※この作品はR-18です。

裏キル姫日記   作:やす、

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学園アルマス

 

電車とバスを乗り継ぎ三年ぶりに俺はこの町へと帰ってきていた。

 

三年前に親の転勤でラグナ町を離れ遠い地上区へと引っ越す事になり、三年ぶりに見る我が家とその隣の家。そこには幼馴染の姉妹が住んでいるはずだ。

 

俺と同い年のアルマス、アルマスの姉グランテピエ。家が隣ということで家族絡みの付き合いがあり引っ越す時も最後まで見送ってくれていたのを覚えている。

 

あの頃はまだスマホを持っておらず連絡先は知らないままで、いきなりインターホンを押すのも気恥ずかしく道路から家を眺め自宅へと帰る事に。

 

 

「ん〜〜っ」

 

 

三年ぶりに帰る我が家は出て行った時と変わらない気がする。玄関もリビングもキッチンもトイレも自室も。それなのに何処か知らない人の家に来たような違和感を感じながらリビングのソファーへと座り部屋を見渡し匂いを鼻いっぱいに空気を吸い息を吐き出した。

 

 

ちなみにだが両親はまだ地上区に居り俺だけがこの家に帰って来ている。理由として俺がラグナ町にある高校を志望した事だ。

 

この家から俺が志望したラグナロク学院は歩いて30分程であり偏差値は平均だが何かに惹かれる様にこの学校を志望し両親は受かれば家から通って良いと言ってくれて。

 

憧れの一人暮らしと学校を夢見て勉学に励み受験に挑んだ結果合格し今にも至るのだけど。

 

 

ソファーから降り明日から通う学校の準備を済ませ階段を登り久しぶりの自室へと。ドアを開けると少し埃っぽい匂いがして思わず窓を開けるとそよぐ風が室内へ入り込み澱んだ空気が入れ替わってゆく。

 

 

「・・・」

 

 

そして視線は隣の家へと向いた。家の境界線を挟んで見える家はアルマス達が住む家。昔こうやって窓越しに会話をしてたっけ。

 

隣の家を見るとアルマスの部屋の窓はカーテンが閉められていて隙間から光が漏れているのが見える。その奥の部屋はカーテンは閉められ暗いままだ。テピ姉は出かけてるのだろうか?そんな想像をした後にカーテンを閉め布団の中へと潜り込む事に。

 

 

 

次の日、学校に間に合う時間に目を覚まし準備をして家を出た。その時に隣の家を見たのだけど玄関が開く様子もなく何処か残念に思いながら通学路を歩いてゆく。

 

それからコンビニに寄って朝飯を買って食べながら歩き遅刻寸前となりながらも『祝入学』と看板が立つ校門を通り新入生用に地面に書かれた矢印を辿りながら教室へとゆく。

 

今年の一年生は人数が多く三つのクラスがあり俺は一年A組の様で。もうすでに騒がしい声が締まる扉の前でも聞こえる。ここで少しだけ身嗜みを整え俺は教室へと通じる扉を開けた。

 

すると騒がしかった教室は喋るのをやめ、新たに入って来た俺へと視線を向ける。そんな視線の中を潜りながら自分の席に着く為に机と机の間を歩いてゆく。

 

 

「お、、」

 

 

そんな時俺の目は席に座り頬杖を付く女子生徒を見つけた。それは水色のショートカットで本人の性格を表す用な癖があり。記憶にある幼馴染のアルマスの髪色、髪型にそっくりだ。しかしそんな偶然があるわけないだろうと高まった鼓動を抑えながらそいつの横を通り後ろからでは見えなかった顔を見る為に一瞬振り返った。

 

そいつも横を通った奴が何なのか気になっていた様で俺の目線とそいつの目線はぶつかり合い目と目が合わさった。

 

 

『『あぁーーーーーーーーーーーーっ???!!』』

 

 

そしてお互いが学校中に響き渡るような絶叫をあげクラス中の生徒が俺たちの方へ視線を向けた。

 

 

「あ、アルマスだよな!?」

 

「ま、マスターよね!?なんでここに居るのよ!?」

 

「俺はこの高校に入るためこっちに帰って来たんだよ」

 

「えっ、じゃあ住んでる場所は?」

 

「前と変わらずだ。アルマスは?」

 

「私も絶・同じよ。昨日帰って来たの?」

 

「そうだけど。夜遅かったから声かけれなかったし連絡先も知らないし」

 

「じゃあメッセ交換しましょ。お姉ちゃんにもマスターが帰って来たって伝えるわ」

 

 

スマホを向けアルマスが提示したQRコードを読み込むとメッセにアルマスが友達に追加された。

 

 

「マスターって放課後暇よね?お姉ちゃんが会いたいって」

 

「暇と決めつけるな。まぁ暇なのだが」

 

「じゃあ一緒に帰りましょうよ。家も隣だし」

 

『オッホンっ!!』

 

「「・・・すいませんでした」」

 

 

話に夢中になり教室へ入って来た先生に気が付かず学校生活初日から目を付けられたが、そんな事が気にならないぐらいの驚きと喜びが合った。

 

何とも歯が浮きそうな気持ちを抑えながら席へと付き授業へと意識を向けてゆく。

 

 

と、まぁそんな感じで授業が終わりその日の放課後、俺とアルマスは共に下校をしていた。

 

三年ぶりに会うアルマスはなんだか新鮮で昔と同じように並んで歩くのが少しだけ気恥ずかしい気がする。

 

 

「それでさ」

 

「うんうん」

 

 

笑顔で話をするアルマスの話を俺も笑顔で聞いていた。昔を思い出すように、離れていた時に合った出来事を話して聞いて。気が付けば家の前まで帰って来ていた。

 

 

「さ、入って」

 

「お邪魔します、、」

 

 

アルマスが玄関を開け入るように言ってくれて。昔なら何も考えずに入っていただろうアルマスの家に入るのは今は少しのためらいがありそれでも家の中へと入り玄関で靴を脱いでいるとドアが閉められ室内は少し薄暗くなり、手を伸ばしライトのスイッチを入れた。

 

 

「覚えているものなのね」

 

「そりゃ何度も遊びに来てたし・・」

 

 

そんな事を言いながら部屋へと案内されリビングへと来た。ここもあの時と変わらない。変わったのは目の前の制服を着たアルマスと俺。

 

シャツの上に紺色のブレザーを羽織りネクタイを締めるアルマスがなんだか新鮮で。

 

 

「んで、彼氏の1人でもできたのか?」

 

「別に、彼氏作ろうなんて思った事もないし。マスターはどうなの?」

 

「俺もかなー良い女いなかったし」

 

「・・・むぅ」

 

 

中学の頃の同級生の女子生徒を思い出しながら話すと少しむっとした顔のアルマスに話題を変える事に。

 

 

「テピ姉は何してるんだ?」

 

「お姉ちゃんは高校出て車の整備学校?に行ってるはず」

 

「へぇーなんか意外だな。普通の大学に行ってそうなのに」

 

 

そう言った時に家の外から喧しい音が聞こえた。音的に改造された車の音だと思う。

 

 

「こっちにもああいう奴いるんだな」

 

「そうなのよ。人の迷惑も考えられずに変な音だす車やバイクに乗ってる人、絶・迷惑」

 

 

そんな事を言っていると音は止まりバンっとドアが締まる音が聞こえその後、玄関が開きパタパタと走る音が。

 

 

「マスター君久しぶりだね♪また会えて嬉しいぞ♪」

 

 

そこには白いツナギを着た笑顔のグランテピエの姿が。水色の長髪を後ろで一本にまとめ耳にはじゃらりとピアスが並び開いた首元には薔薇のタトゥーがちらりと見える。

 

 

「テピ姉久しぶり!なんかだいぶ変わったな?」

 

 

記憶にあるテピ姉はもっと大人しくて清楚だった気がするのだが今目の前に居るテピ姉はイケイケである。

 

 

「三年もあれば人は変わっちゃうよ?マスター君も随分と大きくなったね。ちょっと立ってよ」

 

 

そう言って椅子から立つとテピ姉が隣に並び手で身長を測る。俺の頭から横に移動した手はテピ姉の頭上を通り越して。

 

 

「ふふ、あの頃は私の方が身長高かったのに。大人になったね♪」

 

「うごっ」

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

 

そのままテピ姉にハグをされて。なんか、すごく良い匂いがする。石鹸か柔軟剤か香水か何なのかは分からないが大人の女性の様な匂いに頭がクラクラする。

 

 

「早くマスターから離れてって!」

 

「もー少しだけ・・♪じゃあアルマスもおいでよ♪」

 

「ちょっ・・・っ」

 

 

ハグをするテピ姉を必死に引き剥がそうとするアルマスもハグに巻き込まれて三人でハグを。あれ?俺そういうゲームの主人公だっけ?そんな錯覚をしてしまいそうなハーレム。

 

 

「あは♪そうだ、今日車が納車されたから海を見に行こうよ。車買って最初にアルマスを乗せたいって思ってたし。もちろんマスター君もだよ?」

 

 

テピ姉の提案に断る理由はなくテピ姉の運転で海に行く事に。

 

 

「ちょっと着替えてくるから待ってね」

 

 

そう言い残し上に上がっていったテピ姉を見送っていた。

 

 

「あはは、テピ姉相変わらずだな」

 

「・・・」

 

「アルマス?」

 

「えっ?そ、そうね」

 

 

どこか上の空のアルマスを不思議に思っていると黒いワンピースに着替えたテピ姉が。

 

 

「お待たせ。行こっか♪」

 

 

ロングのスカートを翻し玄関へと歩く姿の後をついて行く。

 

 

「こ、この車だよな、、?」

 

「うん、そうだよ?ちょっといじってあるから乗り心地は良くないけどいい子なんだ♪」

 

 

そう言って駐車場に停まる車を見て笑うテピ姉を見て俺たちは困惑していた。

 

駐車場に停まる車は黒色のセダン。少し古臭い車なのだが良く磨かれており艶やかな光沢。まぁそんな事はどうでもいい。フロントグリルの中には大型化されたラジエーターが見え18インチはある金色のホイールに薄っぺらいタイヤが付いていてその奥には赤色のブレーキキャリパー、その上には同じく赤いサスペンションコイルの姿が。

 

そのままリアを見に行くと大砲のようなマフラーがありCHASER・TOURER・Vの文字が。どう見てもちょっとどころでは無くゴリゴリの改造車です。ありがとうございました。

 

 

「お、お姉ちゃん・・?」

 

「どう?気に入ってくれた?」

 

 

そんなチェイサーを見てアルマスはぷるぷると震え、テピ姉をキッと睨んだ。

 

 

「この絶・バカぁ!何でもっと普通の車買ってこないわけ?!意味分かんない!」

 

 

アルマスの叫びはごもっともである。

 

 

「私の友達はみんなこんな車乗ってるよ?それに見て」

 

 

テピ姉が指を指すのは車のナンバー、そこには『あ・0815』のナンバーが。

 

 

「ほら」

 

「何がほら、よ!パパとママに許可とったの!?」

 

「それはもちろんだよ?2人とも良いよって言ってくれたし。さっ、乗って乗って♪」

 

 

そんな訳でアルマスは助手席に押し込まれ俺はアルマスの後ろの席に座り運転席に座るテピ姉を見ていた。

 

 

「なぁ、車のメーターってスピードとタコメーターだけじゃないのか?」

 

「そうだけどムー君にはオイルと水温計、ブースト計も付いているよ。じゃあしゅっぱーつ♪」

 

「ムー君、、、」

 

 

そう言ってテピ姉がエンジンをかけるとお腹に響く重低音の排気音が響きアルマスは顔に手を当てていた。

 

 

「ちょっとしにくいけどシートベルトしてね」

 

 

そして3点式のシートベルトにバケットシート。もうなにも言うまい。しかし、そんな車とは裏腹にテピ姉は安全運転で道を走り環状線へと乗りスムーズに運転をしていた。

 

 

「へーこういう車乗って人って飛ばすイメージがあったけどテピ姉は普通に乗るんだ?」

 

「うん、まだ時間も早いしエンジンのオーバーホールしたばかりだから慣らしもしたいからね」

 

 

 

何やら嫌な予感がするが車は高速を降り、少し下道を走り海岸沿いを走っていた。

 

 

「着いたよ。覚えている、かな?」

 

「この場所は・・」

 

 

連れてきてもらった場所は海水浴場の駐車場。まだ季節は早く誰も居ないがこの場所に見覚えがある気がする。それはアルマスも同じようで思い出そうとあちらこちらへと視線を向けていた。

 

 

「分かった。昔よく来てた海水浴場よね?」

 

「正解、だよ♪昔よくおじさんに連れてきてもらったからさ。降りよっか」

 

 

ライトを切りエンジンをきると辺りは真っ暗闇でドアを開けると光ったルームランプだけがこの場の灯り。

 

車外へと出ると海の匂いがしてさざなみの音が聞こえてくる。この場所は俺の親に何度も連れてきてもらった海水浴場だ。テピ姉の運転でこの場所に来たという事がなんとも感情深い。

 

 

「あの頃はここに来たくても遠くて来れなくて。でもこうやって自分で来れるようになると近いって思えるね」

 

 

ボンネットに腰かけるテピ姉の口元が光り、見ると煙草を咥えているのが見えた。もちろんそれにアルマスが突っかかるのだけど。

 

 

「たまに吸うぐらいだよ。それに家の中や車内では吸わないしさ」

 

 

テピ姉が煙草を吸う姿は何処かセクシーで、その姿を横目で見ていた。

 

 

「さてと、帰りはちょっと私に付き合ってもらうからね♪」

 

 

そう言うと工具を取り出し車のナンバーを外し始めた。

 

 

「何してんの?」

 

「昔の字光ナンバーはナンバーの取り替えができるんだぞ♪」

 

「「・・・」」

 

 

テピ姉が教えてくれた知識を俺たちが使う時はないであろう。ため息を通り越し乾いた笑いで見ている間にナンバー0815は666に変わっていた。

 

 

「これでよしっと。じゃあ行こっか♪」

 

 

笑顔のテピ姉に言われ車に乗り込みシートベルトをしっかりと締めると車は動き出した。

 

 

「あれ、ETC使わないの?」

 

 

行きはETCレーンを使っていたのに帰りは現金で高速へと乗っていた。

 

 

「ETC使うと監視されてる気がしてさ」

 

 

そんな気がするのはあんただけだ。

 

 

そのまま本線へ乗ると思っていた車は退避場に停まりテピ姉から帽子が渡された。アルマスに至っては上着もセットだ。

 

 

「何よこれ」

 

「なるべく帽子は深く被ってね。それとこれも」

 

 

さらに追加でマスク。時刻は午前0時を回り高速を利用する車は少ない。もう嫌な予感しかしない。

 

 

「じゃあちょっとタイヤ温めるね」

 

 

なんだそのワードは。そう突っ込もうとした時にはチェイサーは爆音とも呼べる排気音を吐き出しタイヤが擦りおろされるような音が後方から響く。

 

 

「うぉっ!煙でてるって!」

 

 

窓から外を見るともくもくと煙が立ち上り流れてゆく。

 

 

「バーンアウトだよ。出すから口閉じててね!」

 

 

口をんっとつむった瞬間にチェイサーは背中がシートに押し付けられるような加速で本線へと飛び出した。思わず手すりに掴まりながら見たメーターの針はレッドゾーンを刺しスピードは100を超えまだ加速している。

 

そして前を走る車の間を縫うように走り抜けてゆく。明らかに免許を取り一年や二年の人間の運転技術ではない。

 

 

「顔伏せてね!」

 

 

そう言われ顔を伏せると視界が一瞬赤く光った。

 

 

「今の何!?」

 

「オービスだよ。安心して、ナンバーも変えてあるし顔も隠してあるから捕まらないよ♪絶対のぜーったい、だぞ♪」

 

「「・・・」」

 

『そこの黒い車!パトカーの後ろに付き路肩に停まりなさい!』

 

 

拡声器からの声が聞こえ後ろを見るとこの車を追跡する赤色灯を回すパトカーの姿が。

 

 

「良いよ鬼ごっこ、だね。私を捕まえられるかな」

 

 

テピ姉はギアをダウンさせ加速し、夜の環状線でパトカーと鬼ごっこを楽しんでいた。

 

そして、時刻が一時になった頃に家へと帰ってきていた。

 

 

「お疲れ様でした、、」

 

「ありがとねマスター君♪アルマス起きて」

 

「ん、、んんっ、。」

 

「お家着いたよ」

 

「ふぁい、、ありがとお姉ちゃん。マスターもまた明日ね」

 

「おう、また明日な」

 

 

2人に挨拶をして俺は家へと帰ってきていた。そう言っても徒歩5秒ぐらいなのだけど。それからシャワーを浴びてパジャマに着替え軽く飯を食べて自室へと行きベッドへと寝転がりスマホを開いていた。

 

するとそこには三件の通知が。一つはアルマスからのメッセでもう二つはテピ姉が友達に追加した通知とメッセージ。

 

 

『今日はありがとね。明日一緒に学校行かない?』

 

『アルマスからメッセ聞いちゃった♪また時間ある時遊びに行こうね♪』

 

 

との事。2人に返事をして俺は目覚ましをかけて寝た。

 

 

 

それからしばらくが経ち学校生活にも慣れ仲良くなった友ができていた。

 

 

「あー腹減ったな」

 

「朝ごはん食べないからだよガウェイン」

 

 

一人はガウェインという。狐色の頭をした男。ガウェインに突っ込むのはガウェインの幼馴染であるラグネル。

 

それに、トリスタンとイゾルデ。だいたい俺たちはこの6人で行動していた。

 

活発なガウェインとラグネルをまとめるトリスタンとイゾルデ、誰も拾わないボケをする俺、とりあえずイジられるアルマスという組み合わせだ。

 

 

「それで、君たち明日からテストだけど勉強はしているのかい」

 

「分かっているとは思うけど高校は中学と違ってある程度の点数が取れないと補習を受ける事になるわ。それに補習で賄えないのなら留年する可能性だってあるわ」

 

 

トリスタンとイゾルデの言葉に俺たち4人は顔を見合わせていた。

 

 

「俺はちゃんと勉強してるぞ。アルマスは?

 

「私も、ちゃんと授業の復習もしてるし」

 

「私も大丈夫だよー?勉強ってやると意外と楽しいんだよね♪」

 

「・・・」

 

「が、、ガウェイン、、?」

 

 

テストと聞きまともな答えを出す中ガウェインは顔を青白くさせ何処か遠くを見つめていた。この顔は何もしてない奴のする顔だ。

 

 

「勉強ね。俺何もしてなかったわ」

 

「ちょっとノート見せてもらうね」

 

 

ラグネルがガウェインの使うノートを机の上に置き、中を見ると中身は新品のように白いままで。

 

 

「君は何しに学校に来ているんだい?」

 

「あぁ、いや。俺、授業にちゃんと出てればテストダメでもなんとかなるもんだと思ってたから」

 

「このままだとガウェインだけ二年生になれないわよ」

 

「うぇ!まじかよ!」

 

 

高校生活3週間目にしてガウェイン留年の危機である。

 

 

「じゃあ、、私が今日勉強教えに家に行ってあげよう♪ガウェイン?みっちり勉強教えてあげるからね」

 

「め、面目ないです!」

 

 

ラグネルに向かい最敬礼をするガウェインを笑いながら見ていた。しかし、テストとなれば俺も悠長に構えている暇はない。ここは勉強あるのみだ。

 

 

そんな事を思いながらの帰り道に隣を歩くアルマスに提案を持ちかける事に。一人で勉強をしていればサボる可能性もあるし2人でしていれば教え合ったりできるし。我ながらナイスな提案。

 

 

「ねぇ」

 

 

しかし、話しかけようとした時にはアルマスから声がかけられ返事をしていた。

 

 

「どうした?」

 

「私、まったく勉強してなかったの。お願いっ!私に絶・勉強教えて!」

 

「えぇー」

 

 

俺のプランが崩れた瞬間だった。だが、困っているアルマスを放っておく事はできず俺は返事をしていた。

 

 

「俺に教えれる範囲なら大丈夫だ」

 

「やった、さすがマスターね♪このお礼は絶・ちゃんとするから!」

 

 

そう言ってくれたがアルマスのとびきりの笑顔に勝る報酬はないと思う。

 

 

「じゃあどっちで勉強する?」

 

「マスターの家にしましょうよ。久しぶりに行きたいし」

 

 

そんな訳で俺の家で勉強する事が決まりアルマスの家を通り越し俺の家へ。

 

 

「なんか、凄いな」

 

 

その時駐車場を見たのだがセンサーライトが二つあり監視カメラも二つ駐車場を見張っていた。それに注意書きの看板もいくつか見える。

 

 

「お姉ちゃんの車人気だから盗まれないようにだって」

 

「へぇー」

 

 

少し調べたのだがチェイサーは今から25年前に製造を終えている。そんな古い車が人気で盗む奴が居るとは世の中分からないものだ。

 

 

「ほいよ」

 

「お邪魔するわね。うわ。懐かし」

 

 

玄関に入るなりアルマスは懐かしいと言いながら玄関を見渡し。俺もこの気持ちをこの家に帰ってきた時とアルマスの家に入った時に味わっていた。

 

そのまま靴を脱ぎ部屋の中へと。

 

 

「へぇ、あの時と何にも変わってないのね」

 

「その言葉俺はアルマスの家で言ったぞ」

 

 

懐かしそうに部屋中を見渡しながらリビングにあるテーブルへと行き椅子を引き座るとこっちに来いとテーブルを叩く。

 

 

「それで、どこが分からないんだ?」

 

「えっとね、、」

 

 

カバンから教科書と問題集を引っ張り出しテーブルへと広げアルマスの分からない問題へと取り組んでゆく。

 

が、アルマスは問題集へと向き合うとすらすらと問いを解いてた。今、問題集の1ページ目が終わろうとしているのだが俺はアルマスが解いている姿を見ているだけ。

 

 

「お前、、どこが分からないんだよ?」

 

「分からないって訳じゃないんだけど、、ほら、1人でしてると変な方見たりするから」

 

「端的に言え」

 

「言えてるわよ!1人で勉強してると気が散るから2人ならって」

 

 

なんだかんだアルマスと考えは合致していたようで。対面して座るアルマスの顔を見ると得意気な表情で右手はペン回しをしている。

 

 

「なら俺も勉強するぞ。留年したくないし」

 

 

そう言って俺もカバンから教科書と問題集を引っ張り出し明日から始まるテストへと備えてゆく。

 

 

 

「お腹空いたわね」

 

 

アルマスが呟きスマホで時間を見ると時刻は午後19時。そう言われてみれば腹も空いた。

 

 

「飯どうする?食べに行く?それとも作ろうか?」

 

「えっマスターご飯作れるの?」

 

「そりゃ一人暮らしする気だったから母さんに色々教わったよ。なんだその疑いの目は」

 

「なんか絶・意外だなって。ならマスターの作ったご飯が食べたいわ」

 

「まかせろ」

 

 

そう答えて俺はキッチンへと行き冷蔵庫から冷凍のうどんを3つ取り出しパッケージを破り皿に移し水を少しかけレンジへと放り込む。その間にお湯を沸かしレンチンされたうどんを煮てすぐにザルへ。湯を切り松茸の味お吸い物をふりかけ仕上げに生卵を落とせば完成だ。

 

 

「ほらよ」

 

「なにこれ、絶・手抜き」

 

「食ってから文句は聞いてやる。いただきます」

 

「いただきます」

 

 

世の中には黄身しか使わない奴が居るが俺は捨てられる白身が可哀想だから全部卵は使う人だ。

 

ちなみにだがこのうどんの食い方はお好みでゴマをかけるとさらに美味くなる。

 

 

「どうだ?」

 

「けっこう美味しいわね。手抜きって言った事謝るわ」

 

「まぁ実際には手抜きなんだけどな」

 

 

そんな事で笑いながら飯を食べ終わると洗い物はアルマスがしてくれるようで。皿を集め流し台へと持ってゆき皿を洗うアルマスの姿を見ていた。

 

 

「なんかアルマスが家事するってイメージ無かったけどするんだな」

 

「私だって皿ぐらい洗うわよ」

 

「飯は作れるの?」

 

「当たり前よ。家事もお姉ちゃんと分担してるし。あっ、今疑ったわね!」

 

「はい、疑いました」

 

 

心の中で思っている事を言うと反論が飛んできて。お互いイメージは三年前で止まっているので仕方ないのだが。

 

 

「いいわよ。じゃあ明日の夜ご飯は絶・私が作ってあげる」

 

 

そんな訳で俺の明日の晩飯が決まった。まぁ、なんだかんだアルマスの作る飯は楽しみである。

 

 

「じゃあそろそろ帰るわね。明日も一緒に学校行きましょうよ」

 

「おけ、じゃあ7時ごろ玄関で」

 

 

アルマスを家まで送り家に帰ってきた。そうは言っても15秒ぐらいなのだが。その後、シャワーを浴びて部屋に行き少しだけ机に向かい勉強を。

 

 

眠気を感じて時計を見るともうすぐ23時になろうとしており荷物をカバンへとしまい寝ようとベッドへ。その前に隣の家を見るとまだアルマスの部屋の電気は付いていた。

 

 

『早く寝ろよ』

 

 

そうメッセを送り俺は寝た。

 

 

次の日、アルマスと共に登校し教室に既に居たトリスタンとイゾルデと会話をしていた。

 

 

「おはよ、今日はテストよ!絶・頑張りましょ」

 

「えらくやる気ね。よほど自信があるみたいね」

 

「だって昨日マスターと勉強したし。自信はあるわ」

 

「なら僕と点数で勝負でもするかい?まっ、勝てっこないと思うけどね」

 

「絶・乗ったわ!じゃあ負けた方は、、どうしよ?」

 

「負け犬って書いたハチマキを一日巻くってのはどうだ?」

 

 

俺の発言にイゾルデが呆れたようなため息を吐いた。

 

 

「良いね。じゃあそうしようか。テストの合計点数で良いかな」

 

「そうね。勝負よトリスタン」

 

 

そんな訳でアルマスとトリスタンの羞恥をかけたバトルが始まった。個人的にはトリスタンにそのハチマキを巻いてもらい1日を過ごしてもらいたいところ。

 

 

「おっす」

 

「みんなおはよー♪」

 

 

そんな時、登校してきた2人が加わる。昨日勉強をすると言っていた2人の顔は何故かツヤツヤしていて。

 

 

「おはよ。勉強はしっかりできたようだね」

 

「それがさ、途中で『寝ちゃって』あんまりできなかったんだよ」

 

「ふぅ〜ん?通りでつやつやしている訳ね」

 

 

そんな2人に向かいイゾルデの冷笑が。意味を察したトリスタンも同じく冷笑を浮かべていた。

 

 

「まっ、勉強をするしないは君たちの勝手だけどせっかく仲良くなれたんだから途中でさよならは勘弁してよね」

 

「「・・・」」

 

 

トリスタンの一言に2人は気まずそうに目を逸らし。その後、チャイムがなりテストの時間へと。

 

 

 

そんなこんなでテスト初日が終わりその日の昼頃には俺はアルマスの家で2人で勉強をしていた。

 

 

「なぁ、あんな事言ってたけど自信あるのか?」

 

「ないけど、自分を追い込んで逃げ場を無くせばやる気湧いてくるじゃない」

 

「ドM戦法だな。飯作る余裕あるのか?簡単な物なら作るけど」

 

「それは大丈夫よ。約束したし」

 

 

それ以降会話は無く部屋にはシャーペンをノックする音とカリカリと文字を書く音、それとたまにアルマスがペン回しに失敗し転がる音が。

 

しばらくしてそれをかき消すチェイサーの排気音が聞こえテピ姉が帰ってきた。

 

 

「ただいまーあっ、マスター君来てたんだ」

 

「お邪魔してまーす」

 

「2人してお勉強、かな?そっか、そろそろテストだもんね。昔を思い出すなー」

 

 

そう言って俺たちの周りをくるくる周りアルマスの背後へと行くと肩を揉んでいた。

 

 

「お姉ちゃん、邪魔」

 

「えー勉強を頑張ってる健気な妹の肩を揉んであげてるのに。そうだ、じゃあお姉ちゃんが2人の為に夜ご飯を作ってあげよう♪」

 

「それはダメっ!今日の晩御飯は絶・私が作るんだから!」

 

 

テピ姉が提案するとアルマスは立ち上がり反論を叫んでいた。それにテピ姉は目を丸くしたが思惑に気がついたようでにやにやと。

 

 

「ふぅ〜ん?じゃあ私の分もお願いしよっかなー♪」

 

 

そう言って時計を見ると時刻は19時。それからアルマスはきりが良いところまで勉強を進めキッチンへと。

 

 

「ちょっと時間かかるかもしれないから少し待っててね」

 

 

キッチンから聞こえてきた声に返事をして目は問題集へ向けようとした。

 

 

「そういえばおじさんとおばさんは?」

 

「パパとママは海外にお仕事に行ってるよ?今忙しいんだって」

 

「へぇー久々に顔見たかったから残念」

 

「そのうち帰って来るよ」

 

「テピ姉はどうして車の学校行ったんだ?」

 

「それはね、家の裏にある車屋さん覚えてる?」

 

「あーっと?ユグドモータースだったっけ?」

 

「そうだよ。よく覚えてたね♪」

 

 

この家の裏にある車屋さん。そこの空き地で良く遊んでいたのを覚えていた。確か気さくなおじさんが店長だった気が。

 

 

「昔店の前を通ったら車の整備しててね、オイルで汚れながら作業している姿がカッコよく見えてさ、ずっと見てたら手伝わせてくれて。それがきっかけかな?私のムー君も自分で整備したんだよ。廃車寸前だったのを私が買い取って。まだ手伝ってもらいながらだけど整備が終わって初めてエンジンをかけて運転できた時は嬉しかったなー」

 

「ちなみにムー君はいくらだったの?」

 

「んー部品込みでーーー(自主規制)ゼニーだよ♪」

 

「まじか、、」

 

 

廃車寸前なのにその値段なのかと空いた口が塞がらない程の衝撃を受けた。

 

 

「できたわよ。運ぶの手伝って」

 

 

そんな話をテピ姉としていたらアルマスは料理を作り終えたようで。テピ姉と一緒にキッチンへと行くとそこには盛り付けられ湯気を立てるナポリタンの姿が。

 

 

「美味そう」

 

「そうって何よ、ちゃんと美味しいわよ」

 

「アルマスの作るナポリタン美味しいんだよ♪いただきまーす♪」

 

「いただきます」

 

 

そんな訳で実食へ。スプーンとフォークを使い一口サイズに丸めて口へと運ぶ。

 

 

「ん!美味い!」

 

 

しっかりとケチャップの味がして濃厚な味わい。スパゲッティだけで無く具材の玉ねぎ、ピーマン、ソーセージにもしっかりと味が付き思わず箸が進む。

 

 

「言ったでしょ私もご飯作れるって」

 

 

得意気な顔のアルマスの口元はケチャップで染まっていてそんな顔も何処か可愛くて。

 

 

「じゃあ次はお姉さんがご飯を作ってあげるね♪」

 

 

手を合わせ口をティッシュで拭いたテピ姉がそう言ってくれた。

 

 

「何作ってくれるの?」

 

「それは食べる時のお楽しみ、だぞ?って言ってもしばらく忙しいからいつになるかは分からないけど、、」

 

 

テピ姉は普段何をしているのだろう?そんな事を疑問に思いながら家に帰る事に。

 

いつも通りシャワーを浴びパジャマに着替え自室へと。それからアルマスにメッセを。

 

 

『飯ありがとな。美味かった』

 

『別に、作るって約束したから。勉強教えてもらったお礼は別にちゃんとするからね』

 

 

との事。それから少し勉強をして寝る事に。

 

 

次の日、アルマスと共に学校へと行くと既に教室で談笑する4人の姿が。だいたい時間ギリギリにくるガウェイン達がこの時間にいるのが不自然である。

 

 

「よぉ、マスターにアルマス!悪いがお喋りはこの辺にして俺は勉強をさせてもらう!」

 

「「・・・」」

 

「ガウェインどうしたのよ?変な物でも食べたの?」

 

「そんなアルマスみたいな事しないって。昨日トリスタンとイゾルデと一緒に勉強してたらガウェインの奴目覚めちゃって」

 

「勉強って思うから難しく考えるんだよ。少し考え方を変えさせてもらってね」

 

「勉強はパズルってね。頭の中で問題を与えられた知識で解き答えを当てはめる。どう?少しは簡単に思えるでしょう?」

 

「おぉ、確かに言われてみればそうだな」

 

「今の俺ならラグナロク東大学にだって受かれそうだ!うぉ〜〜っ!!」

 

「「「「・・・・」」」」

 

 

そんな勉強に燃えるガウェインと共にテスト3日目、最終日が始まった。

 

 

が。

 

 

「zzzzzz・・・・」

 

(はぁ、、)

 

(あっちゃ〜テスト始まる前に燃え尽きちゃったかー)

 

(誰か起こせ!ガウェインを起こせ!)

 

(www)

 

 

練習に全力を尽くし本番が始まるまでに燃え尽きたガウェイン。皆の願い虚しくよだれが垂れた何も書かれていないテスト用紙が回収されてゆく。

 

 

そしてテストも終わり授業を受けた放課後。帰ろうと準備をしているとガウェインに呼ばれ2人して振り返っていた。

 

 

「テストも終わったしみんなで飯でも食いに行こうぜ」

 

 

との事。断る理由も無くガウェインの提案に乗り夕飯を食べに行く事となった。行き先はラグ学から少し駅に向かった方にあるファミレス。

 

 

「本当にさ、あそこで寝るだなんて何考えてるんだよ」

 

「いやほんとにさ!直前まではやる気マックスだったんだぜ!?でもよ、テスト用紙を見たらすぅーって!」

 

「猿に催眠術かけてもあそこまで早く眠らないわよ」

 

「ねぇねぇせっかくだからみんなで写真撮ろうよ♪」

 

 

ラグネルの提案により写真を撮る事に。テーブルの端に左手を伸ばしスマホのインカメを向けて。

 

 

「撮るよー♪」

 

 

全員が画面に写るとシャッターが切られこの場が切り取られた。

 

 

「後でグルに貼っておくからね♪」

 

「おう。そういえばお前達ってどんな関係なんだ?」

 

「そういえば入学式で何か叫んでたよね」

 

 

そう言われてアルマスと顔を見合わせ現在の関係を説明する事に。

 

 

「俺とアルマスは保育園から小6まで一緒だったんだけど親の仕事の都合で地上区に引っ越す事になって」

 

「それでラグ学で再会したのよ。ほんとにびっくりだわ」

 

「へえー良いなー私もそんな事経験したいかも」

 

「おまっ俺に引っ越せってか?」

 

「引っ越さなくてもこのままだと離れ離れかもね」

 

 

イゾルデの辛辣なツッコミに乾いた笑いが。

 

 

「そういえばガウェインとラグネルは付き合ってるの?」

 

「そうだよー?って今頃!?」

 

「俺とラグネルは中1から付き合ってるんだぜ」

 

「あの頃は毎日ガウェインの猛アタックをどう回避するかしか考えてなかったなー」

 

「ガウェインならやりそう」

 

 

そう言ってトリスタンはけらけらと笑っていた、

 

 

「それでそっちは?」

 

「私たちもお付き合いをさせてもらっているわ。中2の夏からね」

 

「へぇーちなみにどちらから?」

 

「私からよ。トリスタンとは学級委員の事で話す機会が多くあったし」

 

「じゃあこっちも聞かせてもらうよ。君たちは付き合ってるの?」

 

 

そう言われてまた俺とアルマスは顔を見合わせた。

 

 

「つ、付き合ってなんかないわ!誰がこんな奴とっ!」

 

 

そう顔を真っ赤にして涙目で言われてしまった。

 

 

「アルマス。あなたがマスターの事をどう思っているのかは私には知りようがないけれど、もし少しでも想っているのなら素直になるべきね」

 

「イゾルデに同感だね。いつ誰に先を越されるか分からないしそうなってから後悔する事になっても知らないよ。それは2人に言える事だけどね」

 

「・・・」

 

『ごつ盛りステーキのお客様ー』

 

「はいっ!うぉ美味そっ!」

 

 

そんな2人の忠告は料理を運んできた店員にかき消され。その場にはステーキに噛み付くガウェインとまだ顔を赤くしたアルマスが。

 

 

そんなこんなで飯を食い終わり俺はアルマスと帰り道を歩いていた。なんとなーく気まずいような雰囲気が流れ会話は無く、無言で歩くアルマスの後ろ姿を見ていた。

 

アルマスかぁー。実際のところアルマスの事は好きだ。それが友達として好きなのか女の子として好きなのかはどちらかは分からない。

 

だが、もしアルマスに彼氏ができたのなら。そう思うとなんともいえない気持ちになる。

 

 

「・・・」

 

 

煮え切らない感情のまま暗い道を歩き交差点へと差し掛かった時、塀の陰から無灯火の自転車が飛び出してくるのがみえた。

 

 

「危ない!」

 

 

ふと、アルマスの手を引きこちらへと抱き寄せると自転車はブレーキを握りアルマスへ当たる直前で止まった。

 

その運転手はこちらの無事を確認すると再び自転車を漕ぎ夜道へと消えていった。

 

 

「怪我はないか?」

 

「あ、ありがと、、、」

 

 

抱き寄せたまま安否を問うと小声の返事が腕の中で聞こえ、見ると俺を見上げるアルマスの顔が。そのまま少しだけ見つめ合っていると何かを思い出したかのようにアルマスは身をよじり俺から離れていった。

 

 

「アルマスは昔と変わらないな」

 

「別にっ!今のは向こうが飛び出して来ただけ!」

 

「ほら、横」

 

「・・・っ!」

 

 

アルマスの右側を歩くと何か言いた気の表情のまま俺の左側を歩きそのまま家へと帰ってゆく。

 

 

 

それからしばらくしてテストが返却される日が来ていた。端的に言うと俺とアルマス、ラグネルとトリスタン、イゾルデは追試も補習も無く平和で合ったがガウェインは幾つかの補習と追試があり頭を抱えていた。

 

そしてアルマスとトリスタンの合計点数勝負なのだがアルマスの健闘は3歩届かず大差で敗北し項垂れる姿が。

 

 

「じゃあ罰ゲーム受けてもらうよ。負け犬って書いたハチマキを付けて一日過ごすだっけ?」

 

「はい、そうです、、」

 

「じゃあ私がそのハチマキを作ってくるね♪デザインはどうしよっかなー」

 

 

笑顔で脳内でハチマキのデザインを考えるラグネルを見てアルマス涙目である。

 

 

「そんな事よりももうすぐゴールデンウイークよ。休みの予定は何かあるのかしら?」

 

 

イゾルデの一言によりもうすぐに迫った大型連休の事を考えていた。長期休みに何かする予定も無くこのままだと家でゴロゴロになってしまうだろう。

 

 

「俺は釣りだな。もう夜でもあったけーから夜釣りだな!」

 

「君は補習と追試でしょ。僕はたまには竪琴でも弾こうかな」

 

「なら私はトリスタンの竪琴を聴かせてもらうわ」

 

「私は人形でも作ろっかなー?ほら、ガウェインの妹がバルホロウの人形作ってって言ってたし」

 

 

知らない人の為に補足をするとバルホロウとは大人気ソーシャルゲームに出てくる敵の事だ。詳しい事はサービスを終えている為説明できないがまぁググるなりなんなりで調べて欲しい。

 

 

「アルマスは?なんか予定あるのか?」

 

「私は、、今のところ何もないけど、、。そう言うマスターはどうなのよ?」

 

「俺も予定なしだな」

 

 

強いて言うのなら両親の居る地上区に親の顔を見に行くぐらいなのだがめんどくさいが勝ち行く事はないだろう。そうなると家でゴロゴロと連休を過ごす事となる。

 

 

「まっ1日ぐらいみんなで過ごそうよ。なんとか寄れば文殊の知恵ってね」

 

「知恵?知恵を使って何をするのよ?」

 

「予定を決めるのよ。六人も居れば良い暇つぶしぐらい思いつくでしょ」

 

 

そんな訳で四連休の内、1日の予定は埋まったが後は暇なままだ。それから少し喋りアルマスと共に帰宅する事に。

 

 

「テピ姉にどっか連れてってもらうか?」

 

「お姉ちゃんはサーキット行くって言ってたわ」

 

「テピ姉のサーキット場は環状線だろ」

 

「そうなんだけど友達とレースしに行くんだって」

 

「テピ姉の友達ってどんな人なんだろ?知ってる?」

 

「3人知ってるけど人殺してそうな人が1人いたわ」

 

「えぇ、、、」

 

 

テピ姉の友達が気になって仕方ない。しかし、アルマスも1人か。

 

 

「「・・・」」

 

 

ふと俺の左側を歩くアルマスが俺を見ていて。その目線と俺の目線がぶつかり合いそのまま少し見つめ合った。

 

 

「なんかするか?」

 

「そう、ね」

 

 

こうして俺とアルマスのゴールデンウイークの予定が決まった。まだ何をするかは未定だが2人いれば退屈する事は無いだろうとこの時は思っていた。

 

 

「暇ね」

 

「そうだな、、」

 

 

いろいろすっ飛ばし連休初日となった。いつものメンバーと遊ぶ約束は3日後、連休最終日となりそれまでの三日間をどう過ごそうか。

 

現在、俺とアルマスは俺の家のリビングで退屈と暇を持て余していた。ソファーに座り前にあるただ付いているだけのテレビから聞こえる音声しかないこのリビング。

 

 

「どっか行く?」

 

「特に行きたいとこない」

 

「「・・・」」

 

 

とりあえず暇なのだ。したい事もやりたい事も無くただ時間だけがゆっくりと過ぎてゆく。

 

 

「そうだ」

 

 

退屈を潰せる物の存在を思い出し立ち上がった俺にアルマスは視線だけを向けていてクローゼットへと行く俺を見送り、それを持ってリビングに戻って来てもまだ目を向けていた。

 

 

「なにそれ?」

 

「ドミノだ。暇だしリビング全部使ってやろうぜ」

 

 

俺の提案はリビング全てを使ったドミノ倒し。ドミノが入っている箱から全てのドミノを出す。その数は千個。

 

 

 

「なんでドミノ?」

 

「これなら2人でできるし、どうせ暇じゃん?」

 

「まぁ暇だけど、、」

 

「とりあえずルートから考えよう」

 

 

リビングの間取り図を紙に書きドミノを立てるルートを書こうとして未だソファーで寝転がるアルマスをテーブルへと呼び寄せる。

 

 

「どう言うふうにドミノ立てる?」

 

「別になんでも良いけど」

 

「まぁまぁ、めんどくさいのは分かるけどどうせ暇だから頑張ろうぜ」

 

「まぁ、、良いけど、、」

 

 

それからドミノを立てるルートを紙に書きやる気を上げてゆく。

 

 

「とりあえずスタートはテーブルからで下のドミノにダイブさせるのはどうだ?」

 

「良いわねそれ♪よし、絶・やるわよ!」

 

 

そんな訳で2人でドミノを立てる事に。小さなドミノを一列に並べてゆく。地味な作業だがやり始めると意外と楽しくて。気が付けば50はドミノを並べていた。

 

 

『あっ!』

 

 

ふとそんな声が聞こえアルマスの方を見るとパタパタとドミノが倒れる音が聞こえテーブルからダイブするドミノの姿が見え俺の立てたドミノが倒されてゆく。

 

 

「・・・」

 

 

俺の苦労が水の泡になった瞬間だ。

 

 

「ご、ごめん」

 

「気にするな。がんがん行こうぜ」

 

 

倒れたドミノを立て直しまたドミノを並べてゆく。

 

 

 

それからしばらくの時間が過ぎた頃、千個合ったドミノは全て立ち並びその様子を満足気に眺めていた。

 

 

「じゃあ倒すわよ」

 

「おう」

 

 

アルマスがドミノを一つ倒すと連鎖反応を起こしドミノが次々に倒れてゆく。

 

それは立てた時間に比べて一瞬だけどドミノが倒れ終えた時には凄く充実感と達成感があって。

 

 

「なんか頑張ったって気がするわね」

 

「そうだな。飯食ってく?」

 

 

時計を見ると時刻は20時を過ぎた頃。ドミノを立てる事に夢中になっていたがこうして気が抜けると腹が減っている事に気づく。 

 

 

「いただくわ。それと」

 

「それと?」

 

「今日泊まってって良い?家に帰っても1人だから、、」

 

 

そんな事を言われ断る理由も無いのでアルマスが家に泊まる事に。一度家に帰り風呂入ってくると言ってアルマスは家を出ていった。

 

 

「えっ泊まるの?」

 

 

アルマスが出ていった後に俺のつっこみが部屋に響いた。どこで寝る?まさか一緒に?そんな疑問がグルグルと頭の中を回る。

 

 

「・・・まぁね」

 

 

アルマスはただ寂しさを埋める為に泊まりに来るだけ。そう思いちょっと浮かれた心を落ち着けて料理を作る事に。

 

 

「お待たせ」

 

「おう、飯できてるぞ」

 

 

声が聞こえ返事を返し顔を上げるとそこにはパジャマを着たアルマスの姿。水色のモコモコとしたパジャマに水気が残り癖が取れた髪の毛に不覚にも可愛いと思ってしまった。

 

 

「何よ。人の姿見て固まらないでよ」

 

「ごめん、可愛いなって」

 

「なっ!べ、別に普通よ!絶・普通なんだから!」

 

 

顔を真っ赤にするアルマスを見て笑いながらできた飯をテーブルへと並べてゆき一緒に食べ始めた。

 

 

「ん、美味しいわね」

 

「そりゃどーも」

 

 

なんとも平和な時間を過ごし俺が風呂に入っている間にアルマスが洗い物をしてくれて。

 

 

「んで、アルマスはどこで寝るんだ?」

 

「マスターの部屋のつもりだけど?」

 

「よし、10分待ってろ」

 

 

アルマスをリビングに置き2階にある自室へと走り様々なゴミを片付けベッドの布団を敷き直し机上に散らばる本を片付け、人を入れれるぐらいに片付けをして再び一階へと降りてゆく。

 

 

「お待たせしました」

 

 

スマホをいじっているアルマスに声をかけると立ち上がり俺の方へと。そのまま階段を上がり自室へと招き入れていた。

 

 

「うわ、懐かし。ここから良く喋ってたわよね」

 

 

部屋に入るとアルマスはアルマスの家が見える窓へと行き外を眺めていた。

 

 

「それ俺がここに帰って来ておんなじ事思ったぞ」

 

「そりゃ三年ぶりなんだし、私の部屋に来たらマスターもそう思うわよ」

 

 

そう言ってアルマスは俺のベッドへと行きまるで自分のベッドかのように俺のベッドへと寝転がった。

 

 

「おい、俺はどこで寝れば良いんだ」

 

「私の隣でしょ?」

 

 

俺がアルマスの隣で寝る事が当然の様に言われ身が固まった。確かに昔は良く一緒にお昼寝とかしていたが今は違う。年齢も年齢だし身体だって大人と言っても問題はないほどに成長していて。一晩一緒に寝たら間違いを犯すかもしれない。

 

しかし、そう言うという事はアルマスはそうされる事を望んでいる。か、俺なら手を出さないと安心しているのかの二択で、ベッドで布団から顔だけを出し眠そうな顔をしているのを見ると間違いなく後者でありそれだけ信用されているのなら信用は維持したいし答えるしかない。

 

 

「今行く」

 

 

そう言って布団をめくりアルマスの横に寝転がった。布団に入るとアルマスの体温で布団の中は暖かく心地が良くて。

 

 

「こうして寝るのも久しぶりね」

 

「そ、そうだな」

 

 

同じ布団の中にいても俺とアルマスの身体は触れ合う事はなくわずかな隙間があり、それでも女性と同じベッドで寝ている事には変わりなく妙な意識をしてしまう。もしかしてワンチャンあるのではないだろうかと。

 

 

「明日は何しよう?」

 

「ん、、そうだ、私の部屋の掃除手伝ってよ。テストとか合ったから全然片付ける暇なかったし」

 

「おっけ」

 

 

明日の予定が決まり後は眠くなるのを待つだけ。5月の夜のやや肌寒いような気温が2人の体温で布団の中は心地良い温度。すぐに眠気が来てふんわりと夢の中へと落ちていきそうに。

 

 

(くぅ、、)

 

 

そんな時、アルマスの寝息が聞こえ左腕に重みがかかり見るとアルマスか俺の腕に寄りかかり眠っていた。その寝顔は穏やかでときおり口元がもごもごと動くのが見えた。

 

可愛らしい寝顔を見てふと、俺はアルマスの頭を撫でていた。癖のある髪の毛は撫でるとさらっとしていて。

 

 

(・・・)

 

 

幼馴染の友達の無防備で可愛らしい姿を見ながらいつの間にか眠りへと落ちてゆく。

 

 

 

次の日、目覚ましの音ではなく窓から差し込む日差しで目を覚まし隣を見ると被っていた布団を跳ね除け眠るアルマスの姿が。

 

アルマスが起きないようにとカーテンを閉めてまたベッドの上へと戻りスマホを見る事に。

 

ヒメッターを見るとガウェインが釣った魚の写真を載せてたりイゾルデが竪琴を弾くトリスタンを載せてたり。ラグネルは作っている人形の進歩をあげてたりと皆充実した連休を過ごしているようだ。

 

 

(・・・)

 

 

そんなわけで俺もアルマスの寝顔を写真に収める事に。勝ち気な性格のアルマスの寝顔は可愛らしい。

 

 

「・・なに撮ってんのよ」

 

「アルマスの寝顔」

 

 

どうやらシャッター音で目を覚ましたようでまだ眠たそうな目で俺を睨んでいた。

 

 

「私の寝顔なんて撮ってどーするのよ」

 

「そうだな、、スマホの待ち受けにするわ」

 

「はっ?えっ、ちょっと、、」

 

 

アルマスが何か言っているのを聞きながらスマホを操作し俺の待ち受けはアルマスの寝顔となった。画面を見ると寝顔の上に今の時刻が浮かんでいて、その向こうには怒りで震えるアルマスの顔が。

 

 

「この絶・ばかっ!早く消しなさいよ!」

 

「家に泊まった対価だ!正当な取引だって!」

 

 

そんな事を言いながらアルマスはスマホを取ろうと手を伸ばし、その手を回避しスマホを持つ手を上に上げると取ろうと肩に手を付き右手を伸ばした。

 

 

「「あっ」」」

 

 

上半身に重みがかかりバランスを見事に崩し2人してベッドの上から真っ逆さまに落ちてゆく。

 

 

「ぐえっ」

 

 

アルマスに乗られて落ちた俺は床に背中から落ち、その後遅れて落ちてきたアルマスに挟まれ悶絶する痛みを受けていた。

 

 

「だ、大丈夫!?」

 

「多分問題ない、、」

 

 

痛みで閉じていた目を開けるとそこには心配そうに覗き込むアルマスの顔。そしてべったりと胸に押し付けられ首元から見える潰れたおっぱいが。

 

昔はあんなにまな板だったのに今では柔らかさを感じる程に成長したおっぱいとアルマスの顔を交互に見比べていた。

 

 

「ごめんっ!すぐに退くから!」

 

 

俺の上から退くと立ち上がらせる為に伸ばしてくれた右手を取りようやく俺は立ち上がった。

 

 

「大丈夫?痛くない?」

 

「大丈夫だよ。ありがとな」

 

 

まだ背中は痛いが身体は問題なく動きそのままベッドのふちへと座るとその隣にアルマスが座り心配そうな顔をしていて。ここは気を紛らわせる為に何か気の利いた事を言おうと考えていた。

 

 

「アルマスってノーブラなんだな?」

 

 

胸に押し付けられていたおっぱいの感触から出た結論の答えを聞こうとしての問い。詳しくは分からないがブラジャーを付けていたら硬い感覚がするだろうと。

 

しかし、問いを聞いたアルマスは顔を真っ赤にして俺をきっと睨んだ。

 

 

『このぉっ、、絶・ばかぁ!!』

 

 

その後、思いっきりビンタをされた。

 

 

「付けて寝ると寝苦しいからっ!普段は付けてるし、、ってマスターだってノーブラじゃないの!」

 

「お、おぅ?!」

 

 

よく分からない理論を聞きながらパジャマの膨らみを見ると小さな膨らみが二つパジャマ越しに見え、その視線に気付いたのかアルマスは両手で胸を隠し鋭く俺を睨んだ。

 

 

「絶・最悪」

 

「マジで申し訳ない、ってほとんどアルマスのせいだろ!?」

 

「それはマスターが私の寝顔を撮るからっ!」

 

「だって、可愛かったから」

 

「なっ、、べ、別に・・・」

 

 

思っていた事を言うとアルマスは気恥ずかしそうに目線を逸らし、また思い出したように俺を睨んだ。

 

 

「とりあえず朝飯でも食べるか。トーストで良いか?」

 

 

こくりと頷いたアルマスと共に部屋を出て一階へと降りてゆく。

 

 

「「・・・」」

 

 

そしてなんだか気まずいような雰囲気のままトーストをかじり食後のコーヒーを飲んでいて。

 

 

「今日はアルマスの部屋の掃除だよな?」

 

「そうだけど、、」

 

「どうした?」

 

「別に、、早く行きましょ」

 

 

コーヒーを飲み干すと食器を流し台へと持ってゆきそのまま玄関から出て行った。よく分からない行動にハテナを浮かべながらもコーヒーを飲みアルマスの家へと。

 

 

「うわっ懐かし」

 

 

三年ぶりにアルマスの部屋へと入った感想が口から溢れていた。昔と変わらないベッドと机の配置に色褪せているポスター。そしてゴミ、ゴミ、ゴミ。部屋のあちらこちらにゴミが転がっている。

 

 

「いや、そうはならんやろ?」

 

「そうなっちゃったのよ。っていつもは片付いてるから!」

 

「信用がないのだが?」

 

 

俺の部屋も汚い時があるがここまで汚くなる事はない。横目でアルマスを見るとぷいっと顔を逸らした。

 

 

「とりあえずゴミ集めよう。袋はある?」

 

「あるわよ」

 

 

アルマスから手渡されたゴミ袋を広げ手当たり次第にゴミを袋に放り込んでゆく。

 

 

「うわ、懐かし!これ小学校の時だよな?」

 

「どれ?あっ、そう。こんなところにあったんだ」

 

 

ゴミの中から出てきたのは小学校の卒業アルバム。思わず手を止めて中を開き過去へとタイムスリップ。

 

 

「今と変わらんね」

 

 

小学生のアルマスと今のアルマスを見比べて笑っていた。この頃はまだ顔が幼く背も低く、一緒にアルバムを覗き込むアルマスはもう大人の女性で。

 

 

「マスターだってそのまま大きくなっただけじゃない」

 

 

同じくアルバムに写る俺を指差し見ると確かにそうだ。そしてページをめくると将来の夢という見出しが。

 

 

「あったなこれ。なんか書いた記憶があるわ」

 

「私なんて書いたんだろ?覚えてないかも」

 

 

クラスメイトの将来の夢を見ながら過去の俺が書いた言葉を見た。そこには『平凡に生きる』と書いてあって。

 

 

「平凡ってなによ」

 

「そりゃ山もなく谷もなく楽に生きていたいだろ。お前はなんて書いたんだ」

 

 

男子の夢を見終わり次は女子の欄へ。アルマスの言葉を見て俺は目を見開き固まった。

 

 

『マスターのお嫁さんになる』

 

 

「・・・」

 

「ちがっ!ほんとに違うっ!もうダメ!見たらダメなんだからぁっ!!」

 

 

俺の目の前にあったアルバムは瞬間で無くなりそのままアルマスは別の部屋へと走って行った。その場には恥ずかしさで顔を熱くした俺が残っていた。

 

実際のところあのアルバムは俺も持っているのだが見返した事は無くあんな事が書かれているとは知らなかった。

 

でも、今はどうなのだろう?三年の時間の間にきっとアルマスの心内は変わっている。そう思うと少し寂しいような。

 

なんて感情に浸っているとドアが開き顔を真っ赤にし涙目のアルマスが戻ってきた。

 

 

「掃除の続きするわよ」

 

「う、うっす」

 

 

それから掃除が再開されゴミを集めゴミ袋が3つ満タンとなっていた。

 

 

「布団も干す?天気良いし」

 

「そうね。洗濯機回すから干しててもらって良い?」

 

「おけーおじさんたちの部屋の窓からだったよな?」

 

「そうよ。お願いね」

 

 

そう言って部屋を出て行ったアルマスを見送り布団を畳んでいると布団の中から脱ぎ散らかされた服が出てきてやれやれと思いながら服を集めアルマスの元へと持ってゆこうとしていた。

 

 

「マジか、、」

 

 

そこには服に混ざりブラジャーとパンツにキャミソールが。思わず手に取り眺めていた。意外と可愛い下着着けるのだと思いながら。

 

 

「マスター布団終わったー?」

 

「あっ」

 

 

そして戻って来たアルマスにその場を目撃されてしまい。なんとも気まずい沈黙が流れてゆく。

 

 

「このぉっ、、絶・変態っ!」

 

「違う!布団から出てきたんだって!お前に渡しに行こうと思って!」

 

 

弁解を述べたのだが思いっきりビンタをされ痛む頬を押さえながら布団を干していた。理不尽である。元はといえば脱ぎっぱなしにしているアルマスが悪いのに。

 

 

「よし、次は何する?」

 

「掃除機かけて、、模様替えもしたいわ」

 

「じゃあ配置考えるか。どうしたい?」

 

「えっと、、」

 

 

そう言って部屋を見渡すがベッドと机の位置はクローゼットや扉の兼ね合いもあり今のままがベストであろうと結論が出てとりあえず掃除機をかけることに。

 

埃や落ちた髪の毛が掃除機に吸われ汚かった床が綺麗になってゆく。

 

 

「まぁこんなもんか?」

 

「そうね。ありがと、綺麗になったわ」

 

 

そう言って部屋を見ると掃除をする前とは見違える程に。こうして苦労の結果が見えるのは達成感があり気分も良い。

 

 

「今から何する?」

 

 

掃除も終わり布団も元の位置に戻し暇を持て余していた。時刻は午後5時、何をするにも中途半端な時間で。

 

 

「もう少しゆっくりしたらご飯作るわ。食べてってよ」

 

「了解」

 

 

そんなわけで2人で部屋でスマホをいじいじと。とりあえず俺はヒメッターを見ていた。

 

 

「あ、これお姉ちゃんの友達」

 

「どれどれ?」

 

 

アルマスが見せたスマホを覗くとテピ姉と3人の女性が。

 

 

「これ前言ってた友達だよな?」

 

「そうよ?」

 

 

確かに人を殺してそうな人が1人居て拳で語りそうな人が1人、そしてお淑やかそうな人が1人。4人共車の前に立ち楽しそうである。

 

 

「確かに似たような車乗ってるな、、」

 

 

写真で見る限りだが4台の車はごりごりにいじってありそうで。そんな事よりもテピ姉の友好関係が気になるところ。

 

 

「ん、そろそろご飯作るわね」

 

「あいよ」

 

 

スマホを閉じ一階へと降りてゆくアルマスに着いて行く。

 

 

「じゃ、ありがとな」

 

「私も助かったわ。ありがと」

 

 

そして飯を食い終わり解散となった。とりあえずシャワーを浴び部屋へと行きベッドへとダイブ。息を吸うと何処となくアルマスの匂いがする気がして布団を被り大きく息を吸ってアルマスの匂いを嗅いでいた。

 

 

(・・・)

 

 

無意識にそんな事をした自分に気付きなんだが照れ臭い。もしかしたら俺はアルマスの事が好きなのかもしれない。

 

そう思いながら目線は窓の方を向きアルマスの部屋を見ていた。幼馴染であり友達であるアルマス。昔はそんな感情は無かったのに。

 

 

一つため息を吐いてまたアルマスの匂いを嗅いでなんかムラムラしてきたからシコる為にスマホを開きおかずを探していた。

 

 

(ん、)

 

 

そんな時メッセが届きシコるのをやめてメッセを開くとそれはアルマスからのメッセージで。

 

 

『ねぇ』

 

『どした?』

 

 

そう返すと既読は付いたものの返事はない。寝たのかと思いおかずを探しているとまたメッセが届いた。

 

 

『寝れないからそっち行って良い?』

 

『玄関開けるわ』

 

 

そう返事をして俺は足取り軽く一階へと降りてゆき玄関の鍵を開けた。するとすぐに玄関が開きそこには少し恥ずかしそうなアルマスの姿があり家の中へと入ってもらった。

 

 

「ごめん、なんか寝れなくて」

 

「良いよ良いよ。まだ起きてたし」

 

 

そんな事を話しながら自室へと行くとアルマスはまた当然のように俺のベッドへと寝転がり布団から顔を出し俺を見ていた。

 

 

「ん」

 

 

アルマスの横に寝転がり布団を被るとさっき嗅いでいたアルマスの匂いが濃く匂ってシコっていた途中という事もありムラムラと。隣に居るアルマスをそういう目で見てしまいそうになって。

 

 

「なんかマスターの隣って絶・落ち着く、、」

 

「・・・ありがと」

 

 

普段とは違う甘えたような声で言われムラムラとしていた気持ちは少し収まった。ってかそんな事を言われたらそんな目で見れなくなって。

 

 

「ねぇ」

 

「どした?」

 

「少しだけ、引っ付いても良い?」

 

「・・・ほら」

 

 

左腕を伸ばすと腕を枕にして顔を胸にうずめ、気が付けば足が絡められて頭を撫でていて。

 

アルマスの言う通りじゃないけどアルマスにこうしていると落ち着く。

 

 

「寝よっか」

 

「うん、おやすみマスター」

 

「おやすみアルマス」

 

 

2人してそのまま眠りへと落ちていく。

 

 

 

………………………………………………………………

 

 

 

次の日、目を覚まし隣を見るとアルマスはまだ寝ていて無防備な寝顔を俺へと向けていた。かわいいなこいつ。そう思いながらスマホを見ると時刻は午前10時。今日は予定も無いしもう一眠りしようと目を瞑るのだが眠気はこない。それよりもムラムラとし始めていた。

 

それもそうだろう。アルマスが二泊した事によりシコる時間は無かったし出さなければ溜まるのだから。それに隣に可愛い女の子が寝ている。ムラムラするなという方が無理だ。

 

しかし、アルマスに手を出す事はできず、1人でする事もできずただ悶々としているとアルマスが身をよじり大きく伸びをして薄目で俺を見ると目を見開いた。

 

 

『ええっ!?なんでマスターが私の部屋に居るのよ!?』

 

「なんでやねん。俺んちだわ」

 

「えっ、本当だ」

 

「昨日の夜にうち来たの覚えてないのか?」

 

「んっ、、マスターにメッセしたのは覚えてるけど、、」

 

「夢遊病?」

 

「違うわよっ!でも、なんかマスターの家に行ったかも、、」

 

「まぁなんだ、飯食うか?」

 

「いただくわ」

 

 

そんなわけでアルマスと共に一階へと降り飯を食う為に冷蔵庫を開けると何もなかった。

 

 

「冷蔵庫何もないわ。そういえば買い出しにも行ってなかったし」

 

「じゃあ買いに行きましょ。着替えてくるわ」

 

 

今日の予定が決まりアルマスは着替える為に家へと戻ってゆく。その為俺も着替える事となりパジャマから普段着へと華麗に変身をし、パジャマやらを洗濯機に放り込み回転させておく事に。

 

 

「お待たせ」

 

 

そんなこんなをしていると着替えを終えたアルマスが玄関を叩き家を出る事に。

 

 

「早く行こ、私絶・お腹空いたわ」

 

「お、おう、、」

 

 

そこにはジーンズのショートパンツを履き、黒のパーカーを着たアルマスの姿が。思っていたよりも私服で来ていて何ともコメントに困る。

 

 

「何よ」

 

「何でもない。んで、どこ行く?」

 

「ここならスーパーが近いけど、何買うの?」

 

「食品の買い出しかな?1週間分は買っておきたいな」

 

「なら自転車で行きましょうよ」

 

「そやな?」

 

 

そんなわけで家の倉庫に自転車を取りに行くとそこに自転車はあったのだがフレームに錆が付きタイヤは二本とも空気が抜けていてとても乗れる状態ではなかった。

 

その事をアルマスに伝えると「じゃあ、、乗ってく?」との事。それが何を意味するのか少し考えているとアルマスは自転車に跨り荷台を指差していた。

 

なので俺は遠慮なくアルマスの漕ぐ自転車の後ろへと跨った。

 

 

「いけいけー」

 

「ってなんで私が前なのよ!こういう時ってマスターが漕ぐんでしょ?!」

 

「じゃあ帰りは俺が漕ぐわ。それでおけ?」

 

「まぁ、、それで良いけど、、」

 

 

そんなわけで俺とアルマスが乗る自転車は走り出しスーパーを目指す。5月の適音な気温を風を切りながら。

 

 

「うわ、あそこの薬局潰れてコンビニになったのか」

 

「そうなのよ。コンビニが近くになったから便利だけど」

 

「へぇー三年もいないとやっぱ変わるな」

 

 

懐かしい街並みを見ながらのサイクリングは新鮮で、記憶と現在が一致しないけど何か楽しくて。

 

 

「あっ」

 

「うおっ!?」

 

 

景色を眺めているとアルマスの間抜けな声が聞こえそれも同時にガタンっと自転車が揺れバランスを崩しそうになり慌てて前にいるアルマスを掴んだ。

 

 

「ちょ!どこ触ってんのよ!」

 

「えっ?」

 

 

そう言われて手の感覚を感じると硬いような柔らかいような?それから手の位置を見ると俺の手はアルマスのおっぱいを鷲掴みにしていた。

 

 

「違う!マジで違う!」

 

「このっ絶・変態!早く手を離してって!」

 

「ちょ!前っ!前っ!!」

 

「えっ?うわぁぁぁっ!?」

 

 

手を振り解こうとしたせいで自転車はそのまま植え込みへと進みそのままダイブ。

 

必死に植え込みから脱出しまだもがいているアルマスの手を取り引き出していた。

 

 

「この絶・バカぁ!ほんと何考えてるのよ!?」

 

「事故だって!わざとじゃない!」

 

「もうマスターが運転してよね」

 

「はいっ」

 

 

そんなこんなで俺が自転車を漕ぐ事になり後ろにアルマスを乗せスーパーを目指す事に。

 

それから案内を受けながらスーパーへと辿り着いていた。

 

 

「へぇーこんなスーパーあったんだな」

 

「去年できたの。お姉ちゃんと良く来るのよ」

 

「次からテピ姉に乗せてもらお」

 

 

店内に入ると冷房が良い感じに効いていてかいた汗が引いていくのが分かる。とりあえずカゴを持ち店内を散歩してゆく。

 

 

「それで、何を買うの?ある程度なら場所分かるけど」

 

「とりあえず全部見ようぜ。次からここに来るつもりだし」

 

 

2人並んで店内を歩む。

 

 

「夕飯どうする?食べてくか?」

 

「そのつもりよ?」

 

「何食べたい?」

 

「ん、、そうだ、一緒にこれ作りましょうよ」

 

 

アルマスが指差したのはお好み焼きの粉が入った袋。それをカゴに入れ必要な材料と1週間分の食料を買ってスーパーを出る事に。

 

そして、スーパーの前にあるたこ焼き屋でたこ焼きを買い昼飯がてら食べていた。

 

 

「ってお好み焼き食うのにたこ焼き食べるか?」

 

「まぁ良いじゃない。ん、おいし」

 

 

ベンチに座るアルマスは爪楊枝に刺したたこ焼きを大きな口で食べていて、何とも平和な連休だ。

 

 

「ん」

 

 

ポケットに入れていたスマホがバイブしメッセの受信を告げ見るといつメンのグループメッセで。

 

 

『明日どーするんだ?』

 

 

と、ガウェインからのメッセが。

 

 

「明日どうするんだろうな?」

 

「さぁ?言い出しっぺのトリスタンは?」

 

「しらね」

 

 

スマホを置き焼きそばを食べていると噂のトリスタンからメッセが。

 

 

『明日の朝10時に駅集合で。したい事考えてね』

 

 

との事。

 

 

「あいつ企画しといてこっち任せかよ。アルマスはしたい事ある?」

 

「んーそうだ、ラ○ワン行きたいかも」

 

「ラウ○ンね」

 

「駅の近くにあるし、みんなで遊べるわ」

 

 

そう言ってグループにその事を書き込むと賛成との声がもらえ明日はみんなでラウワ○に行くことが決まった。

 

 

「よし、じゃあそろそろ帰るか」

 

「そうね」

 

 

昼飯も食べ終わりアルマスと食材を自転車に乗せて家へと帰って行く。

 

 

 

その日、ソファーに座りスマホを触っているアルマスの後ろからこっそりと画面を覗き見。するとそこにはイゾルデ、ラグネルとのグループメッセのようで明日の夜、ラウワンの帰りに家に来て欲しいとのアルマスの書き込みが。

 

なんか盗み見みたいで申し訳なくなりこそこそと移動しあたかも今来たかのようにアルマスに声をかけた。

 

 

「どーした?」

 

「え?べ、別に何でもない!」

 

 

と、訳ありそうなリアクションがもらえた。それに適当に返事をして椅子に座ると俺もトリスタンとガウェインとのグループメッセを作り書き込んでいた。

 

 

『明日の帰りにイゾルデとラグネルがアルマスの家に行くんだって』

 

『へぇ。で、それがどうかしたの?』

 

『俺んちアルマスの家の隣だから何話してるか聞こえるから不安だから2人とも来て』

 

『りょーかい』

 

 

トリスタンから返事は来たのだがガウェインはまだ未読で。

 

 

『ガウェインには僕が伝えておくからメッセ消しときなよ。どーせ意図が分からずにラグネルに言うのがオチだ』

 

『草。おけ消しとく』

 

 

トリスタンのいう事は最もなのでメッセを消しておく事に。

 

 

「何してるの?」

 

「べ、別に何でもないよ。それより何する?」

 

「ん、なにしよう?」

 

 

2人して悩むのだが特にやる事もなく夕飯の時間になるまでスマホをいじっていた。

 

 

「さて、お好み焼き作りますか」

 

「そうね。私が食べたいって言ったから私が作るわよ」

 

「俺も暇だし一緒に作るか」

 

 

そんなわけでアルマスとお好み焼きをレッツクッキング。ってもキャベツをみじん切りにしている間に粉を混ぜるだけなのだが。

 

 

「油どこにある?」

 

「床下収納かも。見てみて」

 

 

アルマスに頼むと床にある入り口を開け中を覗き込んでいた。そんなアルマスを横目で見て、俺は真剣にアルマスを見ていた。

 

そこには上半身を収納口に突っ込みお尻だけが出ている姿。むちっとした生足にお尻がふりふりと揺れていて、よく見ると下着のラインがショートパンツに浮き出ている。完全無防備の日常エッチに目が釘付けで。

 

 

「ふぅ、やっと取れたわ」

 

 

残念な事にアルマスは油を見つけ抜け出していた。

 

 

「フライパンの準備は良い?」

 

「え?ごめん、何もしてなかったわ」

 

 

ジト目で見るアルマスに謝りながらフライパンを取り出しコンロに置くとアルマスが油を注いでくれて。

 

 

「よし、焼くか!」

 

 

熱された油弾けるフライパンへとネタを流し込むとじゅじゅうと何とも良い音と香ばしい香りがたちのぼる。

 

 

「交代でひっくり返しましょうよ」

 

「良いねーミスしたら土下座案件だぞ?」

 

「これぐらい余裕よ」

 

 

熱されたネタに気泡が浮かぶとアルマスは豚バラを乗せフライ返しでネタを浮かせ、更にフライパンを揺り完全にフライパンとネタを切り離した。そして。

 

 

「よしっ!成功だわ♪」

 

 

フライパンの上から宙に舞ったネタは空中で一回転し、フライパンの上へと戻った。そこには良い感じに焦げ目が付いたネタとドヤ顔のアルマス。

 

 

「よぉーっし!任せろよ、見とけよ!」

 

 

豚バラが焼ける良い匂いがして俺はフライ返しを取りふちから剥しフライパンを揺りネタと切り離した。

 

 

「せーのっ!」

 

 

掛け声と共にネタは空を飛びフライパンの上へと華麗に着地した。

 

 

「どやぁ」

 

「顔ウザすぎ。でも良い感じね」

 

 

そこにはこんがりと焼き目の付いたお好み焼きが。それはそのまま皿へとスライドし包丁で四つに切り分けられテーブルへと運ばれていた。

 

 

「お好み焼きといえば?」

 

「ソースとマヨと青のりよね?」

 

「ぶちまこうぜ」

 

 

ソースとマヨを持ちどばどばとぶち撒け最後にアルマスが青のりを上からふりかけてゆく。

 

 

「ハクション!」

 

「おまえーーーっ!!」

 

「うわぁぁっ!!」

 

 

そこにはくしゃみで加減を失い袋に入った青のりを全てぶちまけられたお好み焼きが。

 

 

「ご、ごめん、、」

 

「ここでやらかすのか、、まぁ気にすんな食おうぜ」

 

「う、うん、、」

 

 

とりあえず実食を。四つに分けられた一つを箸で取ると山になっている青のりがさらさらとこぼれ落ちてゆくが気にせず口へと運ぶ。

 

 

「ぶへっ!」

 

 

口に入れた瞬間にのりの香りが口内を独占し青のりが喉にへばり付きとても食えたもんじゃない。さらに歯に青のりが付き舌で触るとざらざらする。

 

それはアルマスも同じで対面する顔は渋いもので歯には青のりが大量にくっ付いている。

 

 

「なんかお好み焼きじゃなくてノリ食ってるみたいだな」

 

「趣旨を変えれば良いのよ。お好み焼きじゃなくてのり焼き食べてるって」

 

「お前ノリノリだな」

 

 

そう言った瞬間アルマスが笑い口の中からのりの塊が飛び俺の手へと付いた。

 

「ごめっ、、マスターが笑わせるからよ!」

 

「これが本当の飛のり・・・」

 

 

またアルマスの口からのりが飛んだ。と、まぁ楽しい夕食を終え片付けも終わりお茶を飲みながらまったりとした時間へと。

 

 

「今日泊まってく?」

 

「じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。お風呂入ってくる」

 

「おけ、待ってるわ」

 

 

出てゆくアルマスを見送りスマホを見ながら風呂場へと。するとガウェインからグルへの返信があり『削除された文が気になるっ!』との書き込みが。

 

 

それに返信をせず風呂に行きシャワーを浴びていた。

 

 

「おい、マジか」

 

 

そして今夜もアルマスが泊まりに来る事を思い出し軽く絶望をしていた。オナ禁2日目の俺はアルマスが横に居て耐えられるのだろうか?正直なところ耐えられる自信がない。

 

ここで抜いとくか?でももしワンチャンがあった時勃たないのは不味い。などと邪念が脳内を埋め尽くしてゆく。

 

ってか女ってムラムラしないのか?あの状況で健やかに眠れるって事はムラムラしてないって事だよな?

 

などと良く分からん自問自答を1人考えていた。

 

 

「マスター?まだお風呂?」

 

「うぉっ!?」

 

「何よ大きな声出して。戻ってきても居ないから心配したわ」

 

「もうすぐ出るから待ってて」

 

 

風呂場のモニターの時計を見ると30分以上訳のわからない事を考えていたようで。とにかく、アルマスが居る以上抜くという選択肢は消え大人しく身体を洗い風呂を後に。

 

 

「お待たせ」

 

 

スエットを着てリビングへと行くと上下水色の何とも涼しそうなパジャマを着たアルマスがソファーでスマホをいじってて。俺に気がつくとあくびをしながらこっちを向いて、それにつられて俺もあくびを一つ。

 

 

「寝ましょ」

 

「そうだな」

 

 

3回目ともなると慣れたものでアルマスがベッドの壁側へと寝転び俺はその隣に寝転がった。

 

 

「明日何時に起きる?」

 

「えっと、ここから駅までどれぐらい?」

 

「歩いて30分ぐらいだから、、待ち合わせが10時でしょ?」

 

「9時に起きて準備して行けば大丈夫そうだな?」

 

「そうね、目覚ましかーけよっと」

 

 

スマホを開き目覚ましをかける前にアルマスはメッセのグルを開いた。その時横目でちらりと見ると2人とも明日アルマスの家に来るようで。返信をするとアラームをセットし布団を被り顔を出し俺を見つめていた。

 

 

「腕まくら?」

 

 

そう言うとこくりと頷いたので左手を伸ばすと頭を乗せた。

 

 

「ねぇマスター」

 

「どうした?」

 

「・・・おやすみ」

 

「おやすみ」

 

 

アルマスを抱きしめるように寝ようとして、眠りに落ちるまで考え事。

 

アルマスと付き合えばこの関係がずっと続くだろう。だが、もし告白し振られればこの関係は崩れ気不味い思いをするだろう。それは何よりも怖い、また会えて心地の良い関係が崩れる事が。

 

 

(・・・)

 

 

だけどもし俺がウジウジしている間に好きな奴ができたら?そいつに取られたら?友達以上になる事は無いしこうして一緒に寝る事も無くなる。それにアルマスが他の男とこうしているって考えると無性に腹が立つ。

 

明日トリスタンに聞こう。そう心に決めて穏やかな寝顔を見てから俺は目を閉じた。

 

 

 

次の日、アラームが鳴った気がしたような気がしながらも寝ていて目を開けると寝ながら俺にしがみつくアルマスが居て、アホみたいな寝顔を見て笑いながらスマホの画面を見た。

 

 

『うぉぉぉぉお!!起きろアルマスぅ!!!』

 

「何よ朝っぱらから、、」

 

「じかん!時間がやべぇ!!」

 

 

「じかん?」そう言いながら寝惚けた目で俺が突き付けるスマホを見た。

 

 

『あぁぁぁぁぁぁあ!!!絶・遅刻よ!?!?』

 

「急げ!着替えるぞ!」

 

「そうね!」

 

 

昨日かけたアラームは仕事をせず俺たちは待ち合わせ時間の10分前に目を覚まし怒涛の如く準備を。

 

 

『急げぇ!!』

 

 

よく分からんが2分で準備を済ませアルマスを乗せ自転車を漕ぎ信号を三つぐらい無視して走り10時5分には集合場所の駅へと辿り着いていた。

 

 

「おっはよー♪」

 

「うっす」

 

「遅いよ。何してたの」

 

「6分の遅刻ね」

 

 

自転車を漕ぎ汗だくな俺は4人へと右手をあげそのまま自販機へ水を買いに行っていた。

 

 

「ごめん、目覚ましかけたんだけど気付かなくてさ」

 

「それで2人仲良く遅刻って訳ね。一緒に寝ていたのかしら」

 

「寝てたけど、、」

 

「「「!?」」」

 

「!?」

 

 

自販機から出てきた水を取ろうとした時驚くような声が3つ聞こえ思わず俺も驚いていた。

 

 

「まぁ良いわ。この話は後で詳しく聞くとして」

 

「えっ、私今から根掘り葉掘り聞きたいなーなんて思ってたりしてるんだけど?」

 

『『オッホン』』

 

 

水のペットボトルを買い場所に戻るとそこにはシュンっとしたラグネルと顔を真っ赤にしているアルマスの姿が。その姿を不思議に思いながらもラウワ○へと行く事に。

 

 

「うぉーやっぱ連休だけあって人すげーな!」

 

「中に入ればバラけるからそれなりには遊べるでしょ」

 

 

開店時間を過ぎているにも関わらず店内へと続くドアの前には長蛇のが。さすが人気のアミューズメント施設である。

 

そんな列の最後尾に並び暇を潰すかのように連休中にあった事を話していた。

 

 

「俺はずっと釣りしてたなー」

 

「へぇーラグネルと会わなかったんだ?」

 

「人形作ってたし、ガウェインが居るとすぐちょっかい出してくるから会わないって私が言ったんだよ。おかげで昨日完成してガレスちゃんに渡せたんだ♪」

 

「僕はイゾルデと一緒に居たよ」

 

「トリスタンの竪琴好きなのよ。時間がある時にしか弾いてくれないから。それでそちらは何をしていたの?」

 

「んっ俺はずっとアルマスと居たよ」

 

「ずっと?」

 

「ずっとよ。だって1人で居ても暇だったし、、って!別に変な事なんてしてないから!」

 

 

慌てて挽回するアルマスをニヤニヤしながらラグネルが見ていて。そのニヤニヤ目線は俺にも注がれていた。

 

 

「いーなー私も誰か一緒に居てくれる人が居たらなー」

 

「ラグネルが来るなって言ったんじゃねーか」

 

 

けらけらと笑うラグネルに少しむっとしたガウェインを見て笑っていた。

 

そんなこんなで時間が過ぎ俺たちは受付を済ませ○ウワン店内へと。あれだけ行列を作っていた人はトリスタンの言う通りバラけていて少し待つだけでアイテムで遊べそうだ。

 

 

「カバン持ってあげるよ」

 

「ありがとトリスタン」

 

 

そう言ってイゾルデのカバンを持つトリスタン。くたばれリア充。

 

 

「あっねぇカラオケ行きましょうよ」

 

 

アルマスの提案によりカラオケルームへと入る事に。入ると同時にアルマスは端末を操作して曲を入れていた。

 

 

「誰か歌う?」

 

 

アルマスが端末を向けるも誰も首を縦に振らず。それを見て曲を入れて、マイクを手に取っていた。

 

 

『手を取ったその日から共鳴重なりあった』

 

 

「だいたいSSでカラオケって無理があるんだよ」

 

「そうだけど、アルマス歌上手いね」

 

 

『遠い日の誓いはまだ、この胸燃やして』

 

 

「ってか著作権とか大丈夫なのか!?」

 

 

『憎しみを振りかざせば悲劇を断ち切れるの?』

 

 

「二次創作でそれ言う?」

 

 

『守り抜く為ならば誰より強い自分になれる』

 

 

「曲はまずいだろ?流石に」

 

 

『立ち上がる度に、あなたの声がー運命を報せる羽に舞う』

 

 

そんな心配をよそにアルマスはノリにノリ、立ち上がりサビを熱唱していた。

 

 

『蒼き絶蝶斬リ拓いた一閃の光』

 

 

「あはは♪いけいけー♪」

 

 

『この世界中を照らすのを待っていた、超える絶望、取り戻した幾千の痛み』

 

『流す代償も背負って立っていた、あぁ、描いたあの日に笑い合っているように、きっと、いつか…』

 

 

曲を歌い上げマイクを開くと一同の拍手を受け照れたように笑っていた。

 

 

「おっ、ロデオあるじゃん。あれやろーぜ」

 

 

カラオケが終わり店内を歩いてるとガウェインが指を刺す。それは牛の形をしたロデオマシーン。

 

暴れる牛の上から振り落とされなければ良いみたいで。

 

 

「おっし、やろうぜ」

 

「じゃあどっちが長く乗れるか勝負だな!」

 

 

2台あるロデオに俺とガウェインが跨りどっちが長く乗れるか勝負。ロデオには手すりもあるししっかり捕まっていれば大丈夫だろうと思っていた。

 

 

「うおぉっ!?」

 

 

しかしロデオは荒ぶる闘牛のように身を揺らし俺は呆気なくマットの上に放り出されていた。

 

 

「絶・情けないわね」

 

「うっせ」

 

 

そんな俺とは違いガウェインは牛を乗りこなし余裕のポーズまで。

 

 

「あはは♪写真撮るよー♪」

 

 

体幹の違いを見せつけられた瞬間である。

 

 

それから店内をぐるぐると回りラグネルが射撃をしたりトリスタンとイゾルデがアーチェリーをしたりと3人の意外な特技を見せられ驚いたりと充実した時間を過ごしていた。後半がかなり雑だけどだが本題はここからなのでしょうがない。

 

 

「じゃ、また明日学校でね」

 

「ばいばーい♪」

 

「明日は遅刻せず来るのよ」

 

 

そう言って帰って行った3人が遠ざかった頃、俺たちは作戦会議を行う事に。

 

 

「アルマスの家はマスターの家の隣なんだよね?なら少し時間を空けてから行こうか」

 

「って、なんの話ししてんだ?」

 

「まぁ、2人に相談だよ」

 

「鈍感2人の世話ってところかな。そろそろ行こうか」

 

 

10分程時間をずらし家へと帰ってゆく。その道中で3人に会う事はなくナイスな時間配分だ。

 

そして3人を部屋へと招き入れ窓際から隣の様子を伺い漏れる声を聞こうとしていたのだが思っていたより声は聞こえず話し声は聞こえるが内容は全く分からない。

 

 

「うーむダメか」

 

「そんな事だろうと思ってちゃんと仕込んでおいたよ。僕に電話かけて」

 

「??」

 

 

疑問に思いながらもトリスタンのメッセに電話をかけるとすぐ隣のトリスタンが電話に出た。

 

 

「それがどうしたんだ?」

 

「こうするのさ」

 

 

トリスタンが画面を操作し電話をワイヤレスイヤホンに切り替えると隣の話し声がトリスタンのスマホから聞こえ始めた。そして、トリスタンはスマホのマイクを切った。

 

 

「マジか!いつ仕込んだんだ?」

 

「ラウワ○でイゾルデのカバンを持ったでしょ?その時だよ。イヤホンなら間違えて入ったって言えば言い訳も通りやすいし。それより、僕達にくたばれリア充って思ってたよね?」

 

「その節は大変申し訳なく思っております、、」

 

「んで、なんでマスターはそんなまどろこしい事するんだ?好きなら好きって言えば良いじゃねえか」

 

「そうなんだけど、もし失敗したらって思うとさ」

 

「そんなの当たって砕ければいーんだよ。俺なんて毎日ラグネルにこくってたぞ」

 

「君と一緒にしないでくれるかな?っても、今回はガウェインの意見に賛成だね。アルマスはマスターの事を好きだと三者として見ていても分かるけど」

 

「んでよ、お前はアルマスの事どう思ってるんだ?」

 

 

 

『それで、アルマスはマスターと何してたの?』

 

『それは、ドミノしたり料理作ったり買い物したり、、』

 

『その返事はまだ何かしてそうね。ほら、良い答えを出す為よ隠さずに言いなさい』

 

『・・マスターの家にお泊まりしてた、、』

 

『3日共?』

 

『うん、、』

 

『一緒に寝たの?』

 

『うん、、』

 

『それってマスターの事好きじゃん!』

 

『私は・・』

 

「俺は・・」

 

『マスターの事が』

 

「アルマスの事が」

 

「『好き」』

 

 

言った言葉を掻き消すような爆音が聞こえた。この音はテピ姉が乗るチェイサーの排気音。サーキットから帰宅したようで。

 

 

「環境に悪い音だね。ヤカラが近くに住んでるの?」

 

「アルマスの姉の車です・・・」

 

「「えぇー」」

 

 

ドン引きする2人に何故か俺が申し訳なくなる。それは向こうも同じようでアルマスの申し訳なさそうな声がスピーカーから聞こえていた。

 

 

『アルマスただいまーお土産買ってきたぞ♪』

 

『お姉ちゃんっ!今友達来てるから後にしてって!』

 

『こんばんわ、、』

 

『えっめちゃ可愛いっ!アルマスのお姉さん!?』

 

『こんばんわー♪アルマスの姉のグランテピエ、だぞ♪高校の友達かな?』

 

『はい!私、ラグネルっていいます!それで、こっちがイゾルデです!』

 

『ふふっ、そんなに硬くならなくても良いよ?私は先輩でもなんでもないからタメ口でいいよ♪』

 

『お姉ちゃんってば!もう出てってよ!』

 

『まぁまぁアルマス。私はグランテピエさんが居た方が良いかなーなんて♪』

 

『そうね、アルマスの一番親しい人だし話すのなら都合が良いわ』

 

『なんの話しをしてたのかな?』

 

『それは・・』

 

『・・・』

 

『あはは♪だいたい分かるから大丈夫だよ?それよりみんなは時間大丈夫なのかな?』

 

 

テピ姉の言葉につられて時計を見ると20時を回ろうとしていた。

 

 

『もし良かったら泊まっていきなよ。でもご両親の許可が出てから、だぞ♪』

 

 

『ちょっと聞いてみよっかな』

 

『私も』

 

『・・・』

 

 

「2人はどうする?」

 

「会話が聞けなくなって良いなら帰るけど。それとガウェインはもう寝てるよ」

 

 

やけに静かだと思ったらガウェインは俺のベッドを占領して寝ていた。寝るのは良いがせめて風呂入ってからにしろよと。

 

 

「そうだ、6月に運動会あるでしょ?」

 

「あるな?」

 

「なんかの競技で一位になったら告白するのはどう?その為に努力する必要があるし、君にその気持ちがあるならね」

 

「そう、だな。良いきっかけにもなるし」

 

 

『じゃあ一度家に帰って荷物を取ってくるわ』

 

『私も。明日学校だしね』

 

『それなら送ってあげるよ。夜道は危ないし』

 

『じゃあお言葉に甘えさせてもらおっかな♪』

 

『私も絶・行くから』

 

 

そんな会話が聞こえドアが開く音の後にチェイサーのエンジンがかかった。

 

 

「イヤホンの接続が切れた」

 

「マジか」

 

 

走り去るチェイサーに乗ったイゾルデのカバンに電波は届かず。それに私用のカバンは学校に持っていけない為音声を拾う事は不可能だろう。

 

 

「ん、部屋の窓は開いてるね。この距離なら飛び移れるでしょ」

 

「つまり?」

 

「ガウェインのスマホと電話を繋いであの部屋に置いておくんだよ。全員が居ない今がチャンスだ」

 

「その案は流石に草ですよ」

 

 

そんなわけでガウェインのスマホに電話をかけ通話に出ると俺は窓から下屋根に降りアルマスの家の下屋根へと飛び移った。

 

「どこに置く?」

 

「人目に付かなくて音声が拾える場所、ベッドの下で良いんじゃないかな?」

 

「りょーかい」

 

 

窓を開け部屋へと忍び込みガウェインのスマホをベッドの下へセットし俺は部屋へと戻っていた。それと同時にチェイサーの排気音が聞こえ駐車場へと入ってゆくのが見えた。

 

 

「ナイスタイミングだったね。それで、ガウェインのスマホいつ回収しよう?」

 

「大草原」

 

 

ガウェインのスマホは犠牲になったが聞き込み調査再開である。

 

 

『それで、お土産って何買ってきたの?』

 

『シャンパンなんだけど、みんなで開けちゃう?』

 

『シャンパンってお酒じゃない!絶・却下よ!』

 

『昔パパのお酒こっそり飲んでたの知ってるんだけどなー?』

 

『うぐっ』

 

 

「アルマスのお姉さん面白いね」

 

「アルマスの天敵だよな」

 

 

『じゃあ飲みたい人ー?』

 

『はーい♪』

 

『いただくわ』

 

 

テピ姉の提案により向こうはシャンパンを開ける事に。それならばとこちらはトリスタンとコーラを開ける事にした。

 

 

「かんぱーい」

 

「僕も向こうに行けば良かったよ」

 

 

そう言いながらもコーラを飲むトリスタン。気持ちは分かるぞ。

 

 

『ん、おいしいっ!』

 

『でしょ?向こうで飲んで美味しかったから買っちゃったんだ♪でも飲みやすいから飲み過ぎには注意だぞ?』

 

『へーきへーき♪』

 

 

「ラグネル大丈夫か?」

 

「知らないよ、好きにすれば良いさ」

 

 

それから30分が経った頃、スピーカーからやたらとハイテンションなラグネルの声が。

 

 

『んでさーガウェインがすぐやりたいっていうんだよ!こないだなんて学校でしようって言い出して!』

 

 

突然の発言に振り返りガウェインを見るが彼は夢の中で。

 

 

『あはは、そういう年齢だもんね』

 

『しかも生でしたいって!まだ学生だし責任取れるの?って聞いても大丈夫としか言わないし。ガウェインの事は好きだけどそういうところ本当に嫌い』

 

 

「猿だな」

 

「猿だね」

 

 

『トリスタンはどうなの?ちゃんとしてくれてる?』

 

『えぇ、ちゃんと優しくしてくれているわ。それにいつも付けてくれるし』

 

『いいなー』

 

 

「そのドヤ顔やめろよ」

 

「あはは」

 

 

『でも、付けない方が気持ち良いって聞くし、してはみたいわ』

 

「善処します、、」

 

『アルマスはマスター君とどうなのかな?』

 

『私は別にっ、マスターとしたいだなんて思った事もないしっ!』

 

『そんな事まで聞いてないんだけどなー?』

 

『お姉ちゃんのいじわるっ』

 

『グランテピエさんは彼氏居ないの?』

 

『今は居ないよ。彼氏作るよりも今は車乗ってる方が楽しいしさ♪』

 

『モテそうなのにー』

 

『良く声はかけられるけれど断ってるよ。まだ遊んでたいしね♪』

 

『お姉ちゃんって彼氏居た事あるの?そんな素振り見えなかったけど』

 

『居たよー?それなりには遊んでたし。多分2人の彼氏よりはテクはあると思うよ?』

 

『いや、そこまで聞いてないから』

 

『どうしたのラグネルちゃん?』

 

『えっ?あぁいや、、なんでもない、、事もないんだけど、、』

 

『ふふっもしかしてお姉さんのテクが気になっちゃったのかな?』

 

『まぁ、、ちょっとだけ・・』

 

『んーラグネルちゃんならキスだけで堕とせる自信があるけど、こっち側に来る気があるならしてあげるぞ?』

 

 

「「・・・」」

 

 

『お願いします・・』

 

『ちょっとお姉ちゃん!?ラグネルもダメだってばっ!!』

 

『ちょっとラグネルちゃん借りるね。5分したら戻ってくるからね』

 

 

それからアルマスの絶叫とドアの閉まる音が聞こえイゾルデの笑い声が。

 

 

「マジか」

 

「まぁ、行いの悪さが出たんだよね」

 

 

俺たちの視線は何も知らずに眠るガウェインへと向けられていた。

 

 

 

『ただいまー♪』

 

「おっ帰ってきた」

 

「ラグネルの声がしないね」

 

『ラグネルは』

 

『立てないって言ったから、もうすぐ来るとは思うけど』

 

『お待たせ、、あはは、、すごかった・・』

 

『ラグネルに何をしたのよ』

 

『何ってキスだけだよ?もしかしてイゾルデちゃんも気になってたりするんだ?』

 

『少しは気にはなってはいるけれど、、』

 

『もうダメっ!絶・ダメなんだからぁっ!!』

 

「「・・・」」

 

「テピ姉恐るべし」

 

「危なかった・・」

 

『じゃあアルマス、私としてみる?』

 

『なっ!?絶・拒否!初めてのキスがお姉ちゃんなんて絶・嫌!』

 

『ふふっ冗談だよ♪初めてのキスはマスター君に取っておきたいもんね♪』

 

『べ、別にそんな事ないけど、、お姉ちゃんだから嫌なの!』

 

『なら私とするかしら』

 

『じゃあ私も〜♪』

 

『ちょっ!2人とも!!』

 

 

 

「あっ!電話が切れてた!?」

 

「充電が切れたみたいだね。長い事電話してたから仕方ないね」

 

「くそぉ、、」

 

 

楽しそうな声が聞こえる隣の家を眺めトリスタンの顔を見た。

 

 

「まぁ寝ようよ。明日から学校だしね」

 

「そうだな。ありがとうトリスタン」

 

「お礼なんて良いよ。僕も楽しませてもらったからね」

 

 

そう言って部屋の電気を消し適当に寝転がり寝る事に。たまに隣から聞こえてくる声に妄想を膨らましながら俺は寝た。

 

 

次の日、学校に行くとアルマス達は既に居て、みんな寝不足そうな顔をしていた。

 

「おはよ。寝るの遅かったの?」

 

「少しね」

 

「ふぁあ〜〜」

 

 

そう言ってあくびをするアルマスとラグネルを見ていた。

 

 

「どうしてこれがここに・・」

 

 

トリスタンの机の上にはワイヤレスイヤホンとガウェインのスマホが置かれておりそれを見たトリスタンの顔はみるみるひきつってゆく。

 

 

「おぉっ!俺のスマホ!こんなところにあったのか」

 

「昨日無くしたんでしょ?『私』が見つけたから持ってきたわ。それとトリスタンには放課後話があるから」

 

「うえっ」

 

「アーメン」

 

 

 

まぁ、そんなこんなで時間は流れ体育祭を行うという通知が学園から届きクラスのみんなは種目に出るのかを決めていた。俺にとっては負けられない戦いが始まるわけであり、ここはなんとしてでも楽に勝てそうな種目を取りたいところだ。

 

しかし、悩んでいる間に種目はクラスの陽キャ達が掻っ攫ってゆき残っている種目は一種類に。

 

 

「マジかよ」

 

「良いじゃんこれで」

 

 

後一つ残った種目は二人三脚のみ。しかし二人三脚とは読んで字の如く1人でできる競技ではなくペアがいる。俺の目は黒板を見ているアルマスを見た。

 

 

「アルマス。マスターがこの種目にアルマスと出たいと言っているけど」

 

「本気なのマスター?」

 

 

イゾルデのアシストによりアルマスが俺の方を向いた。このイゾルデ、あの時の会話を全て知っていた。トリスタンと同じ方法でこちらを盗聴していたようで。なんだよこいつらスパイ・カップルかよ。どこでそんな訓練受けたんだ。

 

 

「アルマスがよかったらペアになってくれないか?」

 

「分かったわ。やるからには絶・勝ちにいくわよ!」

 

「おぅ!頑張ろうぜ相棒!」

 

「なっ、相棒って。、一緒にやるだけだしっ!」

 

 

相変わらずなアルマスへと手を伸ばすと照れながらもしっかりと手を掴んでくれた。体育祭は4週間後、今から気合が入る。

 

 

そんなわけで学校が終わり帰る時に二人三脚の練習をしてみる事に。以前ラグネルがくれた負け犬ハチマキで左足と右足を縛り試しに歩いてみる事に。

 

 

「うーんマジか」

 

「ぜんぜんダメね」

 

 

思っていたよりも息が合わず3メートル歩くのに一分はかかっていた。しかもその途中に何度も転びかけて。絶望的な息の合わなさだ。

 

 

「でも、こういうのって掛け声かけながらするものじゃない?」

 

「まぁ確かに?なんか良い掛け声あるか?」

 

「あれなんてどう?ネットで前流行ってたやつ」

 

「なんだそれ?」

 

「ほら、フクロウがえっほえっほって走ってるやつ」

 

「あ〜えっほえっほミームか!懐かしすぎて思い出せなかったわ」

 

「掛け声も決まったしやってみましょうよ」

 

「よし、やろうか」

 

「「えっほえっぐおっ!?」」

 

 

掛け声を決めたのは良いがどちらの足から出すのかを決めてなかった俺たちはバラバラの足を出し顔面から地面へとダイブしていた。

 

 

「いたた、、」

 

「大丈夫か?」

 

「すこし擦りむいただけ。平気よ」

 

 

アルマスの手を見ると受け身を取った時に擦りむいた左手の手のひらが。

 

 

「ちょっと待ってろ」

 

 

背負っていたカバンを下ろし中から消毒液と絆創膏を取り出しアルマスの傷の手当てを。

 

 

「そ、そんな事しなくても大丈夫だからっ」

 

「一応な」

 

 

恥ずかしがりながらもおとなしいアルマスの手当ては最後に絆創膏を貼って終わりとなった。

 

 

「ってよくそんなの持ち歩いていたわね」

 

「昔お前が良く怪我してたから持ち歩く癖が付いたんだよ」

 

「そんな癖付けなくてもいいからっ」

 

 

ぷいっと顔を晒したアルマスを見て笑い、どっちの足から出すのかを決める事に。

 

 

「じゃあえっで右足とアルマスの左足な?んでほで真ん中の足」

 

「分かったわ」

 

 

「えっほ」

 

「えっほ」

 

「おっ良い感じ」

 

「もっと早く走ってみましょうよ」

 

 

まぁ調子に乗った結果、勢いを付けて地面へと飛び込んだのだが。

 

 

そんな練習をしながらも家に帰り飯を食いながら二人三脚の事をネットで検索していた。何か役に立つことがあるのかと思ってだが出てきたのはギネス記録がどーとか二人三脚の歴史だったりでどーでも良いことばかりだった。

 

ただ一つ得た事といえば二人三脚は相手を肩を組み息を合わせるという事。そういえばさっきは肩を組んでいなかった。明日やってみるか。そう思いネットからヒメッターへ移動した時、メッセが届いた。

 

 

『ねぇ』

 

『どした?』

 

『そっち行っていい?』

 

『おけよ。鍵あけるわ』

 

 

送り主はアルマスでうちに来るとの事。玄関の鍵を開けるとすぐにドアが開きパジャマ姿のアルマスが入ってきた。

 

 

「どした?」

 

「さっき調べたら二人三脚は息を合わせるのが必要って書いてあったから、、」

 

「つまり?」

 

「その、、っ体育祭が終わるまで一緒にいよって、、。だってその方が息も合いそうだしっ!」

 

 

目を逸らしながら告げた言葉に萌えた瞬間。

 

以前通話で聞いた言葉はチェイサーの排気音にかき消されながらも俺はちゃんと聞こえていた。イゾルデが俺の言葉をアルマスに伝えたかは分からないが。

 

つまり、4週間の間自分の事を好きと思ってくれている相手と一緒に過ごす事になった。俺は色々と我慢できるのかと心配になる。

 

 

「よし、じゃあ手始めに一緒に風呂入るか」

 

 

挨拶代わりにジョークを飛ばした。

 

 

「お風呂は、、入ってきたから、、明日なら別に、、良いけど、、っ」

 

 

飛ばしたジョークは思わぬ変化球となり俺へと返ってきた。それを俺は受け止めきれず逆にテンパるという。

 

 

「ジョーク!ジョークだって!マジで!」

 

「・・・」

 

「そんな顔で俺を見るのはやめろぉ!!」

 

 

そんなわけで俺は1人で風呂に入りパジャマに着替えて自室へと。するともう自分の部屋のようにベッドに寝転がりスマホをいじるアルマスの姿が。

 

 

「ここはお前の部屋か?」

 

「そうだけど?」

 

 

当然のように言われ返す言葉は無くなりアルマスが寝転がる布団の中へと入るとアルマスの体温と匂いに包まれる。

 

 

「おやすみマスター」

 

「おやすみアルマス」

 

 

この天国のような地獄を後4週間も続けないといけないのかと思うとふらっとする。でもこうしてアルマスの隣で寝るのは寝心地が良くて。

 

 

もう眠ってしまっているアルマスの頭を撫でてから眠りの中へと。

 

 

 

「肩組んでいこうぜ!」

 

「えぇいくわよ!」

 

 

それからも俺とアルマスの二人三脚走の練習は続いていた。最近ではブレザーだとなんかゴワゴワすると気づき体操服での練習。

 

もう何回も足と足を結び負け犬ハチマキは白色から黒っぽくなったけどこれも努力の形。用途は違うが作ってくれたラグネルには感謝しかない。

 

 

「あぁー疲れた」

 

「でもかなり息も合ってきたし絶・速くなってきたわよ」

 

 

アルマスの言う通り最初の頃に比べ息は合い走る速度もかなり上がってきた。練習の成果だろう。

 

横目で両足を揉んでいるアルマスを見ていた。

 

 

「痛めたのか?」

 

「違うわよ。こうやってマッサージして疲れを残さないようにしてるの」

 

「なるほどね。俺がマッサージしてあげるよ」

 

「ん、お願いするわ」

 

 

そう言って開かれ投げ出された両足。パジャマのホットパンツは足を隠すことはなく。こうしてまじまじと見てもムダ毛とかは一本も見えないむちっとして綺麗な両足。

 

 

「それで、どうすれば良いんだ?」

 

「ふくらはぎから揉めば良いのよ」

 

 

なので言われた通りにふくらはぎを揉む事に。触るとぴたっと手が張り付くような柔らかいようでしっかりと筋肉が付いているふくらはぎをゆっくりと丹念に揉みほぐし、太ももも同じ様に揉みほぐしてゆく。

 

 

「じゃあ次は後ろもお願いするわ」

 

 

両足のマッサージが終わるとアルマスはうつ伏せになり両足を投げ出した。

 

そこにはすらっとした両足とホットパンツを張るお尻に浮かぶ下着のライン。

 

 

「失礼します、、」

 

 

魅力的ななお尻から目線を外す事なく太ももに指を立て揉みほぐすと心地良さからか気持ち良さそうな声が聞こえてきて。

 

 

「んんっ、、それ気持ちいい」

 

「・・・」

 

 

視界に広がるお尻に太ももの手触り、普段から想像できない甘えた声に理性がどうにかなってしまいそうだ。無自覚なおかず提供にちんこはズボンを押し上げていて。

 

 

「ありがと、マスターにもマッサージしてあげるわ」

 

「大丈夫!俺は大丈夫!俺揉み返し酷いからマッサージはしない主義だから!」

 

 

なんて意味不明な言い訳を叫び布団の中へと入り込んだ。

 

 

「でも、一緒に頑張るんだから、、私にも何かさせてよ」

 

「隣で寝てよ。そうしたら大丈夫だから」

 

「ん、分かったわ」

 

 

そう言ってアルマスは部屋の電気を真っ暗にした。普段はオレンジの光なのに。

 

そんな事を思っていると身体の半身に重みがかかり温かさが伝わった。

 

 

「恥ずかしいから絶・こっち見ないでよね、、」

 

 

アルマスに言われた通り俺はそっちを見る事はなかった。だけど感覚で抱き付いているって事は分かった。

 

 

「・・・」

 

 

このままそっちを向いて抱きしめたい。そんな願いが脳内をぐるぐると回り、左腕におっぱいが当たっている事に気付くとそれはムラムラへと変わった。

 

この体制ではどうする事もできず脳内がピンク色のまま俺は寝る事を余儀なくされた。

 

と、まぁこんな感じで3週間が過ぎ体育祭まで後1週間となった。相変わらず二人三脚の練習は続き登下校はもちろんの事休みの日も練習をしたり。

 

 

「頑張ってる2人の為に新しいハチマキ作ったよ♪」

 

「ありがとラグネル」

 

「ありがとな。どんな柄?」

 

 

ラグネルにもらった新しいハチマキ。それには負け犬ではなく勝ち犬と書かれていて。

 

 

「結びやすいように素材からこだわった特製ハチマキだよ♪」

 

「なるほど、アルマス足かせ」

 

 

ラグネルの言う通り生地はタオル生地で試しに足に結ぶときゅっと締まる。

 

 

「俺も手伝ったんだぜ!」

 

「ガウェインは見てただけじゃない」

 

「はいこれ。他のクラスの二人三脚に出るメンバー表」

 

「準備委員の時に見ておいたわ。BとC組の選手は運動部の人でもないみたいね。でも油断は禁物よ」

 

「おぅ!みんなありがとな」

 

「これだけ応援してるんだから負けるのはやめてよね」

 

「絶・勝つから見ててよね!」

 

 

なんだかんだ応援してくれる4人を見ると胸が熱くなる。それはアルマスも同じようでちょっと涙ぐんでたり。

 

 

そんな感じで時は流れ体育祭目前となった。その日の下校時にはもう学院のグランドは飾り付けられていて体育祭が始まるって気にさせる。

 

 

「よし、最後の練習だ、気合い入れていこうぜ!」

 

「そうね!頑張りましょ!」

 

 

アルマスの右足と俺の左足を結び肩を組み家までの距離を走ってゆく。

 

 

「そういえばテピ姉は?」

 

「なんか友達のところで運びの仕事があるって言って帰ってこないの」

 

「運び、、」

 

 

テピ姉は何をしているのだろう?聞く限りやってる事が反社っぽいのだが大丈夫なのだろうか。

 

そんな事を思いながら飯を何作ろうか考えていた、

 

 

「アルマスは何食べたい?」

 

「なんでもいいわよ?」

 

「それ一番困る返事。そうだ、カツ丼食いに行こうぜ」

 

「いいわねそれ♪」

 

 

そんなわけで家からちょっと離れたところにある某かつ屋に行く事に。勝負に勝つにちなんでってわけでは無いが定期的にこの店には行きたくなる。

 

 

「カツ丼の尻尾と頭の部分って美味いよな」

 

「分かるかも、あのカリっとした感じが美味しいのよね」

 

「そうそう、あのカリカリ部分だけのカツ丼が食えるなら二千円は出せるな」

 

「でもそれすると真ん中の部分が余ってくるわ。余った真ん中はどうなるんだろ?」

 

「・・・廃棄?」

 

 

それは無いだろうがあったとしたらなんとも勿体のない話だ。廃棄するなら俺が全て貰ってゆくのに。

 

 

そんな話をしていると同じメニューが届けられた。カツ丼の松と豚汁のセットだ。この店はよく新しいメニューを出すのだが俺はカツ丼と豚汁の一択である。

 

 

「「いただきます」」

 

 

そして息でふーふーする事なく熱々のまま口の中を火傷しながら食うのがマナーだ。

 

 

「うわっ、よく食べれるわね」

 

「熱い方が美味いからな」

 

「限度があるわよ」

 

 

そしてある程度食ったら一味をかけ味を変える。これが俺の流儀である。

 

 

「うめぇさいこー」

 

「むすぅー」

 

「どした?」

 

「私の作ったご飯食べてる時より美味しそうな顔するのがムカつくだけ」

 

「おまっ、、」

 

 

それから頑張ってアルマスの機嫌をとり俺たちは家へと帰って来ていた。

 

 

「それじゃお風呂入ってからまた来るから」

 

「おけー」

 

 

そう言って風呂場へと向かっているとメッセが届いた。それはアルマスからで見るとカツ丼の作り方のスクショで。

 

 

『次は私がカツ丼つくるから!』

 

 

とのメッセが。なんだこいつかわいいかよ。そんなメッセを見てニヤニヤしながら風呂に入る時ドアの角に足の小指をぶつけしばらく悶絶するのだが。

 

 

そんなこんなで風呂を上がりパジャマに着替えソファーに座りお茶を飲んでると我が家に帰って来た様な声が聞こえ目を向けると同じくパジャマ姿のアルマスの姿が。

 

そのまま廊下を歩き俺の隣へと座った。そのまま何も喋る事はなく2人してスマホをいじり、ようやく喋った会話はそろそろ寝るかと。

 

そしていつもと同じようにベッドへと寝転がっていた。

 

 

「ねぇ」

 

「どうした?」

 

「明日は絶・勝ちましょ」

 

「そのつもりだよ。ここまで頑張ったんだし」

 

 

明日二人三脚で一位になったらアルマスに告白をする。その為にこの4週間頑張ったんだ、負ける訳にはいかない。

 

そんな俺の決意など知らない様にアルマスは布団から顔だけを出し眠そうな顔で俺を見ている。

 

 

「寝るか」

 

「そうね」

 

 

ふわぁぁっとした大きなあくびを手で隠しそれが治ってからアルマスの横へと寝転がった。

 

 

「ほら」

 

「ありがとっ」

 

 

左手を伸ばすとそれを枕にしてアルマスがひっついてくれて少し照れた顔を見ながら頭を撫でていて。

 

 

「おやすみマスター」

 

「おやすみアルマス」

 

 

次の日、いつもの様に目を覚ますとアルマスも目を覚まして。

 

 

「行くか!」

 

「いくわよ!」

 

 

寝起きからやる気は十分。それからいつもの様に身支度をして学院へと来ていた。

 

 

「うぉ、すげーな」

 

 

校門を抜けるとそこはいつもの学院なのにやたらとされている飾り付けのせいで他の学院に来たのかと錯覚してしまうほど。

 

それに見学は自由なので保護者の人や地域の人も来ていて多くの人でごった返す。そんな中を抜けて教室へと。

 

 

「おはよ。君たちの活躍を楽しみにしてるよ」

 

「絶対勝てよな!」

 

「勝てる相手だとは思うけれど油断は禁物よ。気を引き締めなさい」

 

「競技の前にちゃんと準備運動しなくちゃね。みんなでやろーよ♪」

 

 

いつものメンバーから声援を貰いがやがやと騒いで。なんかこういうのって良いなって。

 

 

そんなこんなで開催式が始まり体育祭が始まった。二人三脚は午前の部の最後に行われる様でそれまで他の人たちの競技を見ていた。

 

正直なところクラスの勝ち負けはどーでも良いのだがノリと勢いでクラスの奴の応援をしたりと楽しく過ごしていた。

 

 

そして、二人三脚の前の競技が始まった頃には騒いでいた俺は静かになり緊張に飲まれていた。

 

こんな大勢の前で競技をする事もそうだし負けた時の事を考えてしまい不安が浮かぶ。呆然と競技を見ていると背が叩かれ痛みがはしった。

 

 

「なに浮かない顔してるのよ。あれだけ練習したんだから絶・勝てるわ!勝つわよ!」

 

「アルマス・・あぁ、勝ちにいくか!」

 

 

さすがこういう場にめっぽう強い不屈のメンタルを持つアルマス。こういうメンタルはマジで見習わないといけない。

 

そんなアルマスに鼓舞され意気揚々と選手の入場列へと並ぶ。

 

 

「結ぶぞ」

 

 

そう言うと出された右足と俺の左足をラグネルにもらった勝ち犬ハチマキでしっかりと結び付けスタートラインへと並びお互いが顔を見て頷き肩を抱く腕に力が入る。

 

 

そして、レース開始のピストルと同時に俺たちは走り出した。

 

えっほえっほと声をかけ合い息を合わせ何度も練習してきた様に。その走りは順調で快調で他の二組の追従を許さずにトップを独占していて。

 

 

『いけいけー!!』

 

『アルマスーマスター!がんばってー!』

 

 

2人の声援を聞きながら200メートルを走り切りゴールテープを引きちぎっていた。

 

 

『やったぞアルマスっ!!』

 

『えぇ、絶・勝利ね!って恥ずかしいから抱き付かないでってばぁ』

 

 

喜びを爆発させ相棒であるアルマスにハグをしているとそれはもう良い感じに拒否をされて。でもまんざらじゃなさそうで。

 

そんなわけで俺の体育祭は終わった。後半日分体育祭は残っているがそんな事はもうどうでも良くていつアルマスに告白をしようか、なんて言おうか。ただそれだけをずっと考えていた。

 

 

「おめでとう2人とも。後の事は後にゆっくりと聞かせてもらうよ」

 

「良い報告を楽しみにしているわ」

 

 

体育祭が終わり帰り際に2人にそんな事を言われながら帰路へと。普段なら何かを喋りながら歩いているのに今日は何かを話そうとしても言葉が出てこなくて、

 

 

「あのさ」

 

「どうしたの?」

 

「えっと、、今日うち来ない?」

 

 

無理やり捻り出した言葉はこんな言葉で。変に意識をしているから全然頭が回らない。

 

 

「良いわよ。行く、から、、」

 

 

呟く様に聞こえた言葉に胸がときめいた。

 

 

「じゃ、またあとでね」

 

「おぅ」

 

 

うちに来る前にシャワーを浴びると言ってアルマスは自宅へと帰り、テピ姉のチェイサーを見ると見慣れないステッカーが貼ってあった。

 

 

「チームランサー?」

 

 

今度聞こうと思いながら家に帰りそのまま風呂場へと行きシャワーを浴びながら考え事。

 

二人三脚で一位になったしあとは告白するだけ。だけどまだその言葉は何も思い付いていなくて。

 

 

「どーすっかな」

 

 

独り言はシャワーの音にかき消され排水溝へと流れてゆく。

 

結局何も思い付かないまま風呂を上がりパジャマに着替えリビングへと行くともうアルマスは居てソファーに座りながらスマホをいじっていて俺に気がつくと目を向けてスマホを置いていた。

 

 

「飯何食う?」

 

「あれが食べたいわ、あのうどんのやつ」

 

「おけ、任せろ」

 

 

返事をしてキッチンへと行き流れる様な動作で松茸うどんを作りテーブルへと並べて2人して食べる事に。

 

 

「このうどん良いわよね。たまに食べたくなる」

 

「簡単で美味いしおすすめだぞ」

 

 

そんな事を話しながら飯を食い終わり片付けてくれているアルマスを見ていた。

 

そんな事よりもなんて言おうか。未だ言葉は思い付かず時間だけが過ぎてゆく。

 

 

「終わったわよ」

 

「あぁ、ありがと。部屋行くか」

 

 

時計を見ると時間はもうすぐ21時。ちょっと早いがアルマスと共に部屋へと行きベッドに座っていた。

 

 

「何そのカバン」

 

「お姉ちゃんが持ってけってくれたの」

 

 

普段ならスマホ一つなのに今日は小さなポーチを持っていて。それは床に置かれていた。

 

 

「なぁ」

 

「ねぇ」

 

 

そしてお互いがお互いを呼び向き合い少し気恥ずかしくなって。だが、アルマスが何かを言い出す前に言葉を紡ぐ。

 

 

「アルマス」

 

「なによ、、」

 

「俺は、アルマスの事が好き。いつからかは分からないけどずっと好きだ」

 

「・・・」

 

「だから俺と付き合ってくれ」

 

「・・・ばかぁ」

 

 

告白の言葉に対しばかという斬新な返事を貰いアルマスの顔を見るとその頬には涙が流れていて。

 

 

「私が言いたかったのに、、この絶・ばかぁ!」

 

 

そう叫ぶ様に言うと俺に抱き付き泣き声を漏らし。そんなアルマスの頭を落ち着くまでずっと撫でていた。

 

 

「落ち着いた?」

 

「まだ。まだムカついてる」

 

「なんだそれ」

 

「今日の二人三脚で一位になったら告白しようって思ってたから。先に言われてムカついてるの」

 

「一緒だったんだな」

 

「私もずっとマスターの事が好き。だから私と付き合ってよ」

 

「まてまて、その前に俺に返事を返せよ」

 

「いや、ほら、返事ちょうだい」

 

「えっと、、こちらこそよろしくお願いします?」

 

 

そう言うとアルマスは俺を見上げ、目を閉じ真っ赤になりながら唇をとがらせていて。

 

 

「早くしてよ、ばかっ、、」

 

 

ここまで言われてアルマスの意図に気付きその唇に唇を重ねた。

 

初めて触れた唇は柔らかくて熱くて、唇を離してもまだ柔らかさと熱が残っていた。

 

 

「「・・・」」

 

 

それから少し沈黙。お互いどうも気恥ずかしくて顔が見れずにいた。

 

 

「そうだ、お姉ちゃん何くれたんだろ」

 

 

ここでアルマスが床に置いていたポーチを拾い上げ膝の上へと置いていた。中身は俺も気になるのでファスナーを開け中身を取り出すのを見ていると、中からは細長い箱とオムツみたいなやつが出てきた。それと包装された一粒の錠剤。

 

 

「これって、、」

 

「コンドーム、、」

 

 

ポーチの中から出てきたのは0.01と書かれたコンドームの箱とナプキンが一枚。テピ姉からのプレゼントに思わず言葉を無くし、代わりに笑うテピ姉の顔が脳内に浮かんだ。そしてその妹は思いっきり赤面し俯いているのだが。

 

 

そんな事よりもアルマスとキスをして、今まで押さえていた感情は解け恋人となったアルマスへと向けられている。

 

付き合ってすぐ手を出す男はヤリ目だとかそんな言葉が脳内に一瞬浮かんだが俺はアルマスをベッドへと押し倒した。

 

「なっ、、!」

 

「俺はアルマスとエッチがしたい!お前は!?」

 

「〜〜〜〜っ!?し、したくないって訳じゃないけど、、」

 

 

今まで以上に顔を真っ赤にして涙目で見上げるアルマスが可愛くて。顔を近づけると目を閉じキスを待っていて。その唇にまた触れた。

 

 

「口開けろ」

 

 

そう言うとアルマスは口を開け、その口の中に舌を入れると驚きながらも舌を絡めてくれて。

 

 

「はぁっ、、んっ、、ほんとにぃっ、、。絶、、ばかぁ」

 

 

口を離すと文句を言われた。

 

 

「だってしたかったし、、」

 

「良いけど、、もっと雰囲気とかつくってよ!」

 

「じゃあ電気けすか」

 

 

身体を起こし部屋の電気を消し、アルマスを見下ろす。

 

 

「それもそうだけど、こうしてほしいの」

 

 

あっと思う暇もなくベッドに倒されすぐにアルマスは俺に抱き付いてきて。暗がりで癖のある髪が動いたと思ったらそのままキスをされて、それはたまらなく可愛い。

 

 

「あつっ、」

 

「服脱ぐか」

 

 

2人で過ごす布団の中は熱く汗ばむほどで。布団を跳ね除けパジャマの上を脱ぎ床へと落とした。

 

 

「分かったわよ、、脱いでるところみないでよね、、」

 

 

返事ながらも横目で見ているとパジャマをお腹からまくり腕を抜き床へと落としていた。

 

 

「脱いだわよ、、」

 

 

そこには顔を背け、胸を腕で隠し恥じらう姿が暗がりに浮かんでいる。その姿にさっきからずっと勃起していたちんこが更に硬くなった。

 

 

「ちょっ、、!」

 

 

当然我慢なんてできる訳なくベッドへと押し倒し馬乗りになり両腕を押さえ付けおっぱいを特等席で見下ろす。

 

 

「恥ずいってばぁ、、」

 

 

馬乗りに乗られ両腕を抑えられ逃げることはできない。それでもおっぱいを隠そうと身を捩るたびにぷるんと揺れるおっぱい。その先にはつんっと乳首があって。

 

 

「ちょっ、、つぅ、、、」

 

 

そんな乳首へ顔を近づけ口にちゅっと含み舌でころころと転がす。硬いような柔らかいような不思議な食感でうすーくしょっぱくて。美味しいって訳じゃないけど満足感がすごい。

 

それに、舌で転がす度に喘ぐような悲鳴の様な声が聞こえてきて。

 

 

「ぜつさいてー」

 

「なんかごめん」

 

 

ようやく口を離すと涙混じりの瞳で睨まれていた。

 

 

「やられっぱなしはムカつく、私もするから」

 

 

そう言うと身体を起こし俺の背に腕を回し乳首に吸いついてくれて。俺がしたように吸いながら舌で乳首を転がされくすぐったいようななんともいえない感覚を味合わされて。

 

 

「つかれたぁ」

 

 

最後に乳首にキスをしてぽすんとアルマスはベッドに落ちていった。

 

 

「全部脱ぐか」

 

 

立ち上がりズボンとパンツを脱ぎ床へと投げアルマスを見るとその視線はちんこへと向けられていた。

 

 

「なにそれ、、昔見た時と全然違う、、」

 

「まぁ、、成長したから。って見んな、脱げ」

 

「・・分かったわよ、、」

 

 

ズボンに親指をかけ下着と同時に下ろしてゆく。ズボンが下がるたびに暗闇に悩ましい肌色が広がってゆき見ている間にアルマスはベッドの上で裸になり顔をそらし腕でおっぱいと下を隠していて。

 

 

「早くきてよ、、。ちがっ!寒いから、、」

 

 

アルマスの隣に寝転がり包み込むように抱きしめる。普段なら感じないシーツの感情にアルマスの汗ばむ素肌に触れ合っている素肌から伝わる体温。

 

 

「ほら」

 

「んっ、、んんっっ、、」

 

 

思わずキスをして舌を入れるともう慣れたように舌を絡めてくれて。抱き合いながら深くキスを。

 

 

「当たってる、あたってるからぁっ」

 

「これ?」

 

「それ、、擦り付けないでよ、、」

 

 

太ももに当たるちんこが気になるようで。

 

 

「じゃあお前はどうなんだよ」

 

 

手を伸ばし閉じられた太ももの上を触るとさらっとした毛の感触。硬く閉じている太ももを撫でるとゆっくりと太ももは開き俺の手はアルマスのまんこに触れた。

 

それはとろとろに愛液を垂らしていて。

 

 

「ぐちょぐちょじゃん」

 

「ばかぁ、、私も、、さわるから、、」

 

 

伸ばされた手は俺のちんこに触れ、一度手を止めたが確かめるようにゆっくりと触ってくれて。

 

 

「こんなに硬いんだ、、それになんか濡れてるし」

 

「お前のだって濡れてるじゃん」

 

 

指先でなぞるように触っていると指先はこりこりとしたものに触れた。その瞬間、アルマスの身体がぴくんっと跳ねて。これがクリトリスなんだって。

 

 

「そこっ、、きもちいいっ、、♡」

 

 

とろとろになった指先で優しくなぞると甘い声を漏らしながらぴくぴくと震え。

 

 

「いっちゃうからぁっ、、♡」

 

 

身体を震わせながらぎゅっとしがみ付くと甘い声で快感を囁き大きく息を吐いたアルマスの痴態に興奮は最高潮へ。

 

 

「気持ちよかったんだ?」

 

「うん、、1人でするより気持ち良かった」

 

「へぇー?アルマスはオナニーするんだ?」

 

「えっ?っ!!違う!・・別にたまにするだけ、、」

 

「なら、もっと気持ち良くさせる」

 

 

抱きつくアルマスをほどき布団を跳ね除けアルマスの足元へとゆくと何をされるのかを悟り頭の下にあった枕元で顔を隠した。

 

 

「足開いて」

 

 

そう言うと両足はゆっくりとMの字に開きアルマスのまんこが目の前に。少しだけ生える毛の下には暗闇でも分かるほどに濡れていて、ゆっくりと顔を近づけてゆくと嗅いだことのない女の匂いがする。

 

 

「恥ずかしいから早く、、っ」

 

「分かったよ」

 

 

もう少し見ていたかったけど催促を受け膣口に舌をはわせゆっくりと上へと舐めてゆく。それだけでアルマスの身体はびくびくっと震え枕に抑えられた声が聞こえる。

 

 

「それ、、そこっ、、もっとぉ、、」

 

 

舌先でクリトリスを探し、ようやく見つけたクリトリスを舌先でつついて舐めて吸ってみる。それはどれも気持ち良いようで甘い声が聞こえ腰が跳ねたいた。でも舐められるのが一番好きみたいで。

 

 

「いっちゃうっっ、、、♡っ!いってるからぁぁっだめっ、、またいくっ、、♡」

 

 

足を閉じれないように押さえ執拗に舐め続けると大きく2回腰が跳ねて。痙攣が治ってからクリトリスの下にあるまんこへと舌を進めた。そこを舐めるととろとろの愛液が舌にまとわりついて。無味無臭なのにずっと舐めていられるような。

 

 

「そこっ、、汚いからだめっ、、」

 

 

アルマスの声を無視し舌はまんこの中へと。きゅっと狭い中をぺろぺろと舐めると舐めても舐めても愛液が湧き出てきて。

 

 

「あぁっ、、くぅぅ、、♡もうだめっ、、ダメだからぁっ♡」

 

 

ビクンと腰が跳ね、ようやく俺は舐めるのをやめてアルマスを見た。顔を隠していた枕は横に落ちていて蕩けた顔と目が合った。

 

 

「絶・変態、、」

 

「感じてたくせに良くいうよ」

 

「次は私が舐めるから、、」

 

 

そう言われてアルマスと場所を変わる事に。寝転がると同時にアルマスはちんこの前にいて。

 

 

「へぇ、こんな形してるんだ」

 

 

などといいながらちんこを興味深そうに観察していて。

 

 

「おまえ」

 

「だってどんなのか興味あるし、ちゃんと舐めるから待ってて」

 

 

との事。なのでちんこを観察するアルマスを観察する事に。

 

 

「けっこう硬い、、それにすごく熱い、、。マスターがムラムラしてるからこれは硬くなってるんだ?」

 

「それゃあな」

 

「ちょっとうれしいかも」

 

 

そう言ってちんこの根本を握られ思わずちんこが跳ねた。

 

 

「こうされるのが良いんだ」

 

「まぁ、、」

 

「ほんとだ、ぴくぴくする」

 

 

不慣れな手つきでゆっくりとちんこをしごきながら俺の反応を見ていて。

 

 

「じゃあ舐めるから、顔見たらダメなんだから、、」

 

 

そう言われたが俺は目を背ける事なくアルマスが舐めてくれるのを見ていた。しっかりと目を閉じ根本を握ったちんこの先に顔を近づけてゆき、吐息がかかるのを感じ、次には温かい感触を感じた。

 

 

「っ」

 

 

そこには目を閉じちんこを舐めるアルマスの顔。それは同い年なのに妙な色気を感じる。

 

アルマスが何を考えながら舐めてくれているのかは分からないが気持ち良くしようって気が伝わるように、健気に丁寧に舌を這わせていて。

 

 

やがて薄目を開けると俺と目が合い目が開かれた。

 

 

「見ないでって言ったじゃん、、」

 

「ごめん、見たかったから」

 

「むぅ、、舐めてたら欲しくなっちゃったかも」

 

 

口を離し暑そうに手で顔を仰ぐと俺の横に来て。一度頭を撫でコンドームを取ろうと手を伸ばした。その手はアルマスに止められていた。

 

 

「どうした?」

 

「私、初めてだから、、」

 

「?俺もだ」

 

「そうじゃなくて、、そのっ、、初めては付けないでして欲しっ、、」

 

 

俺がもう少し歳を取ってたら、もう少し大人だったらこの誘いを断れたと思う。いや、いくつになってもこの誘いは断れない。

 

俺はアルマスの上に乗り痛いほどに勃起してるちんこをまんこへと挿れようとしていた。

 

ちんこが擦れる度にくちゅくちゅと水後が鳴り、ようやく入り口を見つけ出しようやくアルマスを見上げた。

 

 

「きて、、マスター、、」

 

 

呟くように囁かれ腰に体重をかけ、ゆっくりとアルマスの中へとはいってゆく。

 

それは異物を拒むように硬くて、でもぬるぬるに濡れていて。きつく締まる中をゆっくりと進んでゆく。

 

 

「くぅっ」

 

「痛い?」

 

「少しだけ、、でも大丈夫だからっ」

 

 

破瓜の痛みに耐える悲痛な声が聞こえ動きを止めた。

 

 

「手、握ってて」

 

 

両手を握り苦痛に顔をしかめるアルマスを見ながらちんこは根元までアルマスの中へと入った。

 

 

「はぁっ、、全部入った、、?」

 

「入ったよ」

 

「んっ、マスターのが中にあるの分かる、、。ねぇ、ぎゅってして」

 

 

アルマスを抱きしめると汗で濡れていて。そんなのお構いなしにぎゅっと抱きしめ頭を撫でていた。

 

 

「なんか、痛いけど。嬉しいの方が強い、かも。好きな人に初めてをあげれて、絶・嬉しい」

 

「俺も好きな人と初めてができて嬉しい。って、我慢してるんだからやめろ」

 

「何を我慢してるの?」

 

「動くの。押さえてないとヤバいから」

 

 

アルマスの中に入れてから中がうねり刺激されて、それにアルマスとしてるって事にどうしようもなく興奮してて。

 

 

「大丈夫だから、動いて」

 

「でも痛いだろ」

 

「痛いけど、、マスターのが入ってるとその、もっとして欲しくなっちゃうから、、」

 

 

この一言に理性が切れるのを感じた。

 

 

「じゃあ動くから」

 

 

そう言って奥まで入っているちんこを抜くと抜かれるのを嫌がるように中が絡み付き思わず腰が砕けそうになる。それでも引き抜きまた挿れるときつく締め付けられ自分の手でするより何倍もの快感に動きが止まる。

 

 

「これ、気持ちいいかも、、マスターっもっと奥まで、、ちょうだいっ♡」

 

 

そんな俺の気など知らないアルマスにおねだりをされ理性は溶け、おねだりに応えるように腰を振って。

 

 

「マスター好きっ、だいすきっ♡」

 

「おまえっ、、んっ」

 

「んっちゅ、、んんっ、、」

 

 

貪るようにキスをされ上からも下からも快感に挟まれ限界を感じた。

 

 

「アルマス、もう抜くぞ」

 

「いやっ、、ぬいちゃだめっ、。」

 

「もう出そうだからっ、」

 

 

抜こうとすると両足を腰に巻き付け抜かないようにされアルマスの顔を見た。

 

 

「せーしちょうだい、、マスターのせーしちょうだいっ、、♡」

 

 

そんなおねだりをされ俺の中で天使と悪魔が戦い悪魔が天使をワンパンで倒した。

 

 

「アルマス、中に出すぞ」

 

「うん、、♡きて、ますたぁ、、♡」

 

「出すぞっ!」

 

「うん、、っ、、いくっ、いっちゃうっ、、♡」

 

 

本能に従い根本まで突っ込みアルマスの一番奥に思いっきり射精した。なんか、今までしてきた射精が霞むような快感と共にヤバい量の精液が出てるのが分かる。

 

快感の余韻に惚けながらアルマスにぎゅっと抱き付き荒い息を聞きながら頭を撫でていた。

 

 

「マスター好き」

 

「俺も好きだよ」

 

 

2人で余韻に浸りながら息を整えて。ようやく2人して現実へと戻った。

 

 

「ヤバいぞアルマス、、」

 

「なんか絶・とんでもない事しちゃったかも、、」

 

 

学生の身で、しかも高校一年生で二ヶ月しか学校に通ってないのに彼女を孕ませて退学。そんなシチュエーションが浮かびさらに怒り狂う両親とテピ姉の顔まで浮かびちんこは無くなってしまいそうなほどに縮こまって。

 

アルマスも青ざめた顔をしていた。

 

 

「もしできたら働くから」

 

「うん、、そうだ、お姉ちゃんがくれた薬、、」

 

「薬?」

 

 

テピ姉が渡していたポーチに入っていた薬。それをアルマスは取ると包装から一錠取り出し飲み込んでいた。

 

 

「それは?」

 

「なんかレボノルゲストレルって薬?」

 

「疑問系で薬を飲むな。調べるから待ってろ」

 

 

とりあえずスマホでレボノルゲストレルと調べると緊急避妊薬だという事が分かった。その瞬間俺は隣の家に向かい最敬礼をし、アルマスを見た。

 

 

「お前、、知ってたろ?」

 

「知ってた、、、でも初めては付けずにしたくて、、んっ、、ティッシュ取って」

 

 

何枚かのティッシュを取り渡すとアルマスは下を拭いていて、それはベったりと精液が付いていて血と混ざっていた。

 

 

「ふぅ、、とりあえず副作用強いみたいだから明日は家に居ろ、看病するから」

 

「ありがと」

 

 

そう言ってアルマスはナプキンをしてから下着を履いていて。

 

 

「お前、知ってたろポーチの中身!」

 

「絶・知らないわ!お姉ちゃんが準備してくれたんだもん!」

 

「絶対知ってた!演技派すぎるだろ!」

 

「ちがうってばぁーーー!」

 

 

 

アルマスの絶叫を聞き俺は腹を抱えて笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ここまで目を通してもらいありがとうございました!今回はアルマス2作目となる学園アルマスの登場でした。


学園物って事で青春を意識したくさんのキャラクターに出てもらいつらつらと書いていたらかなり長編になっていました。

しかし、まだまだ書きたい事は多く夏休み編とか書いてみようかな、とは思っていますので興味がある方は気長に待ってもらえると嬉しいです。

最後にテピ姉こと、グランテピエの設定だけ書き記したいと思います。


多忙で家に居ない事が多い両親に変わりアルマスの面倒を見ていたが反抗期真っ盛りのアルマスに反抗されストレスを溜め非行に走り3人の友達と出会いやんちゃな高校生活を送っていた。

現在ではアルマスと仲直りし仲良し姉妹としてアルマスとマスターを見守っている。首のタトゥーはシールであり気分によって柄が変わる。

では、また次回もよろしくお願いします。
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