※この作品はR-18です。

三擦り半のマス☆カーニャ   作:たつおか

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第4話・黄金宮の竜

 

 

 瞬く間に男とカジリガメを屠り去り、サーフゴーは何事も無かったかのよう俺の元へと戻って来た。

 

 そうして再び俺達は対峙する。

 とはいえあんな出来事の後じゃなおさらに掛ける言葉を考えあぐねてしまう俺を唐突に肩へ担ぐや──

 

「え? お、おい……──うおあッ!?」

 

 一躍、サーフゴーは騒動の中心から飛び立った。

 5メートル以上はくだらない高さの跳躍を繰り返しては内陸へと彼女は進んでいく。

 道路を辿り、山へと入り、そして木立をかき分けてサーフゴーは──山中にある荒廃した建物の前と降り立った。

 

 そこにて解放されるも、一連の衝撃からすぐに立ち上がることも叶わず、俺は四つん這いのままにそれを見上げる。

 モルタル製の苔むした建物は、既に本来の目的を全うして打ち捨てられたという雰囲気の佇まいであった。

 窓であったらしい壁面の開口にガラスは無く、おそらくは出入り口と思しき縦長の空間にはドアすらも付いていなかった。

 

 見ればこの建物を含んだ敷地内もこれまた所々が崩壊した金網のフェンスに囲まれていて、おそらくは何らかの管理棟として使われていた物であろうことが窺えた。

 

「ど……どこに連れてこられたんだ?」

 

 ようやくに立ち上がり小さくため息をつく俺を見届けると、サーフゴーは先頭を切って建物の中へと歩んでいく。

 

 言うまでも無くそれは「ついてこい」という意思表示なのだろう。

 もっともこの時の俺にはもうそれに従うより他は無い。

 こんな人里離れた土地勘のない場所とあっては自力で引き返すことなど不可能だからだ。

 

 入室してすぐの部屋は外部の見た目と違わぬ朽ち果てた様子だった。

 足元には割れたガラス片と窓から舞い込んできたであろう小枝や枯れ葉といったごみが散乱し、部屋の四隅にそれらが風でかき集められては小山となっている光景など、まさに山間の廃墟そのものの印象だった。

 

 ただし次の間へ続いているであろう開口には今度はドアが嵌められており、サーフゴーは手慣れた様子でそこを開けるとその中へと消えていった。

 おそらくはこの奥こそが従来の生活スペースであるのだろう。

 そう思いながらそれに続いた俺は──その奥に待ち受けていた光景に度肝を抜かれることとなる。

 

 最初、暗い室内に眼の慣れていない俺は瞼を引き絞っては暗闇にサーフゴーを探した。

 窓の類が一切ないこの部屋は、照明が無ければ昼ですらなお闇一色だ。

 それでも入り口から僅かに差し込む光を便りに部屋の中で蠢くサーフゴーの気配へ目を凝らしていると、その視界に小さな火の粉が瞬いた。

 

 おそらくはランプか何かにライターで火を灯そうとしているのだろう。

 そして何度目かのそれで暗がりに小さな火が灯り、それがランプへと移されて照明が灯された瞬間──目下に広がる部屋の全容を見渡して俺は息を飲んだ。

 

 そこは、黄金の一室だった。

 足元のいたる所に金貨や宝石の類がちりばめられ、さらに部屋の四隅には輝かしいばかりの装飾食器等の類が山となって積まれている。

 さながらに外国の昔話に見られる悪いドラゴンの隠れ家然としたその一室は、心許ないランプの照明すらも財宝が煌びやかに光源を反射しては、室内を眩い光量で満たしていた。

 

 そんな眺めに圧倒される反面、この様子がいかにもテセィらしくも感じて俺は苦笑いを禁じ得ない。 

 どうにも彼女には成金主義というか、金色の色彩や調度を好む傾向があった。

 

 貴金属の類も例に漏れずに大好きで、初めてこのサーフゴーを見た時にテセィを連想したのも、そうした彼女のイメージが黄金色のサーフゴーに直結したに他ならなかったからだ。

 

 6畳程度のそんな一室の中央にはおそらくは普段彼女が身を休めているであろう、床にシーツを敷いただけの簡素な寝床あり、その上には既に膝を揃えて腰を下ろしたサーフゴーが俺を見上げていた。

 

 それからどうするということもなく、俺もまたその隣へと腰を下ろす。

 彼女の視線はそんな俺の一挙手一投足を余すことなく観察していた。

 そしてそんな俺が隣に着けて、改めて互いの視線を絡めると──サーフゴーはさも嬉し気に、満面の笑顔をそこに咲かせた。

 

 陽気でも皮肉なものでもない、愛しい家族と目が会った時に思わず漏れてしまうような朗らかなそれに俺はこれ以上になく胸が締め付けられた。

 目の前には、あの別れを果たす前のテセィが居るような気がした。

 そしてまるであの日の続きのように──サーフゴーは俺の唇を奪う。

 

 金属片の集合体とは思えぬほどに柔らかく瑞々しい感触が唇を覆っていた。

 その中からさらに這い出した舌先が、焼けるような熱を持っては俺の口中に侵入してくる。

 

 その感触に酔いしれているのか、いつしかサーフゴーは鼻息も荒くなり、より密着を求めては体を押し付けてくる。

 互いの前面が合わさり、彼女の乳房の弾力が強く俺の胸元に伝わると──俺は乗り上げられるようにして、サーフゴーに押し倒されてしまうのだった。

 

 激しく吸い付いては咀嚼するように愛撫を続ける彼女の口唇は俺の唇を離れ、頬に吸い付きながら顎の下へと這いずると、そこから徐々に俺の体を下降していった。

 もはや服の存在にももどかし気にシャツをめくり上げると、その下から露になった胸板や腹筋に唇を吸いつかせてはさらに下降する。

 

 その巨大な吸着力を持つナメクジにでもはい回られているような感覚に声を上ずらせる俺は、久方ぶりとなるその感覚に胸を高鳴らされていた。

 浅ましくもそれの行きつく先を俺は期待するあまり、自ずからベルトを緩めると、ジーンズのホックもまた外す。

 そうしてジッパーも下げ、すっかり勃起した茎の背にボクサーパンツのゴムを引っ掛けては煩わしくもそれを完全に下ろすと──その反動で大きくしなりをつけて跳ね上がった俺のペニスがサーフゴーの眼前にそそり立った。

 

 それを前に、吸いつけていた口唇を離しては驚いたような視線で見入るサーフゴー……やがては表情もそのままに再び細く口唇を開くや彼女は一息に──そんな俺のペニスを根元まで飲み込んでしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

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