翌日はマギアナの起動を共にソファ上にて迎えた。
左隣に彼女を置いて、どこか眠たげにその視軸を俯かせている彼女をしばし眺めて過ごす。
やがては午前01:27を迎え、待機電源中であったろうくぐもっていた重低音が高速回転を始める収束音へと切り替わるや──マギアナはうたた寝から覚醒したかのよう、俯いていた小首を持ち上げた。
そうしてすぐ右隣にイーウィックを発見するや、その無機質な鉄の面に宿る瞳が爛と輝く。
そのパーツ故に見た目こそは変化の無い機械系のポケモンではあるがその表情は実に豊かで、そして何とも感情味溢れるとイーウィックはマギアナに対して思っていた。
今もイーウィックを確認しては、その数時間ぶりの逢瀬を喜ぶかのよう身を寄せてはその小さな顎先を上げて見上げてくる。
その仕草こそはキスを求めるそれであり、それを察してイーウィックもまた顔を近づけると、二人の口元は静かに触れ合う。
唇がマギアナの口元と乏しきパーツに触れるや、そこは昨晩のフェラチオの時同様僅かに開いて、その中の粘膜をイーウィックの前に晒す。
どのような素材を使用しているものか、暖かく柔らか気なマギアナの口中に唇を触れさせると、その感触に誘われるようイーウィックもまたそこへ舌先を差し入れた。
たっぷりと潤滑したそこへ、これまた舌先を介して唾液が溶け合うと甘く官能的な味わいと舌触りが脳内に広がりイーウィックは彼女との行為に恍惚とする。
そしてそれはマギアナも同様のようで、いつしか瞳の赤色はその照度を落としては輝きをぼやかせ、いかにこのキスに彼女が感じ入っているのかを伝えるかのようであった。
『ポケモン』であるところの彼女と機械との差は、この感情の機微にこそある。
肉体は血の通わぬ鉄と樹脂の構成物であっても、その内面にあるものは知的生命体が抱く感情であり、そしてその発露を無機質な機械の体へと反映させてくるギャップが、イーウィックには胸掻きむしるほどに愛おしいのだ。
そんな想いの現れは自然と行動に出た。
依然としてキスを繰り返しながら、伸ばされたイーウィックの指先が彼女の股間へと触れる。
一見、何の凹凸や溝も見られない平坦なそこではあるが、指先で触れる膣部と思しき部分点だけが、不自然なほどに熱を帯びているのが感じられた。
そんな表面に爪を立て、さらにはノックするよう指先でリズミカルに小突く愛撫を繰り返していると──イーウィックの思惑通りにそこにもまた、口唇の時の様な変化が生じた。
小さなモーターの収束音を奏でると同時、線の一本として浮き上がっていなかった股間の平面に亀裂が走るや左右に展開し、その下の新たなパーツをイーウィックの前へと晒した。
唇の物とはまた種類の違う潤滑液をふんだんに含ませた樹脂と、そしてそれを纏った開口は──間違いなく女性器を模した器官であった。
まるで迎え入れるかのよう開かれたそこへとイーウィックもまた中指の先端を挿入させる。
その侵入に瞬間、キスを続けるマギアナの両肩が小さく跳ね上がる。
感度は申し分ないようだ……その反応にイーウィックの期待と悦びは一層に昂らされていく。
指先を螺旋に展開させながら、しばしその入り口付近をかき混ぜるように愛撫していると、内部を湿らせていた潤滑液はさらにその量を増してはイーウィックの指先をしとどに湿らせる。
いよいよ以て侵入を進め、中指を丸々に挿入してはその深部となる膣壁を指先で押し上げた瞬間──マギアナはキスを振り切っては身を仰け反らせて痙攣した。
その小刻みな体の反応に連動するよう、中指を収めている膣壁が幾度となく収縮を繰り返す様子から彼女がこの愛撫で絶頂を迎えたことは明らかであった。
もはや機械ポケモンと褥を交わしているといった感覚などイーウィックには無い。
一人の女性を相手にしているかのような興奮と充足感が身に満ちると、その感情は勃起という形を以てイーウィックの肉体にも表れた。
スラックスのジッパーを下ろし、その中から硬く屹立したペニスを取り出すと──イーウィックはマギアナの手を取ってはそれに触れさせる。
掌の中に生じるペニスの熱と溢れる腺液の滑りは、おそらく指先のパーツからもマギアナには伝わっているはずだ。
事実それを受けるマギアナもまた頼りなげに震える身を起こすと、その朧気な視線を自身の右手に握らされているペニスへと送る。
しばしそんな光景に釘付けとなっていたマギアナではあったが、その顔が持ち上がるや視線はイーウィック一点を見つめた。
未だ声を発せぬマギアナにはおそらく、発声の為の器官が存在しないか或いはその機能がオミットされていると予想できた。
しかしながら声や言葉など無くとも、その視線だけでイーウィックは彼女が何を望んでいるのかが手に取るように分かるのだった。
そんなマギアナの上へ覆い被さるよう身を乗り上げさせては再び彼女の唇を奪う。
その体位へ移行すると自然互いの体は密着し、イーウィックの亀頭の先端もまたマギアナの下腹の上に乗り上がった。
頭から上で繰り広げられる濃厚かつ獣の様に貪るキスを展開させながら、イーウィックのペニスを握りしめたマギアナの右手はそれを自身の膣へと誘導する。
やがてはその先端がマギアナの膣の樹脂に触れ、そこに互いの熱と粘膜とを実感した瞬間──
「あ! あ、あああ……入った……入ったよ、マギアナ……!」
もはや求め合う二人の肉体は脳からの命令を待つまでもなく、引き合うかのよう互いの腰元を打ち付け合った。
一息に根元までの挿入を果たされ、再びキスを振り切っては身を仰け反らせるマギアナと、ペニスにまとわりつく樹脂の快感に対し辛うじて射精を踏み止まるイーウィック…………
人と機械、そして人とポケモン──有りと有らゆる障害と禁忌、更には500年という時空すらをも越えて今、二つの種は結合を果たすのだった。