ようやく自分でオナニーが出来るようになってマスカーニャは僕の手を離れた。
僕の介助が必要だった最初の数回は、二人ともコイツの精液でドロドロになることも多々あったから、そのことを思い出すと何とも感慨深くなる。
しかしながらそうなってくると、新たな問題もまた持ち上がる……それこそは、マスカーニャの『オカズ問題』だ。
僕たち人間はエッチな本やビデオといったアイテムが存在するが、ポケモンにはそういったものがあるのかどうか分からなかった。
試しに僕が隠し持っていたビデオやそういった媒体の物をいくつか見せてみたが、やはりというかマスカーニャは、男優の体に興味を示すばかりで一向に性的鑑賞としての価値を見出すことは無かった。
何か無いものかと悩んだ挙句、いたずらに『ポケモン オナニー AV』なんて検索してみると……なんとヒットした!
しかもそのジャンルには実に多種多様な種類のポケモンが用意されていたのだ。
その中に『マスカーニャ』もまた発見した僕はこれが解決になればと思いさっそく購入する。……が、しかし。
後日確認するに、その中身のあまりのクソさに僕達は愕然とするのであった。
始まって最初の数分はリアルな♀マスカーニャがビデオの中で天真爛漫に踊ったり、はたまたバトルする姿が描かれていた。
こうした女優……もとい『モデル』に選ばれるくらいだから、そのマスカーニャもなかなかに綺麗な個体に感じられた。
そうしてビデオ中盤において、ようやく♀マスカーニャのエッチなシーンが展開されるかと思いきや──突如としてそのモデルは無味乾燥な『人形』へと置き換えられた。
何かの比喩や例えなんかじゃない。
文字通りの人形、人間が着込んで動く等身大の『着ぐるみ』に挿げ替えられたのである。
あとはその着ぐるみ達が交尾の真似事を延々と繰り返し、半ば唐突に『END』が画面に表示されて終わるというのがそのビデオの内容だった。
あっけにとられるマスカーニャと怒り心頭の僕。4000円もしたんだぞコレ!
苦情のひとつも入れてやろうと制作会社について調べ始めた僕だったが、直後に意外な事実もまた知ることとなる。
というのもこのポケモンAVというもの自体、表に流通する正規品は皆一様に『ぬいぐるみによる代替交尾』がセオリーであるらしかった。
本物にそれを強いてしまうと、それは『虐待』として法に触れるとのことだ。
ポケモンといえども一個の人格を持った『個人』であり、そんな『人権』を認めているからこその対応であるらしい。
でもそれを言ったらこんなビデオを製作販売する時点でもう、その理念や法とやらは破綻しているのではないだろうか?
ともあれ少しお高い勉強代であったと諦めるしかない。
そうして問題は振出しに戻る──うちのマスカーニャのオカズをどうしてやるかだ。
この問題は中々に切実で、何かの拍子に勃起したはいいものの、結局は抜くこと能わずに失敗というシーンがうちのマスカーニャには幾度もあったからだ。
その時には強い欲求不満と疲労とが蓄積されるようで、そうなると半日は寝たまま動けない。
性欲をある程度コントロールできる僕たち人間と違い、動物に近いポケモンの性的衝動はそれの発散が叶わなかった時に想像を絶するストレスとなって心身へと負荷をかけるようだ。
事実オナニーの失敗が続くマスカーニャなどは、明らかに毛艶がくすみ、バトルにおいても集中力の低下などの精細を欠くといった有り様である。
どうにか出来ないだろうかと僕なりに考える。
そうしてマスカーニャの好きな物を考えるうちに、僕は『ある物』の存在に気付くのだった。
はたして『コレ』はオカズとして成立する物であろうか?
本来はそうした用途には使われないはずのアイテムではあるが、この際試せるものは何でも試してみようと僕はそれの使用に踏み切った。
数日後、再度マスカーニャがオナニーに挑戦するのを見止め、僕もまたそのアイテムを渡す。
「……使い終わったら洗濯機の中に入れておけよ」
渡している物の特異性は自分でも理解していたから、僕自身も後ろめたさというか得も言えぬ恥ずかしさがある。
そんな僕からマスカーニャに渡した物とは──今しがたまで僕が履いていた下着(ブリーフ)を丸めたものであった。
以前に僕の衣類を盗んでいたことを思い出しての試みではあったが……──その効果はバツグンだった。
手渡され、それが僕のパンツであることを確認するやマスカーニャは激しくそこに鼻先を埋めた。
くぐもったうなり声をあげては、まるで貪るように性器の当たる前面ポケットやクロッチといった匂いの強そうな箇所へと鼻先を押し付ける。……というか事実、口に含んでは唾液を介して味わったりもしていた。
そうして見守ること1分もしないうちに、マスカーニャは最初の射精を果たす。
夢中になるあまりティッシュの準備すらしていなかったそれは、派手に吹き上がっては再び傍らの僕や寝室へ飛散する。
「っぷわ! 落ちつけマスカーニャ! ちゃんとティッシュ使え!」
言いながら傍らから僕がティッシュを差し出すも、すっかり、夢中のマスカーニャは既に二回戦目へと突入している。
結局は再びコイツのオナニーを介助してやることとなり……この日は抜かず4発とばかり、立て続けに4回の射精を経てフィニッシュとなった。
すっかりマスカーニャの精液まみれとなった寝室を見渡しては僕も途方に暮れる。……これからこの部屋の掃除を始めるのか。
そうして再び視線をベッドのマスカーニャへと戻せば、そこには一切のストレスから解放されたコイツが毛並みの色艶も良く、気持ち良さそうに眠りについている姿が目に入った。
「なに、寝てんだ! お前も掃除するんだよ!」
その妙にすっきりした様子が腹立たしくなって、僕はマスカーニャの尻を思いっきり引っ叩いてやる。
そうして深夜まで掃除に明け暮れながら、二度とコイツに僕のパンツは触れさせないと心に誓うのであった。