バイト開始から2週間が過ぎた──
当初こそは慣れない力仕事に四苦八苦したアルカンであったが、次第に要領を得てくるとその働きぶりは格段に見違えた。
アルカンにしても今までに知ることのない世界だった農業は毎日が新しい発見の連続であり、いつしかこれが仕事であることを忘れては農作業やそれに付随する知識の吸収にのめり込んでいった。
斯様にしてアルカンに農作業の楽しさを自覚させたのはしかし、けっして好奇心だけが由来するものではない。
そこには誰でもないガルーラの存在も大きかった。
彼女とは同室のプライベートな空間以外でも行動を共にする機会に恵まれた。
そもそも一連の部屋決めは、従事する仕事に準じて割り振られてもいる。それゆえにアルカンとガルーラは仕事先においても一緒になることが多く、いつしか二人は互いをバディと認め合ってはここでの仕事に従事していた。
そんななか15日目にしてちょっとしたトラブルが起きた。
その日はボイラーの不具合から浴槽に水が張れず、各員の入浴が遅れてしまう事態が発生したのだ。
通常であれば作業終了後は即座に大浴場へと向かい、体の汗や汚れを落としてから皆で夕食というのがここのルーチンであったが、斯様な理由からこの日は全ての予定がずれてしまった。
手持無沙汰に浴場の前で待っているのも退屈に感じたアルカンは、とりあえず自室に戻りタオルで一時的に体を拭こうと考えた。
そうしていつもの様、無自覚に自室のドアを開いたアルカンは──そこにて先に体を拭っていたガルーラに遭遇する。
左腕を掲げ、腋の下を拭っていた彼女を発見しては途端にアルカンの不明脈が跳ね上がった。
「わ、わあ! ご、ごめん! 気付かなかったッ!」
慌てふためいてはすぐに退出しようとするアルカンに対し、一方のガルーラは不思議そうに声掛けなどして呼び止めた。
それに引き留められては依然表情を硬くして振り返るアルカンと、そもそも何故にそこまで慌てているのかを理解できないガルーラとの間には大きな温度差がある。
そして徐々に気分が落ち着くやアルカンもまた、別段これがタブーな出来事でもなかったことに気付く。
女性が体を拭いている行為に遭遇したがゆえに取り乱したアルカンではあったが、そもそもがガルーラを始めとするポケモン達は皆、常時全裸の状態で過ごしているのだった。
それが今さら体を拭いていたところで何ら不都合なども無いだろう。
要は自分だけが過敏になっていたことに気付いては、なおさらにアルカンは恥じ入る思いだった。
ならばと再び入室を果たしては、アルカンも対面となる自身のベッドへと腰掛ける。
おそらくはガルーラもまたアルカンと同じ結論に至り、外部で待ち続けるよりも自室で落ち着きたいと考え、ここで体の清拭をしていたのだ。
そして依然としてアルカンの前で体を拭き続けるガルーラの姿を前に……アルカンは艶めかしい感情が胸の内に湧き上がるのを感じていた。
ガルーラを敬愛すべき一女性として認識するようになっていたアルカンには、既に彼女は単なる『ポケモン』ではなくなっていた。
同室で生活を共にするにあたり、今までは気付くことも無かったガルーラの身体的特徴もまたアルカンは日々の中で発見していた。
一見して大雑把なパーツの組み合わされたようなガルーラであっても、腿や二の腕といった箇所には脂肪質の部分が多く、屈強な体躯の中に紛れがちではあるがその実、胸元にはしっかりと乳房も備わっていれば、尻に至っても僅かな腰のくびれの下に豊満な臀部を実らせてと、そこには如実に『女体』の様相が反映されていた。
加えて雰囲気的なものにおいても、彼女からは花の香を思わせるような仄かな匂いも感じられたし、基礎体温の高いガルーラから発せられる温もりは彼女と隣立った時、その香りと相成っては何ともアルカンの男を刺激してやまなかった。
もはやアルカンにとってガルーラは人と遜色見劣りしない『女』であり、いつしか彼女のことを憎からず思う様にさえなっていた。
そんな彼女が今、目の前で体を拭っているのである。
加えて日中の汗に醸されてか、今日のガルーラから立ち上がる香りにはいつも以上に蠱惑な気配さえ感じられた。
もはやその香りを至近距離から嗅がされては、ある種の催眠状態に落とされたかのよう朦朧としていたアルカンは──ガルーラからの呼びかけに対し、針で刺されたかの様に両肩を跳ね上がらせては覚醒した。
「な、なんだいッ!?」
我ながら上ずる声とオーバーリアクション気味になる言動を恥ずかしく思いつつ応えると、一方でそんな事情など知らない彼女はいつも通りの様子でアルカンに濡れタオルを差し出してきた。
それを手に取りながら、いったいこれは何を意味するものかしばし掌の中を覗き込んでしまうアルカンではあったが、そんな彼にガルーラはとある手伝いを懇願する。
「……え? 手の届かないところを拭いてほしいの?」
それこそは清拭の介助を申し出るものであった。
アルカンにしてもそれは確かにと思う。
巨体を支えるべきに太く発達した彼女の手足はお世辞にも長いものとは言い難く、こうした清拭の際にはどうしても手の届かない場所も出てくるだろう。
それを理解したアルカンはこの時、おそらくは背中を流してくれと頼まれたのだと勘違いをしていた。
事実ガルーラも背を向けたことから、それを疑わなかったアルカンではあったが……それが大いなる勘違いであることに気付かされることとなる。
背越しにアルカンを顧みながら大股を開き、ガルーラは自身のベッドに両手をついては上背を屈めた。
そうしてアルカンの前に尻を突き出したかと思うと──そこからゆっくりと、そして見せつける様にして垂らした尻尾を上げていった。
目の前で展開されつつある局部からは途端、上半身を拭っていた時とは比べ物にならない皮脂の籠った匂いが立ち上がる。
それに晒された瞬間、アルカンはまるで何らかしらの薬品でも嗅がされたかのような強い眩暈をそこに覚えていた。
そうして完全に尻尾が立ち上げられたその下には──尻尾の付け根で微笑むようひしゃげた肛門と、そして蒸れては膨張した恥丘よりアケビのごとくに中央を走るスリットから愛液を滴らせた膣口が、
物欲しげにも、アルカンの前へ惜しげもなく披露されるのであった。