というわけでお悩み相談室と化した娼館の回です。主人公が子持ちだと判明したことで、ヒロインの目の色が変わった後半の後半です。その導入パートとなるシックスナインです。
なお、本パートは全編を通して挿入がありません。本番OKの店で本番を行わないという暴挙は、次回へとの伏線となります。
結局、私が結婚して妻子持ちであったこと、離婚をして息子と共に暮らしていること。マキにはそれら全てを白状してしまった。
「なぁ典也。」
「なに?」
珍しく迎えることとなった、親子水入らずの時間。とはいうものの、実際は話すことなどほとんどなく。気まずい時間だけが流れようとする寸前であった。
「典也はお母さんのことって、考えたりするのか?」
ゲーム機の画面に目を向けたままの典也は、その手を止めることもないまま私に返事をする。
「あんまり……ないかな。お母さんのこと、全然覚えていないし。」
「そうか……そう、だよな……」
当然ともいえる答えであった。典也は私に対して、母親に関する話を聞いてこなかった。息子にとって母親は存在しないも同然。他の家庭と比べることはあるのかもしれないが、母親がいないことが当たり前となってしまっていた。
「どうしたのお父さん。急にそんなこと聞くなんて。」
「あっ……!いや、その……ちょっと、気になっていて……な。」
少しどころではない。千晶から典也を託されたあの日から現在まで、私の中で典也に対する負い目が消えたことはなかった。それがこの子を私へと託した、千晶が私に背負わせた十字架であると考えていた。
「典也はその……お母さんが欲しい、なんて思ったことはないのか?」
私がそう問いかけると、典也はついにゲーム機を操作していて手を止める。そして、私に対して問い返してくる。
「欲しいって、お父さんが作ってくれるの?」
「いや、作るってのはちょっと語弊があるというか……そういうことではあるのだけど……」
事務手続き上は再婚ということになるが、こういう場合息子である典也にはどう見えるのだろうか。これまで存在しないものが、突如として現れるという事実。そんな典也の心境だけは、私には決して理解が出来ないのであった。
「オレは……どっちでもいいよ。お母さんとか、いてもいなくても。」
「………」
だが、典也がどう考えていようと、私の中にある罪悪感だけは変わらなかった。そして最早、この罪悪感と負い目だけが、私という男を典也の父親たらしめるものであるともいえた。
「そうか……どっちでもいい、か。」
そんな言葉を私もかつて、千晶に対して言ったような気がした。何についてかは覚えていなかった。そして、この期に及んでも千晶の存在が脳裏に過る自分が滑稽にすら思えてくる。
「変わらないといけないのは、俺のほう……だよな。」
典也がまだ物事の判断を全て自分で出来ない以上、この子を導くのは父親である私の役目。『どっちでもいい』という息子の言葉が、私に覚悟を促すように聞こえるのであった。
◇
『……失礼します。』
部屋のドアがノックされ、ゆっくりと外側から開かれる。私が待つ部屋へと入ってきたマキは挨拶をすることもなく、呆れを含んだ笑みを浮かべて口を開く。
「もう……橘さん、またいらっしゃったんですか。」
「ああ。迷惑だった……かな?」
客への対応とは思えない娼婦としての言葉。だが、私自身がそれを失礼などと思うこともなく、些か申し訳なそうに言葉を返す。
「そんなことはありませんが、当店はお悩み相談室ではないんですよ?」
私が悩みを抱えているという前提で、マキは冗談を口にする。あの日、彼女の前で口を滑らせて以降、彼女の対応はずっとこのような感じであった。
「ここは私たち娼婦が、お客様に性的なサービスを提供する場所、男と女がセックスを楽しむ場所なんですから。家庭の問題を持ち込まれては困ります。」
苦言を呈しつつも、マキはベッドに座っている私を押し倒すと、速やかに衣服を脱がしていく。そして、彼女自身もまた身に着けていたドレスを脱ぎ払い、当然のように下着をつけていないため裸となり、私の上に覆い被さってくる。
「おうぅっ……マキちゃん……!んぅぅっ!!!」
「うふふ……今日はシャワーを浴びずに、下での仕事を切り上げてすぐにこちらへと来てしまいました。」
「シャワーを浴びずに……んぅぅぅっ……!」
その言葉通り、いつもは漂ってくる石鹸やボディーソープの香りは一切なく。その代わりに匂ってきたのは生活感に溢れた匂い、そして彼女自身が醸し出す汗の匂い、女の匂いであった。
「ま、マキちゃんの汗の匂い……すぅぅぅっ……はぁぁぁぁ……!」
「いやぁんっ!もう……そんなに息を吸ったり吐いたりしたら変態みたいですよ。しかも、チンポだってこんなに大きくしちゃって……」
「おうぅっ……!?」
喜びを滲ませたマキは私の下半身に手を伸ばすと、既に屹立していた肉竿を握り締める。そして、私に添い寝をする格好となって手淫を始めるのであった。
「ああ……橘さんのチンポ、今日も固くて太くて……んぅぅっ!!!なんだか、いつもより匂って……!」
「その……実は私も、今日はまだシャワーを浴びていなくて……」
「えっ……!?そ、そんな……私を指名しておいて、汚い身体のままだったんですか!?」
「いや、マキちゃんも浴びてないなら、そんな引かなくても……」
お互い様であるにも関わらず、客である私よりも驚きの声を上げるマキ。自分の不躾を棚に上げての言葉に、今度は私が呆れようとするが
「そんなの……いつもよりも興奮しちゃいますらからぁっ!あぁんっ!チンポぉっ、橘さんの臭くて汚いチンポぉっ……!」
「おうぅっ……!?マキちゃん……そんな激しく……んぶぅっ!?」
「んちゅっ、ぢゅっ……んぢゅっ……ぢゅぶっ……んぢゅぅぅぅっ……!」
肉竿を激しく扱きながら、マキは私の唇を奪い乱暴の口付けをしてくる。もはや接客の範疇を越えた、親しい者に対して喜びを露わとしたような行為で私を昂らせるのであった。
「んぢゅっ……んんっ……マキちゃん……んぶぅっ!」
「れろぉっ……んちゅっ……ちゅぷっ、ぢゅるっ……んんっ……ぷはぁっ!セックスの前にキスをするなんて……娼婦失格です。」
「はぁ……はぁ……キスくらいで、別にそんなことは……」
唇を離すとすぐに、彼女は自らを嘲るような言葉を口にする。そしてさらに
「それに、お子さんがいる身でこんな私を抱いている橘さんも、父親失格ですね。」
「うぐぅっ……!?」
痛恨の一撃が私の心へと突き刺さった。しかし、そんな彼女の言葉に一切の蔑みを感じるとはなかった。むしろ自らを娼婦失格と嘲りながら、私に対しても父親失格と突き付け、眼前にいる男への親近感を露わとしているようであった。
「あぁんっ……!チンポがビクビクってしちゃってます。んんぅっ……んっ……もうダメ……わたし、もう我慢出来ない……!」
「マキちゃ……おうぅっ!?」
マキは私に背を向け、尻を突き出すように跨ると、自らが激しく扱いて屹立させた肉棒に顔を近付ける。その一方で私の眼前には、彼女の肛門と淫裂が晒される。
「マキちゃんも……こんなに濡れて……!」
「はいっ……!橘さんとキスをして、チンポを握っただけで……もうマンコがヌレヌレになっちゃいました……!んんぅっ……あぁぁっ!!!橘さんのチンポしゃぶりますから、橘さんもわたしのマンコにっ……あむっ!んぢゅぅっ、ぢゅぶぅぅぅぅぅっ!!!」
「おうぅっ!?ま、マキちゃん……いきなりそんな深くは……んぅぅぅっ!!!」
彼女はそう声を上げるとすぐに、私の肉棒を頬張って激しい奉仕を始める。それに対抗するよう私もまた、彼女の尻に顔を埋めて、愛液が滴り落ちる淫裂を愛撫するのであった。
「んぶっ……ぢゅるっ、れろぉっ……!んんっ!マキちゃん……!んぢゅっ、ぢゅるっ、んぢゅるるるぅっ!!!」
「ぐぶぅぅぅっ!!!ぐぶぅっ!ぢゅるっ、ぢゅぼっ、ぐぼぉっ!ぢゅぶぶぶぉぉぉっ!!!んぢゅっ、んぶぅっ!ぢゅっぶぅぅぅっ!!!!」
私が膣口を舐め回すことに呼応して、彼女の奉仕はさらに激しさを増す。俗にいうシックスナインと呼ばれる行為を、私たちは互いに汚れた身体のまま繰り返していた。
「んぢゅっ!ぢゅぶっ、んぐっ!んぼぉっ!ぢゅぼっ、んぢゅっ……んぢゅるるるぅぅぅっ!!!」
「ぶふぅっ……!おうぅっ……マキっ……んぅぅっ!!!ぢゅるっ、んぶっ!んぢゅっ
、んぢゅぅぅぅぅっ!!!!!」
茂みが整った股間を舐め回しても、彼女の口淫が疎かになることはなかった。むしろ肉壺から淫汁が零れ落ちるほどに、口内を女性器だと思うほど巧みな愛撫で私の射精欲を煽り立ててくる。
「んぶぅぅぅっ!!!!ぐぶっ、ぐぶぅっ!ぐぼっ、ぢゅぼっ、ぐぶぉっ!んぢゅぼぼぼぉぉぉぉっ!!!」
「ふぶぅっ……ぢゅるっ、れろぉっ……!すぶぅっ……マキちゃん……んぶぅっ!!」
さらに膣口から滴る愛液は、私の顔へと絶え間なく滴り落ち、まるで小水を漏らしているかのように溢れ出てくる。そんな光景と共に漂う淫臭を前に、私は淫裂へ舌を這わす以上に愚息を昂らせてしまうのであった。
「んぶぅっ!ぢゅるっ……ぶはぁっ!マキちゃんっ……も、もうっ……んぅぅぅっ!!!」
「んぢゅぶぅぅぅっ!!!ぢゅるっ、んぶっ、ぢゅぶっ、ぢゅぼっ、んぶぉっ!ぢゅるっ、んぢゅるるるるぅぅぅっ!!!!」
「あぐぅっ……!?だ、ダメだ……こんなの……あっ、あぁぁっ!!!!!」
シックスナイン自体は、千晶との行為でも嗜む程度にしたことはあった。本番へと至る前に、気分が乗った際に行う互いが気持ちよくなれる前戯。しかし、マキと行っているこれは前戯と呼ぶことが出来ないくらいの、一度咥え込んだ肉棒を決して離さず、搾り尽くすほどの快楽をもたらしていた。
「んぅぅぅっ!!!ぢゅぶっ、れろぉっ……んぶぅっ!もう……ダメ……イクぅっ!マキちゃんっ……マキっ……あっ、あぁぁぁっ!!!!」
「ぐぶぅっ!?んぶぅぅぅぅぅぅっ!!!ぢゅぶっ……んぶぅっ!ごぶぅっ……んぢゅっ、んんっ……んぐっ、んんっ、んぢゅっ……ぢゅるぅっ……!」
そうして図らずも、私はマキを絶頂させることなく、ただ一人で彼女の口内へと精を解き放つ。彼女は達している肉棒からも口を離さず、迸る大量の精液を飲みながら、以前として膣穴から愛液を零しているのであった。
「んぢゅ……ぢゅるっ……んぶっ、んぢゅっ……ぢゅぶっ……ぢゅぼっ……んぢゅぅぅぅ……ぷはぁっ!はぁ……はぁ……」
「あっ、あぁっ……ま、マキ……ちゃん。」
「うふふっ……いっぱい出ましたね。私の口マンコの中にこんなに出して……んっ……ちゅっ……!」
「あうぅっ!」
射精したばかりの敏感な剛直に口付けをされ、間の抜けた声を上げてしまう。そして彼女は身体を起こし、私の上と跨ったまま向きを変えて顔を見つめてくる。
「私の汚いマンコをこんなに舐めていただけるなんて……とっても嬉しかったです。」
「いや、でも……マキちゃんをイかせることが出来なかったから……」
シックスナインとは名ばかりの、私が一方的に肉棒を貪られて射精をした行為であった。しっかりと彼女を気持ちよく出来なったことに、私は相応の後ろめたさを抱いていた。
「そんなことありません。こんなにお顔が汚れるまで……私のマン汁でベトベトなるまで舐め回していただけたのですから……れろぉっ……んちゅっ……ちゅぷっ。」
「うぅぅっ……な、何を……!?」
そう言葉を口にしながら、マキは彼女の愛液で塗れた私の顔に舌を這わせて舐め回してくる。それはまるで、私を主と慕うペットのような振る舞いであり、私の劣情を掻き立てさせていく。
「やっぱり、嫌ですか?ご自分のチンポを咥えて、精液を飲み干した女の口というのは……」
「そうじゃない……けど。どうして、そこまでのことを……」
これまでと、そして先程までと、彼女の何かが違っていた。もしかすると、この部屋に彼女が入ってきた時から、それは分かっていたことなのかもしれない。
「私は本当に……娼婦として失格なんです。橘さん……俊也さんに本気となってしまいそうなんですから。」
ようやく理解することが出来た。私を見るマキの目は、今まで接客をしているものとは違っているのだった。彼女は私を客ではなく男として見ていた。彼女自身もそれが危ういことだと分かった上で、私の名前を呼ぶのであった。
「……マキ。」
「いけませんお客様、そのような目で……わたしを見てしまうのは。んっ……ちゅっ、んちゅっ、ちゅぷっ……んぢゅっ……れろぉっ……!」
申し訳程度に拒む言葉を口にして、彼女は私に口付けを求めてくる。私もまたそれに応じて、彼女の唇を激しく奪う。互いの体液が唾液と共に混ざり合い、私の口内には自らで解き放った精液の味が広がるのだった。