耳嫁が嫁いでから4年──王子は10歳となり、フォッコはテールナーへと進化した。
二人の友情はなおも変わらずで、何処にいても何をしている時も一緒という生活にも変わりはない。
しかしながら、この時期より王宮内部はにわかに騒がしくなる。
テールナーの送り出し先である王室とはまた別の他家より婚約の申し出があったことから、テールナーの王家はその身を引くのではないかと囁かれ始めた。
もっともそんな水面下での政治闘争など知ろうはずもない王子とテールナーは、なおも青春を謳歌していた。
ある時、午前の習い事を終えたテールナーに王子は引き止められる。
耳嫁・耳婿たるポケモンは嫁ぎ先である王族の習わしを学ぶため、『乳母』と呼ばれる専属のトレーナーから実にいろいろなことを教わる。
王子もまた、自分の知る家の礼儀や作法をテールナーに教えては彼女の予習と復習の手伝いをしてやることが日課となっていた。
だから今日もそのことで呼び止められたのだろうと王子も思っていた訳だが──この日のテールナーはどこか違った。
王子の手を引きながらも笑顔が抑えられないといった様子から何かイタズラを画策しているだろうことが予想された。
幼少の砌からテールナーと行動を共にしてきた王子にはそんな彼女の企みが知れると同時に、王子自身もまた期待せずにはいられない。
今日はいったい何を思い付いたのだろうか?
手を引かれるままに連れていかれた先はテールナーの寝室であった。
室内は足の踏み場もないくらいにクッションや枕、そしてぬいぐるみや布団の類が敷き詰められている。
これはフォッコ時代には四つ脚だったことも考慮して作られた彼女仕様の特別な一室である。
そしてそんなテールナーの部屋を、
「わぁー♪ ふかふかー」
王子もまた好きだった。
どこに寝転んでもクッションが優しく体を受け止めてくれることと、そして何よりもそれらクッションの類には何処もテールナーの匂いが満ちていて、この部屋で彼女と共に過ごすことは、幼い王子の心安らぐ一時でもあった。
そして今日も例に漏れずそんな布団の上に飛び込んでは存分に泳ぎ、転げまわっては体を丸くなどしていると、後から入室してきたテールナーも王子へと追いついた。
そうして布団の上で改めて向き直り、今日の用向きを尋ねる王子に対し──テールナーは鼻先を寄せては軽くキスをした。
テールナーとのキスなどは挨拶の一環として幾度もしていることではあった。
しかし今回のそれは違った。
ただ唇を一瞬だけ触れ合わせるいつものそれとは違い、今日のテールナーから施されるものは唇に噛みついては口中に吸い込んでしまうという、捕食されるがごとくに濃厚なものだった。
それでも嫌悪や恐怖が湧かないのが王子自身も不思議でしょうがない。
それどころか、もっとそれを求めたくては王子からもテールナーの口先を吸いだしては同じよう唇でついばんでしまう。
そんなキスを続けていると、やがてはテールナーの舌が口中へと侵入した。
唾液同士の潤滑と、そしてそこの表面をなぞる僅かにざらついた感触はさらに王子を忘我の域へと連れ去った。
舌同士が絡み合う感触に加え、そこへテールナーの体温とそして唾液の味とが加わると、いよいよ以て王子は眩暈に似た感覚に見舞われては呼吸を乱れさせるのだった。
そうしてついには座ってすら居られなくなって仰向けに倒れ込むと、そんな王子に覆い被さるようにテールナーは身を重ねた。
体全体で感じられる彼女の毛並みの手触りと体温とが心地いい……テールナーの体などいつも触っているし、ハグによる挨拶だって毎日のように交わしているというのに、どういう訳かいま彼女から施されるそれは、そのどれもが心地良くて王子の幼い意識を朦朧とさせた。
そうして存分にキスをすると、テールナーは一旦体を起こしてはそんな王子を満足げに見下ろす。
この日──テールナーは乳母から性に関する講習を受けていた。
それはキスやペッティングによって殿方を喜ばさせるという、房事にまつわる授業であった。
耳嫁や耳婿にとっては、幼い婚約者への性の手解きや慰めもまた大切な勤めであった。
外世界では、ことポケモンとのこうした行為についてはタブーや嫌悪が付きまとうものでもあるが、ここ西領に関しては──斯様なポケモンとの閨房もまた、永らく続けられてきたしきたりの一部であるのだった。
そしてその手ほどきを受けたテールナーは、真っ先にそれを王子へと施したくては彼を探していたという訳であった。
話は戻り、ベッド上で未だ脱力から抜けきれぬ王子をうつ伏せにひっくり返すと、そこからテールナーは王子の履き物を下着もろともに引き剥がした。
さらにその下から露になった王子の色艶のいい臀部を目の当たりにし、テールナーは期待と興奮あまりについ──
「きゃんっ!? なぁにー?」
そこを平手で叩いてしまう。
……いかに性の手ほどきを受けたとはいえ、子供とあってはムードもデリカシーもあったものではない。
さらに王子へ尻を上げるように要求すると──両膝をついては天に向かって突き上げられる王子の臀部を目の当たりに、テールナーも大きく鼻を鳴らす。
そして荒々しく王子の尻を両手でワシ掴んではそこを押し広げると……その中央で鎮座する彼のアナルへとテールナーは舌を這わせた。
「んきゃあッ!?」
そんな箇所への今までに体験したこともない感触に王子も声を上げた。
テールナーの唾液が染み込んでくる感触が潤滑を伴っては、染み入るような暖かさとして肛門の奥底に感じられる。
始まりこそは力を込めて身を固くしていた王子ではあったが、徐々にその感覚に慣れてくると緊張もほぐれ、自然と肛門はその淵を広げてはテールナーの舌先を受け入れ始めた。
「んわわ……んわわわ、なにこれぇ? ヌルヌルしてるぅ……ッ」
そんな王子の肉体の変化を受けてテールナーの責めもさらに激しさを増す。
もはや完全に臀部のクレバスへとマズルを埋め込み、限界まで伸ばした舌全体を直腸の中に収めては縦横無尽にそこを舐りつくすのであった。
そんな中でやがては王子にも新たな感覚の波が生まれる。
「……んう? あ……テールナー、オシッコしたい……」
一切の前兆も無しに突如生じた尿意に王子も戸惑った声を上げる。
しかしテールナーは愛撫による奉仕を止めようとはしない。
王子の声に反応して耳が動いたことからも、その要望も聞こえてはいるはずであろうが、むしろテールナーの舌先はなおさらにその力強さを増した。
「あ、ああ……ダメェ……テールナーのお部屋で、オシッコ出ちゃうよぉぉ……」
そんな無慈悲な責めに晒されては、幼い王子の忍耐にも限界が訪れようとしていた。
そしてついには失禁のタブーから一際高く声を上げた瞬間、王子は失禁を──
「え? なにこれ? 変なのチンチンから出てるぅ……ッ!」
否、人生で初となる『射精』を果たした。
彼の体を支えるべくに腹部へ添えていた手の平に熱い粘液の感触を感じ、テールナーは顔を埋めていた尻から鼻先を抜き取り、改めて精液が漏れだし続けているペニスへと注視する。
幼く勃起した王子のペニスの下に、左右の小指同士を擦り合わせた両掌の杯を作り、その上に溢れ出てくる初精を全て受け止める。
そうして両手の上になみなみと満たされたその精液に鼻先を寄せ、数度匂いを嗅いだ後──テールナーは一思いにそれを煽り、王子の精液を全て口の中に含んでしまうのだった。
そうしてうがいをするかのよう口中でそれを転がしては味わいを吟味する。
男性の射精についても今日の授業においてレクチャーがあった。
その中で王子から出された精液は飲んでしまう様に教えられていたテールナーはその教えの通りに──王子の精液を飲み下してみるのだった。
精飲への嫌悪や味の不快感は一切感じなかった。
それどころか王子の遺伝子そのものでもある精液は、その味や香りのどれをとっても、テールナーが今日までに飲み食いをしたどんな食物よりも美味に感じられた。
王子の体から提供されるものは今の精液を始め、尿もそして肛門の穢れにおいてもそのどれもがテールナーには愛しいものであるのだ。
そしてそんな望外の御馳走を堪能するテールナーの傍らですっかり初めての射精に疲弊してしまっては目を回している王子にも気付く。
改めて仰向けに直しては正面から抱きしめると、その頭を掻い繰ってはテールナーも深く強く彼を抱きしめた。
そうしてつむじの匂いを嗅いだり、はたまたその額へ強く唇を押し付けては愛撫したりと後戯に興じながら、いつまでもテールナーを腕の中に王子を抱きしめ続けるのだった。
この時、王子は10歳──今より8年前の、夏の日の出来事であった。