厳冬の最中とはいえ、畜舎内はひしめき合う家畜の体温と発酵した堆肥の発熱とで噎せ返るような湿気と高温を保っていた。
その中の一角にある干し藁の上で王子とマフォクシーの遊びはなおも続く……。
壁面に上半身を縋らせると、マフォクシーは尻尾を跳ね上げては露とした局部を王子の前に突き出す。
出会ってから今日にいたるまでの10年以上──弄びに遊び尽くした彼女のアナルは、もはや常人のそれとは明らかにその姿形が変質してしまっていた。
輪郭も露わに、大きく盛り上がって充血した肛門の淵は縦に裂肛が走り、もはや『穴』などではない『割れ目』の様相をそこに呈している。
そこへ息を詰めては腹腔に力を込めると──肛門はいともたやすく左右に展開し、たちどころに直腸の内壁を放出させては、そこに肉の花弁を咲かせた。
冬場の外気に晒されて真っ赤に充血したそこからもうもうと湯気が上がるその様は、それを見守る王子に食欲すら催させる光景ですらある。
そんな腸液にぬらついては鈍く室光を返して煌めく肉蕾(にくらい)に、今までしてきたことと同じように、ペニスを挿入しようとしたその時──振り向きざまに伸ばされたマフォクシーの手が王子の右手首を取った。
突然のそれは静止を訴える行動ではあったが、すぐにそれが行為の中止を求めているものではないことにも王子は気付く。
マフォクシーは斯様にして取った王子の右手を別な場所へと誘導していった。
そしてその先は──どこでもない、先の脱肛された直腸の肉蕾の上へと王子の右こぶしは宛がわれていた。
「こ、このまま……入れちゃっても、いいの?」
今はまだ触れているだけの拳骨にマフォクシーの熱と、そして腸液の滑りを感じながら王子は訊ねる。
テールナー時代から、そこへペニスは元より指や木の枝などを挿入したことはあっても、拳や腕そのものを入れてみようなどは一度としてなかった。
しかしながら今、マフォクシーはそれすらをも王子に許そうとしている。
僅かに振り向かせたマフォクシーの横顔もまた、未知の興奮から上気しては半閉じの瞼を腫れぼったくさせている。
そんなマフォクシーを目の当たりに固唾を飲み込むと……王子はいよいよ以て右腕の侵入を始めた。
改めて握り直した拳は、それでもそのままでは挿入が叶わずねじ込むかのように幾度となく手の甲を反転させてはマフォクシーのアナルに馴染ませていく。
やがては徐々に拳骨の先が飲み込まれ始め、そして挿入に際しては一息に拳が収まってしまうと──その瞬間、マフォクシーは喉を反らせて頭を振りあげては、家畜の牛よろしくの野太い声を上げた。
その後も口先を細めた形のまま、侵入を続ける王子の右腕の動きに連動しては、咳き込むように太い声を吐き出し続ける。
やがて、
「うわぁ、熱い……それに、ちぎられそう……!」
ついに王子の腕は、その肘の手前までを完全にマフォクシーの直腸内へと収めてしまうのだった。
その頃には、マフォクシーはその額を壁面に擦り付けては、ただ類人猿のように短く吠え続けては身悶えた。
今マフォクシーの中を駆けまわる感覚は、苦しみも然ることながらそれに起因する強い悦びこそが脳と体とを占める全てであった。
今までにない深さとそして規模を以て侵入している王子との一体感は、これまでに体験したどんな性的接触よりもマフォクシーに充実感を覚えさせた。
それゆえに王子の腕から与えられる痛みと苦しみは、その度合いが大きいほどに喜びを実感させては、幾度となくマフォクシーに絶頂を繰り返させるのであった。
そんな中──しかし王子は更なる一線を越えようと画策していた。
依然として右腕をマフォクシーの中に収めたまま背後に立つと、左手に携えたペニスの先端を彼女の膣口にも宛がっていた。
そんな膣への感触に驚いては首を振り返らせるマフォクシーへと……
「今日は……こっちもやるよ」
王子もまた真剣そのものの眼差しをマフォクシーに向けてはそう告げる。
今日にいたるまで二人は本来の生殖行為……セックスを体験したことは無かった。
二人の遊びとは、その言葉の通りに肛門や直腸の器官を使った疑似的なものでしかなかったのだ。
肛門期真っただ中であった幼少時には気にも留めなかったそれも、思春期を迎え、互いの『ポケモンと人間』という種の違いを意識し始めてからは、本能的に本来のセックスを忌避する気持ちが双方に芽生えていた。
それでもいつかは本当に結ばれたいと思い続けてきた想いの果てに今日──王子はその決意をマフォクシーへと伝えたのであった。
それを目の当たりにし……もはやマフォクシーにもそれを拒む理由などは無かった。
否、むしろいつか来る今日の日をどれほど待ち望んだか知れない。
紛う方なき『子作り』の行為を王子と果せるその瞬間を前に、切なげな声をマフォクシーは喉の奥から鳴らした。
そしてそれを受け止めた次の瞬間──王子は一切の躊躇いもなく挿入をしては、求めてやまなかったマフォクシーの処女を一思いに奪ってしまうのだった。
その結合にマフォクシーは喉を反らせては甲高く吠え、そして絶頂する。
先ほどまでの直腸へと手首をねじ込まれていた時とは正反対の澄んだ声だった。
「あぁ……お尻とは全然違う……気持ちいいよ、マフォクシー……!」
一方で王子もまた射精こそは踏み止まったものの、今まで遊び続けた直腸の感触とは明らかに違うそれに、身を震わせてはか細く息を吐き出した。
そこから──王子のピストンが始まる。
最初は動きも緩慢で、浅いそれを繰り返した王子の腰も、未知の感覚に慣れて更なる快感もまた求めだすと、王子のピストンは徐々に力強くそして素早いものへと変わっていった。
そうしてマフォクシーの膣を突きえぐる傍らで王子は直腸内に埋めていた手首の抜き差しもまた敢行する。
膣壁と腸壁とが交互に擦れ、時にはその最深部にて亀頭と拳骨とかその先端を鉢合わせる感触に、もはやマフォクシーは半狂乱に頭を振り乱しては身悶えた。
さらに王子の責めはエスカレートの一途を辿り、ついには直腸内で握られていた拳が解かれ、その腸壁ごしに膣のペニスを握りしめた瞬間──その激しすぎる感覚に限界を迎えた肉体は激しく放尿や、はたまた肛門の淵から腸液を漏らし散らせてと、如実に肉体の限界を表へと現せた。
その全てを受け止めるマフォクシーは、壁面に額を擦り付けたままこれ以上になく瞼と口角を開いては、嵐のような衝動に耐える。
その身を晒しているものは痛みと苦しみ……そしてそれらを上回る快感と、王子に尽くす悦び──それらがない交ぜになった肉体は、その全身の穴という穴から蓄え得る限りの全ての体液を放出させては、マフォクシーの心身に満ちた悦びを全身で表すのであった。
そんな嵐のようなセックスの中で、ついに王子が限界を迎える。
絶頂を控えてもはや我を失った王子は一層に膣内のペニスと、そして直腸を突きえぐる右腕のピストンを深めて行く。
そしてペニスは子宮口を、右腕が直腸の終点であるS字結腸の間口とを同時突きえぐった瞬間──二人は同時に絶頂を果たした。
膣の奥底に溢れる精液の奔流に、マフォクシーは確かな命の鼓動を感じる。
本来の生殖を果たせたことへ喜ぶマフォクシーと王子の肉体は、片や存分に射精を果たし、はたまた子宮口は幾度となく蠕動を繰り返して注がれる精液を余さずにその肉体の中へと飲み込んでいくのだった。
やがて王子のペニスが硬度を失ったことで抜け落ち、同時に直腸へと収められていた右腕もまた、互いの体が離れるのに任せて引き抜かれた。
瞬間──今までの栓が喪失したマフォクシーの直腸からは、大量の宿便が排泄される。
もはや括約筋が疲弊しきって閉じることも叶わなくなった肛門と直腸にそれらを押しとどめることは叶わず、さながら豪雨の雨どいから水があふれるが如く勢いでマフォクシーの腹腔からは液状固形を問わぬ大量の便が排泄された。
その中において、もはや生涯においても最高となるその解放感に忘我してはマフォクシーも意識を失う。
そして闇に意識が落ちるその瞬間──王子の両腕が自分を抱き留めてくれたことにも気づき、マフォクシーは幸福の内に深い眠りへと落ちるのであった。
その後は丸一昼夜に渡り二人は遊び続け……やがてはどちらからでもなく気絶するように眠った。
それからどれくらい経った頃か、王子はゆるりと覚醒を果たしては傍らにマフォクシーを探す。
マフォクシーは……自分のすぐ隣にいた。
身を起こして座り込んだ姿勢の彼女は、手にした木の枝に炎を灯してはその揺らめきを瞳の光彩へ投映している。
どこか遠くを見るような目でそんな炎を見つめている彼女の横顔には、一抹の切なさが感じられた。
一体、その炎の中に何を見ているのだろうか? そして何を思うのだろう? ──それでも端整な彼女の横顔に見惚れていると、やがては王子の視線に気付いたのか、マフォクシーもまた驚いた様子で王子へと向き直り、慌てて木の枝の炎も消した。
「何を見てたんだい?」
再び添い寝しては寄り添うマフォクシーを抱きながら王子は訊ねる。
その瞬間、マフォクシーは戸惑いの色を強くその表面に現しては王子を見つめたが……それも本当に一瞬のことで、すぐにまた柔らかい微笑みを満たすと小さく小首を振った。
たいしたことではないと言いたげなその態度にもしかし、やはり根本は近々マフォクシーとその乳母が、新たな許嫁に追いやられてはこの後宮を出て行かざるを得ない状況を懸念していることだと王子にも察しが付いた。
だからこそ──
「大丈夫……心配しないで」
王子はそう言い添えては、マフォクシーの目を見つめる。
「後から来る姫なんて関係ない。僕が好きなのは……僕が一番結婚したい人はキミなんだ、マフォクシー」
言いながら改めてその想いを再認識すると、王子は不思議な力が体に漲るのを感じた。
「絶対に守ってみせるから! だから……だから君も、僕のそばを離れないで」
その想いの通りに、王子は強くマフォクシーを抱きしめる。
そんな王子の腕の中で、しばしマフォクシーは為されるがままに抱かれた──しかしやがては、マフォクシーもまた王子の体に手を這わせると、きつく抱き返しては応える。
かくして再びに燃え上がっては身を重ねる二人……
この時、王子は18歳──これより起こる悲劇などは、まだ微塵も知る由は無い。