■ 注意 ■
この作品には同性愛や少年愛、ショタ、BL
の要素が強く含まれます。
自己責任でお楽しみください。
第1話・書院の児戯
イサ家の一子チカマルが10歳の砌──後のイサ家当主となる彼はこの時、パートナーであるカルボウと共に山陰の寺院に在った。
客人として丁重にこの寺へ迎え入れられていたチカマルではあったが、その実彼の役割とは『人質』に他ならない。
チカマルの父であるアザフネはこの時、重大な運命の岐路に立たされていた。
主家の滅亡を前にこのまま主と共に滅びるか、あるいはそれを見限って新たなる時代の覇者傘下へと下るかの選択を迫られていたのである。
結果として父は後者を選び、その約束の証として幼きチカマルを次なる宗主国へと差し出すに至る。
しかしながら激化する戦況の最中、訪れるはずであった国への入国が難しくなってしまい、さりとて戻るわけにもいかなくなってしまったチカマルはその折衷案として、中立国に在るこの山寺へと身を落ち着ける運びになった。
そうしてこの寺に居を構えてから既に半年以上になるが、チカマルがここでの生活に不満を覚えたことは無かった。
丁重に持て成されていたことも然ることながら、もとよりこの手の孤独には慣れていた身でもある。
群衆割拠とも称される昨今、武人であるところの父が家に落ち着いていたことなどはまず無く、チカマルはその声はおろか顔の記憶ですらおぼろげであった。
母に至っても、実質的な教育と世話に関しては乳母が全てを執り行っていたことからもその謁見は時節の挨拶に際して顔を合わせる程度のものであり、斯様な両親との別居に際しても、さしてチカマルには感じ入るところは無かった。
何よりもこの時のチカマルには、常日頃から自分を支えてくれるカルボウがそばに居てくれた。
彼こそはチカマルの家来として父より下賜されたポケモンではあったが、幼い彼にとってのカルボウは、唯一無二の親友であった。
このことはカルボウもまた然りであるらしく、まだ主従の何たるかの理解は及ばずとも、カルボウは誰よりもチカマルのことを大切に思ってはもはや、血縁以上の親愛さを以て互いの友情をはぐくんでいた。
加えてこの寺に来てからは、そんな二人に新たな友人もまた出来た。
数奇なる巡り合わせか、この寺においても『カゲチヨ』と名付けられたカルボウが小坊主として雑事に従事しており、ほぼ同年代であるところの三人は常に行動を共にしてはチカマルに寂しい想いなどはさせなかった。
斯様にして暮らすチカマルはしかし──この年の初夏に思わぬものを目撃することとなる。
その日は朝からカゲチヨの姿が見えなかった。
当然チカマルとカルボウも彼の姿を探すのだが、この時カゲチヨは思いもよらぬ場所において思いもよらぬ児戯に興じていたのである。
渡り廊下を経て本堂から遠く離れた書院の一室にたどり着くと、四方の障子戸が開け放たれた部屋の中央にカゲチヨと寺の僧正とがいるのをカルボウが発見した。
その瞬間は午前の務めを行っているものだと思ったチカマルとカルボウは、軽々しく声など掛けるマネはせず、渡り廊下から外へと降り、架木(ほこぎ)の隙間から頭など出しては密かに二人を見守った。
しかしながら見守る僧正とカゲチヨの様子はいつにない不審な素振りを見せていた。
僧正が腰元ほどのカゲチヨへと身を屈めると、カゲチヨもまた抱き着く様に両手を僧正の両方へ添えては口づけをした。
その行為にまずは、見守るチカマルとカルボウは度肝は抜かれる。
性に対する知識など皆無の二人にとって、食事や会話に使う口唇同士を触れ合わせるなどといった行為は、ある種の不浄にすら思える禁忌感があった。
それにも拘らず視線の先のカゲチヨはといえば、さらにそこから伸ばした舌同士も絡ませては互いの唾液まで行き来させている有様である。
かくして一頻りその口づけを堪能すると、僧正は屈めていた背を伸ばしカゲチヨはそんな僧正の股間に鼻先を埋めた。
そして法衣をかき分け、下袴の帯も解いて股間を露にさせると──そこから外部へと零れ落ちてきた僧正のペニスをカゲチヨは手に取った。
死んだ蛇のよう鎌首を垂らしたそれへ両手を添え、表皮を前後させるよう刺激を与えていくと……たちどころに僧正のペニスには血が巡り、硬く肥大化したそれをそそり立たせた。
そしてあろうことかカゲチヨは──そんな僧正のペニスを一切の躊躇もなく、口の中へと咥え込んでみせたのである。
以降は口中において、唾液を介しながらそれの口取りを始めるカゲチヨ──撹拌される粘着音が霊験あらたかな深山のしじまへと響き渡る。
そしてチカマルとカルボウは、依然として圧倒されながらも一連の行為に釘付けとなっては目を離せずにいた。
目の前で繰り広げられる行為は何から何までが、今日までの二人の常識覆すものであった。
従来の見識に照らし合わせるならばそれは、嫌悪以外の何物でもないというのに……それでも二人はそれに魅せられては、息をするのすら忘れて見入っていた。
やがて僧正が苦し気にくぐもった呻きを上げた。
その直後、カゲチヨの頭をワシ掴んでは強制的に口取りを外させると後はその鼻先に目掛け、黄ばんだ精液を無遠慮に射精しては浴びせかけるのだった。
己へと射出されるそれを動じること無く顔面で受け止めるカゲチヨ──鼻頭を元として、さながら扇でも広げるよう放射状に僧正の精液は浴びせかけられた。
やがてはその噴流も収まると、カゲチヨは大きくため息をついては、事後処理とばかりにまだ精液の残滓が珠となって残る鈴口へと唇を吸い付かせ、尿道に残されているであろう残りのそれらもまた吸い上げた。
更には再び茎全体を咥えこみ、緩やかに口取りをするその最中──ふいに視線を泳がせたカゲチヨは、その先において自分達の行為を一心不乱に見つめているチカマルとカルボウを見つけては目を剥いた。
しかし──そんな驚きの表情も一時で、二人を見つめる表情はすぐに弛緩した。
依然として僧正のペニスを咥え続けるカゲチヨの頬元は上気し、細めた下瞼を上ずらせては、おおよそ稚児が見せるものとは思えぬ淫靡な笑みをそこに浮かべる。
かくして他者の精液に穢れたその顔を以て、更に見せつけるかのよう音を立ててはペニスをしゃぶりつくすカゲチヨ……そんな友の恥態を前に、ついぞチカマル達は未知の興奮に囚われたまま目を離すことが出来なかった。