※ 注意!
この話には、 食人 や 食ポケモン の描写が強く含まれます。
自己責任のもと、お楽しみください。
生物の形は『意志』によって模られる。
その意志とは自我や精神と呼べるものであるし、宗教的な側面からは魂とも言える物であるだろう。
目の前でその意思を失くしたサーナイトとラルトスは、群がる有象無象によって死姦の憂き目に遭う中において瞬く間にその形を崩壊させていった。
様々な男達の手に渡りながら手淫の道具とされたラルトスはもはやその体色の名残を残すばかりの肉片と化し、吊るされていたサーナイトもまた地に降ろされては顔の孔の箇所を問わずにペニスを突き入れられては──私が見守る目の前で瞬く間に数グラム乃至(ないし)数kgの肉塊へと朽ち果ててしまった。
それら光景の一部始終を見届けた私はもはや、立ち居すら保てなくなっては両ひざを震わせる。
今この瞬間、私もまた自分自身を見失っては己の形を崩壊させつつあった。
一連のサーナイトを凌辱した連中と同じ種であることの嫌悪が激しい自己否定となりいつしか私と外部との境界を曖昧とさせていた。
このままでは遠からず、精神的な衰弱に耐えきれず崩壊することは明らかであった。
なれば欺瞞や開き直りであっても自己を肯定しようと試みるも……もはや私は、自分も含めた『人間』と言うものに疲れはててしまっていた。
故に薄弱な私の精神は残酷な現世からの逃避を望み、もはやこの地獄の地の底において崩壊を迎えつつあったのだ。
そしてやがては意識の失われるままに頽れんとした私の膝頭をしかし──その刹那、何者かが支えた。
その弱く儚げでもある他者の感触と体温に、途端に私は失いかけていた自我の形を結び直す。
ほんの数秒間ではあったものの、確実に生命活動を止(や)めていた肉体へと循環するあらゆる体液の脈動に目眩覚えつつも、明瞭となった視線を足元へ結べば……そこにはあのパートナーであるキルリアが強く私の右足へと抱きついていた。
彼女こそが彼岸へと渡りかけた私の意思を連れ戻してくれた恩人に違いはなかったがその実、しかしながらそうした彼女の行動もまた、けっして私を救い出そうとして施されたものではなかったことに気付く。
同じく見上げてくるキルリアの顔もまた、眉元を強(こわ)めさせつつも紙のように青ざめては一切の表情を無くしていた。
恐らくは私同様の……否、同種のポケモンであった先のサーナイトの成れ果てを目にした彼女こそ、もっと強い恐怖や喪失感に苛まれたことだろう。
斯様にして私同様の死の境界に見(まみ)えた彼女はしかし、懸命に自己を現世へと繋ぎ留めるべくに抵抗をし、その果てに私へとすがり付いたのだった。
しかしながらどうにかして踏み留まる私達であっても、依然として絶望の幽世から脱しきれていないその精神状態は頼りなく曖昧なものであった。
これ以上此処に留まり続けていようものならば、再び我を見失う……この時のお互いの存在は謂わば、難破した夜半の大海原において奇跡的にしがみつくことのできた船の残骸に他ならない。
互いを認知することで確立し合い、そしてなおもこの意思を現世へ繋ぎ止める為にも『目の前の誰か』を感じ続けなければならないことを確信した瞬間──期せずして私達は抱き求め合い、更には貪るように互いの唇を交わした。
口中に流れ込むどちらのものとも知れない唾液を、砂漠のオアシスに辿り着けた感覚で吸い上げては飲み下す。
事実、喉も酷く乾いていた私などは、仄かに花の香も漂うキルリアのそれをひどく美味として享受した。
体全体で抱き込み、やがては両膝もついてキルリアに覆い被さると、いつしか私の口唇は彼女の幼くも平坦な肉体をなぞることに夢中となっていた。
その最中、強くキルリアの両手がそんな私の後ろ頭を掻い繰りもしたが、それが私を受け入れてくれるものであるのか、或いは強い拒絶であったのかは、終ぞその時の私には分からなかった。
吸い付けさせる唇が痺れるほどに彼女の胸元をついばんでは無惨な内出血の斑点をいくつも刻み込みながらやがて、私の舌先は彼女の膣へと至った。
自分の物ではない物体を摂り入れる時、そして自身の物体を相手へと干渉させる時、何よりも私達は意志の確立を実感した。
そしてその確立の究極の形こそ──今この瞬間においてはセックス以外にはあてはまらなかった。
袈裟に羽織る長布の下では既に石のように高質化したぺニスが痛みを覚えるほどに屹立している。
身に纏う被服を煩わしく思いながら取り出したぺニスの亀頭をキルリアの股座へ宛がうと──私は穴の判別もつかないまま、一息にその全体を挿入してしまうのだった。
粘度の高い体液を介した肉の感触と、その全体に行き渡る高温に私はキルリアを、そして自分自身を強く意識した。
それは同時に、目を見開き身を仰け反らせては息を詰まらせるキルリアも同様であったろう。
斯様にしてヒトとポケモンによるまぐわいという禁忌を犯したことの感慨になど浸る間もなく、私は腰を突き出し続けた。
私もキルリアも獣の如くに叫び合いながらまぐわい続ける。
互いの肉体に干渉するものは物理的なものに留まらず、声や息遣いといったものに至るまで及んだ。
その中において私は自身でもそれを予期する暇も持たずに射精を果たす。
とはいえそこに従来感じられる快感などは一切無い。
ただしかし、彼女の中に自分の体液を残せたことの達成感に私は酷く安堵する。そしてそれはキルリアも同じくに、他人を自分の中の感じることでようやくに自己を確立せしめた様子であった。
射精後も、重く背にのし掛かる脱力感の任せて彼女に覆い被さる私はその瞬間、左耳へ発火するかのような痛みを覚えては再び感覚を研ぎ澄ませた。
それは間違いなく、いま肌を合わせるキルリアから加えられている痛みだ。
互いの横顔を触れ合わせたままに密着する体勢ゆえに目視は叶わないが、恐らくはキルリアが私の耳へと噛みついたのだろう。
その力加減も単にじゃれつく程度に留まらず、ミリミリと細胞の押し潰される音が脳内へ痛みと共に広がるに至っては、もはや噛み千切らんと咬筋していることは明らかだった。
そんな状況にもしかし、不思議とその時の私には一切の恐怖も焦りもなかった。
むしろその痛みのお陰で自分と、そしてそれを施してくれるキルリアの存在を感じられることが嬉しかった。
もっとだ……もっと噛み締めろ!
私がお前にしたように、忘れられない痛みをこの体に残してくれ!
耳介の軟骨が歯牙によって断ち切られる痛みにもしかし、私は歓喜の叫びを上げる。
そして次の瞬間にはその本懐も果たされ、無事に私の耳は彼女のよって噛み千切られた。
ようやくに頭を上げると私は組み敷いていたキルリアを見下ろす。
緊張した面持ちでこちらをまっすぐに見つめてきている彼女の顔に、私の耳から溢れる夥しい出血が落ちてはその顔を斑に赤く染めていた。
この中でキルリアは依然として私を見つめたままゆっくりと口を開く。
その中に覗く小さな舌の上には、耳輪ごと丸々千切られた私の耳がそこに鎮座していた。
私の肉体の一部がキルリアの口(なか)にある──それを確認した瞬間、先の射精など及びもつかぬ充実感が背を走り抜けるのを感じた。
そして次なる私の願望こそはそれを彼女に飲み込んでもらうことだ。
どうか私を迎え入れてくれ……君の肉体の一部として、私の存在を君の中に残してくれ……そんな願いが見つめ合う中で伝わったのか、或いは端からそれを彼女もまた望んでいたのか小さな口は閉じられ、そして涙目にえづきながらその喉が隆起して再び口を開いたそこに、私の耳であった物体が消失している様を確認した瞬間──私は再度の射精を果たした。
今度こそは強い快感を伴う……否、これまでの人生においても最大限の衝撃を伴う充実感を私は彼女より得ていた。
しばし忘我してはその一時は全ての不安より解放された私も、次なるは彼女からの切実な視線によって我へと返った。
見下ろすそこには、どこか恨めし気な視線を結んできては上目遣いに私を見つめるキルリアの血塗られた顔があった。
当初彼女が何を求めている物やら理解できなかった私ではあったが、すぐにそれも察することとなる。
彼女のもまた同じであるのだ──自分の証を彼女の中へ残せた私同様にキルリアもまた、自身の一部を私の中へと送り込みたいのだ。
それを察し私もまた意を決すると、乾いた口中の中に唾液の糸を引かせては上下の歯を大きく開け放った。
しばしその格好のまま、何処を噛んだらいいものやら思いあぐねる私の逡巡は存分に彼女を焦らし、いたずらにその恐怖を煽る結果となってしまった。
しかし同時、そんな私を前にキルリアは僅かに表情を伏せるとやがて──小首を傾げ僅かに俯くや、まるで差し出すかのよう左側頭部の突起物を私の鼻先に突き出した。
ポケモンに詳しくは無いが、それでも彼女がエスパー型のポケモンであり同時に両頭部より生え出たそれらがエネルギーの受容器官であることの理解は私にもついた。
故にそこを差し出されることに戸惑いを覚えるが同時──だからこそ、それを選んだ彼女の意図もまた察する。
重要であるからこそ……取り返しのつかぬ部位であるからこそ、私達にとっては意味があるのだ。
それを理解した瞬間、私の胸はこれまでに感じたことも無い多幸感に包まれてはそれに刺激されて三度目の射精に達する。
既に小さなその胎内には収まり切れぬほどの精を受ける彼女もまた、自身の中に込み上がるそれらが麻酔さながらにキルリアを忘我の域へと達せたらしめていた。
ならば今以上の幸福を君に送ろう……そして私の中で君の存在をこの身が滅びるまで残すといい……──
次の瞬間──私は頭部の突起を力の限りに噛みしめた。
歯根へと伝わる繊維質の歯ごたえの中に溢れんばかりの彼女の血潮もまた感じると、私は再びに射精を果たしながら、夢現に周囲へ響き渡る苦痛の悲鳴を耳にするのだった。