両腕を掲げ、身を反らせるようにして天井からぶら下がるガブリアスをハイマン達は息を飲んで見つめた。
しかしながら至近距離での遭遇に対し、恐怖に硬直してしまっている研究員達とハイマンの反応はまた違う。
この時ハイマンは、
──肉体の形状が……従来のガブリアスとは全く違う!
むしろガブリアスの肉体に覚える違和感に科学的疑問と興味をそそられていた。
いま目の前に晒されているガブリアスの胸元には人間の女性に見られるような二房の乳房がたわわに宿っていた。
加えて腰元においても華奢にくびれては尻のメリハリを印象付けてと、全体で眺める件のガブリアスの肉体は、さながら『人間の女体』を強く反映させたフォルムとなっていたのである。
それゆえにハイマンは強く困惑した。
今日に至るまで、彼女の発育は逐一観察しては記録してきた彼である。つい数時間前までそのシリンダーの子宮内に在った頃とはもはや、似ても似つかぬ姿へと変貌してしまったガブリアスに、ハイマンは科学的好奇心をそそられずにはいられなかった。
しかしながらそんなハイマンの思考も悲痛な研究員達の声によって現実へと引き戻される。
見ればガブリアスは既に床へと降り立ち、身を四つん這いに低く保っては陸のワニさながらに研究員達へにじり寄り始めていた。
その状況に対し、ハイマンもまたとりあえずは喫煙室から出てくるようガラスのドア越しに指示をするも──混乱の極みに達した研究員はそのドアを開けることすらもままならない状態となっていた。
内開きにドアを引かなければならないにも拘らず、この時の研究員はドアを押して開こうと必死になっていた。
当然ハイマンも引くように再三喚起するも、もはや研究員はその理屈すら理解できずにヒステリックな金切り声を上げては、ただ恐怖を発散させようと躍起になるばかりだった。
そしてそんな研究員隊達の元へ、遂にガブリアスは辿り着いてしまう。
男達二人を前に後ろ足で立ち上がると、2mを越える彼女は照明を遮っては側頭部から突起の生じた歪な影を男達へと落とす。
この段に至るともはや、研究員達は至近距離でライオンに遭遇した草食獣さながらに表情をこわばらせては、ただ直立に身を強張らせるばかりだった。
依然としてそんな研究員達と視線を交わしたまま、ガブリアスは手先の鎌の先端を二人のベルトの淵へと掛けるや──それを手前に引くと同時、鋭利な切っ先は一切の抵抗もなくベルトごとスラックスのウェストとさらには下着の淵の切り裂いてしまう。
そこからまるで輪でもくぐるかの様、スラックスは下着もろとも地に落ちては研究員達の恐怖で委縮したペニスがガブリアスの前に晒された。
それを発見するや明らかにガブリアスの表情が明るくなる。
目を剥いてそれを見下ろすとやがて、彼女は両膝を折って身を屈ませるや、眼前に垂れる研究員達のペニスをしゃぶり始めた。
排水溝が水を飲みこむかの如く唾液をすすり上げては吸い付いてくるガブリアスの口唇に、たちどころに二人のペニスは勃起をへと導かれては、以降交互に繰り返されるガブリアスのフェラチオに身を委ねてしまう。
先に同僚二人が彼女によってヤリ殺されている経緯を知る研究員達は、この状況に己もまた同じ未来を辿ることを察しては、もはや一成人である尊厳もかなぐり捨てては子供のように泣いた。
一方で斯様な研究員達のペニスをしゃぶりながらも、手先の鎌を自身の膣口へと這わせてはそこを撹拌してほぐすガブリアスはやがて、存分に二人のペニスが充血したのを見届けると、再び立ち上がっては獲物達を見下ろした。
そうして恐怖に硬直するばかりの研究員達を、互いに肩を組ませるかの様に密着させて身を寄せ合わせると斯様にして隣合わさったペニス二本を──ガブリアスは直立した姿勢のまま股間を寄せ、自身の膣へと同時に挿入してしまうのだった。
以降はまるで男性が後背位から立ちバックで犯すようさながらに、ガブリアスは幾度となく腰を引いては突き出すのピストンを敢行する。
彼女の膣の中、すり合うペニス同士とそれを内包する燃えるような熱を帯びた膣壁の粘膜に、
『あああァァァァッッ、チンチンがァァァァ! 俺のッッ、チンチンッッがぁぁあああああァァァァァッッ‼』
『ママぁぁ~ッッ‼ あああァァァ、ママぁぁぁぁぁ~ッッ‼』
研究員達も断末魔さながらの絶叫を発した。
もはや理性などはかなぐり捨てた研究員達にかつてのエリートであった面影などは微塵もない。
そしてそんな叫びも射精と同時に途切れてはその一時嗚咽に詰まらせるも──再びにガブリアスのピストンが開始されると、まるでそういう構造のオモチャの様に研究員達は無慈悲なレイプに対して悲痛の声を上げ続けた。
ガブリアスの膣からもたらされる圧に促進されては、おおよそ人間の運動機能には許容し難いの血流がペニスを介して研究員隊の肉体を駆け巡っていた。
その尋常ならざる速度に晒されてもはや、二人の心臓は数百㎞の時速で数百㎞の距離を走らされているかの如き状態にまで加速を余儀なくされる。
その中で遂には耐久を越えた血管は末梢からの破裂を引き起こし、それによって皮下での内出血がいたる箇所で起こっては、体中の穴と言う穴からの出血が始まった。
さらには血流が高速で巡るがあまり血液は沸騰を始めると、研究員隊の眼窩や耳孔からは湯気が立ち上がり始めてはその身をガクガクと激しく震わせる。
それでもガブリアスのピストンは止まず、遂には数度目の射精を果たさせた次の瞬間──行き場を失くした血流によって赤ん坊の顔のように膨張していた研究員の顔面が破裂した。
皮膚を破り肉片を飛び散らせると、ガラス張りの喫煙室にこびり付いたそれら血糊は外部にて見守っていたハイマンの視界を完全に遮断する。
それでもその光景に見入り続けていると、やがて鮮血にまみれたガラスの遮蔽板にはXを描く様に鋭い切り込みが走る。
そして次の瞬間それらガラスの箱を破砕してはその中より……ガブリアスは悠然と歩み出してくるのだった。
先の二人の返り血を存分に浴びたことで、従来は青みがかったはずの体色はすっかりとどす黒い深紅へと染まり上がっている。
斯様な死神の如きガブリアスはハイマンを見下ろすと……顔面に滴る鮮血を舐めるようにして粘着質に舌なめずりをした。
その光景を前に瞬間、ハイマンは自身もまた先の研究員達と同じ末路を辿ることを想像しては絶望に陥る。
全身に冷や汗が吹き上がると、手足は関節を失くしてしまったかの様に硬直してはハイマンを強張らせた。
先刻、あの喫煙室の中で彼女と対峙していた研究員達もこの感覚によって肉体を支配されたのだろう。
必ずしもこれは恐怖だけに由来するものではなく、このガブリアス特有の『技』や『特性』に由来するものなのかもしれなかった。
徐々に近づきつつあるそんな彼女を前に、既に脳内にはハイマンの短い人生を集約した最後の映画が始まりつつある。
いわゆるは走馬灯とも呼ばれるそれを無感動に眺め続けるハイマンではあったがしかし、そんな中ある一点において一際眩しい光彩を放つ思い出が彼を正気の淵に戻した。
それこそは誰でもない、妻と幼い息子の面影であった。
そして同時にそれは、
──死ねない……! こいつを生み出してしまった責任を取るまでは何があっても死ねないんだ!
目の前のガブリアスへと立ち向かうべき勇気もまたハイマンに燃焼させる。
今これを放置して無責任に殺されてしまえば、このガブリアスは次なる獲物を求めて研究所の外へと繰り出すことだろう。
そうして無差別に食い漁られる男達の中に年端のいかぬ息子の姿を想像した時──ハイマンの心は史上覚えたこともない熱量を帯びては、ガブリアスへの闘志を掻き立ててくれるのだった。
肝が座り恐怖が払拭されるや、途端にハイマンは肉体の自由を取り戻す。
次いで右手に携えていたテーザー銃の照準をガブリアスへ据えるや、淀みなくトリガーを引いてはガブリアスの胸元へと撃ち込む。
貫通でも部位の破壊でもなく、ただ銅線帯びた電極が表皮に突き立つばかりのそれを、射られたガブリアス自身も不思議そうに見下ろした次の瞬間──彼女は背を仰け反らせては硬直し、激しく身を痙攣させた。
ハイマンが撃ち放ったテーザー銃とは、言わば射出型のスタンガンだ。
ガブリアスに刺さった電極から銅線を伝い、およそ10万ボルトの電流が流れ込んでは今一時彼女を行動不能へと至らしめていた。
斯様にして一時、ガブリアスを麻痺の状態へと至らしめたハイマンはそれに背を向けては一目散に駆けだした。
──このままじゃ勝てない……今のうちに、あいつにダメージを与える為の準備を済ませるんだ!
逸る自分を自制と鼓舞を以てして励ますハイマンはしばしラボ内を駆け抜けてはついに、目的の場所へと辿り着いて足を止めた。
呼吸も不規則に見上げるそこは──全ての元凶となった、ガブリアスの子宮(ビーカー)が鎮座するラボの中央であった。