呼び出して待つこと1時間足らず──ミルタンクは息せき切らせながら待ち合わせ場所であるホテルまでやってきた。
どうやらトレーナーの昼寝を見計らって抜け出してきたらしい。
依然として呼吸を荒くしたまま、部屋の入り口で立ち尽くしては困惑の視線を送ってくるミルタンク……その手には一匹のスマホロトムが握られていた。
そのロトムには呼び出しの為の通信機能以外にも、もう一つの役割があってミルタンクの元へと遣わせたのだ。
Aは自らミルタンクの元へと歩み寄ると、その接近に怖気ては一歩後ずさる彼女の手からロトムを取り上げる。
そうしていくつか画面操作をし、再び彼女の眼前に晒されたそこには──あの夜、ミルタンクが夜這われた光景の一部始終が動画として納められていたのであった。
高感度で撮影された動画は、あの暗闇の中であってもハッキリとそこにいる者がミルタンクだと分かる目鼻立ちや体の特徴をしっかり捉えていた。
そんな動画を再生したままAはミルタンクの背後に回り込むと、そこから覆う様に彼女の背へ前面を付け、ミルタンクの顔前へと両手を回してはあの夜の動画を見せつけるのだった。
『ほら見てみろよ……お前が中出しされて、トレーナーを裏切ってるところがハッキリ映ってるぞ?』
『裏切り』の言葉に反応しては、顔を背けていた視線をチラリと画面へと移す。
困惑に青褪めたその表情は、もはや目の前の事態にどう対処したらいいのか分からないといった彼女の混乱を如実に現していた。
だからこそAも次なる交渉へとつなげる為の助け舟を出す。……更なる沼の中央へと誘うべく泥舟を。
『今日一日、俺の言うこと聞いたらこの動画は消してやるよ。アイツにも黙っててやる……』
その要求にミルタンクは怯えた視線で一瞥くれた後は激しく頭(こうべ)を振った。
どんな状況であれ、もう人とのセックスは交わしたくないようだった。
しかしながらそんなミルタンクの拒否も、Aの興奮をさらに昂らせる為の焦らしでしかない。むしろそんな反応を内心では喜びつつ、
『じゃあ、これをアイツに見せつけてお前らの関係終わりにするか? せいぜい捨てられて野生で生きてくれよ』
Aは見放すよう抑揚なく言い捨てると、ミルタンクから体を離した。
そうして背を向けて、そのまま部屋のドアから退出しようとするその刹那──弱々しくはあるが、Tシャツの裾が引かれた。
振り返るとそこには、すっかり怯え切っては目に大粒の涙を溜め込んだミルタンクがすがる様にAのシャツの裾をつまんでいた。
顔を背け視線は合わせてこないあたりに、この決心とは裏腹の最後の抵抗が窺える。……そんないじらしさが、なおさらにAの加虐心を刺激してならなかった。
『やりてぇんならカマトトぶってねぇで最初っから言えよメスブタが』
振り返り、改めて向き直るとAは荒々しくミルタンクの唇を奪う。
存分に唾液をそそり上げ、時には自分からも口中へ吐き出してやっては飲ませるなどしていると、不意に舌先に塩気を感じて目を見張る。
見ればついにこぼれ出したミルタンクの涙が頬を伝って舐り合う互いの唇へと流れ落ちてきていたのだった。
強く眉元をしかめ、脅迫されているとはいえトレーナーへの更なる裏切りを重ねようとする身上を嘆いては流されるその涙と表情に、Aの興奮は最高潮にまで熱せ上げられた。
『オラ、しゃがめメスブタ! 最初はチンポの掃除からしろオラ!』
髪のように垂れた耳を荒々しくワシ掴むと、Aは殴り付けるようにしてその場にミルタンクを跪かせる。
そうして彼女の鼻先が股間の前に着けるのを確認するとジーンズを下ろし、まだシャワーも済ませていない生のままのペニスをその眼前に晒した。
それを前に幾度か鼻を引くつかせてはなおも躊躇うミルタンクの両角をワシ掴むと──
『こうやって咥えんだよクソが!』
Aはさながら、アダルトグッズでも扱うかのような無頓着さでミルタンクの顔を引き寄せては──そこから一息に、彼女の喉の奥まで自身のペニスを挿入してしまうのだった。
途端、喉を塞がれることによる窒息とさらには反射による嘔気にえづいてはミルタンクも両肩を激しく痙攣させる。
それでもおかまいなしにAは腰を前後させた。
激しく打ち付けられるAの腰は、その下腹で幾度となくミルタンクの鼻先を殴打し、硬化した亀頭の先端はうなじへ貫通せんとばかり垂直に食道を突きえぐる。
やがては一際深く挿入をし、その姿勢のままで数秒間、腰を押し付けては存分にミルタンクの喉の感触と、そして自身のペニスの感触を彼女の喉へと刻み込むと──挿入した時と同様に素早く引き抜いては、叩きつけるように握りしめていたミルタンクの角を振り払った。
両手を床につき、激しく咳き込んでは項垂れたままのミルタンクの耳をひねり上げると、再び彼女の顔を天へと向けさせる。
涙に濡れた眉元をしかめるそんなミルタンクの顔へと激しく唾を吐きつけ、ようやくに満足したのかAの前戯は一区切りをつけた。
不条理な暴力にさらされる恐怖と疲労から、ある程度の呼吸が整ってもミルタンクの体から悪心と震えが収まることはない。
それでもしかしこれこそが最大行為だと判断するミルタンクは、これ以上の虐待は無いであろうと、ささやかな希望で自信を励まそうとする。
しかしながら……これ以上に最悪な事態が、この後もまだ彼女を待ち受けているのだった。
次なる行為として、Aは荒々しくミルタンクの乳首を握りしめるとそのまま捻り上げた。
本来は手荒く扱うような場所ではないだけに、そこへ覚える激痛に身を吊られては上体を持ち上げる。
そうして左手にて捻り上げたそこへ何をするものか見守るミルタンクの目は──その先端に右手の人差し指を宛がうAを映し出す。
僅かに窪んだ乳首の先端そこへ、さながら貫通でもさせんがばかりの勢いでAは指先を激しく穿つ。
爪の硬質な感覚によって与えられる鋭い痛みに耐えていたミルタンクはしかし──それらとは違う感覚もまた、そこに発生したことに気付いては戦慄を覚えた。
それこそは刺し穿つAの指が、乳口の輪郭を僅かに押し開く痛みであった。
頭の中には肉や細胞が引きちぎられる不快な音が肉体を通じて響いていた。そのあまりの痛みと恐怖に身をよじり、そして悲鳴を上げるも完全防音の部屋の中とあってはその悲痛な助けも外に届くこともない。
そしてAの凶行に為されるがまま乳首の乳口は拡張を続け、ついには──……その貫通が果たされると、Aの人差し指は半ばまでミルタンクの乳首に挿入されてしまうのだった。
そのあまりの衝撃に、全ての感覚は一拍子遅れてはミルタンクの脳に届く。
次の瞬間──ミルタンクは激しく頭を仰け反らせると、声の限りに絶叫した。
今、乳首の内部へと感じられるその痛みたるや、今日まで想像することすらもできなかった衝撃であった。
依然として喉を反らせては天を仰いだまま、その根が千切れるほどに舌を吐き出して苦しみに悶えるミルタンクではあったが、その直後にAの指がそこから抜き取られる。
もうたくさんだ──疲労困憊のミルタンクの頭には、既に脅されていることの恐怖すら薄かった。それほどに今の乳首貫通の激痛がいかに凄まじかったかが窺い知れる。
しかしながらこの日最大の衝撃は──これからにこそ待ち構えていたのだ。
依然として穴の穿たれた喪失感の残る乳口へと、何かの異物が再びに押しつけられては新たな痛みをそこへ生じさせた。
また指かとも思い、息も荒くに首を下ろしたミルタンクの視界に飛び込んできたものは──その乳口の間口へと亀頭の先端を押し付けているAの姿だった。
もはや言葉など無くとも、彼が何を目論んでいるのかはミルタンクにも明らかだった。
そしてそれに制止を訴えようとした次の瞬間、無慈悲にもAのペニスは根元まで乳首内に挿入されてしまうのだった。
連続した肉の千切れる感触が脳内へと響き渡る。
そして丸々と挿入された亀頭の先端が乳房の脂肪を内から突きえぐって撹拌した瞬間、ミルタンクは短く吠えては嘔吐した。
ここからこそが……真の地獄の始まりだったのだ。