先の一件以来、チカマル達の遊び方は一変してしまった。
もはや互いのペニスそこを不浄と思う事が無くなったことにより、誰かしら相手がいる時は絶えずそれを弄ぶことが三人の常態となった。
寝起きの朝勃ちから始まり排尿の前後に至るまで、こと生活の中において互いの性を意識しては、いずれかがそこへ触れることが半ば挨拶のように繰り交わされた。
特にカルボウなどは前以上にチカマルに執着し、最近では精液に留まらず口中で排尿を受け止めることですら厭わなかった。
さすがにそれに関してはチカマルも抵抗があり、毎回とは言わずとも数回に一度はそれに応じる訳であるが、便器よろしくに開いた口角に排泄されるチカマルからのそれを受ける時、実にカルボウは恍惚とした表情を見せた。
しまいには自ずから身を乗り出させては打ち付けられるそれを額から受けて尿まみれになるなど、その執着はもはや常軌を逸している感すらある。
一方でこの状況を愉しんでいるのはカゲチヨも同様であると言えた。
こちらは今日まで僧正に教え込まれてきた性技の数々を披露しては、実に丁寧にそれらをチカマル達へと教えた。
曰くそれはアナルのほぐし方であったり、同箇所における挿入後の力の抜き方や締めつけ方など、文字通り手取り足取り教授しては、時に僧正との行為を密かに覗かせるまでしてそれをレクチャーするのである。
自然とチカマル達の行為も段階を重ねていき、遂にはチカマルもまたカルボウのアナルへ挿入を果たすと、二人は初となるセックスもまた体験した。
さらに数日を掛けてチカマルもまた肉体を熟(こな)させるやカルボウのペニスもまた受け入れてと、もはや三人は幼い欲情とそして想像力の赴くままに互いを求め合ってはやまなかったのである。
そうして遊び惚けていたある時、チカマルは僧正に呼び出されると市井へ遊びに出ることを進められる。
気分転換は元より、武家の生まれたるチカマルにはこうした俗世と交わる機会も無かったことから、この際にそれへ触れることも勉強になるのではないかと僧正は申し出てくれたのだった。
それに関してはチカマルも異議はない。むしろ新しい世界に触れられることに胸の高まりを抑えられなかった。
とはいえしかし見るからに武家の総領と分かる姿でうろついてしまっては、万が一にも敵対国の刺客に狙われるやも分からない。
これよりチカマルが赴こうとしている場所とはこの国の国境沿いに在る町であり、そこには同盟敵対を問わぬ第三国人達が自由に出入りもしている場所であるのだ。
故に当然の配慮として市井の人間に変装してそこへ紛れ込むことが提案され、チカマル達は一枚の小袖を僧正から送られる。
浅葱に染め抜かれた小袖はなるほど地味な印象で、そこに手甲脚絆をはめ込んで手ぬぐいなど被ると、チカマルなどはその目鼻立ちの中性さも手伝っては婦女子の如き外見となった。
同じくにカルボウとカゲチヨも同様の装備に身を包むと、さながら一同は町娘の集まりといった仕上がりとなる。
そうして町の案内は定期的にそこへ下りているカゲチヨが先導することとなり、晴れて翌日には──三人は町中へと紛れることとなった。
規模としては行商人が集まる中規模程度のものであったが、これほどに多種多様な人間が一か所に集められた場所など初めてのチカマルには、まるで別世界へと迷い込んだかのような心地がした。
先に述べた商人達を始め、元より此処で生活を営んでいるだろう町人や、更に複数の家々の武士達などが入り混じるこの町は、まさに人種の坩堝だ。
今回の下山にあたり僧正からいくらかのこづかいもまた貰い受けていたチカマル達は、それにて食事や菓子の食べ歩きなどをして町を満喫をしていたが……如何せん世間知らず武家の子供であることに加え、金銭感覚においても無頓着であるチカマル達はあっという間に手持ちを使い果たしてしまった。
まだまだ町の出店には興味が尽かないというのにただ指をくわえて眺めるばかりの現状となった時、カゲチヨが思わぬ『小遣い稼ぎ』を提案する。
とはいえチカマル達には肉体労働に従事する体力も無ければ、着ている服以外には売るものすらも持ち合わせてはいない。いったい彼が何を企んでいるのか見守っていると、カゲチヨは2人を裏路地へと誘い込んだ。
3人がいま往く小道は、行商人や武人達が各々の詰所や問屋から表通りへと出る為に通行する裏道であり、建物の影となるそこは昼ですらなお薄暗い雰囲気を醸していた。
そんな路傍には既に数名の男女が蹲ったり、あるいは所在なげに立ち尽くしては道行く武士や行商人達へ何やら声掛けをしている。
その一角にカゲチヨ達もまた陣取ると、チカマルを中心に横一列に並んでは大道芸人さながらに三人は通りに対して面向かった。
建物の壁を背にし、前方には代金を入れる為であろう茶碗だけが一つ置かれた状態を前に、何の芸事もこなせない自分はどう振る舞ったらよいものか思案にくれたその時──チカマルは思いもよらぬ展開に到っては度肝を抜かれることとなる。
しばし立ち尽くしていると、ふと通りかかった町人然とした男がカゲチヨへと声を掛けた。
なにやら二言三言交わしながら交渉をしているようだが、やがて銭を一枚茶碗へと放ると腰紐を解いて立ち小便さながらにペニスを晒した。
それを前にカゲチヨも慌てる様子もなく上背を屈め……そのまま一切の躊躇もなく、男のペニスを咥え込んでしまうのだった。
以降は激しく頭を前後させてはそれを口取りする様子にようやくチカマル達は自分が何を売るのかを理解する。
それこそはこの体を──性的なサービスを提供してその対価を得ようとする商売に他ならなかった。
そして気付けば自分の目の前にも何者かの影が差す。
それに気付き恐る恐るにそこへ視線を転ずれば──……
目の前には巨躯のスリープが一体、鼻息も荒くチカマルを見下ろす下瞼を邪な期待に上ずらせていた。