※ 注意!
この話には、
流血を伴う 妊婦への暴力行為 の描写が強く含まれます。
自己責任のもと、お楽しみください。
横凪ぎに打ちすえてくる大槌の一撃を腹に受け──俯いていたサーナイトは跳ね上げるようにしてその顔を上げた。
額の形が変わるほどに眉もとをしかめては歯牙を食い縛るその面相からは、自身の肉体の痛みよりも胎内の卵を気遣う焦りや心痛が伺えた。
とはいえ、ポケモンの卵ともなればその殻の硬度は頑強で、いかに大降りな鈍器を振る舞おうとも運動不足なセレブの膂力程度ではそれを打ち破ること叶わなかった。
それでもしかし10㎏の金床が打ち付けられるたび、サーナイトは肉体に反響する痛みと振動に耐えては呼吸を詰め、咳き込むように息を吐き出す仕草を繰り返した。
腹部はどす黒く鬱血をし、皮膚の破けた傷口からは筋繊維や脂肪の層が見え隠れに緩やかな出血をそこから滴らせる。
そんなサーナイトの腹部に挫創の斑地図を描くばかりの状況に苛立つと、男は自身の拳を振り上げてはそれでサーナイトの鼻先を打ちすえ悲鳴めいた罵倒を浴びせる。
道具を用いてもなお卵ひとつを割れないことへの羞恥に激情を催されたことからも、男から発せられる言葉はひどく震え、よもや同じ人間の言語とは思えぬほどに乱れた。
それを受けつつも、男の暴力から一時解放されたサーナイトは再び脱力に俯いてはただ時が過ぎ去るのを堪え忍ぶ。
もはや彼女にしても、自身の命の保証などはとうに諦めていることだろう。
それにも拘らず今のサーナイトを生へと執着させるものは、何者でもないその胎内に宿した我が子を守ろうとする本能に他ならない。
どうにかこの窮地を乗りきり、無事に出産にまで至れれば後の自分の命などはどうとなれ──とも言う思いでいたことだろう。
斯様なサーナイトを顔面や肉体の部位を問わずに殴り付けていた男も、やがては体力も尽き果て荒い呼吸に両肩を上下させたまま彼女と対峙するばかりとなった。
そうして男の薄弱な精神が一応の沈静を取り戻すのを見計らい、背後に控えていた別の一人が歩み出ては何やら声掛けなどする。
そこから何か提案してくるその言葉に耳を傾けながらも、依然として憎々しげにサーナイトを睨めつけていた男ではあったが──囁かれる耳打ちへ聞き入るうち、その顔には一変して粘着質な笑みが満ちては両の口角を吊り上げさせるに至った。
そこから最後にもう一度、忌々しげにサーナイトの顔面へ唾を吐きつけると男は選手交替とばかりに次なる権利者に順を譲る。
入れ替わるよう新たにサーナイトの前へと歩んでくる新たな拷問者の手には、包丁然とした刃渡りの巨大なナイフが握られていた。
鏡のようブレード部位全体が磨き抜かれたそれの切れ味を試すよう、男はその切っ先でサーナイトの頬元をなぞる。
途端、花が咲くよう擦(なす)られた頬が左右に開くと、その傷の縁から漏れだした流血は瞬く間に首筋を伝わって彼女の体を赤く染め上げた。
実際のダメージ以上にこの鮮血による視覚的な効果は絶大で、見守る周囲からそれに歓声が上がるのと同時に、刻まれたサーナイトもまたそれに慄いては表情をこわばらせた。
男のとった次なる行動は、まず彼女の片足を吊り上げる行為であった。
今現在、天井から両腕を吊られているチェーンワイヤー同様に新たな一本を引き寄せてくるや、それでサーナイトの右膝を括ってそれの引き上げをウィンチ操作する。
その右膝が胸元近くまで引き上げられると、スカート然とした皮膚がめくれ、その下の股間部をサーナイトは一堂へ開帳する姿勢となった。
その姿に謎の嘲笑をあげるギャラリーを背後に、ナイフの男は彼女の腰元へ跪くとそこにて何やら細工を施し始める。
その瞬間、再びサーナイトは頭(こうべ)を振り上げて目を見開くと──大きく開口しては声にならぬそれを振り絞っては呼吸を詰まらせた。
その仕草は何か激しい傷みに由来するものであると察せられたが、その理由を確認しようにも依然彼女の前で踞り続ける男が邪魔になって、そこでなにが起きているのかを確認できない。
しかし次の瞬間、夥しい量の鮮血が蛇口からの放水さながらに滴り落ちては足元で弾ける様に、あの男が手にしたナイフにおいて彼女の体を切り刻んでいることが察せられた。
その後も微動だもせずに作業へ集中する男の後ろ姿と、一方で頭を振り乱しては与えられる苦しみに悲鳴を上げ続けるサーナイトの姿は両極端な眺めであるといえた。
やがては一連の作業に一区切りをつけたのか、ようやくに男は顔を上げると大きくため息をついた。
それから首だけを振り返らせると、見守る一堂へ焦らすよう得意気な笑みをひきつらせてはようやくに、男はサーナイトの前を退いて自己の成果を披露した。
胸元に至るまで鮮血にまみれたサーナイトの膣は……その下腹に至るまで、縦に切り裂かれてはその間口を広げられていた。
そこに穿たれた尿道も然ることながら、クリトリスに至るまで左右に断裂された膣口からは、本来胎内の奥底に納められているはずだろう卵のエナメル質な表面が鮮血にまみれた頭を除かせている。
それを披露しながらもさらに、この切り込みは会陰を縦断しては肛門まで続いており、よもや間口の広げられたそこから卵が墜ちてくるのも時間の問題であることを男は長口舌に乗せては得意気に告げてくるのだった。
その言葉通り、面を俯かせるサーナイトの表情は今まで以上に苦しげに見えた。
痛みを堪えていることは元より、今となっては胎内の卵が滑り落ちてしまわぬよう、常時腹腔へ力を込め続けなければならないのだ。
そんな彼女を前に抱える卵が落ちる瞬間を今かと待ち望んでいた一堂ではあったが──皆が望む展開は一向に訪れようとしなかった。
それこそはサーナイトが存外の忍耐見せたこと……今の彼女は、文字通りの死力を振り絞っては我が子を胎内へと納め続けていた。
それを前に卵を手放すよう男が恫喝するも、依然として項垂れたままのサーナイトはそれに反応することすらない。
思わぬ恥をかかされたことに激昂しては、男は血塗れの彼女の下腹を蹴りつける。
この男にしてみれば今も手にしているナイフでその腹を裂けば卵を取り出すことは容易くもあるが、なまじ放り落とさせることを宣言してしまった手前、それ以外の方法でサーナイトに堕胎させることは沽券に関わることであるのだ。
とはいえ、その促進として見苦しい暴力行為に出た男へと周囲の冷笑が集まる頃──新たな手合いがまた、このタイミングを見計らったかのよう歩み出た。
先にナイフの男が大槌のそれと入れ替わった時同様に、これもまた耳元でなにか囁いてはナイフの男を納得させたようだった。
一連の行動に疲労も覚えていたのか、依然として荒ぶる呼吸を押さえられぬまま男は引き下がり──そして事ここに至っては、おそらくサーナイトへ止めを指すことになるだろう最後の拷問者が登場する。
この時点ですでに息荒く、ひきつるよう小刻みに漏らされる男からの笑いには……明らかに生物には発せようもないモーター駆動による収束音もまた共に奏でられていた。
威嚇するよう何度も短い周期で鳴らされるその正体は、右手に携えられたガンタイプの電動ドリルによるもの──その登場に周囲には期待を思わせる感嘆が漏れると、既にこの男自身も辛抱が利かぬのかサーナイトの前へ踞ってはドリルに装着されたピンバイス刃の先端を突きつける。
その切っ先は、腹部のなだらかな曲線の中にただ一点突き出した臍の先端へと宛がわれた。
卸したての新品と思しき刃は、この薄暗い空間においても鈍い光を返してはある者を不安に、そしてある者においてはその期待を煽るかのよう黒光りのシャフトを煌めかせていた。
そんなドリル刃が突如して高速回転を始め腔線(こうせん)を残像の中へ紛れさせてしまうや──一瞬にしてサーナイトの臍は肉片をはぜ散らしては、そこへ鮮血の飛沫を吹き上げるのだった。