インテレオンを紹介されたその日のうちにケットは彼女との生活を始めた。
とはいえしかしケットのしたことはと言えばただ彼女の隣に寄り添うことだけであり、そこには周囲が期待するようなカリスマ・パーソナルトレーナーとしての仕事などは微塵も見られなかった。
日永インテレオンと肩を並べては過去のライブ映像を共に眺め続けるだけ日々ではあるがしかし……その中において、僅かずつではあるがインテレオンはその節々においてケットを顧みるようになった。
同時にケットはインテレオンの身の回りの世話も焼きだす。
具体的には食事を用意して共にそれを喫食し、彼女が寝具としているソファのカバーを定期的に交換しては洗濯するなどそうした行為だ。
謂わば彼女の保護者のように振舞うケットに対し、次第にインテレオンもまた彼の行動に対して反応を示すようになる。
最初の頃は人形然としてケットの世話焼きに対して無反応であったインテレオンも、二人で観る映像についてケットが訊ねればそれに対して頷いたり、あるいはダンスにおける自分の立ち回りを指差しては説明をしてと、言葉が通じぬ間柄にも拘らずインテレオンとケットは確実に二人の間において独自のコミュニケーションを交わすようになった。
そして斯様にケットを加えた生活の変化は徐々にインテレオンにも変化を……否、彼女を本来の性格へと戻しつつあった。
事実インテレオンはケットとのささやかな交流を愉しむようになった。
今までは何をするにも一人であり、それこそは時の止まった牢獄の中で過ごすかのような感覚が彼女には付き纏っていた。
同じ部屋の中で繰り返す生活にはどこまでも変化が無く、いつ果てるともつかないその中で、インテレオンは常に息苦しさのようなものを感じながら生活をしてきたのだ。
しかしながらそこにケット一人が生じただけでその生活は一変する。
十年一日の如きであったこの空間の生活に不思議なリズムが生じるのをインテレオンは感じた。そしてそれは何とも彼女の壊れた心を癒してやまなかった。
いつしか彼との生活が自身の基本として入れ替わり始めた時、もはやインテレオンはケット抜きの暮らしなど考えられなくなっていた。
食事も然ることながら、ただいっしょに見飽きた映像を日永眺めて過ごすだけでも彼女はそこにささやかな幸福を感じ取ることが出来た。
しかし何よりもインテレオンを刺激した行為こそは──ケットの手による二日おきの洗体にこそあった。
「さぁ、体を拭くよ。こっちで横になって」
ケットに促されるまま、インテレオンはソファからすぐ目の前で床に広げられたビニールシートの上へと身を転がしては移動する。
そうしてうつ伏せとなり、重ねた両腕を枕にして横顔を付けると、後はその身をケットに委ねた。
彼の洗体はまず、薬剤を染み込ませたタオルで背中全体を擦ることから始まる。
人とは言えオスの力強い手によって肉体を擦られるとその手の動きに脂肪が移動させられ、さらにはその下にある僅かな筋肉や筋もまた圧迫されては何とも心地良い刺激をインテレオンに覚えさせた。
被せられるケットの両掌は左右に広げられては大きく背中の脂肪をワシ掴んでその隅々をマッサージしていく。
特に脇の下にタオルを這わせ、折り重なった皮膚の溝へ指先を這わせてはその隅々を綺麗にしてくる動きには、こそばゆさと恥ずかしさを覚えると同時に強く刺激を促されたりもした。
汚れている恥部を彼の前に晒し、そしてそこへ触れられる時──インテレオンは得も言えぬ鼓動の高鳴りを胸へ覚えると同時、場違いにも心躍るような気持ちにもまたさせられるのだった。
そうしてマッサージ然として上半身を清拭したケットの手は、徐々に下半身へと移っていく。
そんな手の動きにインテレオンの興奮もまた密かに昂っていく。
同時に彼が作業をしやすいにように……あるいはそこを触れてもらいたいとねだるかのように、インテレオンは依然うつぶせたまま大きく両足を広げた。
従来にはない大量の脂肪が乗っているせいで、インテレオンの臀部や股間のスリットはそこへ深い溝を作り出すに至っている。
そんな肉付きの良い尻の両房を、ケットは左右の掌それぞれの中に収めるとワシ掴み、円を描くように捏ねてはマッサージした。
そこに覚える肉の流動感と、さらには膣や肛門へと間接的に伝わってくる振動や皮膚を引張される刺激にインテレオンもまた呼吸の弾んだ吐息を盛らす。
そうして存分に解された股間部へと──突如として灼熱の感覚が生じた。
その刺激に遂にインテレオンも身を仰け反らせると甲高い悲鳴を上げた。それこそは熱湯につけて絞られた蒸しタオルを、局部へと宛がわれた刺激に他ならない。
膣と肛門という粘膜へと高温の蒸しタオルが当てられる灼熱感に対する悲鳴ではある訳だがしかし、それはけっして苦しみに由来するものではない。
それこそは快感であった──久しく忘れていた肉体的な刺激はインテレオンの委縮していた様々な感性を呼び覚ますかのようである。
しばしそうして押し付けられる熱の感触を堪能していると、ケットの手は次なる動きを見せる。
蒸しタオル越しに中指が押し付けられて突き穿ってくるや、その指先はインテレオンの膣一点へと押し当てられた。
その後も指先は縦横無尽に動いては膣全体を拭い、陰唇の溝を丁寧に清拭していく。
尿道へ押し付けられた指先は臀部のスリットを背中へと向かって移動しながら膣口を拭い、肛門の上においては直腸へと侵入するかのよう執拗にそこへと押し付けられる。
そうして完全に拭き上げて臀部のスリットから脱すると──ケットはタオル地を褐色に汚したその様子に小さく鼻を鳴らしては微笑む。
そうして布地を折り直し、清潔な部分を露とすると再びそれをインテレオンの局部へと当て──その繰り返しに再び彼女もまた声を上げるを繰り返した。
やがては数度のそれを経てタオルに一切の汚れが付いてこなくなるまで清拭がされる頃には……インテレオンは重ねた両腕の上に顔を突っ伏しては完全に脱力し、絶頂に近い快感の余韻に身を痙攣させるばかりであった。
その直後……
「──わぁ、ひどいなインテレオン。せっかく拭いたのに」
ケットはその目下に、すっかり脱力したインテレオンが鋭い収束音を響かせては失禁を果たす様を捉えた。
それを見守るケットもまた言葉とは裏腹にどこか楽しそうに彼女を窘めながら、手にしていたタオルを熱湯で綺麗に濯ぐ。
そうして再び作り出した蒸しタオルと手にするや先の清拭の繰り返しとばかりに、再度それを汚れた膣内へと押し当てた。
その感触に再び反応しては身を仰け反らせて声を上げるインテレオンと、そしてただひたすらに彼女が満足をするまで洗体のマッサージを繰り返すケット……
密かな二人の蜜月は、いつ終わるともなく繰り返されるのだった。