みんなはレスバというものをしっているだろうか?僕はあまり知らないのだけど、僕のキル姫であるイシューリエルが得意げに話しているのを聞いた事がある。
聞いた話だと拳の殴り合いがボクシング、声の殴り合いがラップバトル、そして、文字の殴り合いがレスバトルの様で。
今回の話はインターネットの恐ろしさを身を持って体験した話だ。
……………………………………………………………
近年、このラグナ大陸ではインターネットが発達し誰しもが携帯やパソコンを所持している時代となっていた。
それにより人々の生活は大きく変化を遂げた。それは仕事的な事であったり娯楽であったり。
インターネットを通じれば自宅に居ながらも友達と連絡を取り合う方ができるし見ず知らずとの他人とも話す事ができる。
さらには今まで紙とペンで仕事をしていたのだがそれらはほとんどパソコンに置き換わっていたり。そのため自宅でも仕事が可能になったり。
ただ、インターネットを使った犯罪も多く一長一短なのかもしれないが。
「おーほっほほほ!論破ですわ!わたくしにレスバで勝とうだなんて百年早いですわ!」
「・・・・」
僕の相方であるイシューリエルはインターネットの登場により生活を大きく変えられてしまった人の1人だ。
『姫ちゃんねる』という掲示板に入り浸るようになってから仕事を辞め生活のほぼ全てを『姫ちゃん』に注ぎ初めて早や一年。
『嘘を嘘と見抜けない人でないと掲示板を使うのは難しい』。姫ちゃん創業者の言葉なのだがサタンの嘘を見抜いたイシューが様々な情報が飛び交う掲示板にハマるのは仕方の無い事かもしれない。
「イシュー、そろそろ働きなよ。いつまでそんな事してるのさ」
「わたくしはしっかりと自宅警備という仕事をこなしているのですよ。そのおかげでマスターは安心して仕事に行く事ができているのですわ」
「いや、ドロボーなんて入らないしそんな心配いらないから」
「お黙りなさい!このイシューリエルがこんなにマスターの事を考えて行動しているというのに!どうして伝わらないのですか!」
「マジで・・・」
「おっと、レスバの挑戦者ですわ!マスターお話はここまでですわ。わたくし、こいつを完膚無きまでに叩きのめします!」
そう言ってキーボードをカタカタやり始めたイシューの背中を哀れむような目で見送りイシューの部屋のドアを閉めリビングへと戻ると大きなため息をついた。
今はニートになってしまっているが昔のイシューは頭の切れる凄腕の槍使いだったのに。
異族の目撃数が減った事により僕たちは前線を退きラグナ教会の職員として働く事に。その時イシューが出会ったのはパソコンという存在。
好奇心旺盛なイシューは貯金をはたきパソコンを買いネット回線を引き家でもパソコンを使うようになった。その結果ニートになってしまったのだけど。
(こんな平日にわたくしに挑むだなんてニート!ニートに決まってますわ!この社会のゴミには制裁が必要ですわ!)
「おめぇーもだよ」
部屋から聞こえてくる叫び声につっこんだ後僕は仕事に行く事に。
僕はラグナ教会の職員でありインターネット課で働いている。インターネット課の主な仕事内容として悪質な書き込みや犯罪幇助の防止や監視だ。
「おはようワイくん」
「おはようどゅふ、イッチ殿」
「今日も頑張ろっかー」
僕はワイくんとペアを組みインターネットの監視を行っている。以前はイシューとしていたのだがイシューがニートになった事により中途でラグナ教会へと入ったワイくんとペアを組む事になったのだ。
「でゅふふ。今日もラブリュスちゃんは可愛いでゅふ」
「・・・・」
このワイくんは世間一般でいうオタクという人種だ。なんでもアイドルのラブリュスを推しているらしく彼のディスク周りはラブリュスちゃんグッズで溢れかえっている。
そしてちょっと小太りで常にラブリュスのTシャツを着ている。現在、彼はパソコンを起動し待ち受けとなっているラブリュスを見てニヤニヤしているところ。
こんな彼だが以前はキモオタヒキニートをしておりネットの海を徘徊していたらしくその時ラブリュスのライブCMを見て就職を決意したという。
「今の我があるのはラブリュスちゃんのおかげでゅふ」
ラブリュスを誰よりも推したいという信念の元に働くワイくんは輝いている。まぁどうでも良いんだけど。
(L・O・V・Eラブリュス♪L・O・V・Eラブリュス♪)
今日もワイくんの鼻歌を聞きながらネットの海をパトロール。実に退屈な毎日だ。
昔はイシューとラグナ大陸のあちこちに異族討伐に赴いていて退屈だと思った事は無かった。
でも今は狭い部屋でパソコンをカタカタやる毎日。それだけ世界が平和になったという事なのだけど。
(真夏の太陽より輝くわーたし♪眩しい私から絶対目を離しちゃダメなんだからね♪)
この仕事の唯一の暇つぶしといえばワイくんが歌う鼻歌を聞く事、そのおかげでアイドルに興味がない僕だがラブリュスに少しだけ興味が沸いていた。
「そんなにラブリュスちゃんって良いの?」
「良く聞いてくれたでゅふ。ラブリュスちゃんの魅力を語るにはまずラブリュスちゃんの生い立ちから語るでゅふ。ラブリュスちゃんは過去に揺らぎ暴走したでゅふ。しかしラブリュスちゃんは暴走を乗り換え再びアイドルに返り咲いたでゅふ」
身振り手振りに鼻息荒く語るワイくんの話を聞いているとだいたい10分は時間が潰せる。
「なるほどねー続きはまた今度聞くよ」
「でゅふ。ここからがいいところでゅふよ」
まだ話し足りないワイくんに背を向けた瞬間、他の職員がつんざくような悲鳴をあげた。
「なっ!?」
悲鳴をあげた職員の方を見て次に叫んだのは僕だった。僕の目線の先には服を脱ぎ去り全裸となった男性職員の姿が。
「お、おい!気でも狂ったのか!!」
さらにその職員は手淫をしているのだ。その顔は虚ろで明らかにヤバい奴なのは確定している。それでも僕は止めようと職員に手を伸ばそうとした。
「そいつに触るんじゃあないでゅふ!!」
「!?」
伸ばされた手は体をワイくんに掴まれ引かれた事により空振りしその勢いで僕は床に倒れ込んだ。
「アッイクッケツイク」
それでも視線は職員を見ていたのだがそいつはパソコンに向かい射精をするとそのまま力なく椅子にもたれかかり気を失った。
「一体何が起こっているんだ・・・っ!」
張り詰める緊張感に飲まれ誰1人声を発しないインターネット科に僕の声が響いた。
………………………………………………………………
「薬物を使用した形跡もアルコールを飲んだ無かったわ。どうして彼はあんな奇行をしたのかしら」
倒れた彼は病院へと運ばれ治療を受けていた。常人には考えられない行動に薬物の使用が疑われたがシロだったようで。
「職場での彼の普段の様子はどう?」
「真面目でおとなしい人でした。とてもあんな事をする人には思えません」
「そう。とりあえず入院させて経過観察をさせてもらうわ。まだ目を覚ましてないし」
「すいません、お願いします」
彼が搬送された病院へ僕が付き添い主治医であるアクスレピオスの話を聞き職場へと戻る事に。
「彼くんは大丈夫でゅふか?」
「うん、薬物もキメてないし酒も飲んでなかったよ」
「キチゲ解放でゅふ?」
「そんなキチゲ貯まるような職場でもないでしょ」
キチゲとはキ○ガイゲージの略称である。人間は日々受け続けるストレスを溜め込み続け、限界に達した時キチゲを解放する。
キチゲ解放とは溜まりに溜まったストレスを常人には思い付きもしない奇行を行い発散する行動だ。
しかしこの職場はそんなストレスとは無縁の職場だ。9時出社で5時終わり、休憩は各自自由に取れるし土日祝休みに加え有給は好きな時に取れる。
それでいて給料は手取りで30を超えボーナスも夏、冬に出る。
まぁこの職場の難点をあげるとすれば全員が他人に無関心なところか。
「今日はあんな事もあったし早く帰ろっか」
「でゅふふ」
それから仕事を続け定時の前、四時には仕事を切り上げインターネット課の職員は全員帰宅した。
「そういえばなんであの時止めたの?」
「でゅふ?あぁ、彼くんに触ろうとした時でゅふ?」
「うん、なんか意味があったのかなって」
「よくぞ聞いてくれたでゅふ。我のあの行動はイッチ殿を守るためでゅふ」
「守る、とは」
ワイくんは脂ぎった顔でニヤつきながら僕を見る。正直、ウザいと言いたいのを堪えながら話の続きを聞くことに。
「彼くんの状態は誰がどう見ても普通じゃあなかったでゅふ。そんな人に迂闊に触れれば何が起こるか分からないでゅふよ」
「まぁ確かに軽率ではあったね」
「我に感謝するでゅふよ」
僕を追い抜き右手を上げる背中を見てドロップキックをしたい気持ちが沸いたがなんとか堪え帰宅する事に。
「ただいまー」
帰宅し挨拶をするのだがイシューの返事は無い。まぁそれはいつもの事なので気にする事なく夕食を作り食べる事に。
「あら、帰っていたのですね」
ご飯を食べ終えた頃にひょっこりとイシューが顔を出し空になっている皿を見て僕の顔を見た。
「マスター。わたくしの分のご飯はないのですか」
「無いよ」
「それはあんまりですわ!わたくし全身全霊でこの家を警備してましたのに!」
「そうか」
ドアの片隅で喚くニートに目線を送ることも無く食器を流し台へと運び洗い干してゆく。
「このままだとわたくしは骨と皮になってしまいますわ。もう今朝から何も食べていませんの」
「イシュー。この大陸に『働かざる者食うべからず』って言葉があるの知らない?」
「うぅぅぅぅ、、、あんまりですわ!わたくしはちゃんとこの家を警備しておりますのに!!」
「・・・・分かったよ。何が食べたい?」
泣き喚くイシューを見て哀れな気持ちとなり根負けしご飯を作ると言う。すると一瞬にしてイシューは笑顔となった。
「さっすがわたくしのマスターですわ!そうですね、わたくし焼きそばが食べたいですわ」
イシューの声を聞きながら冷蔵庫を開けるとちょうど一食分なら作る事ができる食材があった。
「座って待ってなよ」
「はいですわ!」
ドヤ顔で席に座り焼きそばができるのを今か今かと待つイシューの視線を受けながら調理を行ってゆく。
なんだかんだ言っても僕はイシューの事を嫌いになる事はできない。今はクソゴミニートになってしまっているがイシューは僕の最初のパートナーであり苦楽を共にした仲だ。
「まだですの?わたくしのお腹の虫が飯を寄越せと泣き叫んでますの」
「もう少し待て」
前言を撤回しようと真剣に悩みながら焼きそばを作りイシューの前におくと嬉しそうに笑顔を浮かべながら食べている。
「やっぱりマスターが作るご飯が一番ですわ、これぞトゥルース!」
前歯に青のりを付けながら笑顔のイシューを見ていると僕まで笑顔になってしまう。本当にクソカスゴミニートじゃなければ可愛い奴なのに。
「さて、腹ごしらえもすみましたしわたくしは
そう言ってイシューは部屋へと戻って行った。僕は机の上に残された食器を流し台へと運び洗い風呂に入り寝た。
………………………………………………………………
次の日、自室でパソコンと向かい合うイシューに声をかけて僕は職場へと来ていた。昨日あんな事があったのに何事も無かったかのように仕事をしている職員に挨拶をして僕も仕事をする事に。
「おはようでゅふイッチ殿」
「おはよーワイくん、今日もがんばろっか」
今日もキモオタの鼻歌を聞きながら頑張ろうと思っていたら鼻歌は聞こえずワイくんに話しかけられていた。
「イッチ殿、昨日の彼くんの行動について調べたでゅふ」
「おっ、何か分かったの?」
「その前にでゅふ、彼くんの意識は戻ったでゅふか?」
「ん、まだアクスレピオスに聞いてないから分からないかな」
「我が聞いた情報が真なら、彼くんの意識は戻らないでゅふ」
ブヒブヒ言いながら語った言葉に僕は思わずワイくんの方を向き真剣に話を聞く事に。
「それってどういう事?」
「でゅふ。彼くんと同じ行動をした者がこの街に少なからず居るでゅふよ。その者達は彼くんと同じパソコンに向かいヲナニーをし意識を持ってかれるでゅふ」
「意識を持ってかれる?」
「正しくは意識をインターネットに移されるでゅふ。これを見るでゅふ」
ワイくんのパソコンを見ると何処かのサイトへと入ってゆきエンターキーを叩いた。すると何かのリストが映し出された。
「これは・・・?」
「彼くんと同じ目に合った人達のリストでゅふ。ほら、このリストの一番上は彼くんの名前でゅふ」
確かにリストの一番上の名前は彼くんの名前だ。そして下へスクロールしてゆくとたくさんの名前が並んでいる。
「でも偶然じゃないの?彼くんの名前はありきたりだし同姓同名の可能性も捨てきれないよ」
「でゅふ。ならばイッチ殿にとっておきの証拠をご覧にいれるでゅふ」
ウザい事を言いながらワイくんはリストにある彼くんの名前をクリックした。すると画面が暗転し動画が流れ始めた。
『アッイクッケツイク』
「」
その動画を見て僕は言葉を失った。その動画はパソコンの前でオナニーをする彼くんだったからだ。この動画はパソコンのインカメから撮られた動画なのだろう、彼くんの後ろに見慣れた職場が映っている。
「・・・」
「でゅふ」
言葉を失った僕をドヤ顔で見るワイくんの顔面に肘を打ち込みたいのを堪えながら詳しく話を聞くことに。
「これは一体?ってかこのリストにある人全員分の動画があるのか?」
「イッチ殿の目測通り全員分動画があるでゅふ。」
「まじかよ、、」
リストに記された名前はざっと30人程。それ全員の動画があるだと?
半信半疑に適当な名前をクリックすると動画が再生された。
『ぬほぉおぉぉぉーーーー!!!おちんちんきもぢぃぃぃぃ!!!!』
「・・・・・」
名も知らない男の果て様が画面に再生され大絶叫が職場に響き慌てて消すのだが時すでに遅く他の職員から軽蔑の眼差しが送られていた。
「でゅふ」
やれやれといった感じに僕を見るワイくんの顔面に膝を打ち込みたいのを堪えながら他のリストを見てみると女の人の名前がちらほらとある事に気がついた。
「これ女の人のもあるんだよね?」
「もちろんでゅふ。見るでゅふ?」
「あぁ、いや、やめておくよ。それよりこのサイトの管理人は?そいつがこの人達の姿を動画に保存してるんだよね?」
「我もそれを調べたのでゅふが、、これを見るでゅふ」
まだ午前中にもかかわらず脂ぎゅしゅなワイくんの横顔を視界から外し画面を見るとこのサイトのURLが表示されていた。
「えっ?どういうこと?」
「これが謎なんでゅふよ」
本来インターネットで閲覧できるサイトであるならURLにwwwと付くのだがこのサイトのURLにはwwwの表記が無いのだ。
「このサイトはインターネット上に存在しないって事だよね?ってどうやってここに辿り着いたのさ」
「姫ちゃんを閲覧していたらたまたま見つけたでゅふよ。このカキコミからでゅふ」
そのサイトを閉じ姫ちゃんのスレッドへ戻ると言っていた書き込みを見せてくれた。
1.:ななし:2024/07/30(火)08:53:12.965
敗北者晒し
URL→くぁwせdrftgyふじこlp
「つまりあのリストの人達は何かに負けた人達って事だよね?」
「そうなるでゅふね。彼くんの様子を見る限りパソコン関係での敗北者だと思うでゅふが」
「パソコン関係で勝ち負けなんてあるか?」
「でゅふぅ」
気の抜けたムカつく声を出すとマウスを起き大きく背を伸ばしていた。
「んで、さっきのサイトの管理人の名前は?」
「こいつでゅふ」
カリカリとリストを下がってゆくと管理人の名前が。そいつの名は『マルコシアス』という。
「マルコシアス?」
「HNだとは思うでゅふがセンスが皆無でゅふねぇ」
「それには同感。んで、こいつが敗北者の意識をこのサイトに閉じ込めてるって訳か」
「でゅふ。しかし、我はパソコンと友達になって長いでゅふが人間の意識をインターネットに移すだなんて聞いた事もないでゅふよ。仮想世界に意識をロードするだなんて今のネット環境じゃ不可能でゅふ」
「そうだよなぁ。ちょっと彼くんの様子見てくるよ」
「でゅふ」
席を立ちワイくんに目を向けると僕に背を向けたまま右手を挙げていた。その手を掴んでへし折りたい感情を堪えながら僕は教会に併設されている病院へと向かった。
「こんにちわー彼くんの容体はどうですか?」
難しそうな顔で書物を読むアクスレピオスに声をかけるのだが反応は無くしばらくして顔をあげると驚いた顔をされた。
「ごめんね、集中してて気が付かなかったわ。彼くんは・・容体を見ながら説明をするわね」
立ち上がったアクスレピオスの後をついて行くと彼くんが入院する部屋へと連れてこられていた。ドアを開け部屋を覗くとそこにはベッドで眠る彼くんの姿が。
「・・・・」
しかし彼くんの顔には呼吸器が取り付けられており喉にはチューブが繋がれている。
これが何を意味するのかというと彼くんは自力では生きていけないという事を意味する。
「彼くんで5人目よ。心電図も脳波も異常が無いのに意識を蘇生させない患者は」
「5人目?つまり彼くんと同じ患者が後4人居るってこと?」
「そうよ。彼くんと同じように植物状態になった患者がそれだけ居るの。事故に合った訳でもない、異族に襲われた訳でも無く外傷も無いのに意識だけが無い患者がね」
「・・・」
そこで僕は考えた。彼くんは職場で意識を失ったからこうして病院に行く事ができた。他の4人も人気がある場所で意識を失ったから病院に辿り着くことができたのだろう。
しかし、意識を失いその場に誰も居なかったら?適切な処置を受ける事ができなかったらどうなっていたのか。
「ねぇ、もし彼くんが病院に連れて来られなかったらどうなってた?」
「そうね、自発呼吸が止まるから確実に死んでいたわよ。彼くんもあと少し処置が遅かったら脳死状態になっていたわね」
「・・・・」
アクスレピオスの言葉によりあのリストに名前が載っていた人の大半が死んでいる事になった。
『ワイくん、あのリストをスクショして僕に送って』
『了解でゅふ』
メールのやりとりでもムカつく語尾を付けるワイくんに送って貰ったリストのスクショ。それをアクスレピオスに見せていた。
「ねぇ、他の4人の名前ってこのリストにある?」
携帯端末を渡すと一人一人名前を見ながら画面をスクロールしてゆき何度も手を止めていた。
「名前はあるわ。でも一体どういう事なの?」
怪訝な顔をするアクスレピオスに説明をすると難解な顔色を見せた。
「マルコシアスってHMの奴が人の意識をネットへと閉じ込めている、って訳なんだよ」
「・・・信じられないけど患者の容体を見る限り信じざるを得ないわね」
表情は冷静そのものだが声色に確かな怒りを感じた。
「ごめんね、そろそろ戻るよ」
「分かったわ。そのマルコシアスを捕まえたら私の元に連れてきてね」
そう言うアクスレピオスを見ると震え上がってしまう程に怒りを顔に貼り付けていた。
そんな姿に身をこわばらせながら職場へと戻ってゆく。
「おかえりでゅふ」
「ただいま。やっぱり彼くんの意識は戻ってなかったよ。それとリストに載ってる他の4人も入院してるよ」
「でゅふ。では他の人達は?」
「死んでると思う。意識を持ってかれると呼吸が止まるしご飯も食べられなくなるからさ」
「・・無差別殺人でゅふね。イッチ殿」
「うん、僕達で犯人を探し出して、裁く」
「一世一代の大仕事でゅふね。我、この任務を成功させたらラブリュスちゃんと結婚するでゅふ」
「フラグ立てないでもらえる?」
「それよりもイッチ殿、我の推理が正しければ意識を仮想世界に連れ込む方法が分かったでゅふ」
「ほんと?」
「でゅふ。その前にイッチ殿は二進法を知っているでゅふか?」
「うん、インターネットの表記の仕方だよね?0と1だけでデータを表現するってやつ」
「でゅふ。我の推測が正しければマルコシアスは人の意識を二進法に変換しデータとして仮想世界に取り込んでいるでゅふ」
「いやー流石にとんでも理論だよ」
確かにマルコシアスは人の意識をネット環境に保存しているとは思うが人の意識を0と1にしてネットに取り込むとは思えない。
しかし、そうでもしないと被害者が植物になってしまっている現状の辻褄が合わないのだが。
「イッチ殿は敗北した事はあるでゅふ?」
「敗北?まぁ、些細な事なら何度かあるけど」
「その時目の前が真っ暗になった事はないでゅふ?」
「どこのポケモントレーナーだよ。・・でもまぁ昔部活の試合で負けた時は目の前が真っ暗になった気がしたよ」
「その瞬間に人の魂をマルコシアスが取り出し仮想世界にインストールしたのなら、どうでゅふ」
「ごめん、意味が分からないんだけど」
難解な話に難色を示しワイくんを見るとやれやれと首を振った。その顔面をパイプ椅子で叩きたいのを堪えながら話の続きを聞く事に。
「人は敗北を認めた瞬間に劣等感や虚無を感じその場から逃げ出したくなるでゅふ。それは魂が逃げたがっているという事でゅふ。つまり、マルコシアスは魂が人体から離れようとする敗北を与える事により魂を捕まえ二進法に変換し仮想世界に保存してるでゅふ」
「あーね」
キモオタの戯言を適当に流し僕は就業時間まで適当にネットを徘徊し家へと帰って来ていた。
「そうだ」
そしてご飯を作る前に書斎へと行きマルコシアスについて少し調べる事に。
僕とイシューが住む家は今は亡き祖父の家。家は住まないと痛むと言われ借りていた教会の寮から引っ越してきたのだ。
書物が好きだった祖父が残した書斎はこういう時に役に立つ。書斎に入ると少しの埃の匂いと本独特の匂いに包まれながらマルコシアスについて書かれた本を探す事に。
実際のところ僕もパソコンを持っているのでマルコシアスと検索すれば良いのだけどこうして書斎の空気を入れ替えたいし何より僕はパソコンで検索するよりも本で読む方が好きだ。
確かにおおよそ千冊はあるであろう本を一冊ずつ読んでゆくよりも検索した方が早い。しかし本を読む事でしか得られない栄養素が確かにあるのだ。
「悪魔の名前?」
辞書でマルコシアスの名前を調べると悪魔の名だという事が分かり図鑑で詳しく調べる事に。
『ゴエティア』および『悪魔の偽王国』に列挙された魔神の一人で、30の軍団を指揮する地獄の大いなる侯爵である。『ゴエティア』では35番目に、『悪魔の偽王国』では31番目に記載されている。名前は俗ラテン語で侯爵を意味する"marchio"に由来する。
『ゴエティア』によるとグリフォンの翼と蛇の尾を持ち、口からは炎を吹く狼[1]の姿で現われ[2]、召喚者の命令によって人間の姿になるという。強力な戦士であり、全ての疑問に正しい回答をする。また、取引をする召喚者に対してとても誠実である。
元は主天使であり、かつて主人だったソロモン王に1200年後に第七の玉座に戻りたかった、と話した事が『ゴエティア』には記述されている。『悪魔の偽王国』でも同様の記述があり、彼がこの願望に惑わされた、という記述があるがソロモン王に話したとは書かれていない。
と、図鑑には書かれていた。とりあえず分かった事はマルコシアスが悪魔の一種という事だ。
しかし一連の騒動とマルコシアスという名に関連性が見当たらない。拘りがある人物なら事件と模する名前を仄めかしても良いと思うのに。
「・・・・」
それにしてもただの愉快犯にしては手が混んでいるし計画性のある犯行にしては拘りが見当たらない。
しかしやっている事は大量殺人に違いは無い。コイツは確実に追い詰め法の裁きを受けさせなければならない。
これだけは決意し本を片付け書斎から出るとそこにはイシューの姿があった。
「書斎で何をしていましたの」
「ちょっと本が読みたかったからさ」
「マスターもパソコンを持っていましたよね?それなら本などという古いデバイスよりも電子書籍をお読みになった方がよろしいのでは?」
「僕は電子書籍よりも本の方が好きなんだよ。ご飯食べる?」
「はいですわ」
それから2人分のご飯を作り一緒に食べるとイシューはそそくさと自室へと戻って行った。
それを見届けてから片付けをして風呂に入り就寝。
次の日出社をして作業を始めようとした時まだワイくんが来ていない事に気が付いた。
もう時刻はとっくに勤務時間を迎えているというのに。
「遅刻か?」
ワイくんはクソゴミキモオタだけど無遅刻無欠席で勤務態度は真面目そのものだ。そんなワイくんが連絡もせずに遅刻するなんて。
『ワイくんいつ来る?』
とりあえずメールを入れておくことに。
それからしばらく作業をして時刻が10時を過ぎた頃、まだワイくんは職場に来ないし携帯を見てもメールに既読すらついていなかった。
「・・・・」
まさかね、そんな軽い気持ちで姫チャンネルを開きマルコシアスの敗北者リストを開いた。
『なにィぃぃーー!!』
思わず僕は机を叩き立ち上がった。なぜならあのリストには更新がありワイくんの名前が刻まれていたからだ。
驚き立ち上がった僕にざわざわと目線が突き刺さると同時に社内電話が鳴り響き立ち上がったついでに電話を取った。
「分かったよ、すぐ行くね」
受話器を叩きつけ僕は教会の病院へと向かった。
「アクスレピオス!」
「こっちよ!」
病院に付きアクスレピオスの姿を見るとワイくんの病室へと案内してくれた。ドアを開け部屋に入るとそこには無惨な姿のワイくんが。
(でゅ〜〜ひゅーーーでゅ〜〜ひゅーーー)
呼吸器に繋がれながらか細いムカつく呼吸音が聞こえる。そんな不愉快な死に損ないを見ながらアクスレピオスから説明を受けていた。
ワイくんは昨晩家族によりここに搬送され来た時には既に意識は無かったようで。
「そっか、、それより良くワイくんが僕と同じ職場だって分かったね」
「こないだ携帯の画面見せてもらった時名前を見たのよ。医師には観察力も必要だからね」
「なるほどね」
それから少しアクスレピオスと話し会社へと戻りパソコンの前に僕は座っていた。パソコンに映し出されているのはマルコシアスの敗北者リスト。そこにあるワイくんの名前にカーソルが当てられている。
この事件を知っているワイくんがマルコシアスと遭遇した。それならば何かのメッセージを残しているかもしれないと思って。
しかし、あのクソゴミこどおじキモオタの逝き様を見るのは嫌だ。僕はパソコンの前で30分程葛藤しようやく動画を再生する決意を決めた。
『でゅふ〜〜〜っ♡おちんぽバカになるでゅふ〜♡♡』
「・・・・」
ワイくんの無様すぎる姿を見て目眩を起こし動画を一時停止させ目眩が治るのを待ち再び動画を再生させた。
『でゅふぅっ!!イッチどのぉぉ〜!マルコ、、マルコシアスの正体はぁっ!!!』
「!!」
小汚い肉棒をしごきながらワイくんが叫びその言葉に耳をすませた。
『イっ。。。イクっ〜〜〜♡♡♡♡』
「・・・・」
ワイくんはインカメに向かい射精をしその後ぐったりと動かなくなった。本当に最後の最後まで使えないゴミ野郎だった。
僕は目から出た汗を拭き取りワイくんの自宅へと向かう事にした。
ワイくんの家は教会の近くにある一軒家だった。ドアをノックししばらく待っているとワイくんの母親が顔を見せてくれた。
「こんにちわ、ワイくんの同僚なのですが・・」
頭を下げる僕を怪訝そうな顔で見下ろし挨拶が終わるとワイくんの家に来た理由を説明してゆく。
「ワイのパソコンを見せろだって?」
「はい、ワイくんはパソコンを使った事件に巻き込まれたんです。僕とワイくんはこの事件の真相を追っていました。ワイくんのパソコンの履歴を見れば何か手がかりが見つかると思いまして」
自宅に伺った理由を説明しても怪訝な顔をするワイ母に名刺を渡すとやっと穏やかな顔へとなってくれた。
「イッチくんの事はワイから良く聞いているよ。良い先輩だって喜んでたよ」
「ありがとうございます」
ワイ母を手懐け僕はワイくんの部屋へとお邪魔する事ができた。ワイくんの部屋に入るとまず重たく香る加齢臭が僕を迎えてくれた。
「うぇ、、くっさ」
パソコンを見る前に換気をして20分ほど待ち僕はようやくパソコンの前へと。
「・・・・」
電源を入れ履歴を見ようとした時キーボードにこびり付いている精液の跡が目に入った。しかし、触らない訳にはいかないのでオキシドールで念入りに吐きアルコールで消毒をしてゴム手袋を5重に重ね嫌々操作する事に。
「うえ」
とりあえずワイくんの履歴はほぼラブリュス関係のものだった。そこまでは良いのだがコラージュ画像や同人誌を読んだ履歴があったり。
推しの二次創作を見るのはそんなに楽しいのだろうか?そんな疑問を抱きながら履歴を漁ってゆく。
「これか」
ワイくんのパソコンの最終履歴は『姫ちゃんねる』だった。姫ちゃんと言えばイシューの事を思い出したがすぐに姫ちゃんのサイトを開き閲覧する事に。
【急募】新人マスターにオススメのキル姫
『女神』クラウ・ソラスが来るまで暇だから脱ぐ
「悲報」誰も私に気が付いてくれない
[異族速報]ワイが異族の大将や〜かかってきー
立ち並ぶスレッドを見ながらスレッドを昨晩まで遡ってゆく。
(速報)ファンキル、パズルゲーになる
《限界》 もう働きたくない・・・part15
【挑戦者求む】 レスバ希望
昨晩に立てられたこのレスバ希望というスレッドが気になりクリックしスレッドへと入ってゆく。
1:ななしさん :24/08/21(水) 16:31:36 ID:???
レスバ希望でゅふ
2:ななしさん :24/08/21(水) 16:31:36 ID:???
わたくしに挑む愚か者ですわね、ここで相手をしますわ
→くぁwせdrftgyふじこlp
3 : ななしさん :24/08/21(水) 16:31:36 ID:???
でゅふぅ
このムカつく文はワイくんで間違いないだろう。そしてこのURLは敗北リストと同じだ。このスレを立てたやつがマルコシアスで間違いないだろう。
くぁwせdrftgyふじこlp
禍々しいこのURLへとカーソルを当てしばらくし、僕は意を消して付属されているURLをクリックした。
「あれ?」
しかしリンクの有効期限が切れているのかクリックしてもサイトに飛ぶ事はできず画面は変わらないままだった。
しかし、これでマルコシアスは姫ちゃんに現れるという事が分かった。それだけでも大きな収穫だ。
「すいません、ありがとうございました」
ワイくん母に挨拶をして僕は職場へと戻り彼くんのパソコンの履歴を確認した。
【挑戦者求む】 レスバ希望
やはり彼くんの履歴にも同じスレッドを開いた形跡があった。そしてあのふじこというURLは期限が切れており現行犯でないとマルコシアスに接触する事はできないようだ。それを確認し大きなため息が出た。
「よし」
その日から僕は姫ちゃんに張り付く事となった。それは職場だけではなく自宅でもノートパソコンを開き何かをしている時以外は姫ちゃんを閲覧する。
「マスター」
「どうしたのイシュー」
「わたくし、新しいパソコンが欲しいですわ」
「今ので我慢しなよ」
「嫌ですわ!もう古いモデルですし!わたくし、型落ちは嫌いですの!」
「じゃあ働いてお金貯めたら?」
「・・・そうですわマスター、わたくし、自宅を警備しているお賃金をもらってませんわ、1日一万五千円として、、」
「うっせニート。じゃあ光熱費と食事代で相殺で」
「むぐぅぅゔ〜〜!!もうマスターなんて知りませんわ!」
とある日、在宅勤務中にニートに話しかけられたが華麗に論破しておいた。もう知らないと言いながらもドアの隙間から恨めしそうに見る視線に気が付きウザいので会社へと行くことに。
会社に付き再び姫ちゃんを徘徊しているとやっとあの書き込みを見つける事ができた。
【挑戦者求む】 レスバ希望
その書き込みを見つけた瞬間に僕は迷わずにクリックしスレ主と対話を行う。
1 :ななしさん :24/08/25(日) 20:25:46 ID:???
レスバ希望です
2:ななしさん :24/08/25(日) 20:25:46 ID:???
こちらでお相手致しますわ
URL→くぁwせdrftgyふじこlp
そして相手からあのURLを提示された。彼くんやあのゴミを植物状態にした相手が潜むURL。
迷わずにカーソルを合わせたのだがクリックする勇気が出せず一度画面から目を離した。
「行ってこいイッチ」
「ゔーご!ゔーごご!!」
「彼さん!それにゴリ!」
画面から離した目は二人の同僚を見た。その二人は僕に向かい親指を立てて見せてくれた。
この部署キャラ濃い人多いな、そう思いながら僕はURLをクリックした。
『あなたがわたくしに挑む愚かな挑戦者ですわね。このインターネットに蔓延る嘘八百はわたくしが全て真実へと導きますわ。名を名乗りなさい』
『僕はイッチ。お前がマルコシアスか』
『な、なんですって!?名前をもう一度言いなさい!』
『?だからイッチだって。聞くよりレス見直せよ』
『ぐぬぬ!・・・まぁ良いですわ。相手がマスターであろうと誰であろうとわたくしは完全論破をするまでですわ』
僕は次々と書き込まれるスレを見てある事に気が付いた。このエセお嬢様口調はイシューでは無いのかと。
『もしかしてマルコシアスってイシュー?』
『なっ!!そ、そんな事あるわけありませんわ!それより、レスバをいたしましょう。このレスバは闇のレスバ。負けた方は魂をマルコシアスへと差し出すのですわ!』
(・・・・)
とりあえず僕は大きなため息を吐いた。一連の騒動の犯人がイシューという事に、ゴミカスクソカスニートであるイシューが多くの人様に迷惑をかけていたという事実に呆れて物も言えず。
しかし、沸々と怒りが湧き上がりそれは露わになる。
『おい、ニート。お前無職の分際で何考えてんだよ』
『はぁ?前言を撤回しなさい!わたくしは自宅警備員ですわよ!』
『なーにが自宅警備員だよ。それは穀潰しの言い訳なんだよこのスカタン!悔しかったら一円でも稼いでみろやこのクズニート!!』
『ぐぬぬぬぬぬ〜〜っ!!?』
『良いか?イシューの生殺与奪は僕が握っている。例えば、今僕が同僚に頼んで自宅のネット回線を切る事もできる、電気水道ガスも止める事は可能なんだ。寄生虫は大人しく宿主の垢でも舐めてろ。分かったかこのボケカス』
散々イシューを煽り倒すとイシューからのレスは返ってこなくなった。しばらく画面を見ていると画面が切り替わりイシューの姿が映し出された。
『・・・・・・』
顔を紅潮させ瞳を潤ませどこか色気を感じさせる姿。しかし、眼差しは僕に縋るよう。その姿を見て僕は自宅へ向かい走り出した。
『い、今から、、、お、オナニーをいたしますわ、、』
画面に映し出されるのは今にも泣き出しそうな少女。しかし泣きそうな表情とは裏腹に服を脱ぎ下着のみを身につけている。
『あぁ、、、こんなっこんな屈辱っ、、、』
パソコンを前に少女は下着の上から乳房を揉みほぐしやがて背にあるホックをパチンと外し下着を床へと落とした。
『くぅぅぅ、、、』
画面に映るのは両胸を揉みしだきながら乳首を摘む姿。目を硬く閉ざし指がくにくにと乳首を摘み上げる度に少女の口から女の声を漏らした。
『いやぁぁですわ、、、ぁ』
パソコン上部にあるインカメラに向かい両脚を広げ露わとなった下着の上から秘部をなぞり左手は忙しなく乳房を揉み、時折り歯を食いしばるような表情を見せる。
その表情とは裏腹に下着は染みをつくり快感に悶えて腰はヒクヒクと震えていた。
『あ、、、あぁぁ、、、』
悶えながら下着を両脚から引き抜くとインカメラに向かい秘部を見せつける様に脚を開く。
無機質なレンズにはたらりと愛液を垂らす秘部が写り次には垂らした愛液と共に指が秘部へと忍び込む。
『いやっ、、!イッたら、、、!』
イシューリエルはレスバに負けた者の結末を知っている。敗北者は一人遊びの様子をネットに投稿され、絶頂を迎えれば意識はマルコシアスにより引き抜かれネットへと保存される。
その結末を知っているイシューリエルは必死に指を止めようとするのだが自身の指は他人の様に動き快感を与え続ける。
イシューリエルにできる事は必死に快感に耐える事のみ。
『うぅぅぅぅ、、。、』
後少しで絶頂へ堕ちる時、玄関が慌ただしく開かれ何者かが家へと入り込み騒がしくイシューリエルの部屋へと押し入った。
「マスター!!」
そこにはイシューリエルのマスターの姿が。助けが来たとイシューリエルの顔が綻ぶ。
「イシュー、君は多くの人を地獄へと落とした。お前は地獄でみんなに謝ってこい」
助けてくれると信じたマスターから言われた言葉は無情だった。絶望に打ちひしがれたイシューリエルは虚しく絶頂を迎え意識を引き抜かれインターネットに保存された。
………………………………………………………………
イシューが病院に搬送された事によりマルコシアス事件は幕を閉じた。これでラグナ大陸のインターネットに平和が戻ったのであろう。
事件からしばらくしてから僕はイシューの使っていたパソコンを売りに出そうと思いデータを消去する為に開いた。
「・・・・・」
そこに保存されていたのは僕達がまだ異族討伐の最前線にいた頃の写真や動画。一つ一つを丁寧に、あの頃を思い出しながら眺め消してゆきやがて全てが消えた。
それからwebの履歴を消そうとする。
「・・・?」
その時、パソコン上部に取り付けられているインカメラと目が合った。無機質なレンズなのに目が合った様な感覚に疑問を思った瞬間、脳内に誰かの言葉がインストールされた。
【蔓延る偽りに罰を。有象無象を真実へ導け】
その言葉に逆らう事なく僕は姫ちゃんねるを開きあるスレッドを立てた。
『レスバ希望』
ここまで目を通してもらいありがとうございました!
今回は真実を求めるキル姫、イシューリエルの登場でしたが、あまり出番はなく出てきても不憫な扱いでした。
イシューリエルは可愛いキル姫なのでYouTubeで調べてもらえると幸いです。