ローションによる潤滑があるとはいえ、トイレットペーパーの芯ほどはあろうかという径のディルドを根元まで挿入されてもなお……上半身のビクティニには何の反応も表れなかった。
知覚の一切を消し去ってしまうという効果も然ることながら、そもそもがこの新薬のおかげで筋肉を始めとする一切の緊張が弛緩させられていると言った効果も大きいのだろう。
とはいえ人間用の、しかも20センチを超えるサイズのディルドは実にビクティニの体長の半分を占める大きさであり、それが丸々収められているとあってはそれは、もはや直腸に留まらず大小の腸すらも越えて胃にすら到達しているのではないかと思われた。
ゆえに幾ばくかの変化でも現れていないものかとモニターを確認した職員は、そこに必死の形相を浮かべているビクティニを見つけては騒然とする。
『やはり新薬は万能ではなかったか』──と思ったのも束の間、ビクティニがゲーム機の液晶に齧りついては躍起になってモニターをタップしていることからそれは、自身の下半身に行われている凶状への反応ではなく、ゲームの向こうにおいてCPUに翻弄されている事への苛立ちを表したものであった。
その反応を前に実験職員も毒気を抜かれて肩透かしを食らうもしかし、『ならば気付かせてやろう』などと言う、本来の学術的な探求心とはまた別の感情もまた燃え上がらせる結果となった。
その為の一手として、次なるアーム操作を職員はする。
途端、ビクティニの中に収められたディルドは高速回転を始めては彼女の直腸(なか)において暴れ出した。
元より長さのあるディルドゆえ、根元からの回転が加わるとその先端は大きな振り幅を作りだしては存分にビクティニの内部をかき乱す。
その勢いたるや、先端の陰影が下腹を、突き上げては皮膚の一枚下に大蛇を抱え込んでいるものかと思わせるほどである。
そこへさらに上下に抜き差しする運動もまた加えると、いよいよ以てビクティニの小さな体は無秩序に、それこそは台風の日の風鈴よろしくに揺さぶられるのであった。
ついにはその衝撃に振り切られる形でディルドが外れてしまうと、後には貝の呼吸管よろしくに長く引きずり出された直腸が、大量の腸液を滴らせてはそこにて振り子運動を続けるばかり。
それを押し戻してやるよう再びディルドが挿入されると、次なるは別の一本もまた迫り、そちらは無遠慮に膣へと挿入された。
規格外のディルド2本で膣と肛門を埋められたビクティニの局部はもはや、ディルドの質量に押し出されることで会陰や尻の溝が消失し、一個の歪な風船のような有り様をそこへ作り出すに至っている。
そしてそのディルドが同時、前後に突き崩すピストン運動を激しく展開させると──肛門から挿入されたディルドは下腹の皮膚を突き上げては陰影を浮き上がらせ、一方で膣から挿入されたそれは背面となる腰元の皮膚を突き上げてはそこにペニスの形を浮き上がらせた。
斯様にして胎内において交差する前後同時ピストンに加え、更なるアームの一本が新たにビクティニへと迫る。
その先端には先の二本に比べれば遥かに痩身となる、コブの連なる棒状の器具がとりつけられていた。
そしてそれはコンピューター制御による正確無比さによって修羅場と化しているビクティニの局部へと迫るや次の瞬間──狙いすました標的を彼女の尿道へと定め、これまた20センチはくだらないその筒身を、そこへと挿入させてしまうのだった。
その後は先の2本に劣らぬ勢いを以てピストンを開始する尿道ディルド──場所が場所であるだけに、挿入の往復に反応しては幾度となく失禁の飛沫を周囲に撒き散らせる。
この段階において膣・肛門・尿道の3点集中攻撃を受ける形のビクティニではあるが、それら惨状の感覚が一切遮断されている上半身の彼女はと言えば、それは平和というか呑気なものであった。
すでに実験開始から12時間近くが経過していることから、暇つぶしにすら飽きた様子のビクティニは頬杖などついてはボーっと室内の天井を眺めている。
そんな彼女の様子をモニターから見守っていた職員達は、この試薬の麻酔の効果を実感しながらもしかし、ならばどうにかビクティニに下半身から下の感覚を伝えられないかと、もはや子供染みたイタズラ心に思考の大半を奪われていた。
更なる操作によって新たなアームが展開されると、その先端に注射器が装着されたアームがビクティニ迫る。
シリンジの中見は無色透明の液体である。
そしてその針先をビクティニの乳首へと狙い定め──無情にもそこへと穿刺した。
そこから注射器の中身がゆっくりとビクティニの胸元へと注入されていく……シリンジに満たされていたものは生理食塩水であった。
外部より直に乳腺へとそれの注入が行われることで、たちどころにビクティニの右乳房は肥大を始める。
その後も注入は繰り返し無尽蔵に行われ、やがては1リットル近い食塩水が注入された後には──その子供然とした体躯には遥かに似つかわしくない巨乳がビクティニの胸元には形成されていた。
そんな偽りの巨乳を鉤爪のアームで荒々しくワシ掴めば、圧に押されて浮き上がった乳首もまた肥大化をしては、注入の行われた乳口から大量の液体を吹き上がらせた。
斯様な搾乳の後には腫れた唇の如くに内部からめくり上がった乳口を晒す乳首の中へもまた、別のディルドが挿入されては膣や肛門同様のピストンが始まる。
もはや今のビクティニに行われている一連の行為は既に『実験』の域を越え、さながらに肉体改造手術を思わせる様相を呈している。
事実、ようやくに全てのディルドが抜き去られ、体液と鮮血にまみれたビクティニの肉体は……長く引きずり出された直腸と膣口から舌のように吐き出された子宮口にくわえ、尿道は歪に口径を広げたまま戻る気配すらも無い。
下半身から上の肉体に至っても、食塩水注入による肥大化と強制的な搾乳をされた後の乳房は、伸ばされた乳房の皮膚が垂れ萎んではと、干し柿さながらの見た目を職員一同の前に晒していた。
そんな状態にまでされているというのに当のビクティニにはといえば……──何やら退屈そうな無表情で自身のスマホに文字を打っていた。どうやらメッセージアプリを使って知り合いとDMのやり取りをしているらしい。
ポケモンでありながら文明の利器を使いこなすビクティニには、たしかに他のポケモン以上の……捉えようによっては人類並の知能が備わってはいるのだろう。
しかしながら、それだけの知能がありながらもこんな訳の分からない実験に対し、目先の金銭に釣られて後先も考えずに参加してしまう軽率さには、見守る職員達でさえもが『所詮は動物(ポケモン)なのだな』と内心で嘲笑を禁じ得なかった。
かくして──途中には私的好奇心に駆られた行動も見られたが、当初予定していた実験のプログラムは恙無く終了された。
あとは出来得る限り彼女の治療とケアに尽くそうと、再びのアームの操作を行おうとしたその時であった。
別室モニターのビクティニが小さな悲鳴を上げた。
その声は瞬間的に身を痙攣させる短いもので、モニター内のビクティニは穴から下に起きたであろう自分の体の──さらに限定するならば、『爪先に生じた』ひりつくような痛みに酷く気を取られている様子だった。
その動きに、一人の職員はインスピレイションを得る。
数時間前にビクティニへ行われた接触の履歴をたぐるやそこに、『右足の爪先へ熱傷を負わせた』経緯を発見した。
それを確認するや職員は、新たにビクティニの現状を録画するよう指示をする。
そうしてリポートに記された30分後──突如としてビクティニは再びに悲鳴を上げた。
今度は長く声の尾を引く苦しみにもがく声だった。
そして限界まで高くその声を発声させ、やがては一息、咳き込むよう吼えるとビクティニは深く頭をうなだらせては荒い呼吸で喘ぎ続ける。──リポートには爪先の熱傷実験から30分後には、左の股関節を強制的に脱臼させた履歴が残されていた。
この段に至り、職員一同は全ての真相を悟るに至る。
かの新薬は、完全無欠の麻酔薬などではなかった──その作用中に受けた衝撃や痛みを、時間差で被験者へと伝える効果であったのだ。
なおもモニターの中からはビクティニの新たな叫び声が響きだしていた。
それこそは、残る左足を脱臼させられた時の痛みを反映させたものだ。
もはや疑いようもない……これより彼女は12時間を掛けて、
これまでの地獄を全て味わうこととなるのだった。