※この作品はR-18です。

狂気的な恋 R18版   作:96963

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リクエスト作品です
今回話の都合上終章終了後まで時系列飛ばしたりしてます
ご容赦ください


ふたなりマシュとふたなりぐだ子が孕ませ合う話

 夜の帷が落ち切って、カルデアの皆さんが寝静まり始める頃。

 

「ふぁ…………」

 

 鳴り響く消灯のアナウンスに釣られたのか、私の部屋で一緒に寛いでいた先輩が可愛らしいあくびを漏らした。

 

「そろそろお開きにしましょうか、先輩」

 

「そうだね〜…………」

 

 少し眠そうな顔の先輩を可愛らしいと思いながらも、今日は先輩が泊まる用意をしてないので、軽く先輩の肩を叩く。

 それで眠気が多少吹き飛んだのか、ぱちっと先輩の目が開いた。

 

「それじゃおやすみ、マシュ!」

 

「はい。おやすみなさい、先輩」

 

 さっきの眠そうな顔とは一転、いつもの様に元気な声でマイルームに帰っていく先輩を見送りながら、扉を閉める。

 そして鍵を掛け、部屋に私以外誰もいないのを確認して。

 

「…………ふう」

 

 そっと、胸を撫で下ろした。

 それは、今日も何事もなく先輩との平和な一日が終わった事への喜びであり。

 

「…………今日も、隠し通せました」

 

 ────先輩には言えない、私の秘密が暴かれなかった事への安堵だった。

 

 

「先輩…………」

 

 ぎぃ、と軋む音を立てるベッドの上で膝を抱えながら、今日の事を振り返る。

 今日は、カルデアでは珍しく平和な日だった。

 特異点の発生で警報が鳴る事もなかったし、カルデアのサーヴァントの皆さんがトラブルを起こす事もなかった。

 おまけに今日は休日(先輩の訓練がお休み、という意味ですけど)で、一日ずっと先輩の隣にいられた。

 …………だからといって先輩と何か特別な事をしていた、という訳ではないけれど。

 先輩とのんびり一緒に過ごせた、という事自体が私の心を温かく満たしている。

 大好きな人と一緒にのんびりと過ごせる時間は、今の世界ではとても得難く、贅沢な幸せだ。

 だから、今日はとても幸せで満たされた一日だった。

 …………満たされていた、筈なのだけど。

 

「…………っ」

 

 先輩と過ごした一日を振り返っている内に、心を満たす温かいものとは別の何かが、何処かから湧いてきた。

 その何かは炎の様に熱く、激しい衝動で、瞬く間に私の心を塗り替えていく。

 やがて心を塗り替えるだけでは物足りなくなった衝動が、身体すら染めていく。

 狂おしくなる程熱く、甘い情欲に。

 そして。

 

「先輩…………っ…………先輩…………っ!」

 

 炎の様な衝動に頭のてっぺんからつま先まで侵されてしまった私は、知らず知らずのうちに自分を慰め始めていた。

 但し、それは私の秘部ではなく…………私にある筈のない、男根を扱きながらの話だったが。

 衝動に侵された男根は既に熱く、固くなっていて、私の手が男根を擦り上げる度に、甘い快楽が脳を揺らす。

 それで理性が溶けて、先輩の事しか考えられなくなる。

 先輩の甘い匂い。

 先輩と繋いだ手の温かさ。

 先輩の身体の柔らかさ。

 今日一日私の隣にいた先輩の事を想いながら、情欲に突き動かされて夢中になって慰め続ける。

 その結果、加速度的に快楽が強くなって、何かが込み上がってくる。

 そして、快楽が限界に達した時。

 

「先、ぱ、い…………っ!!」

 

 何かが弾ける感覚と共に、熱くてドロリとした液体…………私の精液が、鉄砲水の様に鈴口から吹き出して、男根を握る私の手を白濁で汚した。

 同時に、さっきまであった筈の狂おしい程の衝動が、嘘の様に消えていく。

 心を埋め尽くしていた筈の熱が、心を燃やすだけ燃やして、燃え尽きていく。

 後には。

 

「…………また、やってしまいました…………」

 

 幸せだった記憶を情欲で汚してしまった、先輩への罪悪感だけが残された。

 

 

「…………はぁ」

 

 汚してしまった色んなものへの後始末を行いながら、軽く溜息を吐く。

 衝動を抑えられない弱い自分への、失望を込めながら。

 これで、何回目だろうか。

 少なくとも、両手の指じゃもう足りない。

 先輩への罪悪感と私への失望と後悔でぐちゃぐちゃになった頭でそんな事をぼんやりと考えながら、満足して小さくなった私の男根を見つめる。

 本当に、どうしてこうなってしまったのだろう────

 

 

 一応言っておくと、私は生物学的には普通の女性だ。

 つまり男根なんて、生えている筈が無い。

 だけど、今の私には何故か男根が生えている。

 …………あの、大法廷での裁判を終えてからずっと。

 当然、すぐにダ・ヴィンチちゃんに調べてもらったけど…………機能的には男性のそれにほぼ近いもので、命に関わる様な悪影響はない、ということ以外、全くわからなかった。

 自分でも正直心当たりは無いけど、敢えて言うのならあの特異点でメタトロンさんに取り込まれた時だろうか。

 あの時、メタトロンさんは私の天使性に目をつけて、ルーラーにしようと私を取り込んだ。

 最も、最終的に私は天使性を捨て去って、ルーラーではなくパラディーンに目覚める事になったのだけど。

 あそこで捨てた筈の天使性の影響ではないかと、個人的には思ってる。

 …………天使とは両性具有、らしいから。

 ────確かに天使はそう言われる事もあるけど、メタトロンやギャラハッド曰く、天使性を捨てた筈のマシュがそうなっているのは実に摩訶不思議だ。推測になるしかないのが悔しいけど、ルーラーを作るための空間でパラディーンに目覚めたのが変な影響を出してるのかも? 

 とは、私を診た時のダ・ヴィンチちゃんの言だ。

 閑話休題。

 実のところ、ダ・ヴィンチちゃんが色々とサポートをしてくれているから、男根が生えてる事自体にそこまで問題は無かったりする。

 …………ある一点を除いて。

 だけど、今の私にとっては…………その一点こそが、どうしようもなく重く心にのしかかる、苦しいものだった。

 それは…………さっきの様に、先輩への情欲が抑えられなくなってしまった事だ。

 そしてそれが、私がこの秘密を先輩に明かせない理由だった。

 …………私は、先輩が好きだ。

 あの始まりの日から、今日に至るまで…………ずっと、ずっと…………先輩が好きだ。

 きっかけは多分、最初に先輩に出会った時に抱いた、尊敬の様な気持ちだ。

 そこから、長い…………長い旅の中で、少しずつ先輩の事を知って、無邪気に抱いていた尊敬は、いつしか彼女という人間への好意に変わっていた。

 彼女の隣にいたい、一緒にいたい…………と、無自覚な願望が生まれるくらいには。

 そして…………無垢であろうとする事をやめたあの時から、抱いた気持ちは更に変わっていった。

 もっと一緒に、もっと近くに…………願わくば先輩の一番になりたい、先輩が欲しい…………と、今まで無意識に抑えていた反動と言わんばかりに、先輩への想いが、爆発した。

 先輩へのその想いは日増しに強くなっていって…………もう自分でもどうすれば良いのかわからないくらいに、膨れ上がっていた。

 初めて味わう感情の奔流を私は処理しきれず、荒れ狂う感情はそのまま先輩への狂おしい情欲になって…………気づけば、私は先輩を求めて自分を慰める様になっていた。

 …………私に生えた、男根を慰めるという形で。

 まるで私が変わるのを見計らっていた様に現れたソレは、最初から私の一部だったかの様に身体に馴染んでいて、燃え盛る情欲の炎を一時的とはいえ鎮めてくれた。

 だけど、炎が鎮まった後には決まって…………さっきの様に、罪悪感と失望に囚われてしまう。

 情欲でしか先輩を見ることが出来なくなってしまった罪悪感と、情欲を抑えることの出来ない自分への失望に。

 …………わかっている。

 こんな感情に囚われ続けるより、先輩に全て告白してしまった方が良い、と。

 だけど、私を囚う感情は情欲の炎を鎮める度に澱の様に積もっていって…………いつしか、雁字搦めに私の心を絡め取ってしまっていた。

 だから、動けない。

 積み重なった澱が不安を掻き立てて、私の手足を掬ってしまう。

 先輩に告白しようとする勇気が、今の私を先輩が知ったら失望されてしまうんじゃないか、という恐怖に圧し潰されてしまう。

 

「…………どうすれば、いいんでしょうか」

 

 試練を乗り超えた筈なのに、気づけばまた弱気になっている自分に諦観にも似た失望を覚えながら、自分でもわからない答えを求めて虚空に問いかける。

 当然、答えが返ってくる事はない。

 踏み出せない私の弱さを直視して、心が重くなるだけだ。

 だけど…………それでも、私は問いかけを止められなかった。

 それがこの苦しみから逃げたいからなのか、それとも先輩と向き合いたいからなのかは、わからなかったけど。

 意識が夢に落ちるまで、私は答えを求めて問いかけ続けた。

 

 

 

 

 

 数日後。

 一日の訓練を終えて自室に戻った私は、マリーンさん達から届けられた洗濯物の仕分けをしていた。

 

「それにしても、今日の訓練は疲れました…………」

 

 洗濯済みの服や下着を所定の位置に仕舞いながら、今日の出来事に少し溜息を吐く。

 今日の訓練は、サーヴァントの皆さんがなぜだか意気を上げていて、普段の数倍ハードだった。

 先輩も私も、終わる頃には挨拶も出来ない程ヘロヘロになるくらいには。

 だから正直言ってすぐにでもベッドに飛び込みたいのだけど、マリーンさん達が気持ちを込めて洗ってくれたものを無碍にする訳にもいかない。

 なので疲れた身体をノロノロと動かしながら、無心で棚に服を仕舞い、あと少しで終わろうとしていたその時。

 

「…………え」

 

 残り少なくなった洗濯済みの服の中に、私のものではない下着が混ざっている事に気づいた。

 それは今の私が履くことのない、普通のデザインの下着だった。

 今の私は特注の下着を使ってるから、そんなものが混ざってるなんて、ありえない事だった。

 疲れた頭でも、はっきりわかるくらいに。

 ついでに言えば、アレが生える前からもこの下着を着た事はない、と記憶が言っている。

 だけど、何故だろうか。

 その下着は以前までの分を含めても、私が履いた記憶なんて無いはずなのに、妙に見覚えがある。

 まるで、誰かが履いていたのを間近で見ていた様な…………

 

「…………あっ」

 

 ぼんやりとした記憶に意識を飛ばしていたその時。

 脳裏に、目の前の下着の持ち主が思い浮かんできた。

 それは…………先輩だった。

 先輩の顔が思い浮かんだ途端、ぼんやりとした記憶が以前一緒にお風呂に入った時に先輩が着ていたという、はっきりとした記憶に切り替わる。

 そこまで思い出して、何故先輩の下着が私の物に混ざっているのだろうかと、目の前の下着に対する疑問が湧いてくる。

 マリーンさん達が私の洗濯物に間違って入れてしまったのだろうか。

 よく見ると、先輩のブラは無くてショーツだけが私の方にあるし。

 先輩の下着が私の部屋にあるというイレギュラーな状況に、眠気のせいか妙に冷静な頭で考えながら、さてこの下着をどうしようかと、今後の処遇について考える。

 …………本当なら、今すぐにでも渡しに行った方が良い、と思う。

 だけど、さっきの先輩の様子を考えたら多分先輩はもうベッドの中だ。

 それを今から起こして…………というのは、中々選びにくい。

 となると、今夜は私の部屋でこの下着を保管して、明日先輩に渡しに行く方が良い気がする。

 と、そこまで考えた時。

 

「…………あれ?」

 

 色々と考えていたのがきっかけか、眠気でよく回ってなかった頭が急にクリアになっていく。

 

「…………ハッ⁉︎ッ、ダメです! やっぱり、返しに行きましょう!」

 

 同時に、さっきまでの自分がとんでもない事を考えていた事に気づいて、慌てて首を振る。

 …………さっきの私は、無意識のうちに先輩の下着を渡しに行かない理由を作り上げていた。

 それはきっと、突然現れた先輩の物に、無性に興奮してしまったからだろう。

 そして、その欲を満たすためにそれらしい理由を作り上げようとした。

 それはダメだ。

 本当にそんな事をしてしまったら、私は…………とにかく、今すぐ返しに行かないと。

 仮に先輩が寝てても、静かに返したらきっと大丈夫だ。

 そう思って、下着を掴んで慌てて立ち上がる。

 しかし。

 

「…………あ」

 

 立ち上がると同時に、消灯のアナウンスが響き渡った。

 その音に、無理矢理意気を上げた理性が膝を折る。

 追従する様に腰が抜けて、床にへたり込む。

 そして訓練の疲れのせいか、腰が上がらない。

 例え消灯してても行かなきゃいけないと頭ではわかっているのに、糸が切れた様に身体が動かない。

 代わりに、じりじりと焦がす様な熱さが身体の内側から湧いてくる。

 手の中にある先輩を感じさせる物に興奮して、理性が熱に蕩けていく。

 ダメだと叫ぶ理性を閉じ込めて、先輩への狂おしい衝動だけが心を染めていく。

 気づけば、下着を顔に寄せて、その匂いを嗅いでいた。

 当然、洗濯済みの下着に先輩の匂いなんて残ってない。

 ただ洗剤のいい香りがするだけだ。

 だけどそれは確かに先輩が身につけていたもので、先輩の存在を普段より近くで感じさせるものだった。

 そして、私の中の炎を燃え上がらせるには、それだけで十分だった。

 炎に応えるように、茹だる様に熱くなった私の男根が、固く、固く反り返る。

 理性が消えて剥き出しになった本能が、その先を求めて、先輩の下着を嗅いだまま熱くなったソレに手を添える。

 そして。

 

「せん…………ぱ、ぃ…………っ」

 

 獣になってしまった私による、最低の快楽が幕を開けた。

 

 

「すみません、せん、ぱい…………っ」

 

 うわ言のように、何を謝っているのかもわからないまま、灼ける様に熱い快楽に浸っていく。

 先輩の下着を餌に生み出される快楽は、普段よりも格段に気持ちよくて、続けるたびに身体が茹だる様な感覚を覚えてしまう。

 その心地よさに溺れながら、もっと、もっとと快楽を求めて男根を更に激しく扱く。

 その度に快楽は強くなっていき、身体が快楽で破裂してしまいそうな錯覚を覚えるまでになってしまう。

 

「…………ん、っ…………!」

 

 そして錯覚が現実となり、弾けた快楽が脳を灼き、鈴口からドロリとした精液が零れ落ちる。

 相変わらず慣れる事のない強烈な快楽に頭が真っ白になるが、不思議な事に私の中の炎は消えていなかった。

 一度射精したにも関わらず、もっと先輩で気持ちよくなりたいと、本能が騒ぎ立てる。

 私はその声に従い、精液に包まれた男根を躊躇いなく握り、再び扱き始める。

 一度絶頂したせいか、身体は敏感になっていって、一擦りする度に腰が抜けそうな快楽に襲われる。

 更に精液で滑りが良くなっていることもあり、今までで感じた事のない快楽が脳を侵していく。

 それに夢中になってひたすらに扱いてると、耐えきれなくなった身体が絶頂して再び精液を吐き出した。

 だけど私の心はまだ炎に囚われていて、間髪入れずに三回目を始めてしまう。

 そのまま何かに取り憑かれてしまった様に快楽を求めながら、気絶するまで、私は私を慰め続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 最近、マシュの様子が何かおかしい。

 具体的にどうおかしいかと言うと、視線が変だ。

 視線がその…………何というか、えっちな感じがする。

 自分の体感以外の根拠は特にないけど、マシュのマスターにして先輩の私が言うんだから間違いない。

 だけど、一体全体どうしてマシュからえっちな視線を感じるんだろう? 

 最近の様子を思い返してみても、ぱっと見は普段通りのマシュなんだよねー。

 よく見たらえっちな感じの目で見られてるってわかるんだけど。

 あ、いや別にマシュにそういう目で見られるのが嫌って訳じゃなくて、むしろ良いんだけどその理由が知りたいというか。

 後最近妙にマシュに避けられてる気がするし。

 

「むー…………」

 

 頭を捻って唸って考えてみるも、マシュがおかしいと言う答えだけが出て途中の式は全然思い浮かんでこなかった。

 

「…………よし!」

 

 という訳で、私は自力での解決を諦めた。

 こういう時は知ってそうな人に相談するのが一番だし。

 そう思いながら、知ってそうな人のとこに向かって突撃する。

 

 

「…………それで、私のところに来たのかい?」

 

「うん。ダ・ヴィンチちゃんなら、何か知ってそうだと思って」

 

 私が突撃したのは、我らがカルデアの技術顧問、ダ・ヴィンチちゃんのところだ。

 きっとダ・ヴィンチちゃんなら、私の知らないマシュの秘密を知っている。

 この間のパラディーンの時だって、解決したっぽいけどダ・ヴィンチちゃんとマシュの間に秘密があったみたいだし。

 …………まあ、私が知らないってことは多分私に知られたくないって事だからダ・ヴィンチちゃんが答えてくれるかはわからないけど。

 それでも、マシュの様子は気になるし。

 ここで退くわけにはいかない。

 しかし。

 

「…………うーん。まあ良いか。そろそろ限界だろうしね」

 

 そんな私の予想に反して、ダ・ヴィンチちゃんは難しい顔をしながらも、予想していたよりはあっさりと、私の言葉に頷いた。

 だけど。

 

「まあ、立香ちゃんの想像の通り、私は立香ちゃんの知らない今のマシュの秘密を知っている」

 

「なら、教えてもらえる?」

 

「おっと、待ちたまえ。何も私は教えるなんて言ってないよ」

 

 どうやら素直に教えてくれる訳ではないらしい。

 出鼻を挫かれた事にえー、と不満の声が漏れる。

 

「あはは、ごめんごめん。でもこれはマシュからキミに言わないといけない問題でね。私の口から話す訳にはいかないんだ」

 

 ついでに顔にも出ていたのか、ダ・ヴィンチちゃんが苦笑しながら、しかしきっぱりと私の質問を断る。

 うーん、マシュが私に言わないといけない問題って、なんだろう。

 ダ・ヴィンチちゃんの意味深な言葉に頭を捻らせるも、ますます謎が深まるばかりだ。

 その時。

 

「だから、私に出来るのはマシュが立香ちゃんのとこに行く覚悟を決めた時の手助けだけさ」

 

 ダ・ヴィンチちゃんがそんな事を言って、机の中から何やら妙な小瓶を取り出した。

 そしてそのままひょい、とこちらに投げ渡してくる。

 それを受け取り、手の中に収まった小瓶を見るけど、瓶にはラベルも何もなく、何かの液体が入ってる事しかわからなかった。

 

「…………えっと、これは?」

 

 多分何かの薬なんだろうけど、どんな効果なのか皆目見当がつかない。

 手助けっていうからには、これがそうなんだとは思うんだけど。

 すると。

 

「これはねー、おちんちんを生やす薬だよ!」

 

「ブファッ⁉︎」

 

 ダ・ヴィンチちゃんがニコニコと笑いながら、いきなりとんでもない事を言い出した。

 

「うわったった⁉︎」

 

 それに驚いたせいか、思わず小瓶を取り落としそうになってしまい、慌てて掴み直す。

 

「気をつけてよ〜? これ、結構作るの大変だったんだから」

 

「あ、ごめん…………じゃなくて!」

 

「いやまあ、必ず使わないといけないってなるわけでも、というか多分そうはならない可能性の方が高いからさ。なんていうか、保険みたいなものだよ。だから…………ほら、ね?」

 

 なんでそんなものを作ったのか、と言外に問う。

 だけどダ・ヴィンチちゃんはまあまあ、と説明をはぐらかして、薬を持つ事をこれでもかと勧めてくる。

 その怪しさ全開の様子に、どうにも受け取る事を躊躇してしまい、たじろいでしまう。

 でも。

 

「…………これを飲めば、マシュの問題をどうにか出来るの?」

 

「…………実際にそうなるかはわからない。でも、少なくとも私は必要になる状況があり得ると思った。それ以外の目的はないよ」

 

「…………わかった」

 

 真剣な瞳でマシュの為だと言われると、躊躇う気持ちより、マシュの為に何かをしたい気持ちが勝つ。

 だって、マシュは私にとって…………とても、とても、とーっても、大事で、大好きな女の子だから。

 カルデアに来てからここまで、楽しい事も、嬉しい事も、悲しい事も、嫌な事も、一緒に経験した、私の大好きな女の子。

 その大好きが、親友として抱いたものなのか、戦友として抱いたものなのか、それとも…………人として、抱いたものかはわからない。

 もしかしたら、全部の大好きが混ざり合ったものかもしれない。

 長く過ごした経験は、私の中の想いをぐちゃぐちゃにして、自分ですら正確にはわからなくなるくらいにするには、十分過ぎる時間だった。

 それが、私の中のマシュへの気持ちだ。

 でも、私がマシュを大好きなのは変わらない。

 だから、マシュの為なら、私の中の天秤はすぐに傾く。

 その天秤の結果に従い、ダ・ヴィンチちゃんの薬をポケットに押し込む。

 

「ありがとう、ダ・ヴィンチちゃん。私、マシュが来るまで待ってみる。これを使うかはわからないけど…………それでも、なんとかやってみる」

 

「…………礼を言うのはこっちの方さ。頑張って、立香ちゃん。願わくば、キミ達に祝福が在らん事を」

 

 そのままダ・ヴィンチちゃんにお礼を言って部屋に戻ろうとすると、小さな彼女がエールを送る。

 それに親指を立てて返して、部屋を出ようとしたその時。

 

「あ、飲むだけで大丈夫だけど機能とか色々そのままだし、不可逆だから、色々と気をつけてね?」

 

「ちょっ⁉︎」

 

 ニコニコと笑ったダ・ヴィンチちゃんに、爆弾を投げられた。

 それはつまり、この薬を飲めばそういう事が起こり得るという忠告だった。

 …………いやまあ、もう覚悟は決めたから良いけどさ。

 そういうの、先に言って欲しかったな! 

 

 

 

 

 

 

 ────私が最低の快楽に溺れてしまってから、数日後。

 

「…………どう、しましょう」

 

 私は、未だに先輩の下着を返す事が出来ないでいた。

 それどころか先輩に顔を合わす事すら、碌に出来なくなってしまっていた。

 頭では、結果がどうあれ先輩に謝罪して、早く返しに行かなければ行けないのに。

 身体が、竦んでしまう。

 最低な自慰でより強くなってしまった心の澱に…………先輩に失望されるという恐怖に、囚われて。

 前に、進めなくなってしまう。

 …………ああ、でも。

 動けない理由がそれだけなら、まだ良かったかもしれない。

 何故なら。

 

「…………っ、私は、何で…………っ!」

 

 今の私は、先輩に失望される事以上に、怖い事があるからだ。

 呪詛の様に自分に毒を吐きながら、視線を下げる。

 そこには…………先輩への欲望に反り返った、私の男根があった。

 内心とは裏腹に、先輩への欲望を本能のままに体現するソレを見て、心の中が自分への失望と先輩への欲望でぐちゃぐちゃになる。

 …………先輩の下着で自慰をしてしまったあの日から、私の箍は壊れてしまった。

 いくら自分を慰めても、満足する事が出来なくなってしまった。

 一度すれば鎮まった筈の炎が、心の奥底でずっと燃え続けている。

 それでも、先輩に会わなければどうにか普段通りに過ごす事が出来た。

 だけど…………一度先輩の顔を見てしまうと、先輩への情欲で頭が塗り潰される様になってしまった。

 今すぐに先輩を押し倒して、衝動のままに彼女の身体を貪りたいという、獣の欲望に。

 それでもどうにか情欲を抑えられないか、色々と試してみたけど…………全部、先輩への情欲の炎を煽るだけに終わってしまった。

 だから、怖い。

 私が失望されるだけならまだ良い。

 されても当然の事をしたからだ。

 でも、これは話が別だ。

 私はもう、自分で自分を抑えられない。

 だから…………次に先輩に合った時、私はきっと、彼女を襲って、傷つけてしまう。

 それは…………嫌だ。

 それだけは、嫌だ。

 例え失望されても、嫌われても…………私が先輩を傷つけるのだけは、絶対に嫌だ。

 そう思うと、私の身体は余計に動かなくなってしまっていた。

 心の鎖が、身体をも縛り付けていた。

 心から生まれた澱みに雁字搦めになった私の中で、自業自得だと私が嘲笑う。

 それでも私は動けず、部屋の中でうわ言の様に意味のない言葉を零すだけの存在になってしまった。

 そして、動けないままに今日も一日を終えようとしていたその時。

 

『マシュ? ちょっと良いかい?』

 

「…………ダ・ヴィンチちゃん?」

 

 ダ・ヴィンチちゃんから、通信が入ってきた。

 そして。

 

『さっき、立香ちゃんが私のとこに来たよ。マシュを心配して』

 

「…………え」

 

 今まさに心が囚われている、先輩の話題が出てきて一瞬、暗いものが頭から消えた。

 代わりに、秘密がバレたかもしれないと焦りを覚える。

 ダ・ヴィンチちゃんが、そんな事する筈ないのに。

 

『安心して。マシュの問題については言ってないから。で、ここからが本題なんだけど』

 

「…………はい」

 

 私の焦りを感じたのか、ダ・ヴィンチちゃんが補足する。

 それでまだ私の秘密はバレていないと落ち着くけど、本題という言葉に反射的に緊張してしまう。

 だけど。

 

『立香ちゃん、待ってるって。マシュが、自分の足で来るまで』

 

「…………それ、は」

 

 ダ・ヴィンチちゃんの言葉は、私の考えていたものとは全く違っていた。

 先輩が、私を待ってる。

 それは今の私にとって、暗雲を晴らす様な言葉だった。

 だけど。

 

「…………でも」

 

 散らされた暗雲は、再び私の中で澱みを作る。

 先輩への情欲を抑えられない恐怖が、私を再び縛り付ける。

 しかし。

 

『わかってる。怖いんだろう? 立香ちゃんを傷つけるのが。でも、マシュなら大丈夫だよ』

 

「…………え?」

 

 続くダ・ヴィンチちゃんの言葉が、私を縛り付ける澱みを一瞬、弱めた。

 

『マシュは今まで、色んな経験をしてきた。私が記録として知るキミ達の旅でも、私が記憶として知るキミ達の旅でも。それは、消えない成長の糧として、今もキミの中にある。キミが、パラディーンになった時の様に。だから、大丈夫。今のマシュは初めてのものに振り回されて、色々見えなくなってるだけさ。だからさ、ちょっと立ち止まって、色々振り返ってごらん? キミの中の経験は、きっとキミを導いてくれるよ』

 

「…………」

 

 じゃあ今ちょっと忙しいから、これで切るね、とダ・ヴィンチちゃんが通信を切る。

 再び静かになった部屋の中で、さっきの言葉を反芻する。

 

「振り、返る…………」

 

 その言葉で思い返すのは、これまでの思い出。

 楽しい事も、嬉しい事も、悲しい事も、嫌な事も、沢山あった。

 その記憶の多くに、先輩がいた。

 一緒に沢山笑って、泣いて…………その度に、彼女への想いは強くなっていった。

 前までの私は無意識に枷をしていたからその事に気づかなかったけど、今の私は知っている。

 ずっと前から、私は先輩の事が…………大好きだったって。

 

「…………っ!」

 

 それに気づいた時、私は身体を縛り付ける澱みを振り切って、部屋を駆け出していた。

 …………本音を言えば、恐怖はまだある。

 失望されるかもしれない恐怖。傷つけてしまうかもしれない恐怖。

 だけど…………そんなものは、今の私にとって取るに足りないものだった。

 身体を縛り付ける程の恐怖以上に、今の私は…………先輩と、向き合いたかった。

 いや、向き合うべきだと思っていた。

 我ながら自分勝手だと、エゴの塊だと、廊下を駆けながら苦笑する。

 さっきまで散々怖気付いていた癖に、今は全部を先輩に曝け出したいと思っているのだから。

 それが先輩を傷つける、あるいは苦しめるとわかっているのに。

 だけど、今はこのエゴに身を任せていたかった。

 だって、先輩が待っている。

 何も聞かずに、私が来るのを。

 だったら、私は先輩のその気持ちに応えたい。

 …………応えないのなら、私のこの気持ちが嘘になってしまう様に、思えたから。

 色々空回りして、落ち込んでしまっていたけど、この気持ちは、先輩を愛しているこの気持ちだけは、今も昔も変わらない。

 …………この道の果てに、どんな結末が待っていたとしても。

 それに怯えて、先輩への気持ちが嘘になってしまう事は…………とっても、嫌だった。

 だから、エゴに任せて先輩の元に向かう。

 私の中にある、先輩への気持ちを嘘にしないために。

 

 

 

 

 

 

「…………勢いで貰ったのは良いけど、どうしようこれ」

 

 ダ・ヴィンチちゃんと別れ、マイルームに戻った私はダ・ヴィンチちゃんから貰った薬…………男の人のアレを生やす薬を、どうすれば良いかわからず手の中で転がしていた。

 いやダ・ヴィンチちゃんはこれを使う時が来るかもって思ってるみたいだけど、一体どういう状況な訳? 

 しかも口ぶり的に、私が生やす方だよね? 

 生やしてどう…………いや、子供じゃないんだからわかるけどさ。

 マシュとそうなるって? 

 そこまで考えて、マシュの姿がぼんやりと思い浮かぶ。

 いつも近くで見ているからか、ぼんやりと思い浮かんだその姿が段々とくっきりした、生々しいものに変わっていく。

 やがて現実と寸分違わないくらいに完全な像を持った想像のマシュは、出るところは出ていて締まるとこは締まっている抜群のスタイルで、何だか変な気持ちになっていく。

 

「…………いや、ほら、マシュってスタイルも良いけど色んな所が可愛いし、近くで見たら変な気持ちになるのも無理はないっていうか…………」

 

 誰にしてるのかわからない言い訳をしながら、一旦マシュの姿を頭から消そうとする。

 だけど消そうとすればするほどマシュの姿が鮮明になっていき、変な気持ちが益々強まってしまう。

 しかも気づいたらマシュは全裸になっていて、私を誘う様に見つめていた。

 普段の彼女からは想像も出来ないそのインモラルな姿に興奮して、顔が熱くなる。

 そうやって、薬を手の中に悶々としている時。

 

「先輩! 今、お時間大丈夫でしょうか!」

 

「うわひゃあっ⁉︎」

 

 ドンドン、と扉を叩く、マシュの声が聞こえてきた。

 マシュで変な事を考えていたこともあり、それに驚いて薬を落としそうになる。

 

「先輩? 大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫! 入って良いよ!」

 

 慌てて掴み直したから薬はどうにか落とさずにすんだけど、私の驚いた声に反応したのか、扉の向こうから心配そうなマシュの声が聞こえてくる。

 それを誤魔化す様に返事をしながら、ポケットに薬を突っ込んで息を整える。

 

「失礼します! 先輩、こんな夜遅くにすみません!」

 

 同時に、マシュが部屋に入ってくる。

 何だか久しぶりに見た気がするマシュの顔は、前見た時とは違って、何かしらの覚悟を決めた様な、あるいは悩みが晴れた様な、迷いのない顔だった。

 その様子に、ダ・ヴィンチちゃんの言ってた事だろうか、とさっきまで変な方向に逸れていた頭を切り替える。

 

「ううん、大丈夫。確かにマシュがこの時間に来るのは珍しいと思うけど…………大切な事、なんでしょ?」

 

 どんな事になっても良い様に覚悟を決めながら、マシュが話しやすい様に平静を装って、話を促す。

 それにこくりとマシュが頷いて、ゆっくりと口を開く。

 そして。

 

「はい。…………先輩、大変申し訳ありませんでした!」

 

「え?」

 

 これ以上なく綺麗に決まった謝罪と共に、無くなっていた筈の私の下着が、マシュの手の中から出てきた。

 

 

 

 

 

 つまり、話を纏めるとこういう事らしい。

 数日前に私の下着が間違ってマシュの方に入っちゃって、それをマシュが…………その、いわゆるオカズにしちゃったと。

 しかも、現物をオカズにしていたのが初めてなだけで、私をオカズにする事自体は何回もしているとか。

 だけどそれを私に言うのが怖くて、ずっとどうすれば良いか迷っていた、と。

 

「…………その、本当に、すみません、先輩…………」

 

 事の経緯を何となく把握して、今にも消え入りそうな声で頭を下げるマシュの様子にとりあえず納得する。

 そして、マシュにどう声を掛ければ良いのかと、と内心悩む。

 …………だって、わからなくなってしまったからだ。

 自分をそういう対象になってるって告白されるのなんて、初めてだから。

 しかも、相手は私が大好きな女の子の、マシュだ。

 だから、どうすれば良いんだろう。

 気持ち悪いって、怒れば良いんだろうか。

 …………何か違う気がする。

 多分私も、他の人にそういう事をされたら、嫌な気持ちになるんだろうけど。

 …………不思議なことに、目の前のマシュに対して、そういう気持ちは少しも無かった。

 なら、嬉しいって答えれば良いのかな。

 それも、違う気がする。

 いや、怒るよりはまだ近い気はするし、そういう気持ちがなくはないんだけど。

 何というか、それだとマシュがまた抱え込んじゃいそうというか。

 でも答えないとマシュはこのままだろうし、どうしよう。

 と、頭を捻っていた時。

 

「…………あの、先輩。実はもう一つ、先輩に話さないといけないことがあるんです…………」

 

「そうなの?」

 

「…………はい」

 

 頭を上げたマシュが、さっきよりも更に重苦しい顔になった。

 その様子を見て、マシュにとってはさっきよりも更に私に言いたくなかった秘密だと察して、一瞬聞いて良いものかと迷う。

 この秘密を聞いてしまったら、きっと私達の関係は後戻り出来なくなる。

 進むにしろ、決裂するにしろ。

 そんな確信が、胸にあったからだ。

 …………だけど。

 重苦しい顔の中に、確かな意志の光があるマシュの顔を見たら、そんな迷いは消えてしまった。

 長い付き合いだ。

 私が思ってる事くらい、マシュは話す前から気づいているだろう。

 でも、そうなる事を覚悟してマシュは私に告白する事を選んだ。

 なら、私はマスターとして…………マシュの先輩として、その覚悟に応えないと、マシュに向き合わないといけない。

 だから、迷いを消してマシュに続きを促す。

 次の瞬間。

 

「────え?」

 

 私の頭は、真っ白に漂白されてしまった。

 何故なら、マシュが徐に服を脱ぎ始めたからだ。

 その行動に虚をつかれて動けなくなる私を尻目に、目の前でマシュの服が落ちていく。

 マシュが制服も、タイツも、靴下も、何もかもを脱ぎ捨てて、下着以外一糸纏わぬ姿になってしまう。

 その姿はマシュが来る前に妄想していたマシュのインモラルな姿そっくりで、否応なく顔が興奮で熱くなる。

 そして。

 興奮する私を他所に、最後に残った下着さえも、マシュは脱ぎ捨ててしまった。

 

「…………え?」

 

 そして顕になった一糸纏わぬマシュの姿は、マシュへの情欲の炎を、一瞬吹き飛ばす程に衝撃的なものだった。

 

「…………これが、今の私です」

 

 マシュが俯きながら、それでも隠さずにその裸体を私に晒す。

 そこには確かに私の知ってるスタイル抜群なマシュの身体があったけど、一つだけ、その身体に似合わない異物があった。

 それは…………男の人の、アレだった。

 いや、実物は多分子供の頃に見たお父さんのくらいしか知らないけど。

 マシュの股間から屹立して生えてるソレは、どう考えても男の人のアレだった。

 

「…………マシュ、男の子だったの?」

 

 想定外にも程があるものが出てきて、思わず変な言葉が出る。

 

「…………ち、違います! こ、これはですね…………」

 

 すると、マシュが慌てて説明を始める。

 それによると、何でもあの裁判を終えてからコレが生えてきたらしい。

 しかも全然抑えが効かなくて、すぐに興奮してこうなってしまうと。

 さっき告白してた私をオカズに、というのもコレを使って、という事らしい。

 

「ふ〜ん…………」

 

「せ、先輩?」

 

 マシュの説明を聞いて、何となく気になったのでマシュの股間周りに顔を近づける。

 そこには確かに秘部があって、マシュが男の子、という私の発言が頓珍漢だったことに気づく。

 

「あの、先輩…………私が言えた事ではないのはわかってますけど…………その、恥ずかしいです…………」

 

「あ、ごめん」

 

 そうやってマジマジ見てると、流石に恥ずかしいのか、消え入りそうな声でマシュが講義する。

 それを受けて、マシュの股間から顔を離す。

 そして。

 

「…………先輩?」

 

 まるで衝撃で吹っ飛んでいた思考が今更追いついたかのように、顔が熱くなっていた、

 さっきまでの自分がとんでもない事をしでかしまったという羞恥と、マシュに生えたモノについて今更理解が追いついた事による興奮で。

 そのせいでマシュの事が直視出来なくなって、思わず目を逸らす。

 

「…………そう、ですよね。やっぱり、気持ち悪いですよね」

 

 すると、マシュがそれを勘違いしたのか、顔を暗くする。

 

「ち、違うよマシュ! そうじゃなくて…………」

 

 慌てて否定しようとするが、視界に入るマシュのソレを意識してしまって視線が定まらず、説得力が無くなってしまう、

 その私の様子にマシュがますます顔を暗くして、それを見て私も焦る悪循環にハマってしまう。

 それでもどうにかしようと、焦る思考の中で解決策を探そうともがく。

 その時。

 

「…………っ!」

 

 偶然触れたポケットに、固い小瓶の感触が触れた。

 ダ・ヴィンチちゃんお手製の生やす薬だ。

 焦った思考の中、コレなら何とかなるかもしれない、いやなって欲しいと祈りながら、ポケットから薬を引っ張り出して躊躇いなく中身を飲み干す。

 すると。

 

「…………っ」

 

 魔術的な仕掛けが施されていたのか、すぐにその効果が現れた。

 自分のもののようで自分のものじゃない異物感と共に、何かが下着の中で生えてくる。

 それで下着が窮屈になって、鈍い痛みすら覚えるくらいになって来る。

 

「…………せ、先輩⁉︎」

 

 それが煩わしくて反射的に服を脱ぎ捨てると、マシュが驚いた顔をしてこちらを向く。

 そして。

 

「…………それ、は」

 

 私の股間に生えたモノを見て、息を呑んだ。

 

「…………ねえ、マシュ」

 

「…………はい」

 

 こちらを向いてくれたチャンスを逃す手は無い。

 だから今度こそしっかりとマシュの顔を、目を見て、語りかける。

 

「…………私も、マシュと同じだよ。マシュは、私が気持ち悪い?」

 

「…………っ、そんな事はありません! 先輩は、何があっても私の…………私の、大切な先輩です!」

 

「私も、同じだよ。マシュに、何があっても…………マシュは、私の大切で、大好きな…………後輩で、女の子だよ。だから…………さっきはごめん。ちょっとびっくりして、目を逸らしちゃった」

 

「…………それは、私のセリフです…………先輩が驚くのは普通の反応なのに、それが怖くて、先輩に嫌われてしまったと、自分で殻を閉じてしまいました…………すみません…………」

 

「じゃあ、お互い様って事で、さ。…………改めて、マシュに聞きたい事があるんだけど、良いかな?」

 

「…………はい」

 

 私の言葉が今度は届いたのか、マシュがさっきよりも柔らかい表情になる。

 その様子にほっとしながら、もう一つの質問…………マシュの告白を聞いて、頭の中に生まれた疑問を問いかける。

 

「…………何で、私だったの?」

 

「…………何で、ですか?」

 

「うん。あ、別にマシュを責めている訳じゃないの。ただほら、私もマシュも女の子同士、でしょ? だから、さ…………どうして、マシュが…………私の下着を使うくらい、私を…………その、そういう目で見てるのか、わからなくて」

 

「…………そういう事、ですか」

 

 そう。

 私は、知りたかったのだ。

 何故マシュが、そこまで私に入れ込んでいるのかを。

 もっと言えば…………マシュが、どういう気持ちで私を見ていたのか、それを知りたかった。

 それを知れば、私の中にあるマシュへの不思議な気持ちに、答えを出せると思ったから。

 長い時間の中、色々な感情がぐちゃぐちゃに絡まってしまった私のマシュへの気持ちは、私ですらよくわからなくなっている。

 自分の心の事なのに。

 だから、知りたかった、いや、知らなきゃいけなかった。

 マシュを利用してでも、私の気持ちを。

 目の前のマシュに、ちゃんと向き合う為に。

 マシュは勇気を出して、私に言いたくなかった筈の秘密を言ってくれた。

 それはきっと、マシュが自分の中で何かの答えを出した、からなんだと思う。

 だったら、私も答えを出さないと。

 だって、私は…………昔も今も、マシュの先輩なんだから。

 固唾を飲んで、マシュの言葉を待つ。

 果たして。

 

「…………そんなの、決まってます」

 

「え?」

 

 その結果は、マシュの言葉と共にベッドに押し倒される、というものだった。

 いきなりの事に虚を突かれて、なすすべもなく身体がベッドに沈み込む。

 同じくベッドに倒れ込んだマシュが、私をその紫の瞳で捉えたまま、そっと囁く。

 

「先輩が、大好きだからです。ずっと、先輩の隣にいたいからです。先輩の一番になりたいからです。こうやって押し倒して、先輩の全部を奪いたいって思うくらい、先輩の事が欲しいからです。きっと…………昔から、そうだったんです。無垢であろうとした私が、気づいていなかっただけで。私は、先輩が…………立香さんが、一人の女性として、どうしようもないくらい、好きなんです。我儘だと、わかってはいますけど…………それでも、止められないんです」

 

「…………」

 

 マシュの言葉は、これ以上ないくらいにわかりやすい私への、告白だった。

 そのありのままの感情に、心の中のぐちゃぐちゃとした感情が解けていく。

 そして…………その解けた心の中に、私が求めていた「答え」があった。

 

「…………わっ⁉︎先輩、何を…………」

 

 その答えに従い、マシュを抱きしめ返す。

 それにマシュが驚いた声を出すけど、気にせず抱きしめる。

 まあマシュも色々と驚かしてくれたし、お互い様って事で。

 当然、抱きしめるだけでは終わらない、終わらせない。

 

「…………私も、同じくらい大好きだよ」

 

「え…………」

 

「私も、マシュがずっと隣にいて欲しい。マシュの一番でありたい。そして…………マシュが、欲しい。色々…………本当に、色々あって、見失っちゃってたけど。だから、改めて言わせて。私も、マシュが…………女の子として、どうしようもないくらい好きなの」

 

「せん、ぱい…………」

 

 見つけた答えは、マシュと同じものだった。

 それはありふれたものだったかもしれないけど、私にはそれこそが最上の答えだった。

 だって、好きなんだもの。

 余計なものを全部取ったら、後にはもうそれしか残らなかった。

 親友、戦友、恋人。

 そんなもの、もう全部どうでも良い。

 大事な事は…………私も、マシュも…………お互いがお互いをどうしようもなく好きで、これ以上なく求めている、それだけだ。

 それが伝わったのか、マシュの紫の瞳が揺れて、抱きしめる力が強くなる。

 

「一番ですよ、先輩? 私が先輩の一番ですよ?」

 

「うん。私はもう、マシュのもの。だけど…………マシュも、私のものだからね?」

 

「…………はい…………っ!」

 

 お互いに抱きしめたまま、笑顔でじゃれ合う。

 そしたら、もっと近くに彼女が欲しくなって、自然とマシュの顔が近づいてくる。

 それを受け入れる様に力を抜いてマシュを待つと、唇が塞がれた。

 お互いに、きっと初めてのキス。

 その味は、ちょっと甘酸っぱくて…………とても、幸せな味だった。

 

 

 

 

 どれほどの時間、唇を触れ合わせていただろうか。

 そんな事も分からなくなるくらい理性が蕩けて、求めるままに、求められるままに、お互いの唇を味わっていた時。

 

「…………マシュ?」

 

 ふと、マシュが唇を離した。

 いきなり唇が解放された事に、蕩けた頭が状況を理解しようとマシュを見つめる。

 すると。

 

「すみません、先輩…………っ! もう、我慢できそうにありません…………っ!」

 

 情欲の炎に揺れる、紫の瞳と目が合った。

 同時に、下腹部の方に固くて熱い感触を感じる。

 見ると、さっきも大きくなっていたマシュのモノが、更に大きくなっていた。

 しかも、さっきより固い。

 …………どうやら、私とのキスで興奮してしまったらしい。

 

「…………マシュのえっち」

 

「っ、それは…………本当に、すみません…………」

 

 ある意味で節操無しと言えなくもないマシュのその態度に、何となくムードを壊された気がして、軽い抗議の視線を送る。

 …………でも。

 

「…………良いよ、マシュ」

 

「へ?」

 

「…………私はもう、マシュのものだから。マシュに、私の初めて、全部あげる」

 

「…………そ、それは…………っ」

 

 それ以上に、嬉しかった。

 だって。マシュの言葉が本当だったから。

 いや別に疑ってるわけじゃないけど、こうやって改めて示されると、嬉しくなるというか。

 …………それに、私もキスのせいか、はたまたマシュの熱に当てられたせいか、妙に昂っている。

 だから、キスよりも先の事が、したくなった。

 その衝動に駆られるままに、マシュを抱きしめて、耳元で囁く。

 

「…………優しく、してね?」

 

 次の瞬間。

 獣になったマシュに、唇を奪われた。

 

 

「…………優しく、してね?」

 

 先輩のその言葉を聞いた瞬間、私の理性は崩れ去った。

 代わりに、目の前の彼女をこの手に収めたいという、抑えていたはずの情欲が頭を乗っ取る。

 先輩に受け入れてもらえたからか、私の中の炎は歯止めが効かなくなっていて、燃え盛る情欲のままに、先輩の唇を奪う。

 

「ん、む…………っ⁉︎」

 

 唇を塞いで、呼吸の自由を奪って、代わりに私の吐息を注ぎ込む。

 

「ん、ん…………っ」

 

 先輩の肺腑を、私で満たす為に。

 すると先輩が新鮮な空気を求めたのかか、少し口が開く。

 

「ん〜〜〜っ⁉︎」

 

 その隙を見て、先輩の舌を私の舌で絡め取り、逃げられない様にする。

 自分の舌を動かせなくなった事に驚いたのか、先輩の身体が固まる。

 だけど。

 

「ん、んぅ…………」

 

 解す様に、味わう様に、先輩の舌を抑えてじっとしていると、私という異物を受け入れたのか先輩の身体から力が抜けていく。

 それに乗じて先輩の舌を丁寧に弄り回す。

 先輩が、気持ちよくなれるように。

 私以外、見れなくなる様に。

 私という存在を、刻みつけていく。

 唾液と唾液が混ざり合う水音を耳に、それだけを考えて先輩の口を味わう。

 そして、満足して私が唇を離した時。

 

「なん、れ…………マシュ、そんな、うまい、の…………」

 

 息も絶え絶えといった様子の先輩が、情欲に濡れた瞳で、不思議な事を言ってきた。

 何で? 

 そんなの、決まってます。

 

「先輩が、好きだからです♡だから、たくさん練習しました♡♡♡」

 

「まっれ、こたえに、なって…………ひぅ⁉︎」

 

 間髪入れずに、先輩の身体にマーキングしていく。

 先輩は私のものなのだ。

 だから、私の名前を書いておかないと。

 そんな、どこか箍の外れた欲望に身を任せながら、先輩の首筋を攻める。

 

「そこ、びんかん、で…………っ♡」

 

 いきなり舐められた事に先輩が驚いた声を出すが、ぐりぐりと先輩の神経をいじめる様に舐め続ける内に、甘い声に変わっていく。

 それに私も興奮して、先輩の胸に顔を埋める。

 先輩の胸は柔らかくて温かく、いるだけで頭が幸福感で包まれる心地よさがあった。

 これも、名前を書かないと。

 その思いで先輩の胸を舐めていると、固いものが舌に触れる。

 

「ひっ♡」

 

 どうやら、先輩の乳首に当たってしまったらしい。

 好都合だ。

 そのまま、飴玉を転がす様に、だけど丁寧に先輩の乳首を口で弄ぶ。

 すると、先輩の乳首が段々と固くなっていく。

 どうやら先輩は、こうやって虐められるのが好きらしい。

 

「ん、ぁ…………っ♡」

 

 捏ねたり、舌で押し潰したりすると、先輩が変な声を出して面白い。

 だけど、そろそろ先輩にもわからせないと。

 これは、私のものだって。

 だから。

 

「ぃ、あ…………っ⁉︎♡♡♡」

 

 かぷり、と先輩の乳首を甘噛みした。

 下拵えを続けてきたせいだろうか、それだけで先輩の身体がびくん、と震えた。

 どうやら、絶頂したらしい。

 でも、まだ終わりじゃない。

 

「っ♡♡♡そっち、も…………っ♡♡♡」

 

 反対側にも、同じ事を教えないといけない。

 間髪入れずに、先輩のもう一個も乳首を舐り倒す。

 更に、もう一押し。

 

「…………マ、シュ…………っ♡♡♡」

 

 先輩の秘部に、私の指をそっと入れる。

 じっくり下拵えしたおかげか、先輩の膣内はすでに濡れていて、私という異物が入ってもすぐに抵抗をやめてしまった。

 それに乗じて、ゆっくりと先輩の膣内を弄り回す。

 慎重に、撫でる様に。

 それが功を奏したのか、先輩の甘い声が大きくなって、膣内の締め付けが強くなる。

 比例する様に先輩の身体は力が抜けきっていて、私のなすがままになっていた。

 それに内心笑みを深めながら、攻めを一際強くする。

 

「ぁ、あ…………っ♡♡♡ま、た…………っ♡♡♡」

 

 さっきと同じ様に先輩の身体が震えて、指が締め付けられる。

 その絶頂を尻目に、手を変え品を変え満足するまで先輩を責め立てた。

 

 

 

 マシュの予想外の手練手管に踊らされて、何もかも蕩けきってしまった頃。

 

「…………では先輩、そろそろ先輩の初めて、貰っちゃいますね♡」

 

「ぁ、え…………?」

 

 からからと、楽しそうな声をあげるマシュが、私の足を開いて、固くなったソレを、私の秘部にあてがう。

 そして。

 

「いきますよ、先輩♡」

 

 ゆっくりと、私の膣内にソレを挿入した。

 

「…………っ」

 

 マシュに散々鳴されて膣内がもうドロドロになっていたとは言え、初めての、それも大きい異物が膣内に入ってくる感覚に、強烈な異物感と破瓜の痛みが走る。

 それをマシュも気づいているのか、挿入したまま動かさず、私を抱きしめる。

 それに安心して、身体が徐々に異物感と痛みを忘れていく。

 そして、私の膣内がマシュを完全に受け入れた時。

 

「先輩、先輩…………っ♡♡♡」

 

 ゆっくりと、マシュが動き出した。

 完全に慣らされてからマシュが動き出したのもあり、痛みはなく強烈な快楽だけが私を襲う。

 しかもゆっくりとした動きな分、快楽が鮮明で、動く度に快楽を逃したくない、と膣内がマシュを逃がさまい、と締め付ける。

 しかしマシュの力には敵わず、あっさりと引き抜かれてまた責められる。

 そうやって膣内を抉られ、掻き回されるのが癖になってしまって、無駄だとわかっているのに膣内が締め付けを強くする。

 更なる快楽を求めて。

 そうやって、マシュに身体の外も内も、丁寧に責められていると。

 

「…………ひ、あっ⁉︎♡♡♡」

 

 マシュにある一点を突かれて、一際強い快楽と共に、悲鳴の様な嬌声が漏れる。

 

「わかりました♡先輩は、ここが弱いんですね♡」

 

 目ざとく私の反応に気づいたマシュが、ここぞとばかりに弱点を責め立てる。

 

「ま、シュっ♡♡♡それ、ダ、メっ♡♡♡あっ♡♡♡よわ、い、からっ♡♡♡」

 

 見つけられた弱点を責められる度、先程とは比べ物にならない快楽が私を襲い、絶頂の海に叩き落とされる。

 快楽の許容限界を超えそうなくらいの快楽に、思わず懇願の声が出る。

 だけどマシュは私の言葉を聞き入れることはなく、むしろ更に強く責め立ててくる。

 

「嘘はダメです、先輩♡ダメっていってるのに、ずっと私を抱きしめたままじゃないですか♡それに、先輩は私のものなんですから、やめてあげません♡」

 

「そん、な…………っ♡♡♡」

 

 しかも、マシュらしいロジカルな言葉で逃げ道を塞いでくるせいで、快楽を叩きつけられるだけしかないとわからされる。

 そのまま快楽の海に沈まされ、戻って来れなくなってしまう。

 そして、なすがままに快楽を受け取る人形に、私がなった頃。

 

「そろそろ、射精そうです…………♡受け止めてください、先輩♡」

 

 そんな言葉と共に、マシュが私を抱きしめる。

 

「待っ、て…………♡♡♡きょう、あぶない、から…………っ♡♡♡そと、に…………っ♡♡♡」

 

 その言葉に一瞬理性が戻り、マシュを止めようとする。

 しかし。

 

「い…………っ♡♡♡」

 

 返答として返ってきたのは、さっきよりも余計に激しくなったマシュの責めだった。

 

「なら、お願いします、先輩…………っ♡♡♡私が全部、守り、ますから…………っ♡♡♡私と先輩の子供、産んでください…………っ♡♡♡」

 

「〜〜〜〜っ♡♡♡」

 

 追い討ちの様に、マシュの言葉が突き刺さる。

 それは僅かに蘇った私の理性を再び溶かすには、十分すぎる言葉だった。

 だって、欲しくなってしまったからだ。

 マシュとの子供が。

 …………そして、願わくば、私との子供も…………

 そんな欲望が、心の中で膨らんでいく。

 そして。

 

「…………なら、マシュも、私との赤ちゃん、産んで…………っ♡♡♡」

 

「…………わかり、ましたっ♡♡♡私は、先輩のものですから♡♡♡」

 

 気づけば、心の内に生まれたその欲望をマシュに吐き出していた。

 同時に、今からマシュに孕まされる興奮、マシュを孕ませる興奮で下腹部の一部が固くなる感覚を覚えた。

 …………ああ、きっと、ダ・ヴィンチちゃんが警告していたのはこういう事だったんだろう。

 だけど、ごめんなさい。

 私もマシュも、もう我慢出来ないや。

 最後に残った理性がそんな答えを出すと共に今度こそ沈黙し、マシュの激しい責めでもたらされる快楽に私の全てが溺れていく。

 それに応える様に、ゆっくりと子宮が下りてくる。

 その機を逃がさまい、とマシュが子宮に密着する様に膣奥を突いて、逃げ道を潰してくる。

 そして。

 

「受け止めてください、先輩…………♡♡♡」

 

「来て、マシュ…………っ♡♡♡」

 

 私と同じ様に快楽で蕩け切ったマシュの言葉と共に、熱いモノが膣内に吐き出された。

 同時に私も絶頂して、弾けた快楽の奔流に頭が真っ白になる。

 

「マシュ…………」

 

「せん、ぱい…………」

 

 そしてお互いに絶頂が収まった頃、ずるり、とマシュが異物を引き抜く。

 さっきまで私の膣内を塞いでたモノが無くなって、ドロリ、と注がれたモノが溢れた。

 その時。

 

「まだです、先輩っ♡♡♡」

 

「え?」

 

 マシュが、私の足を掴む。

 そして。

 

「…………ぁ…………っ♡♡♡マ、シュ…………っ⁉︎♡♡♡」

 

 再び、マシュが私に挿入した。

 絶頂して敏感になったところを不意打ちされたので、さっきよりも強い快楽に溶かされる。

 

「マシュ…………これ、だめ…………っ! ♡♡♡おかしく、な、る…………っ! ♡♡♡」

 

 あまりに強い快楽から逃げる様に反射的な言葉が出るが、身体は正直で、マシュを離したくないと締め付けるばかりだった。

 だけど。

 

「言いましたよね、子供を産んでくださいって♡♡♡」

 

 次のマシュの言葉で、恐怖は霧散してまう。

 

「わか、った…………♡♡♡マシュ、大好き…………っ♡♡♡」

 

「私もです、先輩♡♡♡」

 

 後に残されたのは、マシュへの喜びだけだった。

 それが快楽と混ざって、更に強い快楽になる。

 そのまま、マシュが満足するまで、子宮に精を吐かれ続けた。

 

 

「もう、限界、です…………♡♡♡」

 

 何度目かわからない射精と共に、マシュの身体から力が抜ける。

 そして私に甘える様に、胸の中にくたりと倒れ込んでくる。

 その姿が愛おしくて、そっとマシュを抱きしめる。

 ────そして。

 

「────え?」

 

「じゃあ、次は私の番ね♡♡♡さっきまで好き勝手してくれた分、たっぷり仕返ししてあげる♡♡♡」

 

 私の中の獣は、隙だらけの獲物(マシュ)を食べることを選んだ。

 それを示す様に、私に生えている肉棒は、さっきよりも固くなっていた。

 マシュを孕ませる興奮に震える様に。

 

「待ってください、せんぱ、い…………っ⁉︎♡♡♡」

 

 慌てた顔で止めようとするマシュに嗜虐心を唆られながら、さっきの仕返しとばかりにマシュの唇を奪う。

 そのまま、マシュにされた様に舌を弄びながら、ゆっくりとマシュの身体を撫で回す。

 マシュの中で燃える情欲の炎を絶やさない様に、煽る様に、丁寧に責め立てる。

 そうやってマシュを責めていると、身体を撫で回す指が太ももの付け根に伸びる。

 その時、粘性の何かが指に触れた。

 それを掬って舐め取ってみると、少し苦くてしょっぱかった。

 その味が気になって、指をマシュの秘部に伸ばす。

 すると。

 

「ひ、ぁっ⁉︎♡♡♡」

 

「…………へぇ…………♡♡♡」

 

 そっと割れ目を撫でただけなのに、指がネバついた何かに引っかかる。

 それにさっきの何かの正体を察して、興奮で心が震える。

 

「…………こんなにどろどろなんて、もう準備万端だね、マシュ♡♡♡」

 

 火がついた嗜虐心に従うまま、マシュに私の指を見せつける。

 ネバついた何か…………マシュの愛液で、汚れた指を。

 

「っ⁉︎♡♡♡それ、は…………っ♡♡♡せんぱいが、びんかんなとこを、いじめ…………んむっ⁉︎♡♡♡」

 

「言い訳しなーい♡♡♡マシュが準備万端なのはわかったから、そろそろ私も始めるね♡♡♡」

 

 マシュの口に指を入れて黙らせながら、さっきの見よう見真似でマシュの秘部に私の肉棒をあてがう。

 そして。

 

「っ、ぁ…………っ♡♡♡」

 

「っ、これ、は…………っ♡♡♡」

 

 ゆっくりと押し進めながら、マシュの秘部に挿入した。

 マシュから苦悶混じりの嬌声が漏れ、破瓜の血が流れ出る。

 同時に膣内にいきなり挿入ってきた異物を追い出そうと、肉棒がキツく締め付けられる。

 それは私にとって初めての感覚で、背筋が震えるような痺れから辛うじて快楽とわかった。

 しかし、それ以上にマシュの締め付けの強烈な感覚に頭が麻痺してしまい、身体が動かなくなってしまう。

 それに耐えきれず、縋る様にマシュの身体に抱きつく。

 奇しくも、さっきのマシュと同じ形だ。

 そのままマシュに抱きついていると、膣内の様子が変わってきた。

 具体的には、追い出す様な締め付けだったのが、奥へと引き込むような締め付けに変わっていた。

 その流れに乗って、本能的に身体を動かす。

 ずりずりと、膣壁に擦り付ける様にゆっくりマシュの膣内を探る。

 すると。

 

「いぁ、あっ⁉︎♡♡♡せんぱい、そこ、ダメ、です…………っ♡♡♡」

 

 偶然触れた一点で、マシュが一際大きな嬌声をあげた。

 そこがマシュの弱点だと確信して、重点的に責める。

 責めるたびにマシュが変な声を出して、嗜虐心が刺激される。

 

「…………っ♡♡♡」

 

 そうやってマシュを虐めていると、何かが登ってくる様な感覚を覚える。

 

「マシュ…………っ♡♡♡なにか、来そう…………っ⁉︎♡♡♡」

 

 その未知の感覚に驚いて、マシュに呼びかけると、マシュが無言のまま、私の腰を足で絡めとってマシュの身体に押し付ける。

 

「せん、ぱい…………っ♡♡♡そのまま、おくに、だして、ください…………っ♡♡♡」

 

 そして、とびきり甘えた声で、私を誘惑してきた。

 それで何が起きるのかを本能的に理解して、マシュを孕ませるという目的の為に、膣奥へ突き進む。

 そして。

 

「だす、よ…………っ♡♡♡マ、シュ…………っ♡♡♡」

 

「はい…………っ♡♡♡きてください、せん、ぱい…………っ♡♡♡」

 

 何かが弾ける様な感覚と共に、精液がマシュの子宮に放たれた。

 同時にマシュの身体が震えて、膣内が締め付けられて、強烈な快楽に頭が真っ白になっていく。

 …………だけど。

 

「っ、ぁっ⁉︎♡♡♡せんぱ、い…………っ♡♡♡まだ、イった、ばかり、で…………っ♡♡♡」

 

 私の中の獣は、それで満足してくれなかった。

 まだ足りない、と叫んで、再びマシュの身体を貪り始める。

 当然だ。

 だって…………

 

「私も、マシュに、産んで、欲しい、から…………っ♡♡♡もっと、やるっ♡♡♡」

 

 私も、マシュを孕ませたいのだから。

 そのまま、お互いに気絶するまで、何度も何度も貪り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ねえ、マシュ」

 

「…………なんでしょうか、先輩」

 

 お互いに貪りあった夜も過ぎて、朝になる頃。

 普段より早く目を覚ました私達は、ベッドで互いに向き合っていた。

 

「…………きっと、これから大変な事になるよね」

 

「…………そう、ですね」

 

 話すのは、これからの事。

 私達は、一線を超えてしまった。

 きっと、これからの道は昨日までよりも、厳しくなる。

 そうなって余りあるだけの事を、私達はしてしまった。

 …………だけど。

 

「でも、私は後悔してないよ。こうなって、良かったって思ってる」

 

「…………私もです、先輩」

 

 それでも、後悔はしない。

 きっと、何度繰り返しても、私達は同じ道を選択する。

 だって…………

 

「大好きだよ、マシュ」

 

「私も、大好きです…………立香、さん」

 

 私もマシュも、お互いの事が大好きなんだから。

 だから、どんなに険しくても…………私達は、私達の道を選ぶ。

 

「…………ね、マシュ」

 

「はい」

 

「私達の子供、出来てたら良いね」

 

「…………はい。出来てたら、嬉しいです」

 

 言葉を交わして、お互いに笑い合う。

 その空気のまま、自然に身体が動き、唇が触れあう。

 その味は、とても、甘かった。

 

 

 

 

 

「…………ところでさ、練習ってなんだったの、マシュ?」

 

「え⁉︎えーと、それは、ですね…………その、先輩への衝動を抑えきれなかった時に、試しにシミュレーターで先輩を再現してどうにか出来ないかと思ってたと言いますか…………」

 

「…………」

 

「せ、先輩? どうしましたか?」

 

「ずるい」

 

「え?」

 

「シミュレーターの私が先にマシュとイチャイチャしてたなんて、ずるい!」

 

「そっちなんですか⁉︎」

 

「じゃあ、マシュは私がシミュレーターのマシュとイチャイチャしても良いの⁉︎」

 

「うっ…………確かに、それは嫌ですね…………すみませんでした」

 

「罰としてキスの刑ね」

 

「へ? いやそれは、罰になってない様な…………んむっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………それから、幾許かの時が経って。

 あの日から、色々な事があった。

 私とマシュがした事はダ・ヴィンチちゃんには当然バレて、新所長と合わせてめちゃくちゃ怒られた。

 …………まあ、ダ・ヴィンチちゃんはこうなる事を予想してたみたいだけど。

 だからあの薬も作ったみたいだし。

 お叱りの後に散々揶揄われたから、間違いない。

 閑話休題。

 その後も、カルデアスとの決戦とか、色々あった。

 まあ全部楽々…………とはいかなかったけど、どうにか解決して、カルデアが抱えていた問題は全て解決された。

 まあその後も色々ゴタゴタはあったんだけど、取り敢えず今は落ち着いた。

 そんな、小康の日のこと。

 

「ねえマシュ!」

 

「先輩? どうされたんですか?」

 

 私は、マシュの部屋を訪れていた。

 伝えたい事があったからだ。

 

「マシュに、報告したい事があるの!」

 

 しかし。

 

「先輩もですか? 実は、私もなんです」

 

 どうやらそれは、マシュも同じだったらしい。

 それでお互い何となく察して、せーの、で言い合う事にした。

 

「「せーの…………妊娠してたよ(ました)!」」

 

 そう言って、陽性反応の妊娠検査薬を取り出す。

 マシュも同じ様に、陽性反応の妊娠検査薬を取り出した。

 

「「…………」」

 

 お互いの妊娠報告に、奇妙な沈黙が走る。

 だけどそれは決して悪いものじゃなく、むしろお互いに喜んでる事が十分に伝わってくる、心地いい沈黙だった。

 だけど、沈黙はいつまでも続かなかった。

 

「やったね、マシュ!」

 

「はい! とても、嬉しいです!」

 

 心の内から溢れ出る喜びに耐えきれず、身体が動いてしまったからだ。

 お互いに抱き合って、喜びのままにベッドに転がり込む。

 そのまま喜びを噛み締めて抱き合っていると、良いアイデアが思い浮かんだ。

 

「ね、マシュ」

 

「はい、先輩」

 

「スマホでさ、記録撮っとこうよ。私達のこれからを記念して」

 

 それは、この瞬間を記録しておく、というものだった。

 

「それは…………良いアイデアですね、先輩!」

 

 幸い、マシュも同意してくれたのでお互いにスマホを取り出して、カメラを向け合う。

 

「じゃあ、私から。…………えっと、藤丸立香です。国連の組織で色々やってました。そこでこの自慢の後輩、マシュに出会って…………マシュを妊娠させて、マシュとの、子供を妊娠しました。勿論、産みます。マシュと、お腹のこの子と、マシュのお腹の子で幸せな生活を送ります! …………こんなもんかな? じゃあ次、マシュ!」

 

「は、はい! …………マシュ・キリエライトです、立香先輩と同じく、国連の組織で働いていました。そこで私の第一の先輩、立香先輩に出会って…………先輩との子供を、私と先輩、二人で授かりました。私も、産みます。そして先輩と、お腹の子供達で、最高の家族になってみせます! …………私も、大丈夫です」

 

 お互いに記録をスマホに残して、また抱き合う。

 

「宣言通り、幸せで最高な人生にしようね、マシュ!」

 

「はい、先輩!」

 

 

 

 

 

 

 

 数ヶ月後。

 

「ふぁ〜、あったか〜い…………」

 

「そうですね〜…………」

 

 私とマシュは、大きくなったお腹を抱えながら、一緒にお風呂に入っていた。

 

「マシュのお腹、結構元気だね」

 

「先輩の方こそ、かなりおてんばですよ」

 

 湯船でお腹を押し付け合いながら、互いの胎動を確認する。

 検査によると二人とも女の子の様で、元気に動き回ってるのを感じるだけで心が幸せになってくる。

 …………さて、ここで問題がある。

 

「…………っ」

 

「ダメですよ、先輩」

 

「…………わかってるって」

 

 それは、最近どうしようもなく欲求不満な事だ。

 いやほら、マシュも私もだいぶ安定してきたとはいえ、そういう事をするのはお腹の子に悪いし。

 だけどどうしても溜まってはくるもので最近結構もどかしい。

 そしてそれはさっき釘を刺してきたマシュも同じな様で、きっちり勃起している。

 なので、一つ考えてきた。

 

「…………なら、手はどう?」

 

 このもどかしさをどうにかする為に考えたのは、お互いの手で処理する、という方法だ。

 これなら、そこまで激しくもないし、多分大丈夫。

 そういう目線でマシュを見ると。

 

「…………まあ、それなら」

 

 と、口調は渋々ながら割と乗り気な感じでオーケーが貰えたので、お風呂を上がってベッドに行く。

 ベッドでマシュを膝に座らせて、マシュの肉棒を握る。

 久しぶりに触ったマシュのソレは、最近やってないからか、普段よりもガチガチだった。

 

「んっ♡」

 

 それにこっちもなんだか興奮を覚えながらゆっくり擦り始めると、マシュが胸に吸い付いて、快楽と共に嬌声が漏れる。

 妊娠のせいか大きくなった私の胸は、それまでに散々マシュにいじめられたせいかすっかり開発されていて、今やマシュに吸い付かれるだけで気持ちよくなってしまうくらいになっていた。

 後でマシュに仕返ししてやると思いながらマシュの肉棒を擦ってると、ビクビクと震え始める。

 どうやら射精するらしい。

 それに合わせて亀頭をぐりぐりと弄るように責める。

 それと同時にマシュの吸いつきが強くなって、こっちも気持ちよくなってくる。

 そして。

 

「ん、んん…………っ♡♡♡」

 

 堪えきれなくなったマシュが射精すると同時に強めに乳首を噛んだせいで、私も絶頂してしまう。

 だけど溜まっているせいかマシュのはまだ萎える事はなく、もっとして欲しいと訴える様に胸に吸い付いてくる。

 それに快楽を覚えながら、マシュが射精し切るまで擦り続けた。

 

 

「では、次は私が先輩にご奉仕しますね♡」

 

 射精して満足したのだろうか、スッキリとした顔のマシュが位置を変える。

 今度は私がマシュの膝に座る形になり、マシュに肉棒を握られる。

 

「…………っ♡♡♡」

 

 マシュに胸を責められて気が立ってるのか、握られるだけで変な気持ちになる。

 そのままマシュが擦り始め、久しぶりの快楽が伝わってくる。

 それに悦びながら、さっきの仕返しとばかりにマシュの胸に吸い付く。

 

「…………んっ♡♡♡」

 

 マシュの胸も私が色々いじめてるせいか結構な敏感体質らしく、嬌声と共にマシュが震える。

 それにお構いなく、さっき飲まれた分を取り返すように母乳を飲む。

 同時にマシュの手による快楽が強くなり、精液が登ってくる感覚が私を襲う。

 それを察知したマシュが責め方を激しくして、私を責め立てる。

 

「…………っ♡♡♡」

 

 その結果、私はあっさりと射精してしまった。

 だけど、私もまだまだ物足りない。

 それを示すように私のもまだ勃起していて、マシュが間髪入れずに擦り始める。

 そのまま、お互いに満足するまで射精し続けた。

 

 

 

 

 

 そして、臨月の時。

 

「せん、ぱい…………っ」

 

「ま、シュ…………っ」

 

 私とマシュは、手を繋いでお互いに呼びかけ合いながら、改造されたカルデアの医務室で、お腹の子が産まれるのを待っていた。

 命が産道を通って生まれ出ようとする苦痛に顔を歪めながら、二人の愛の結晶が産まれる事が出来るように力を込める。

 時間の感覚が無くなるほどの苦痛に悶えながら、産まれでる命をひたすらに待つ。

 そして。

 

 

 ほぼ同時に、二つの泣き声がこの世界に響いた。

 当然、二つとも、私達の子供の泣き声だ。

 世界に生まれ出て泣く子供をお互いに抱いて、どちらからともなく笑い合う。

 この子達が、無事に産まれた事を喜んで。

 そして、子供達がおくるみに包まれ、私達がマイルームのベッドに運ばれた後。

 

「…………生まれましたね、先輩」

 

「そうだね、マシュ」

 

「二人とも、可愛いです」

 

「うん、マシュに似てる」

 

「先輩ですよ、きっと」

 

 二つ並んだベッドの中、他愛ない事を言いながら、笑い合う。

 その時。

 

「…………責任とって、くださいね?」

 

 冗談めかして、マシュが悪戯っぽく笑った。

 

「…………それは、こっちのセリフなんじゃないかな?」

 

「ふふっ…………確かに、そうですね。最初に襲ったのは私ですし。でも…………先輩も、沢山しましたよね?」

 

 なのでこっちもちょっとした意趣返しで言葉を返すと、チクリとマシュの言葉が刺さってくる。

 

「…………むぅ。なら、責任を取りますか」

 

「え?」

 

 それにどこか心地いいものを感じながら、丁度良い流れだと思ったので、前から用意してたものをマシュに渡す。

 

「…………これは」

 

 それは、私の名前を記した婚姻届だった。

 とはいえ、実際に効力があるって訳では無いんだけど。

 それでも、マシュにその意味は伝わったらしい。

 

「これからも、ずっと、ずーっと、一緒でいてください」

 

「…………はい。喜んで。ずっと、先輩の隣にいます」

 

 涙を流しながら、もう一つの空欄にマシュが名前を書く。

 その姿を愛おしく思いながら、そっとマシュを抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次はリコ先生の誕生日ですね

続きを書くなら

  • 快楽堕ち(ビーストカーマ)
  • カジノ敗北所有物(Wコヤンスカヤ)
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