デカヌチャンの集落に来てから、早や一週間が過ぎた──
当初は2~3日もしたら発とうなどと考えてはいたものの、思いのほかの居心地良さに、滞在は予定を大幅に超えるものとなってしまった。
居心地の良さのひとつは、ここにいるデカヌチャンを始めとしたカヌチャンやナカヌチャン達が皆、造作に強い興味と情熱を持っていることにあった。
流れの大工などしている俺とはその点においても共感する部分が多く、日々彼女達の住居や武器、そして日常品を作るなどして明け暮れるうちに一週間という時間はあっという間に過ぎていた。
またこの集落おいて俺自身もまたモテた。
単純にメスしかいないという環境の中で、種族違いとは言えオスの存在が物珍しかったということもあるのだろうが、先にも述べた通り造作が生活の基盤となっている彼女達には、俺のような『職人』の雰囲気は堪らなくセクシーに映るようだった。
それゆえに仕事はもとより、行く先々で俺は『オス』としての役割でもまた多く求められた。
カヌチャン達へハンマー作りの手ほどきをすれば、その工作教室の最後では彼女達に精液をせがまれて群がられ、ナカヌチャンと住居作りなどすればその新居の中で乱交をし、そしてデカヌチャン達と採集に赴いたかと思えば、その先で収穫そっちのけで子作りに励まされた……。
しかしながら、そもそもが体力には自信があったこととこうした交流も嫌いではなかったから、つい俺も調子に乗っては今日まで過ごしてきてしまった。
とはいえそれもそろそろ限界だ。
実のところ俺には仕事を果たさなければならないクライアントがいて、その約束からもう2日が過ぎてしまっている。そもそもがその現場へ向かうすがらで今回の騒動に巻き込まれた身だ。
そうした現実的な理由もあり、俺は明日にでもこの集落を抜けるつもりでいた。
ただひとつ心残りなのは、あの初日に助けたデカヌチャンと今日まで会えず仕舞いになっていたことだった。
遠目から彼女を確認できることは何度かあった。しかしながら、実際に言葉を交わしたりなどの機会には一切恵まれなかった。
それというのも彼女は予想通りにここのボスであるらしく、何事をするにも彼女は各方面に引っ張られては実に多忙の日々を送っていた。
野生のポケモンなんてもっと自由で気ままなものかと思っていたが、どんな世界でも群れや集団における『社会』というものは人間のそれと大差がないみたいだ。
ともあれ、以降はもう会うことを諦めて俺も出発の準備を始めていた。
そうして必要な道具や食料の類をまとめる俺へと──部屋の戸口から何者かの声が掛けられる。
またカヌチャンかナカヌチャンが遊びに来たものかと顔を上げた俺は、その視線の先にいた相手を見定めては思わず嘆息した。
そこにいたのは誰でもない、あのデカヌチャンだった。
向こうも久方ぶりに俺に会えたのが嬉しいのか、上機嫌で駆け寄っては俺の腰元に抱き着く。
そのまま頬の形が崩れるほどに頬ずりをしては甘えてくるデカヌチャンを受けとめると同時に、彼女が生傷だらけなのにも気付く。
その様子から、今日まで彼女がいかに頑張ってきたかが手に取るように分かり、そのいじらしさを愛しく思うと俺もまた強く抱きしめてしまうのだった。
おそらくは束の間の休暇を利用して俺に会いに来てくれたのだろう。
ならば少しでも彼女の癒しになればと思い、俺はまず傷の手当からしてやることにした。
「お前はゆっくりしてていいからな……リラックスしてろよ」
語り掛けて体を濡れタオルで拭き始めてやると、デカヌチャンもまたそれを理解したのか俺に身を預けては大きく息をついた。
マッサージ然とした俺の治療と清拭を受けながら、傍らの大ハンマーに背を預けるとデカヌチャンは持ってきた木の実を一口齧る。
目を閉じて丁寧に咀嚼しながらそれを味わう彼女の顔は元のポケモンすら分からなくなるほどに弛緩しては、まさに幸福の絶頂といった風だ。
しばしそうして俺からの奉仕を受けていたデカヌチャンは、ふと短い呻きを繰り返しては俺を呼んだ。
それに気付いて視線を向けると、そこには先の果実を頬張ったデカヌチャンがずいと身を寄せてくる。
「な、なんだ? ……んむッ!?」
そうして互いの鼻先は触れ合わんばかりにまで接近すると──そのままデカヌチャンは俺の唇を奪った。
それもただのキスに留まらず、今しがたまで口の中に含んでいた果実を口移しに俺へと与えてくる。
それを受け、俺も訳も分からず口中のそれを咀嚼すると、またもデカヌチャンは顔を寄せた。
そうしてもう一度ディ―プキスを交わすや、今度は俺の口の中で咀嚼された果実を取り戻そうと舌を絡ませてくる。
しばしそうして互いの中を行き来させていると、果実はどちらが食したものかいつの間にか俺達の間から無くなっていた。
そしてその頃になると……デカヌチャンはすっかり昂らされては、盛りのついた一匹のメスへと変容していた。
俺の上に乗り上げ、再びキスなど交わしながら彼女の手はスラックス越しに俺の股間をまさぐる。
手の平を押し付けては、スナップを利かせて弧を描くその刺激に、俺もまたペニスに血潮が巡り始めるのを感じた。
しかしながら、こちらとてもやられっぱなしではいられない。
俺もまたデカヌチャンの股座に手の平を這わせると、小刻みに中指で恥丘など小突きながら、膣の陰唇のはざまへと指先を潜り込ませた。
その刺激に反応しては、キスを中断して短い声を上げるデカヌチャン……よほど興奮していたのだろう、その愛撫だけで軽く絶頂してしまったようであった。
俺の右腕を跨ぐようにしながら、その上で事後の余韻に浸る彼女を俺もまた静かに見守りながら待つ。
やがてようやくに肉体が沈静化し、ふと見つめ続けていた俺の視線に気付いてはどこか照れたように微笑むデカヌチャン。
なんて可愛いのだろう……相手はポケモンだというのに、俺はそんなことを思っては胸かきむしらんばかりの情欲を目の前の彼女に覚える。
しかし同時に……
──これがコイツとの最後の思い出になるのか……
そんなことを思うと強い喪失感もまた覚えては、らしくもなく切なくなってしまうのだった……。