疲労を含んだその優しい眼差し……しかしながら今はそんなルージュラの貌が、アウルラにはどんな獣にも勝る恐怖の対象として目に映っていた。
そして斯様なルージュラがアウルラへ意識を集中させると、その足は意志とは別に彼女へと向かって歩み出す。
「あ、あぁ……嫌……嫌ぁぁ………ッ」
遂には四つん這いのままに犯され続けるルージュラの鼻先へ自身の股間を晒すまで近づくと、ルージュラはチノパン越しにアウルラの股間へと鼻先を埋めては強く吸引をした。
衣類のフィルターを通して空気の流動する冷たさに反応してアウルラの肉体は幾度となく痙攣を繰り返す。
斯様にしてその内側に内包されたアウルラの芳香を堪能すると、ルージュラはそのチノパンを脱ぎ捨てるように命令する。
既にその顔全体を涙と恐怖に歪めては制止を懇願するアウルラはしかし、そんな表情とは似つかわないスムーズさで下半身を露出していく。
やがては足の間に通した下着を、片足を上げて完全に抜き切ったそこには──陰毛の類などは一本として見られぬ、無垢の恥丘をさらしたアウルラの女性器がルージュラの前に露とされた。
常日頃アウルラは『女性』である自身の性に負い目を感じていた。
性同一性障害と言うほどに深刻なものではなかったが、かねてより兄弟の如くに育ってきたツィーベックやウェルベンとの間に肉体や感覚の差異を感じる時──アウルラは言いようもない不安と孤独感に苛まれた。
ゆえに彼女は自身もまた『男性』として振舞うことにより心の均衡を図ってきた訳ではあるのだが……そんな精神的支柱も今、儚く崩されようとしている。
目の間のルージュラに対して抱く恐怖とは性被害へのそれなのではなく、この行為によって自分の女性性が確定されてしまうこと──すなわちはツィーベックやウェルベンとの画一性が崩されてしまうことこそが、今のアウルラにとっては一番の恐怖なのであった。
そしてだからこそ、ルージュラは今アウルラを犯そうとしていた。
生物学上のアウルラは間違いなく『雌』であり、そしてそこに肉体と精神の不一致も起きてはいない。
斯様にして『女性』にも拘わらず、ただアウルラは気持ちと環境の面からそれを受け入れられないだけなのだ。
そしてそうしたボタンの掛け違いこそが将来的に深刻な彼女の歪みとなってしまうことをルージュラは恐れてもいた。
謂わば彼女なりの荒治療こそが、一連の行為にアウルラを参加させることの目的でもあった。
ツィーベックの上で腹這いになっていた体を起こすと、ルージュラは更に自分の前へと進んでくるようにアウルラへ命じる。
一同がまぐわう石棺の上へと立ち膝に乗り上げるアウルラは、ルージュラと対面する形になると自然、その股座の下にツィーベックの顔面を敷くような形となった。
鼻先の至近距離にアウルラの局部が晒されたことで明らかにそこへと吹きかかるツィーベックの鼻息が荒くなる。
そんな兄弟からの反応になおも悲痛な声を漏らすアウルラでもあったがしかし……その内面では、そんなツィーベックやウェルベンの前に自身の『女』を晒せる状況に強く興奮してもいた。
これから彼らの行為に参加しようということへの嫌悪などは微塵もなく、むしろこんな自分こそが受け入れてもらえるのだろうかという不安こそが勝った。
そしてそんなアウルラの不安を払拭するかのよう──
「きゃあッ!? あッ、んうぅぅ………ッッ」
もはや断りなど入れることも無くツィーベックはアウルラの膣口へと唇を吸い付けさせた。
抱き抱えるようアウルラの両腿へ腕を回してはその肉付き薄い臀部をワシ掴み、ツィーベックは限界まで舌先を伸ばしてはアウルラの膣内をまさぐっていく。
知識も無ければ経験も無いツィーベックの愛撫ではあるがしかし、アウルラへの好意と強い興奮が込められているのだけは、その熱烈すぎる舌使いから十分に彼女には伝わる。
「んうぅ……僕のこと、受け入れてくれる? 女の子でも……仲間でいてくれる?」
嗚咽まじりに尋ねられるその声へ応えるよう、ツィーベックの口唇はアウルラの膣(なか)に満ちる一切の分泌物を強く吸いだした。
言葉以上に強いその返事を受け、遂にはアウルラの中の一線も断ち切られる。
性への負い目、兄弟との交わり、そして敬愛するシスターとの性交……先のツィーベックやウェルベン同様に、アウルラにまとわりついてた全ての価値観もまたこの瞬間に全て打ち払われたのだった。
それより先はただ時間を忘れ、一同は肉欲の限りを尽くした。
存分にツィーベックからの愛撫を受けたアウルラの処女を散らしたのは誰でもないウェルベンだ。
最初の頃こそは破瓜の痛みに慄いていたアウルラもしかし、徐々に体が感覚に馴染み、さらにはルージュラのキッスも含めたリードによってに痛みの緩和もされると、そこからは元・処女と童貞による好奇心赴くままの『遊び』が展開されていった。
ルージュラと共に尻を並べて四つん這いになるアウルラを、ツィーベックとウェルベンは肩を揃えて後背位に犯した。
またある時は存分にルージュラの中を往復させたペニスを取り出しては味見をさせ、快感にあえぐアウルラの肛門を不浄への気遣いもなく舐め尽くしてはほぐし、遂にはアナルセックスもまた敢行した。
一時体力が尽きて怒張を解くも、ルージュラとアウルラは二人のペニスが乾くことを許さない。
仰向けにダウンするツィーベックとウェルベンの腰元に乗り上げては、その不甲斐無さを責め立てるかのよう、上目に見上げたままに貪るかのようなフェラチオを施してくるのだった。
そうして互いを励まし慰め合いながら、一同は時も忘れては遊び続けた──……。
していることは男女入り乱れての淫行だというのに、その時の3人には幼き日の光景がフラッシュバックしていた。
まだルージュラの身丈の半分にも満たなかった幼少時、何の不安や疑問も抱かずにただ思いのままに駈け巡っては笑い合った過去の情景と、そしてその時の感覚を三人はルージュラとのこの一時の中に思い出していた。
やがてはあの頃と同じよう、体力が尽きるまで遊びつくしては──いつしか三人は互いの肩を寄せ合い、そして支え合って事後の余韻に浸ってた。
アウルラを中心に尻もちをついていると、誰ともなく互いの手が触れ合っては、三人はそれを強く握りしめ合う。
無意識化のその反射に驚いて顔を上げれば、そこにて改めて視線を交わした三人は──子供のように笑い転げるのだった。
そんな夢のような一時の中、徐々に感情も沈静化をし、改めてルージュラを思いだしては周囲を窺った三人は──そこに思いがけないものを発見する。
出入り口に通じる階段のその元──そこに立ち尽くすルージュラの傍らには、一連の騒動の冒頭にいたであろう3人の男達が以前フード姿のまま子供達3人を見守っていた。
その登場に驚くと同時、アウルラを庇うよう腕に中へ抱き込むウェルベンと、さらには片膝を立てては臨戦態勢に一同の前へと身を乗り出すツィーベック。
しかしながらそんな子供達を前に集団の中央にいた男がそれを諫めるよう、静かに片腕を上げた。
『警戒することは無い……我らは、お前達の同胞だ』
鹿爪らしいその言葉の意味を理解出来ず、ただ怪訝な視線を向けるばかりのツィーベックを前に、男もまた微笑みを漏らしながらに鼻を鳴らした。
『予定よりも前倒しとなってしまったが、それもお前達の有能さの表れと判断する』
やがて男達はルージュラを中心に左右へと展開すると、敬服するかのよう片膝をついては頭を垂れた。
そして一人憮然と立ち尽くしてはどこか荘厳な視線を子供達へと向けるルージュラへと……
『これより、新たなる同志達の入団式を始めたく思います』
男はその宣言を果たしては──幾星霜にも渡るこの寺院の役割とそして、ルージュラの正体を一同へと明かすのであった。