事ここに至るにおいてはもう──俺に洗脳なんて必要なかった。
立ち上がり、ベンチに両手をついては俺に向かって尻を突き出すマスカーニャを前にし、俺が取るべき行動も決まっていた。
首だけを振り返らせてはか細く声を上げて切ないおねだりをするマスカーニャの望みは俺と同じものだ。
それこそは二人の一体化──俺は左手でマスカーニャの臀部をワシ掴み、そして残る右手を陰茎の根元に添えては亀頭の標準を定めると……
「あ、あぁ……ッ、入った……!」
ついに俺はマスカーニャの膣へとペニス挿入を果たしてしまうのだった。
小柄な彼女にすれば、10代とは言え俺のペニスは十分な大きさだろう。
一息で全体が収められてしまうと、そこの生じる痛みか快感か、彼女はひときわ大きな声を上げては背を仰け反らせた。
背後から見下ろす線の細いマスカーニャの背筋の峰は何とも美しく俺の目に映る。
そんな背の根元にはこれまた小振りではあるものの肉付きの良い尻が備わっていて、その臀部の割れ目の中に自分のペニスが埋まっている光景はこれ以上になく俺を発奮させた。
「マスカーニャ……動くぞッ」
もはや彼女の返事すら待たずに俺は腰を大きく引いた。
異物としての存在感が在るだけに、それが膣壁に吸着しながら引き抜かれる喪失感もまた大きいのだろう。
その感覚にマスカーニャは目を見開いては、長く震えた声を上げる。
そうして3分の1ほどが引き抜かれるや、再び俺は腰を突き出した。
陰茎に伝わる膣壁の隆起と、そして亀頭を包み込むざらついた粘膜の感触と体温はこれ以上に無い締め付けを以て俺を刺激して、その一突きで達してしまいそうな感覚まで俺を誘った。
「あ、ああぁ……ヤバいぃ……!」
その快感の波に晒され、今度は俺が動きを止めた。
意気揚々とこちらからアプローチしたというのにこの体たらくとは我ながら情けない……。
しかしながらこのまま考えもなしに動いてはすぐに達してしまうことは火をもるよりも明らかだ。
まずは感覚と肉体のコントロールをしながら、徐々にこの快感へ心身を馴染ませていかなければ──なんて思いながら気を紛らわせていた俺に、無慈悲な刺激が与えられる。
事もあろう膣内が蠕動を始めたかと思うと、自発的にマスカーニャの尻が引かれては俺のペニスをそこから抜き出しにかかったのである。
このまま抜かれてしまうことはむしろ恐怖ではない。今にも達しそうになっている俺にとってはむしろ有難かったりもする。
この場合一番恐ろしいのは、このまま再び膣内に収められて新たな刺激を与えられてしまうこと──そのことを危惧した矢先、マスカーニャの小さな声が耳に届いた。
それに気付いて顔を上げれば、そこには肩越しに振り返ったマスカーニャが潤ませた瞳に妖艶な笑みを浮かべてはこちらを見据えていた。
始めた頃とは立場が逆転し、肉体が俺のペニスに馴染んで余裕の生まれた今の彼女はもはや、完全にこの交尾においては俺の上位に位置しているといえた。
「ま、待って……いま動かれたらすぐにイッちゃうよッ」
半分以上が膣から引き抜かれ、その状態で止まったままの彼女に対して俺も慈悲を求める。
そんな俺からの懇願に肩をすくめるようにして小首をかしげるマスカーニャの余裕綽々ぶりは小憎たらしいほどだ。
それでもしかし、限界に晒されている現状に変わりはない。
どうにか穏便にことを済まそうとその顔色を窺う俺へ彼女は楽し気に──しかし無慈悲に一言言い放った。
『ダーメ♡』──次の瞬間、突き出した臀部をしならせながら再び彼女の尻は俺の腰元へと打ち付けられた。
「んわぁああああああッッ!」
再びペニスを包み込んでくる膣壁の締め付けに俺も遂に声を上げる。
そこからは一定の間隔を以てマスカーニャによるピストンが始まった。
彼女自身にも余裕が生まれたのか、打ち付ける際に腰をくねらせてはより膣壁がうねりと変化を以て亀頭を刺激できるようなピストンを敢行しては俺を責め立ててくる。
斯様にして一方的な快感に晒されながら、もはや射精も時間の問題と思われた俺もまた……そんなマスカーニャに対して対抗意識を強くする。
昔からいつも競い合ってきた俺達だ──このまま一方的に攻められてばかりだという展開に、俺は覚悟を決めた。
マスカーニャの小尻が再び打ち付けられるのに合わせ──俺もまた強く腰を突き出す。
互いの反動を打ち合わせた衝撃により、亀頭の先端はより深くマスカーニャの膣内を突きえぐいては、その深部において彼女の子宮口を押しつぶした。
その思わぬ反撃と衝撃に、マスカーニャもまた低く呻きを上げては頭を仰け反らせる。
もはや『イッてしまう』だとか、そんな後のことなんて俺にはどうでもよくなっていた。
ただマスカーニャには負けられないという強い気持ちが今の俺の原動力の全てである。
いかにメスだと分かったとはいえ未だ彼女は、俺と意地を張り合う『兄弟』に変わりはないのだから。
より深く、そして腰を入れてのピストンが出来るよう俺は彼女の右足を、曲げた肘の内側に引っかけてはそのまま抱き起した。
さながら犬が排尿をする様なポーズに取られ、結合した互いの局部が晒される体位に、さすがのマスカーニャも羞恥から戸惑いの声を上げた。
「もう遠慮しないぞ……死なばもろともだぁ!」
そうしてそこから──俺は力のこもった一突きを繰り出す。
文字通り腰の入ったその一撃を受け止め、マスカーニャの下腹に俺のペニスの陰影が無慈悲に浮き上がるのが窺えた。
以降はそれの繰り返しだ。
一定のリズムで突き続けると、斯様に子宮を責め苛むペニスの暴力にマスカーニャは苦しみに滲んだ声を一突きごとに吼え上げては俺からの猛攻に耐える。
しかしながらそんな責め苦もまた肉体に滲んでくると……次第にマスカーニャの声は高く澄んで、快感を楽し気に奏でる享楽的な物へと変化していった。
その頃には俺もまた、
「マスカーニャ、マスカーニャ……あぁ、マスカーニャ……ッ!」
幾度となく彼女の名を呼んでは思いの限りのピストンを繰り出していた。
いかに競い合う間柄とはいえ、その根底にあるものは互いへの親愛だ。
ましてやそれが男女ともあれば、セックスを通じて『友情』が『愛情』へと移行してしまうことは至極自然なことと言えた。
そしてそれはマスカーニャもまた同じであった。
応えるように俺の名もまた幾度となく呼んでくれると、猫科ポケモン特有の体の柔らかさに任せては上半身を起こし、俺へと首を振り返らせては濃厚なキスもまたそこに繰り広げる。
斯様にして互いの唇と想いとを重ねながら結合を繰り返していると、やがては俺に限界が訪れる。
「あぁ……ゴメン……今度こそ本当に、イキそう……!」
キスの合間を縫ってそれを告げる俺の顔を、なおもお構いなしに舐めまわしながらマスカーニャは荒い呼吸の中で妖艶に微笑む。
そうしていよいよ以て限界が近づき、込み上がる衝動に俺が一際高く声を上げたその瞬間──マスカーニャは一思いに身を離してペニスを引き抜いてしまうと、射精寸前となった俺の前に屈みこんだ。
屹立するペニスの陰影の下に顔を晒すと、陰茎越しに俺を見上げながら大きく口を開いては舌を吐き出すマスカーニャ。
まさかその口の中に出せっていうのか? そんな疑問が刹那脳裏をよぎった次の瞬間にはしかし──俺はマスカーニャの顔面へと想いの限りの射精を果たしていた。
仮面然とした深い緑の額の上に降りそそいだ濃厚な精液は、さながら新緑に上に降りそそぐ雪のように映えてはマスカーニャの顔面を汚していく。
同時に彼女もまた俺の射精を口中で受け止めるべく鼻先を亀頭の先へと誘導すれば、まるでペニスは別個の生物のよう作為的に射精をしては、マスカーニャの鼻頭は元より開け放たれた真っ赤な口中や舌上へと純白の精液を降り注がせていくのだった。
おそらくは生涯で一番の量を射精したとも自負できるその量たるや、彼女の顔面上へ幾筋も放射状の精液の尾を残し、さらに射出が緩やかになった今になってもなおも射精を続けては開け放つ口周りや鼻頭を濃厚に穢し続けた。
やがてはそんなペニスを窘めるようその亀頭の先端を丸々と咥え込んでしまうと、マスカーニャは頬を窄めさせては残りの射精を促すように吸い上げる。
「うわああぁぁ……くすぐったいぃ! ストップ……ストップだってぇ、マスカーニャ!」
亀頭全体は元より、へその奥底に生じる激しい痛痒感に苛まれて声を上げる俺の反応を見上げていたマスカーニャもまた、それに刺激されては自身の絶頂もまた得る。
そして口中に満ちる俺の精液と亀頭の食感を味わいながら背を震わせると──彼女もまた激しい絶頂に苛まれては、蹲踞に屈みこむその姿勢から激しく失禁をして果てた。
ようやくに互いが逆巻く感覚に一区切りをつけ、彼女もまた俺のペニスを解放すると……俺達は揃って大きなため息をついた。
同時に、期せずして同調してしまった互いの行動に気付いて視線を合わせると、この日俺達は初めて子供の頃に返った心地で笑い合うのだった。
「はぁはぁ……ただいま、マスカーニャ」
そうして改めてそれを告げる俺に、マスカーニャもまた感無量に瞳を微笑ませて頷くと示し合わせたようにキスをした。
俺の精液が残る唇や舌先なんてまったく気にならなかった。
言葉には出さずともここからはもう、俺達の関係が『友人関係』から次の段階へとシフトするのを感じた──。
これより先は男女の間柄として年を重ねていくのだと実感する。
そんな恋人同士はこの思い出の場所で、日が暮れるまで愛し合うのだった。