホちゃんが送ってきた絵のせいで、私の性的嗜好が綺麗に塗り替えられちゃったんだし!
しかも見えたのは絵のゴッホちゃんじゃなくて本物のゴッホちゃんのだし。
後ゴッホちゃんが好きって自分で認めたからか、さっきよりも余計に興奮してしまう。
むしろ吹き出さなかったのが奇跡といった感じだ。
ああくそ、顔が熱い。
多分鏡見たら茹でられた様になってるんじゃ無いか私。
「…………」
「あの、ゴッホちゃん?」
と、誰にするでも無い言い訳と益体の無い思考を脳内でしていると、ゴッホちゃんがバグった様にフリーズしている事に気づいた。
何とも言えない気まずい空気が漂い、やらかしたとさっきの発言を後悔する。
しばらくすると、再起動した彼女が油の切れた機械の様にぎこちなく口を開く。
「あの、立香さま」
「あ、うん」
「さっきのは、その、どういう…………」
再起動したゴッホちゃんが、酷く困惑した顔で訊いてくる。
うん、私も逆の立場ならそう言うしか無いと思う。
正直聞き間違いか何かだと思う。
だけど困った事に、聞き間違いでも、何かの例えでも無いのだ。
「何って、そのまんまの意味だけど…………」
だからゴッホちゃんの問いに素直に答えると(素直に答えるしか無いとも言う)、彼女の顔に赤みが刺した。
多分表情から私が劣情を向けてる事を悟ったのだろう。
色素が薄いからか、わかりやすく赤に染まっている。
その赤は羞恥からなのか、不真面目な私に怒っているからなのか。
「…………立香さまの、ケダモノ」
「…………ごめん」
多分両者だと思いながら、私は胸元を隠す様に抱きしめ、口を尖らせたゴッホちゃんに睨まれる、
ゴッホちゃんの視線に対して私は、謝る事しか出来なかった。
いやまあ、私が興奮したのは彼女のせいだけどそもそも興奮するなという話でもあるし。
ゴッホちゃんが私を睨んで、私がゴッホちゃんに謝るという時間が続く。
しばらくそうしていると、彼女がフッと笑う。
「ゴッホちゃん?」
「…………もう、良いです。立香さまの想いは十分伝わりましたから。…………ありがとうございます、立香さま。
「…………私も、ゴッホちゃんが好きだから。エゴを受け入れあったって事で」
「…………はい」
ゴッホちゃんの顔から、さっきまであった暗い色が消えていた。
お互いにヒリつく様な激情は感じられず、手前味噌だが、彼女に想いが伝わったのだとなんとなく直感する。
…………それの理由が私の性欲由来なのはちょっとどうかと思わないでも無いけど、ゴッホちゃんに想いが伝わったならそれで良いか。
ほっと胸を撫で下ろし、ベッドから起きあがろうとする。
しかし。
「ところで立香さま」
「え?」
その瞬間、再びゴッホちゃんにベッドに押し付けられる。
「ゴッホの事をそういう目で見てたって事は…………立香さまは、ゴッホが欲しいって事で良いですよね…………」
先程と違い、三日月に口を歪めたゴッホちゃんが瞳を熱情に濡らして訊いてくる。
その顔は同人誌に描かれた彼女を想起させて、連鎖的に色々な彼女の姿が脳裏に浮かぶ。
それらは何故か全てが淫靡な雰囲気を漂わせていて、思い返すだけで身体の奥が熱くなる。
正しく彼女に狂ってしまった精神が、先程よりもずっと激しい彼女への劣情を催す。
頭が劣情の産み出す熱で茹だり、ふわふわと夢見心地になる。
気づけば。
「…………わかりました♡」
ゴッホちゃんを求めてこくり、と頷いていた。
「ゴッホも、立香さまが欲しいです♡だから…………立香さまの望み通り、食べちゃいますね♡」
喜色に顔を染めたゴッホちゃんが、私の願いを肯定する。
胸が、興奮と渇望でドクン、と高鳴った。
水音が響く。
あれからすぐに始めたかと言うとそうでもなく、準備もあるから一回仕切り直そうと言う事になったのだ。
だから私も一回気分をすっきりさせたいと思って、ゴッホちゃんの部屋でシャワーを借りて浴びていた。
いた、のだが。
気分はすっきりするどころか、余計に高揚していくだけだった。
しかし不思議な事に、そんな自分に対する不安は一切湧いてこなかった。
ゴッホちゃんとお互いに感情をぶつけ合ったからだろうか。
「…………どうしよう」
いつか吐いた弱気の言葉が、今度は高揚に胸を踊らせる喜びの言葉として口から漏れる。
まるで子供みたいにはしゃいでいる自分に冷静な部分が呆れるが、悪くないと思う自分もいる。
「…………そういえば、ゴッホちゃんはどんな準備をするんだろう」
自分の感情にいい意味で振り回されていると、ふとゴッホちゃんの言葉を思い出す。
シャワーから上がると、幕で区切られた彼女の部屋が見えた。
彼女がしばらく見ないで欲しいと言って区切ったものだ。
何か作業をしているのだろうか、時折水音の様なものが聞こえる。
「1時間くらい欲しいって言ってたけど…………」
時計を見ると、15分くらいしか経っていない。
つまりもうしばらく、手持ち無沙汰な時間が続く訳だ。
なんだかお預けされている様で、悶々とした気持ちになる。
「…………何やってるのかなぁ」
それを紛らわすために虚空に問いかけてみるが、幕の向こうのゴッホちゃんが答えてくれる筈もなく。
わかっているのは私が、ゴッホちゃんに食べられるという事だけで。
「…………っ」
その結論に辿り着くと同時に、昨日見た夢が頭に思い浮かぶ。
もし夢みたいな事をされたらどうしよう、と不安の様な期待が胸を擽る。
その期待はゴッホちゃんへの感情と合わさって劣情を呼び起こし、身体の奥を熱くする。
それは理性を容易に吹き飛ばしてしまいそうな熱で、直ぐにでもゴッホちゃんに襲いかかってしまいそうな衝動に支配される。
だけどそれはダメだ。
だってそれをやったら、ゴッホちゃんとの約束を破る事になる。
それは嫌だ。
しかし、このまま我慢する事も私には出来なさそうだった。
せめてもの抵抗として、シャワールームに駆け込んで鍵を掛ける。
そのまま扉に背中を預け、ズルズルと座り込む。
だけど、そこで限界だった。
気づけば。
「ん…………ぁ…………っ…………ゴッホ、ちゃん…………っ」
衝動に突き動かされた指が勝手に動き、自分を慰め始めていた。
扉一枚、幕一枚隔てた向こうにゴッホちゃんがいるのに、それを考える理性は無かった。
もしゴッホちゃんに弄られるならどう弄られるだろう、とだけ考えながら全身を弄る。
夢でされた様に、服を投げ捨てて触手の代わりに指で秘部や胸を弄る。
それは昨日慰めた時と同じ快感を齎してくれたが…………とても物足りなかった。
彼女に貪られるという未来が待っているからか、自分で慰めるのは寂しく、どこか渇いた快感だった。
すぐ向こうに彼女がいるのもあって、惨めさすら覚えてしまう。
身体は与えられる快感に反応して絶頂するが、渇きを癒したいという渇望だけが強くなり、満足する事は出来なかった。
それでも、私に止める選択肢は無かった。
だって。
「はや、く…………っ、し、たい…………ゴッホ、ちゃん…………ぁ…………っ」
今の私は、1時間という短い時間ですら耐えられない程に、ゴッホちゃんを求めてしまっているのだから。
例え渇きが増すだけだとしても、幻想の彼女を感じていたい。
そのまま、夢中になって慰め続けた。
時間の感覚も忘れるほどにシャワールームで自分を慰める。
「ゴッホ、ちゃん…………♡…………く、ぁ…………っ♡」
ただひたすらに、ゴッホちゃんを求めて。
そして、何度目かわからない絶頂を迎えた時。
ゴンゴン、とシャワールームの扉を叩く音が響いた。
「立香さまー?」
「…………っ! ど、どうしたの、ゴッホちゃん?」
その音に一瞬にして正気が戻る。
扉を叩いたのは。ゴッホちゃんだった。
彼女を求めて自分を慰めていた事がバレていないかと、背筋を冷たいものが走る。
「準備が終わったので、出てきてもらっても良いですか?」
「わ、わかった! 直ぐ行くよ!」
しかしゴッホちゃんの声に変わったとこはなく。準備が終わったから呼びかけただけらしい。
ほっと胸を撫で下ろすと共に、我慢の出来ない自分に呆れの気持ちが走る。
とはいえ、お預けはもう終わりだ。
急いで後片付けをしてシャワールームを出る。
すると幕が片付けられていて、さっきまで見えなかったベッドが視界に写る。
そこには。
「いらっしゃいませ、立香さま♡」
同人誌に描かれていたのとそっくりな水着を着た、ゴッホちゃんがいた。
「──────」
「立香さま?」
あまりに刺激的な格好に、思考がフリーズする。
ゴッホちゃんの呼びかけで我に帰るが、平常を保つ事は出来なかった。
満たされる事の無いまま自分を慰めていた事もあって、五月蝿いくらいに鼓動が昂る。
更に切り取られた様に開いてる穴から覗くお臍や白い肌が視界に入って、更に鼓動が昂っていく。
「…………それが、準備に時間がかかったわけ?」
だけど、まだ始まった訳じゃない。
見境なく襲うケダモノになってしまわない様に逸る鼓動を抑えながら訊ねると、ゴッホちゃんが口を三日月に歪ませる。
「はい♡立香さまには、ゴッホの絵で色々迷惑をかけたので…………お詫びに、立香さまの好きな格好で迎えようと思いまして♡」
「好きな、格好…………?」
「はい♡」
そういえば、部屋を区切る前にゴッホちゃんにどのゴッホちゃんが良かったか聞かれた様な。
私はそこで、一番最初に見た水着のゴッホちゃんを答えた筈。
それで準備に時間がかかったのかと納得していると、ゴッホちゃんがベッドをぽんぽんと叩く。
誘われるままに彼女の隣に座ると、一つおかしな点に気づく。
彼女の水着が、妙に肌に吸い付いてる事に。
水着特有の盛り上がりというのだろうか、そういうものを感じられない。
そこに気づくと、ある疑問が浮かんでくる。
あれ? ゴッホちゃんって、水着とか持ってたっけ? 、と
そりゃまあ、霊衣を作る事ならクレーンさんとかに頼めば出来るだろうけどさ。
果たしてゴッホちゃんに、絵を描いた上でそんなリソースがあるのか。
そもそも水着を着るくらいなら、1時間もかからないのではないか。
と、色々とゴッホちゃんの水着について怪しんでいると。
「ウフフ…………♡立香さま、ゴッホの水着が気になりますか…………♡」
「…………っ!」
ゴッホちゃんが、私を押し倒して、身体を密着させてきた。
裸のままシャワールームを出たから直に肌が触れ合って、胸の鼓動が抑えきれない程に昂ってしまう。
そして。
「気になりますよね…………♡だって立香さま、ゴッホの事を呼びながらオナニーしちゃうくらいゴッホの事が好きなんですから…………♡」
「今だって、ほら…………♡」
「あ、ぁ…………っ♡なん、で…………っ♡ぃ、あ…………っ♡」
不意打ちの快楽に、頭が弾けた。
見ると、いつの間にか下腹部に伸びていたゴッホちゃんの指が秘部を弄っている。
かき混ぜる様な水音が響き、快楽が脳を炙る。
しかしそれ以上に、ゴッホちゃんの言葉が心を揺らした。
バレてない、と思ってたものが、見過ごされていたと教えられ動揺が走る。
その隙を突くように、嗜虐的な笑みでゴッホちゃんが私の身体を弄る。
先程より深い快楽が走り、理性が溶けていく。
「バレるに決まってるじゃないですかぁ…………♡立香さま、シャワールームからゴッホの事を大声で呼ぶんですから…………♡おかげでゴッホも、集中出来なくて大変だったんですから…………♡」
「〜〜〜っ♡」
ゴッホちゃんを想って散々自分で慰めたせいか、身体は求めた相手に弄られて簡単に絶頂するようになっていた。
そのせいで言い訳の余地が無くなり、彼女の言葉に頷かざるを得なくなってしまう。
考えてみれば、同じ部屋の中であんな事をやってバレない筈が無いのだ。
逃げられない状態で自分の愚かさを教えられ、羞恥で彼女の顔を直視出来なくなる。
「でも嬉しいです…………♡立香さまのことは疑って無かったですけど…………ゴッホの事を、そこまで想ってくれていたなんて…………♡だからゴッホも、立香さまの為に頑張ってこれを作りました♡」
だけどゴッホちゃんはそれを許してくれない。
逸らした顔を戻され、彼女の事しか見えない様にされる。
その時、違和感の正体に気づいた。
「ゴッホ、ちゃん、それ…………っ♡」
「はい♡立香さまの為に描いた、ゴッホ特製の絵です♡」
ゴッホちゃんの水着は、彼女が自身の肌に描いた絵だった。
ここまで近く来てようやく気づける程に精巧に描かれた騙し絵だったのだ。
時間がかかるのも当然だ。
だって最初から、彼女は水着なんて着ていなかったのだから。
「立香さまは、真面目な話をしてるのにえっちな事を考えちゃうケダモノですよね…………♡だから、ケダモノの立香さまが楽しめる様にこれを描きました♡立香さまが好きなゴッホを、たっぷり味わって、楽しんでくださいね♡」
三日月に口を歪めながら、ゴッホちゃんが私の頭を胸に包む。
すると、微かに柔らかい感触と共に甘い匂いが鼻腔を擽った。
プン、と香るその匂いはまるで蜜の様で、嗅覚を通して脳を揺さぶる。
今すぐにこれを貪りたいという衝動が湧き出し、呼吸が荒くなる。
そして。
「ウフフ…………♡どうぞご自由に、立香さま♡立香さまの為に、ゴッホの絵はゴッホ特製のあまーい花の蜜で描きましたので♡」
ゴッホちゃんの言葉で、衝動を踏みとどめていた僅かな理性の綱が千切れ飛んだ。
彼女を組み伏せ、甘い匂いのする場所を貪る。
舌に触れた瞬間絵を作り上げてる絵の具がドロっとした蜜の様になり、ビリビリと、刺激的な甘い味が広がる。
その味が妙に癖になり、夢中になって彼女を貪る。
そして彼女の水着を作る蜜を舐めとる度に身体が熱くなり、ふわふわと夢心地になる。
まるで昨日の夢の様だと思いながらも、私が止まることは無かった。
夢の通りなら、もっと彼女と一緒に快楽を貪れるから。
「ゴッホに夢中になってくれて嬉しいです、立香さま…………♡エヘヘ…………嬉しすぎて、咲いちゃいます…………♡」
昨日見た夢と同じセリフをゴッホちゃんが言う。
その声に顔を上げると、ゴッホちゃんが白い姿に咲いていた。
私が貪って斑になった、水着の絵を纏ったままで。
真っ白な身体に斑の絵を纏うゴッホちゃんは、まるで誰かに襲われた様な雰囲気を醸し出していた。
それは私に綺麗なモノを汚したという背徳の征服感を齎し、夢以上にケダモノに堕ちてしまう。
もっと貪りたい、汚したいと衝動が強くなる。
気付けば。
「立香さま、痛いです…………♡でも、嬉しい…………♡」
ゴッホちゃんを後ろから組み伏せ、噛み付く様に彼女の背中を貪り始めていた。
自分のモノだと印を付ける様に、ひたすらに彼女の背中を貪る。
蜜に何か仕込んであったのか、それとも彼女の性癖のせいか、貪れば貪る程にゴッホちゃんから甘い声で鳴く。
それにケダモノが余計に興奮して本能のままに貪り続けていると、太ももに何か湿ったものが当たった。
「立香さま、立香さま…………♡」
見ると、ゴッホちゃんが媚びる様な声で、秘部を私の太ももに擦り付けていた。
太ももに付いた液体…………ゴッホちゃんの愛液を指で取ると、ちょっと苦い味がした。
それが蜜とのコントラストで脳をかき混ぜ、更なる欲望を呼び起こす。
その欲望のまま、ゴッホちゃんを貪りながら空いた手で色んな場所を責める。
「立香さま、そこ、よわい、です…………っ♡」
胸に指を伸ばし、痛くならない程度に好き放題弄り回す。
興奮しているのかゴッホちゃんの乳首は固くなっていて、ちょっと摘むだけでも嬌声が漏れ出る。
だけどその声はまだ余裕がある様な声で、まるで私の責めを楽しんでるような声だった。
だからなのか、さっき感じた征服感がまた首をもたげてくる。
もっと鳴かせたい、屈服させたいと。
その声に従い、胸を弄る手を片方下腹部に這わせる。
ゴッホちゃんの身体が纏う蜜を掬う様に下腹部を撫で回していると、何か突起の様なモノに触れた。
「っ、立香さま⁉︎♡そこは、ダメ、…………あ、あぁっ♡♡♡」
触れた瞬間ゴッホちゃんが先程とは違った余裕のない声を出したので指で包む様に撫で回すと、獣の様な嬌声を上げた。
それに興奮して、触れた場所…………ゴッホちゃんのクリトリスを蜜を塗り込む様に指で弄り回す。
既にクリトリスは勃起していて、ちょっと触れるだけでもゴッホちゃんが余裕のない嬌声をあげる。
それに夢中になって弄り続けていると、背中の蜜が殆ど無くなってしまった。
「立香、さま、もうダメ、で…………っ♡♡♡あ、ひ…………っ? ♡♡♡あ、ぁっ♡♡♡あ〜〜〜っ♡♡♡」
だから、最後に残った首筋の蜜に噛み付くと同時に、ゴッホちゃんの乳首とクリトリスを同時に摘む。
すると、ゴッホちゃんの身体が今までより遥かに大きい嬌声と共にビクビクと震えて、ぐちゅりとした感触が伝わって来た。
どうやら、ゴッホちゃんが絶頂したらしい。
荒い呼吸をする彼女を離してから太ももに付いた愛液を指で取ると、さっきよりも苦い味がした。
ゴッホちゃんがそれだけ深く絶頂したとわかって、玩具を撫で回す様な恍惚を覚える。
だけど、まだだ。
まだ足りない。
「ハァッ、ハァッ…………♡♡♡」
甘い声で荒い呼吸をするゴッホちゃんを見る。
その姿は魅力的で、ケダモノが更に荒れ狂う。
フラフラと、酸素を求めて動く口に惹かれる。
「立香、さま…………? ♡ん、んむぅっ⁉︎♡♡♡」
欲望のまま、ゴッホちゃんの唇を塞ぐ。
相手の事など考えず、ただひたすらに彼女を貪る。
酸素を求めて無意識に開く口に舌を捻じ込み、口の中の唾液を貪る。
彼女の全てを味わってるような気がして、とても甘美な征服感を覚える。
しかし、満足する事は出来ない。
内に潜むケダモノは、どれだけ彼女を貪っても満たされる事は無かった。
あるのは、飢餓感にも似た興奮だけだった。
「はぁ…………はぁ…………なんで…………」
酸素を求めて唇を離すと共に、内にある不安が漏れる。
すると。
「お返し、です♡」
「んむっ⁉︎」
不意打ちの様にゴッホちゃんに押し倒され、立場が逆転する。
そして、先程とは逆に今度は私が唇を彼女に貪られる。
酸素に喘ぐ口をこじ開けられ、舌が捩じ込まれる。
彼女の舌がまるで別の生き物の様に私を絡め取り、弄り回す。
だけど何故か。
「んちゅ、ちゅぱ…………っ♡んはっ、ちゅぶ…………っ♡♡♡」
さっきのキスとは比べ物にならない程の満足感と快楽が、私を支配した。
淫らな水音を立てながら、ひたすらに彼女に貪られる。
酸欠気味で頭がぼーっとしてせいか快楽の感覚だけが強くなっていく。
そして。
「んむ…………っ♡♡♡ん、ん〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
ゴッホちゃんの舌に絡め取られた舌を彼女の口に引きずり込まれ、優しく喰まれる。
小さな鈍い痛みが走ると同時に、貪られた快楽が中で弾け、絶頂する。
唇だけだったのに、その快感は自分で慰めた時よりも遥かに強かった。
「はー…………っ♡はー…………っ♡」
唇を離された後も絶頂の余韻が抜け切れず、媚びる様な吐息が漏れる。
「ウフフ…………♡立香さまに食べられて、とっても嬉しかったです♡でも…………立香さまがまだ満足されて無い様なので、約束通り、今度はゴッホが立香さまを食べちゃいますね♡」
私を見下ろすゴッホちゃんが妖しく笑い、触手を蠢かせる。
そして私を抱きしめ、徹底的に私を責め始めた。
…………この時、私は満足感の正体を悟った。
私は、彼女という美しい存在を貪りたくて、貪られたいのだ。
その相反する感情を一つだけ満たしていたからバランスが崩れ、飢餓感に襲われた。
だけど今は彼女に貪られている。
だからこそ私は今、快楽に満たされている。
それに気づけば、後は快楽に落ちていくだけだった。
「ウフフ…………♡立香さまの弱いところ、全部見つけてあげます…………♡」
「っ、いま、イった、ばかり、だから…………っ♡♡♡」
ゴッホちゃんが首筋に舌を這わせ、抱きしめる手で背筋を撫でられる。
キスで神経を興奮させられたのか、それだけでゾクゾクと電流の様な甘い快楽が走る。
その上、開いてるもう片方の手で乳首を責められる。
丁寧に撫でる様に弄り回され、時折摘まれる。
彼女にされているからか、それは自分で慰めるより遥かに気持ちよく、それを示す様に乳首が固くなっていく。
更に。
「そういえば、立香さまはダメって言ったのにゴッホのクリトリスを責めましたね…………♡ゴッホは嬉しかったですけど、ルールを破る人はお仕置きが必要、ですよね…………♡ゴッホも、よく叱られてますし…………♡」
ゴッホちゃんが、私のクリトリスを責める様に秘部を擦り付けてくる。
私が舐めなかった蜜が秘部に絡み、ドロっとしたものが伝わってくる。
しかし、それだけでは終わらない。
「っ、なに、これ…………っ♡♡♡」
ゴッホちゃんに擦り付けられる度に、快楽が増していく。
「ウフフ…………♡実は、ゴッホの蜜に媚薬を混ぜ込んでいたんです♡」
「びや、く…………っ♡♡♡それ、で…………ぁ…………っ♡♡♡」
ゴッホちゃんの言葉に成程、と妙に納得するが、すぐに快楽に流されていく。
さっきいじめた仕返しの様に、小刻みに絶頂させられる。
更に。
「立香さまは、ゴッホをオカズにオナニーするケダモノですから…………♡これくらいじゃまだ足りませんよね♡♡♡」
「く、ひっ⁉︎♡♡♡」
ゴッホちゃんの触手が膣内に入り、色んな場所を弄られる。
平面の触手が自分の指では触れない奥に忍び込み、快楽を叩き込んでくる。
それは頭が真っ白になる程の快楽で、媚薬を大量に接種した全身を責められてるのもあって、触手が動く度に絶頂してしまう。
更にクリトリスを触手に包まれ、丁寧に扱かれる。
頭を何度も灼く様な快楽に人語を使う回路が焼き切れて、ケダモノの嬌声が響く。
「ケダモノの立香さまが満足する様に…………何度でもイかせてあげます♡♡♡」
「か、ひゅ…………っ♡♡♡お、あぁ…………っ♡♡♡あ、ああ〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
私はそれに耐え切れず、呆気なく絶頂を重ねる。
余すとこなく彼女に貪られるのはとても気持ちよく、夢で見た時以上の満足感を私に与えた。
同時に許容範囲外の快楽に頭が限界を迎え、視界がゆっくりと暗くなる。
快楽と幸福の中で、意識が闇に落ちた。
──────ザーザーと、シャワーの水音が響く。
気絶から回復した後、私とゴッホちゃんは一緒にシャワーを浴びていた。
狭いけど、ゴッホちゃんが小さいのもあって二人で洗うくらいはどうにか出来る。
「そういえば」
シャワーで汚れを洗い落としながら、ふと気になったことをゴッホちゃんに訊ねる。
「立香さま?」
「どうしてあの花達だったの?」
私が訊いたのは、ゴッホちゃんが送ってきた花の絵だ。
同人誌の方はそういうアピールって事で納得したけど花の方はよくわからなかった。
特に共通点があるわけでも無いし。
「…………むぅ」
「え?」
「…………立香さまの鈍感」
すると、ゴッホちゃんが急に不機嫌になる。
何か虎の尾を踏んだらしい。
「…………まあ、良いですけど」
しばらくの沈黙の後、ゴッホちゃんが溜息をついて渋々といった様子で耳元で囁いてくる。
その答えは、成程確かに鈍感と言われてもしょうがないものだった。
「…………すみません」
流石に無神経だったと、罪悪感から謝罪が飛び出す。
「別に良いですよ。結果的に、立香さまには伝わったんですし。それに…………」
しかしゴッホちゃんはそこまで怒っていた訳でも無い様で、すぐにいつもの笑顔に戻る。
「?」
「これからは、立香さまがずっと見てくれますから」
「…………そうだね」
続く言葉は、これからの私達を表す言葉だった。
これからも、色々ゴッホちゃんとはぶつかっていくだろう。
だけど、大丈夫。
私達はお互いの目に自分をしっかりと刻んだ。
それがある限り、この気持ちは変わらないから。
ぶつかっても、きっと仲直りできる。
「ところで立香さま、ゴッホ渾身のアピールをスルーされて傷ついたので慰めてもらっても良いでしょうか」
「…………」
…………出来る、よね?
ニヤニヤと、格好のネタを見つけたかの様に笑うゴッホちゃんを見ながら不安になる私だった。
花に関しては私を見てみたいな花言葉のある花です
次は初リクエスト作品書きます
モルガンです
続きを書くなら
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快楽堕ち(ビーストカーマ)
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カジノ敗北所有物(Wコヤンスカヤ)