午後の湖畔に響き渡るアタシの悲鳴──最愛のポケモンがその下腹を裂かれ殺されかけている場面に遭遇すれば、誰だって同じ反応を取っただろう。
がしかし……そんなアタシの声に反応したヘイラッシャが何事も無かったかのように覚醒して頭を持ち上げた。
そして視線を巡らせた先で恐れおののいているアタシと目が合うと──場違いにもヘイラッシャはさも恥ずかし気に両ヒレで顔を覆う。
その頭のてっぺんまでテレて赤くなっている様子からは、下腹を裂かれている状況に対する恐怖も痛がる様子も見受けられない。
なんか変だ……そうして改めてアタシはヘイラッシャの下半身と、そしてそこに陣取るシャリタツとを確認するに──自分がとんでもない勘違いをしていたことに気付いた。
「あ、あらぁ………これって」
切り裂かれたと思いこんでた傷は──ヘイラッシャの膣だった。そしてシャリタツはそこを押し開いては愛撫をしていたのだ。
すなわち……交尾の真っ最中だったわけである。
「う、うわぁ……ゴメン! 気付かなかったよ!」
それが分かると今度は気まずさで居ても立っていられなくなった。
いかにポケモンとはいえこの超プライベートな瞬間に介入して平然としていられるほどアタシも鈍感じゃない。
謝ってその場を立ち去ろうとするアタシをしかし、
『スシ! スーシ!』
誰でもないシャリタツが呼び止めた。
その声に引き留められ振り返るアタシの前には、こちらへと歩み寄ってくるシャリタツとそして再び体位を元に戻して向き合ってくるヘイラッシャの姿が見えた。
何事かと思い足を止めて振り返るアタシになにやら二匹は必死に何事かを訴え始めた。
どうやらヘイラッシャの方がアタシに用事があるらしく、シャリタツの通訳の元でアタシは彼女の要望を聞くことになった。
そして総合したヘイラッシャの要望の意訳は……──
「えぇー!? アタシも交尾に参加しろってー!?」
『スーシ』
思わぬ方向へと事態は動き始める。
二匹の言わんとしていることはこうだ──シャリタツ側からヘイラッシャへと愛撫をしてやることは容易だが、その逆になると体格差もあり上手くいかない。
ヘイラッシャとしては同じくにシャリタツを愛してやりたく、その細かな作業の代行をアタシにしてほしいとのことだった。
当然のことながら返事となるアタシの第一声は、
「嫌よ! そんなの!!」
激しい拒否だった。
いかにトレーナーとはいえポケモンと性的な関係を結べるほどアタシは達観していないし、そもそもが……そういった行為自体、アタシからして未経験だった。
だからこそ断固として拒否した訳ではあったが、そんなアタシにすがるよう懇願してはヘイラッシャもぽろぽろと大粒の涙を流した。
その仕草についアタシも胸をやられる。
アタシにとってこのヘイラッシャは、子供の頃から世話をしてきた娘や妹のような存在だった。
そんなヘイラッシャが涙を浮かべてお願い事してくるシチュエーションと、そして引っ込み思案な彼女の性格を併せて考えた時、アタシの気持ちは大きくヘイラッシャの為に尽くしてやりたいという方向へと傾き始めてしまった。
やがては情に流されてしまう形で……
「わ……分かったわよ。でも、これ一回だけだからね」
アタシは、この二人の行為に介入することを頷いてしまった。
『スシー♡』
その返事を受けてさも嬉し気に飛び上がるシャリタツに僅かな腹立たしさも覚える。
結局はコイツが一番得をしている気がしてならない。
ともあれ奉仕しろと言わんばかりにシャリタツは仰向けになって体を伸ばすと、無防備にもアタシの前にへそを晒した。
おそらくは性器へ愛撫しろということなのだろうが、いかんせん他人のそれなんて見たこともないアタシはただただ戸惑うばかりだ。
「んん~……どこにあるのよぉ?」
見下ろすシャリタツの腹部は何処までも白く平らでそこに生殖器……ペニスの姿は微塵も見受けられない。
とりあえずその腹部に指先を這わせると、そんな私の指の触感に反応してシャリタツは小さくひとつ、身を痙攣させる。
そうしてその股間あたりを探るよう指先で撫で続ける動きに反応し、徐々にシャリタツはその呼吸を荒くしていった。
やがて興奮に熱し上がった頭と体とがシンクロした瞬間、シャリタツの体にも変化が現れる。
ふいに下半身の一部に粘液が滲み始めたかと思うと、そこに小さくスリットが現れた。
アタシもそこからペニスが飛び出してくるのだと思いさらにそのスリットの淵を指先でなぞり続けるが……何やらそこに違和感を感じてはアタシも首をひねる。
一向にペニスが出てる様子が無い……それどころかスリットはどんどんと体液を滲ませては溢れるほどに潤滑していくばかりだ。
この時になってアタシはふと、あってはならない想像をそこにしてしまった。
「ま……まさかァ?」
腹這いになってシャリタツの局部に鼻先を寄せると、アタシは恐る恐るそのスリットの淵に両手を添える。
そうして震える手でそれを押し開き、目の前に展開されたその光景に確信をした。
開かれた断面に確認できたのは尿道の小さな穴と、そして充血した肉を凝縮させながら奥へと穿たれた膣道の光景──
このシャリタツが『メス』であったという事実を今、アタシは知るに至ったのだった。