※この作品はR-18です。

三擦り半のマス☆カーニャ   作:たつおか

84 / 402
第3話・キッチンモンスター

 

 

 夕食の準備にまでゲンガーは着いてきた。

 しかしながら、少し遅れてキッチンに入ってきた奴の姿に思わず俺は吹き出してしまう。

 どこから見つけてきたものか、ご丁寧にもコイツはエプロンを付けてキッチンへと入ってきたのだ。

 

 そのエプロンにも見覚えがあった。

 それは俺にとってはひどく懐かしく、そして大切な物の一つ……誰でもない、以前の彼が身に着けていたエプロンだった。

 

 彼がいた当時、食事は当番制で担当する取り決めとなっていたが、この作業がまったく出来ない俺との同棲とあっては自然、彼が炊事を取り纏めるようになっていた。

 そんな彼がいつも料理の際に身に着けていたものがこのエプロンであった。

 彼が居なくなってからはそれに袖を通す者も無く、この家の主である俺自身、今までこれが何処にあったのかも分からない代物ではったが、まったくよく見つけてきたものだ。

 

 それにしても……最初こそは笑ってしまったが、このゲンガーのエプロン姿には得も言えぬ妖艶さもまた俺は感じていた。

 身を翻すたびにエプロンの裾が風を孕んでひらめくと、その下にあるゲンガーの股座や尻がチラチラと俺の視界に入った。

 さながら『裸エプロン』的なチラリズムではあるのだろうが、そもそもは全裸が常態であるポケモンに裸もクソも無いだろう。

 そんな考えに帰結すると、今度は自嘲して鼻を鳴らしてしまうのだった。

 

 そうして二人並んでキッチンに立つ。

 

 会話などは無い。そもそもゲンガーが喋れるものかも怪しい。

 それでもサラダの準備などしていると横に着けたゲンガーはそれを入れるボウルを用意してくれたり、はたまたレタスをちぎったりと、手伝う気持ちはあるようだ。

 思い返すに彼が居てくれた時は、食事の準備にはいつも二人でキッチンに立ったものだった。

 なんて事の会話を楽しむ一時ではあったが、それがとてつもなく大切な時間であったことを俺は無くしてから気付いた。

 あの時交わした会話をもっと覚えていれば……もっと真剣に話していれば……そんな後悔だけが、無くしてしまった後から付きまとっては、いつまでも俺を苦しめるのだ。

 

 クルトンもまぶし、ようやくこのサラダも完成間近となった時、俺は仕上げに付け合わせようと思っていたミニトマトが無くなっていることに気付く。

 その場で大柄な体を右往左往させてそれを探す俺はゲンガーの視線を受けてふと気付く。

 

「……お前か?」

 

 尋ねる俺の声に、普段から笑いの形にせり上がっているゲンガーの口角がさらに楽しげに吊り上がった。

 そうしてエプロンの裾をはためかせて背を向けたかと思うと……そこから両膝に手を突いて腰を突き出してくるポーズを前にして俺も大きくため息をつく。

 恐竜然とした尻尾を跳ね上げたその下……探していたミニトマト達は、ゲンガーの尻の割れ目に縦1列に挟み込まれていた。

 

「食い物で遊ぶなまったく……」

 

 言いながらその尻の前に屈みこむと俺はそこに挟み込まれたミニトマトを取っていく。

 そうして数個取ったところで、最後のひとつがその割れ目のさらに奥に埋め込まれていることにも気付く。

 それを取ろうと指を埋め込ませると、そんな俺の動きに反応してゲンガーは尻の両房を締めつけて挟み込んでしまう。

 それでもどうにか取り出してやろうと躍起になっていると、そんな指先に弾かれたトマトはゲンガーのアナルの中へと飲み込まれてしまった。

 

「つまみ食いしやがって……返せ、この」

 

 その跡を追うように俺もその中へと指を埋める。

 そうして中指の先端にトマトの弾力を感じると、どうにかそれを指の節に引っかけて取れないかと俺は幾度となく手の甲を反転させては内部をえぐり、さらには掻き出すべくに前後の浅い挿入を繰り返す。

 

 いつしかゲンガーの動きがすっかり沈静化していることにも気付く。

 依然として膝に両手を突いた前屈みの姿勢ではあるのだが、その両肩が荒い呼吸に連動して上下していた。

 

 背後からでは表情は見えぬものの、その頬が群青の表皮からも分かるくらいに赤く充血していることから、俺の愛撫に反応してしまっている様子が窺えた。

 そうして同時に俺もまた、いつしかこの行為にスキンシップ以上の感情を持ち始めていることに気付く。

 俺自身もまた強く勃起していることに気付いたからだ。

 

 お互い無言のまま、俺は立ち上がるとそんなペニスをジッパーから取り出しては先端をゲンガーのアナルに宛がう。

 亀頭の先端が僅かに肛門の淵に埋められた瞬間、チラリとゲンガーは視線だけ振り返らせたが、すぐにそれも振り切ると……後は為されるがままと言った具合に頭を項垂らせた。

 

 OKの返事とみていいのだろう。

 そこから俺はゆっくりと挿入をする。

 

 節の隆起にメリハリの富んだゲンガーの直腸は、その一節進むごとにカリ首を刺激しては咀嚼するかのごとく蠕動しては絞めつけてきた。

 おおよそ体温というものは無く、冷感がペニスにまとわりついてはさながら凍らせられるかのようでもあるが、幸いにも猛暑の今と相成ってはそれが心地いい。

 そんなゲンガーのアナルを味わうようゆっくりと挿入していていくと……ついに互いの腰と尻とがぶつかるまで侵入して、ようやくに俺も動きを止めた。

 

 お互いに大きくため息をつく。

 しかし次の瞬間には獣のように激しく、急激なストロークを俺は敢行するのだった。

 

 固定された互いの肉体がぶつかり合う衝撃と体重の実感は、今までに忘れていた充実感を俺に思い出させてくれていた。

 久方ぶりのセックスに我を忘れて腰を打ち付けるのと同時、一抹の虚しさもまた胸には去来する。

 

 つい先刻に顔を合わせたばかりの、素性も知らない自分達が肉体を慰め合うという行為はハッテン場での出会いと大差がない。

 ただ肉欲のみが存在するエゴの掃き溜めに愛などは微塵も無いものの、それゆえの身勝手で無責任な快感は、これ以上にも無い愉悦となって俺達の一時を燃え上がらせてくれるのだ。

 

 その形が変わってしまうほどにゲンガーの尻肉を握りつぶし、さらには性欲すら超越した破壊衝動のまま腰をぶち当て続けていると、やがては射精の高揚感を体に覚えては俺も身を震わせる。

 そのままラストスパートをかけて、

 

「このまま中に出すからな……!」

 

 そして一切の遠慮も無くゲンガーの胎(はら)へとありたけの精液をぶちまけた瞬間──射精による快感の忘我の中に、俺は再び何者かの記憶を垣間見た。

 

 それは何かの書類を両手にして見下ろす映像だった。

 

 同時にその両手がまたしても彼の物だと気付く。

 彼はいったい何を見ているのだろう?

 白地の紙面にはその所々に淡いブルーのラインが項目を区別するべくに走っていて、そこには様々な数値やアルファベットが羅列されていた。

 そして彼と連動した俺の視線は、そこに『The result of my HIV test was 【positive】.』の一文を見つけ激しく震えた。

 同時に震える両手は、見えない何かにしがみ付くかのよう……その紙片を握り潰してしまうのだった。

 

 その刹那──再び視界は今この瞬間に戻った。

 

 気付けば俺のペニスは既に委縮して抜け落ち、目の前にあるゲンガーのアナルからは俺の精液と、そして内部で潰されてしまったであろうミニトマトとで撹拌されたサウザンドドレッシングよろしくの体液が流れ出ていた。

 

 見れば項垂れて耐えるゲンガーのエプロンもその前面がペニスの形に盛り上がりそこの先端に大きな染みを黒く作り出している。……奴もまた俺と同じくにして絶頂をして果たしたらしい。

 やがてはゆっくりとその顔が上げられると、ゲンガーは首だけを振り返らせては俺の体と、そして自分のアナルから漏れ出しては内腿を伝っている精液を見遣る。

 

 そしてゲンガー特有の大きな舌を伸ばしたかと思うと腿のそれを舐め取り、さらには上昇して自身のアナルもまた舐め上げると──そんな内部に残る精液もまた、全て舌の上へとひり出してしまうのだった。

 

 舌上にぶちまけられた俺達のドレッシングをこぼさぬよう舌で巻き上げると、それを口中に含んでしばし咀嚼する。

 やがてはすっかりそれを味わいつくして飲み込んでしまうと、再び振り返った視線は俺の顔へと結ばれた。

 

 

 そうして互いの視線を絡ませるとゲンガーは……間違いなく『ごちそうさま』と口を動かして見せては、天真爛漫に瞳を細めてみせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。