※この作品はR-18です。

三擦り半のマス☆カーニャ   作:たつおか

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第4話・エスカレート

 

 

 アマージョの性癖は日々エスカレートしていった。

 ローターを一つ潜ませる程度のささやかな楽しみだったはずのそれは、翌週には二つを同時に膣内へ入れてコンサートに挑むまでに至る。

 ローター同士が互いに干渉して弾けあい、その相互作用でより激しい刺激を発生させるのが彼女にはこの上ない快感であるらしかった。

 

 そうしてライブが終わり控室に戻ってくると……そこからは俺からの御褒美タイムだ。

 前張りを剝がし、そこに染み込んだ自身の愛液を嗅ぎ、時に味わいながら俺からの手淫を受けてコンサートの反省会をするというのがもはや一連のルーチンと化していた。 

 

 ある程度そうして情欲の発散が済むと、俺はアマージョを膝の上に乗せてしばしのネットサーフィンへと移行する。

 ここでも俺達が目にするものはアダルトサイトの動画や大人のオモチャの通販サイトだ。

 動画から得られる知識や、はたまたグッズの解説を俺がしてやることでアマージョの性への興味は慰められるどころか、より一層に強まっていくようだった。

 

 興味のあるプレイは少しでも自身の肉体で再現しようと、それこそ本業であるアイドルのレッスン並みにアマージョは熱中した。

 その甲斐もあってか一番初めのローター事件より3か月後には、アナルにおいても性的快感を得られるまでに至り、今では体長の三分の一近い長さのディルドすらそこに収められるようになった。

 まさに怪物だ。

 

 異常と言われればそうかも知れないが、誰しも人に言えないような趣味や性癖といった影の部分はあるものだし、アマージョがそれに目覚めたからと言って、俺は彼女へ失望や偏見の目を向けることは無かった。

 そもそも俺からしても世間一般にはイレギュラーな特性を持ち合わせているのだから、この一事を取り上げて彼女のことを非難する権利などは無い。

 むしろこの一見以降、斯様な秘密を共有する俺達の信頼関係は以前にも増して強まっていた。

 

 しかしながら、それもあくまでプライベートで楽しんでいるということが前提だ……。

 起こるべくにしてというか、そんな事態の延長線上にてその事件は起きてしまった。

 

 その日も恙無くコンサートを完走し、後はリクエストに一曲応えて終わりというその場面において……俺やファン達はステージ上の彼女の様子がおかしいことに気付く。

 何処を見るともなく、視線を遠くしながら客席を見下ろすアマージョの笑顔は明らかにアイドルが輝かせるそれとは違っていた。

 

 下瞼を上ずらせ、抑えられない期待と興奮に浮かされては吊り上げた口角を引くつかせるそれに、俺は背筋を凍らせた。

 それこそはいつもの淫靡なご褒美タイムにてアマージョが見せる表情であったからだ。

 そしてその最悪の事態を確定させるが如く彼女は次なる行動へと出る。

 

 極度の興奮からおぼつかなくなっている足を広げて仁王立ちになったかと思うと、突き立つスポットライトの下、オーディエンスに向かって腰を突き出した。

 そして巨大な花弁の蕾然とした股間のガクの左右へ両手を添えると、大きくそこを開いてはその下の物を衆人の目へと晒そうとする。

 

 そこには毎度のことながらパッドが貼られていて、さらにその下には密かな楽しみ用として極太のディルドが、今日は膣と肛門に収められている筈である。

 それを客席の最後尾から確認した俺は、直感的に走り出していた。

 

 アマージョが今しようとしていること──それこそは自身の秘密とその痴態とを、ファンへ暴露しようとする行為に他ならなかった。

 連日の快感漬けとなっていたアマージョにはもはや、現実世界とプライぺートとの境界が消失していた。

 自分のファン達が詰め込まれたこの会場ですらもが、今や彼女を高揚させそして快感を齎せるための道具でしかなかったのだ。

 

「ダメだ……! それだけはいけない!」

 

 箱の小さな会場とはいえ、それでも150人以上が詰め込まれた客席の最後尾とあっては、全力で駆けたとしてもステージ上には間に合わないだろう。

 そうこうしている間にもアマージョは自身の手で前張りを剥がしにかかっている。幸いなのは自分自身を焦らす行為に興奮しているあまり、その動きが緩慢になっていることだった。

 それでもしかし、その段においても俺は会場壁面の通路に辿り着くのが精いっぱいだった。

 

 そして遂に彼女の手が大きく振り上げられ、その前張りが完全に剥がし取られた瞬間──会場は闇に包まれた。

 絶望を表現する比喩ではない。文字通りに照明の一切が落とされて、会場は暗闇と化したのだ。

 しかしながらそんな突然の事態は決して偶然などではない──そもそも最初から俺は、今の場所を目指して走ったのだ。

 

 会場の電源を司る、このブレーカーの場所へと。

 

 俺の手により照明の一切が落とされた闇の中、突然のそれに一時は困惑して沈黙をしていたオーディエンス達に対し、俺もまた更なる一手を講じる。

 

「テロだー! 逃げろ! やられるぞー!」

 

 甲高い俺の声が響き渡るや次の瞬間──会場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

 誰も彼もが我先にと後方の出入り口へ殺到する中、俺は人波を逆行してはステージへと急ぐ。

 

「アマージョッ!」 

 

 そうして壇上へと飛び上がり、彼女が居たであろう場所をスマホのライトで照らす俺は……そこにて仰向けに倒れては痙攣する影を見つけた。

 急いで駆け寄り抱き起こすと、その動きに反応して甘い腐臭が仄かに立ち上がる。

 華奢な手足とビロードのような肌の質感は間違いなく彼女だった。

 

 暗がりにおいてスマホのライトだけという心許ない照明では彼女の容態を完全に把握することは出来ないが、足元一面を濡らした愛液とそこに転がるディルド2本から察するに、きっと快楽に蕩けきっただらしない弛緩顔を晒していることだろう。

 ……この騒動の張本人だと言うのにいい気なもんである。

 

 ともあれ、そんなアマージョを背に担ぐと俺はステージの裾から関係者達の混乱でごった返す裏方へと降りていく。

『どこのバカのイタズラだ!』と怒気も顕なホール支配人を横目に、俺は事態の真相が明かされないことを天に祈るばかりであった……。

 

 

■     ■     ■

 

 

 あの地獄のようなコンサート会場事件における俺の一部始終は、現場にいた別のスタッフにより目撃されていた。

 しかしながら不幸中の幸いとしては、目撃されたのは俺だけの奇行であり、ステージ上のアマージョの恥態は誰に見とがめられることもなかった。

 

 そして不幸中の不幸としては……しばし俺達はアイドル活動の休止をやむなくされたことである。

 

 件のブレーカーを落とした件については俺も『演出である』ことを主張しては見たものの、我ながらそんな苦しい言い訳が通るはずもなく会場側からは今後の出入り禁止と、そして所属事務所からは契約の打ちきりを申し渡されて今回の件は手打ちとなった。

 

 損害賠償を請求されなかったのが慰めではあるが、それでも俺達は今後のことを考えあぐねては頭を悩ませた。

 それこそは、俺やアマージョのアイドル活動と言う生活の糧を得る方法であると同時に……さらに暴走を始めた彼女の情欲をどう沈めるかと言うことであった。

 

 あの一件以来、彼女の発奮の対象は『何者かに見られる』ことによってしかそれが果たせなくなっていた。

 そしてそれを満たすべくに、俺達は深夜早朝に人気の無い場所へ赴いてはアマージョの恥態を晒し、それを撮影した動画や画像を特定出来ぬように加工してはネットに上げた。

 それに寄せられる動画購入者のからの反応を楽しむと同時に収入も得ていたがしかし……やがてはそれですらアマージョは物足りなくなって、遂には第三者を巻き込んだ性的交渉すらをも求めるようになっていった。

 

 これには俺も途方にくれた。

 またアマージョにしても、その相手としては同輩のポケモンではなく人間のオスを所望するといった有り様だ。

 俺に彼女の相手を努められるだけの甲斐性があれば良かったのだろうが、こればかりはどうしようもない。

 ならばしかしと相手を募るにしても、ネット上でそれを探すのはリスキーだ。何の後ろ楯も無い俺達はトラブルに巻き込まれた時に身の処しようがない。

 

 互いの素性を明かすことなく、行為後は後腐れ無く別れられて尚且つ金輪際会うことも無い存在。さらにその対象は、いざと言う時にはこちらが腕力で圧倒出来る相手だと言うこともない。

 ……そんな相手を考えた時、俺は最低最悪の計画を脳裏に思い浮かべた。

  

 数日後──

 俺とアマージョは自宅から遠く離れた土地の公園に居た。

 

 件の『計画』を実行するに、この公園ほどうってつけの場所はなかった。

 広大な芝生を多くの木々で囲んだこの公園はいたる所に死角があり、そして今回俺達が探そうとしているその対象もまた数多く存在していた。

 

 その中を俺はアマージョと共だって歩きながら、今回の彼女の相手をしてくれる対象を物色して回った。

 公園内に設けられたハイキングコースを辿っている時、ふいにアマージョが俺の袖を引いた。

 既にそこへ向けられているアマージョの視線を追うと、その先には雑木林の中に設けられたアスレチック遊戯で遊ぶ少年達の姿が見えた。

 

 中肉中背の3人組で、いずれも小学生の高学年ほどに見受けられた。

 見ればパートナー的なポケモンを付き添わせている気配も無ければ、傍らに彼らが乗ってきたと思しき自転車が転がっていることからも、近くに保護者がいる可能性も低そうだった。──なるほど、あの手合いならまさに打って付けだ。

 

「あの子達でいいのか?」

 

 再度確認すると、アマージョは依然として少年達を見据えたまま興奮も露わな様子で大げさに頷く。

 俺もまた周囲に自分達以外の何者かが居ないことを確認すると、やがてはその少年達へと歩み寄っていった。

 そうして出来る限りに声を高くして快活そうなイメージを声音にまとわりつかせると、いよいよ以て俺は彼らへと声を掛けた。

 

 片手をあげての気軽な挨拶に、少年達は警戒というよりはキョトンとした様子で俺達を迎えた。

 そうして傍らのアマージョを紹介しつつ一同の前へ彼女を進み出させると……俺達は遂に取り返しのつかないその一歩を歩み出したのだった。

 

 

「 うちのアマージョと遊んでくれない?  

きっと………楽しいよ  」

 

 

 

 

 

 

 

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