※ 注意!
この章には百合・レズビアン・クレイジーサイコレズ等、女性同士による同性愛の表現が多く含まれます。
第1話・哂うケモノ
どのトレーナーの元にも、『問題児』と呼ばれるポケモンが一匹はいるものだろう。
私の手元においては、まさにゾロアークがそれと言えた。
彼女は私のパートナーとも言うべきチーム最古参のポケモンだ。
遡れば、それこそ進化前であったゾロアの頃からの付き合いで、その頃は何とも私に懐いてくれていたから私も猫かわいがりに可愛がったものだった。
種族は違えども同性であったことからも私達の付き合いは密で、就寝はもとよりお風呂だって共にした仲だった。
……それなのに、ゾロアークに進化した頃から彼女は変わってしまった。
プロポーション良く立派な胸元の毛並みと豊かな髪、目元と口元の隈取もアイシャドウや口紅を思わせるように艶やかで、彼女はポケモンでなくともその立ち居に皆が見惚れてしまうほどに綺麗だった。
比べてそのトレーナーである私はと言えば、対照的にチビで眼鏡の寸胴で、周囲が彼女を綺麗だと囃し立てるたびに、私は比較の対象とされては惨めな思いをしたものだった。
そしてそれと時を同じくして……ゾロアークによる私への嫌がらせが始まったのだ。
シンプルかつ最も堪えられないものとしては、単純に彼女が私の命令を聞かないことだ。
ゾロアークはモンスターボールに入ることを頑なに拒否し、無理矢理に収めてもいつの間にやら出てきてしまう。
そうして脱出してくると、わざわざ私を探し出してはいつまでも隣に着けてはニヤニヤと私を見下した。
バトルにおいてもトレーナーの私などは置いてけぼりにゾロアークはチームの指揮を取った。
というか常に彼女は先鋒を望み、そして登場すると決して負けなかった。
彼女一人ですべて勝ち抜いては、私が他のポケモンに指示を与える機会を与えてもくれない……。
さらには日常生活にまでその干渉は及び、食事においてもゾロアークはすぐに私の邪魔をした。
食事中、飲み物や調味料を取りに少しの間でも席を立つと、ゾロアークはそんな私の食べかけの食事をすべて平らげてしまう。
飲み物に至っては、何度カバンを漁られては呑みかけのペットボトルを奪われたか知れない。
就寝においても、ゾロアークは横になる私をいつまでも、そして穴が開くほどに観察する。
目を閉じていても分かるその視線と気配に耐えかねてうっすらと目を開けると……想像通りにこちらを見ていたゾロアークと目が合い、彼女はニヤリと笑ってはこんな私を嘲るのであった。
正直もう……限界が近かった。
先日などは用を足している最中のトイレにまで侵入してきては私を驚かせた。
自宅であったこととそしてオシッコ程度の用であったから鍵など掛けずに済ませていたが、その隙をつかれてドアを開け放たれたのだ。
その時も、わざわざ鼻を引くつかせては私の匂いを嗅ぎ取って舌なめずりをしたゾロアークの嘲笑が今も脳裏に焼き付いている。
それでも彼女を捨てるわけにもいかず共に暮らしてはいるのだが、ついにそんな私の忍耐を越える出来事が起きた。
ある時、伝手を頼りにエースバーンを貸してもらえることになった。
名目はバトルの練習相手として借り受けたポケモンだったが、かねてよりエースバーンのファンだった私はバトルなどそっちのけで彼にぞっこんになった。
借りている間中は常に隣に置いて世話をしたり、おしゃべりなどして過ごした……夢のような時間だった。
しかしながらそんな私の大切な物を台無しにしたのも──やはりゾロアークだった。
ある夜、エースバーンの姿が見当たらずに私は彼を探した。
そうして家中を探しても見つけられなかった私は、ふとリビングに併設されているクローゼットの中から何やら気配がするのを感じてはそこに近寄る。
両開きの扉に耳を澄ませれば、その向こうには確かに誰かが居るのが分かった。分かったがしかし……その様子はポケモンとは思えない気配だった。
クローゼットの中は衣装部屋としての役割もあることから、人間の大人であっても2~3人が収容できる広さの造りとなっている。そこから漏れ聞こえてくるもの荒い吐息と、粘着質に空気を含んでは鳴らされる下品な水音……その中にいったい誰が居て、そして何をしているというのだろう?
そんなクローゼットの扉は通気の目的から木製のガラリが組み込まれた造作になっているわけだが、私はその隙間に眼をこらし狭い視界ながらも中の様子が窺った。
そしてその中において繰り広げられている光景を目の当たりにして──私は言葉を失う。
まず最初に眼についたのはエースバーンの姿であった。
背筋を伸ばし、前方に体を反らせては息苦しそうに天を仰いでいる。
一体なぜにそんな表情をしてものなのだろうか? 狭い視界からではそんなエースバーンしか望むことが出来ない。
そうして視点をさらに下げてその足元へと降ろした瞬間──私の目には衝撃的な光景が飛び込んできた。
そこにあったものは──エースバーンの足元に屈みこんだゾロアークの姿。
しかもそこにて彼女が何をしていたかといえば、こともあろうかゾロアークはエースバーンのペニスをしゃぶっていた。
かかと同士を付け、つま先立ちでしゃがむその姿勢は、正面から覗き込む私に対して股間を晒すように体を開いた体位だった。
そしてこともあろうか……そんな彼女と私の視線は合ってしまう。
その気まずさ──というかもはや衝撃から硬直しては身動きのとれない私を確認し、依然としてペニスの口取りを続けるゾロアークの貌には、またあの笑みが浮かんだ。
私が夢中になっている物を取り上げる時の、あの哂い顔だ。
そんな私の視線に気付いてもなお、ゾロアークは行為をやめるどころがむしろ吸い付かせる行為をさらに激化させる。
頬を窄めて鼻の舌を伸ばすその表情には、元の端整な美しさなど微塵もない浅ましさに満ちていた。
それでも視線は私に留めたまま、やがてはゾロアークもまた己の股間をまさぐり出しては、膣の陰唇をかき混ぜる動きを展開させる。
そうして見守り続けていると、やがてはエースバーンが射精をした。
短く呻きを漏らしてゾロアークの頭を抱えるとより一層に腰を突き出しては快感に打ち震える。
窄められていたゾロアークの頬が見る間に膨張してくるに、よほどの量が彼女の口中に吐き出されているだろうことは傍から見ても明らかだった。
それでもなお、ゾロアークは私から視線を外さなかった。
暫ししてその目元がさらに浅ましく上ずったかと思うと、ゾロアークもまた激しく失禁しては果てる。
その飛沫はガラリの隙間から噴き出しては私の顔もまた汚したが……それでも私はそこから眼を離すことが出来なかった。
やがてはエースバーンのペニスを解放すると、膨らんでいた頬が急激に窄まった。同時に喉仏が大きく上下するその様子に、私もゾロアークが口中の精液を全て飲み下したことを悟る。
事が終わり満足げに舌なめずりをしながら、なおもゾロアークは私を見て哂っていた。
この貌なのだ……
この貌でいつもゾロアークは、私の大切なものを奪って行くのだった。