あれからオーガポンが毎日通いつめては体の上を歩いてくれたおかげで、僕のケガは驚くべき回復を見せるに至った。
数日後には打撲傷の痛みは消えて、僕は松葉杖にしがみ付きながらも自力でトイレへと通えるようになったのだ。……実はこれが地味に嬉しかったりする。
とはいえしかし、まだまだ学校に戻る為には万全と言い難かった。
むしろ今後のリハビリも含めた回復を考えると、僕の望む状態に戻るにはここからこそ時間がかかりそうだ。
それに合わせてオーガポンの治療もまた変化を見せる。
依然として僕の体の上を歩いてくれる方法は変わらないのだけれど、今度は赤い『かまどのめん』を付けてはそれを行い始めた。
炎タイプの属性へと自身を変化させるそれは、『いどのめん』とは反対に僕の体をじんわりと温めてくれた。
彼女の歩く蹠からは心地の良い熱が伝わり、先と同じように体中を歩まれるとさながら地熱で体を温める岩盤浴に浸かっているかのような癒しに僕は浸れるのだった。
だがしかし……そんな彼女の治療には最近、小さな違和感を感じることがある。
単なる偶然ではあるのだろうけど、その足の運びが股間の周りに集中しているように思えてならない。
骨折した足の上を歩き始めて首元まで登ると、また足元へと降りていくという往復がパターンなのではあるのだが、その際に股間の上に留まる時間が長いような気がするのだ。
しかしながらその時は単に足場として安定したり、はたまた歩くルートを右足の上から左足の上へと切り替える為そこに留まるのは必然かと思っていた僕ではあったが──ある事件をきっかけに、それは彼女の確信犯的な行動だと知るに至る。
いつも通りオーガポンからの治療を受けていた僕は、ある時その心地良さから転寝をしてしまった。
とはいえそれも僅かな時間で僕もすぐに目を覚ますわけではあるのだけれど、そんな目覚めのきっかけこそ、股間一点に集中的な熱の集まりを感じたからに他ならなかった。
何事だろうと思い、依然として息を潜めながらうっすら瞼を開いて見下ろすそこには……僕の股間の上に停滞して、そこへと爪先を躙(にじ)らせているオーガポンの姿が窺えた。
見れば『かまどのめん』もまた外しており、俯き加減に股間そこへと注視している彼女の眼差しは真剣そのものといった印象だ。
何か思惑があるのかと思い、それでも黙して観察していると──やがて彼女は爪先を直接に僕のペニス上へと置いた。
その感触に瞬間、ペニスは反応して身を痙攣させる。
そんな様子と爪先に伝わる感触にオーガポンも驚いたような表情を見せるがそれも一時で、そこからはさらに無遠慮に僕のペニスを弄び始めた。
もはや踏む程度ではなく、指の股の間で挟み込むように押さえつけては上下になぞるなど、明らかにペニスそれへ触ることを意識した触れ方である。
イタズラっ子の彼女はたいていつも何かイタズラをしては僕に見とがめられて注意されるという関係が双方の間に構築されていた訳だけれど、この時は何故か僕自身も気まずくて狸寝入りを続けてしまった。
一方で注意を受けないオーガポンの行動はさらにエスカレートしていく。
指の股で摘まみ上げると、そこから万力のような力を加えて僕のペニスを締めつけだした。
尿道を上にして仰向けにされたペニスの亀頭のカリ首や陰茎の中頃をつまんだり離したりしてはその触感を愉しむオーガポンは事実楽しそうに見えた。
見下ろす下瞼が上ずって両方の口角が上がっている表情は明らかに笑っている顔ではあるのだけど……しかしそこには明らかに、いつもの遊びに興じている時のような無邪気さとはまだ別の感情もまた秘められてるのが僕には分かった。
理解不能のそんなオーガポンの行動に早くそれが終わることと、さらには誰か看護婦さんでも友達でも訪れてくれないかを祈る僕だったが、正午の中途半端な時間帯とあっては内外共に人の来訪は皆無で、おまけに個室とあってこの場は完全にオーガポンの遊び場と化してしまっていた。
やがてはそんな彼女のイタズラの手が止まる。
そのまま微動だにせず、うつむいたまま僕の股間一点を見下ろし続ける彼女の様子にようやくこれも終わるかと安堵するのもつかの間──オーガポンは再びそこへ爪先を伸ばすと、今度は入院着の褄下を摘まみ上げてはそれをはだけさせた。
全身打撲というケガの治療からも、裾の長いガウン型の病室着に身を包んでいた僕の下半身は、そうして褄下を左右へ開かれると下着だけの下半身を簡単にオーガポンの前にさらけ出されてしまう。
そうしてまさかと思いつつも身構えていれば──その予想通りに、オーガポンは器用に爪先の指先で僕のボクサーブリーフを摘まみ上げては無遠慮に下ろしてしまう。
同時に、下着の拘束から解かれた僕のペニスは跳ね上がるようにして屹立した。
それを前にオーガポンもまた大きく口角を開いては息を飲み、喜色満面の笑顔を輝かせる。
そして今度は、直に僕のペニスへと触れては先程の行為が始められた。
一切の衣類を仲介しないオーガポンの蹠は、どこまでも柔らかくて暖かい。
触り方も先ほどまでの指の間で挟み込むようなものではなく、足の裏全体を踏みしめるようにして吸い付かせては、まるで窄ませた手の平を宛がうかのようそこ全体で僕のペニスを摩擦し始めたのだ。
オーガポンの足の裏に滲む彼女の汗と、そして僕のペニスから滲む腺液で瞬く間に場には粘着質な水音と、そして性器独特の生臭い芳香とが立ち上がり始めた。
先ほどまでとは打って変わったその、粘液を介した暴力的なまでの刺激に僕は場違いな尿意を感じては内心で慌てる。
同時にこの感覚こそが『射精』に通じるそれなのだとも気付き、なおさらに混乱するのだった。
恥ずかしい話、今日まで僕はオナニーなんてしたこともなかった。
そもそも周囲のみんなが言うようにムラムラすることもなかったし、性自体への興味も薄かったからだ。
そんな僕が今、強制的に人生初の射精へと導かれようとしている困惑が伝わるだろうか? ……しかもその相手はポケモンで、おまけに親友(オーガポン)であるのだ。
その困惑の中、いよいよ以て僕は放尿への堪えが利かなくなってきた。
心臓はその音が漏れだしているのではないかと思うほどに大きく打ち鳴らされ、もはや喘ぐような呻き声すらも漏らしていたが──それに気付いてか、それとも夢中になるあまりに気付かないのか、オーガポンの足の動きが止むことは無かった。
そして遂にその瞬間は訪れてしまう。
睾丸に圧迫感を感じ、会陰と肛門が激しく引き絞られるや次の瞬間──僕は身を仰け反らせては射精を果たした。
人生で初めてのそれは、その衝撃のあまり快感など微塵も感じられなかった。
ただひたすらに長い何かが、尿道を擦りながら腹の奥底より引き抜かれるような喪失感に情けない声を上げる。
それは括約筋の疲労と共に尿道が打ち絞られるごとに放出を続け、僕の意識を朦朧とさせた。
一方でオーガポンはと言えば……片膝を僅かに上げ、亀頭の先端にかざした蹠にて打ち付けられる僕の射精を一身に受け止めていた。
激しく打ち放たれる精液が土踏まずへと当たって弾けるたびに、その感触と温度にオーガポンも半閉じの瞼を蕩けさせては開け放った口先を窄ませてと……これまでに見たこともないような恍惚の表情をそこに浮かべていた。
やがては吹き出し続けていた僕の射精の勢いも弱まり、その放出が完全に止まると──オーガポンはかざしていた蹠を再び亀頭の裏側へと接地させる。
そのまま踏みしめるようぐりぐりと爪先を捩じらせられると、僕は射精直後の激しい痛痒感も覚えては陸の魚のよう身を捩じらせる。
しばしそうして弄んだ後、ようやくにオーガポンの蹠はそこから離れた。
存分に僕の精液を絡ませた足の指を広げると、指々の谷間には精液の端が糸を引いて掛けられる。
そんなオーガポンの足は更に上昇していってやがては膝が水平となり、そしてその膝が肩の高さまで上げられると……オーガポンは前屈みに上背を屈ませ、自分の鼻先にまで運ばれた爪先全体をまるでパンでも頬張るかのよう丸々と咥え込んでしまった。
当然のことながらそこには僕の精液がこってりと付着していたわけではあったが、彼女はそんなことなど一向に気にする様子もない。
それどころか執拗に舌先を躍らせながら自分の爪先を舐るその様子からは、むしろ僕の精液を味わっているかのような素振りすら伺えた。
やがては大きく吸いつけながら小気味良い破裂音を一つ奏でて口中からそれを引き抜くと、彼女の唾液に照りを返したオーガポンの艶めかしい爪先がそこには晒された。
そしてそんな魅惑の蹠は再び地へと降ろされたかと思うと再び……僕のペニスを踏みつけてはそこの周囲に貯められた精液を蹠に絡ませていく。
以降はそれの繰り返しだった──。
彼女は幾度となく射精後の僕のペニスを踏みしめては精液を味わい、これ以上にない妖艶な笑みでそこに注視をする
そんな昨日までのオーガポンからは想像もできない彼女の表情に困惑し、そして射精直後の疲労にも苛まれては眩暈もまた覚えると……僕の意識は緩やかに本物の眠りの中へと堕ちていくのだった。