※この作品はR-18です。

裏キル姫日記   作:やす、

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Twitterにてマサさんからライダースーツ姿のバルムンクの絵を頂きました!小説の一番下にリンクが貼ってありますので良かったらぜひ。


バルムンク

 

 

定時を知らせるチャイムが鳴り俺は大きく身体を伸ばしていた。辺りを見ると同じ様に身体を伸ばす奴やテキパキと帰り支度をしている奴が目に入る。

 

ディスクワークで鈍った身体を伸ばし終えてから俺も帰り支度を始めそそくさと家へと帰ろうとしていた。

 

 

「お疲れ様。元気だった?」

 

「ん」

 

 

ラグナ教会から家に帰ろうと一歩敷地の外へ足を踏み出した時、背後から声をかけられその足を止め振り返るとラグナロクの姿があった。

 

 

「ちょっと君に頼みたい事があってさ」

 

 

普段の戦闘服では無くスーツ姿のラグナロクを眺めた後話を聞く事に。

 

 

「君のバイブスと共鳴するキル姫が居るのだけど」

 

「その話ならパスで。確かに奏官証明書は持ってるけどキル姫を従える気にはならん」

 

 

めんどくさそうな臭いがぷんぷんする頼みを断り家に帰ろうとまた一歩踏み出したのだけどいつの間にか前に回っていたラグナロクに足止めをされていた。

 

 

「君がそう言うとは思ってたけどこのお願いは聞いて欲しいんだ。その子は以前他の奏官に仕えてたのだけど合わなかったみたいで共鳴を解除した子なんだ」

 

「それ絶対めんどいやつじゃん!なんでプライベートでもメンタルケアしなきゃいけないんだよ」

 

「お願い!討伐には出なくていいからその子のケアをしてくれるだけでいいから!」

 

 

ラグナロクがこうも頼む理由として俺がしている仕事が関係している。俺は教会でキル姫のメンタルケアの仕事をしている。怪我はアクスレピオス達が担当しているのだが心の傷は治しようがなく俺が所属している部署へと回される。

 

主な理由として異族にマスターを食われたとかDVを受けただとか理由は様々であり一言で言うのなら面倒は確定している事。

 

俺にこの話が回ってきた理由として現在俺が担当しているキル姫は居らず職場で暇しているのが俺だけだからだろう。

 

 

「一応聞くけどそのキル姫は誰だ?」

 

「バルムンクだよ」

 

「バルムンクかぁ、、」

 

 

バルムンクかぁと言った理由として職業柄大体のキル姫の事は把握しているからだ。バルムンクといえば双子の姉、グラムが居るキル姫で出身はゲルマン神話、二つ名はドラゴンキラーだったはず。

 

問題はそこでは無くバルムンクというキル姫は内気なのだ。産まれてくる時に活発さを姉にほとんど奪われたようなキル姫。

 

 

「んで、共鳴を解除した理由は?」

 

「性格の不一致だよ」

 

「んー、、」

 

 

この性格の不一致という言葉は裏に多くの意味が含まれる。音楽グループの解散やメンバーの脱退の理由が音楽性の違いという言葉で済まされる様に。理由は話したから後はご自由に考えてね。みたいな。

 

 

「ちなみに拒否権は?」

 

「無理強いはしないよ?」

 

「うわっ」

 

 

今ラグナロクが言った『無理強いはしないよ』にも様々な意味が含まれる。

 

 

「分かったよ。好きにやらせてもらうから休暇を申請する」

 

「了解だよ、私から部署には伝えておくからね。じゃあバルムンクのところへ案内するね」

 

 

笑顔を見せてくれた後に背を向け着いてこいと言わんばかりに道を歩んでゆくその背をついてゆく。

 

そして連れてこられたのが教会にある待姫ルーム。ラグナ教会の大半を占める施設であり教会がキル姫をいかに大事にしているのかが分かる。

 

入った事はないから分からないが中は広く一人一人に個室があり結構快適だという。

 

 

「少し待っててね」

 

 

そう言われてエントランスで待っていると足音が聞こえ見るとラグナロクとバルムンクが俺の方へと歩いてきていた。

 

ラグナロクの背後に隠れる様に歩いてくるが赤茶のショートカットにボディーラインがくっきりと分かる黒のワンピースに膝上まであるブーツを履いているのが分かる。

 

 

「紹介するね。バルムンクのキラーズと共鳴したマスターだよ。職業はキル姫のメンタルケア。きっとバルムンクのためになってくれるはずだよ」

 

「あのっ、、よろしくお願いします、、」

 

「まぁ、よろしく」

 

 

控えめに挨拶をしたバルムンクはそれ以上目を合わせようとせず足元を見るとつま先は左右とも右を向いている。完全に他者との交流を拒む警戒姿勢だ。

 

 

「よし、まぁ頼むわ。連れて帰れば良いんだな?」

 

「うん、バルムンクをよろしくね」

 

 

手を振るラグナロクに見送られながら俺たちは家に帰る事に。本来なら5時半には家に帰っているはずなのにごたごたに巻き込まれた為現在の時刻は7時を回ろうとしている。

 

 

「とりあえず買い物いくぞ」

 

「お買い物ですか、、?」

 

「お前の物買わないとなんもないだろ」

 

 

俺の5歩ぐらい後ろを歩くバルムンクに告げると悩む様な返事が聞こえた。

 

 

「後から無いって言われて買いに行くの面倒だし。いくぞ」

 

 

返事を待つ事なく量販店の方へと歩んでゆくとちゃんと着いてきている様で、そのまま人混みに紛れようやく量販店へと辿り着き振り返るとバルムンクはちゃんと居た。

 

 

「とりあえず、何が欲しいんだ?」

 

「いきなり欲しい物と言われても、、」

 

「俺には女のいる物は分からんからちゃんと選んでくれ。金なら気にするな、そこそこは稼いでるつもりだし教会に請求するから」

 

「あはは、、」

 

「だから好きな物といる物を好きなだけ買いなさい」

 

 

店の入り口にあったカートを取り荷台にカゴを二つ乗せ店内へと入ってゆく。それでもバルムンクは困惑したままで店内を10分ほど彷徨いたのにカゴの中には晩飯の食材しか入っていなかった。

 

 

「お前選ばないと何にもないぞ?歯ブラシだって俺のしか無いし」

 

「そ、そうですよね。。分かりました、選びます」

 

 

そこまで言ってようやくバルムンクは商品を選びカゴの中へと入れ始めた。

 

カゴの中に入れられてゆく商品は日用品ばかりで嗜好品は一つも無く制汗剤が目立つ。それに石鹸も入れていたのだが匂いが強いものが多い。

 

 

ふと、商品を選んでいるバルムンクの背後に立ち匂いを嗅いだが変な匂いは無く良い匂いがしたが。

 

 

「後は?パジャマとか」

 

「そうですね、、」

 

「お泊まりじゃないんだからしっかり選べよ」

 

 

それから一時間程買い物をしているとカートに乗せたカゴは満タンになり会計をすると四つの袋になった。

 

 

「あのっ、、ありがとうございます、、」

 

「気にすんな。それより二つ持ってくれ」

 

「は、はいっ!」

 

 

袋を二つずつ持って家へと帰ってゆく。

 

 

家に辿り着き我が家へとバルムンクを招き入れ買い物袋を指定した場所に置くと借りてきた猫の様に挙動不審に部屋を見渡しやがて俺の顔を見た。

 

 

「飯作るからその間に風呂入ってろ。場所はここから出て一つ目のドアが風呂だ」

 

「ありがとうございます。では、失礼しますね、、」

 

「その前に好き嫌いはあるか?」

 

「特にはありません」

 

「おけ」

 

 

そう聞いてまな板の上に食材を置き調理を開始し、次に見た時にはバルムンクの姿はなかった。

 

 

それから料理を続けある程度できた頃に浴室のドアが開く音がし、少ししてから制汗剤のスプレーを使う音が聞こえドライヤーの音が。その後黒色のパジャマを着たバルムンクが戻ってきた。

 

 

「お風呂ありがとうございました」

 

「ん、もうすぐできるからそこ座ってな」

 

「ありがとうございます」

 

 

リビングへと行くとテーブルの椅子を引きそこにこじんまりと座り部屋中に視線を向け落ち着かない様子。

 

 

「ほら、飯」

 

「ありがとうございます」

 

 

そんなバルムンクを尻目にテーブルへできた飯を置き対面する様に座った。

 

 

「「いただきます」」

 

「あっ美味しいです」

 

 

そう言ってバルムンクは顔を綻ばせご飯を食べ始めた。出会ってからようやく笑顔を見せてくれた。

 

 

「そう言ってもらえてよかったよ」

 

 

返事を返し俺も飯へと戻る。それから会話はないままにご飯を食べ食器を流し台へと持っていった。

 

 

「あの、私で良ければ洗い物しますよ」

 

「じゃあ頼むわ。風呂行ってくる」

 

「はい、ごちそうさまでした」

 

 

食べ終えた食器を下げるバルムンクに言われ好意に甘え洗い物を任せて風呂へ。

 

頭からシャワーを浴びながら考え事。

 

思っていたよりもメンタルは安定していそうだ。避ける仕草はまだ出ているが知らない人と知らない場所に居ると思えば仕方のない事だし慣れれば余裕も出てくるだろう。

 

 

しばらく様子を見るか。そう結論を出しさっさと身体を洗って風呂を出てゆく。

 

 

着替えてリビングに行くとバルムンクは椅子に座り何かをするわけでも無くただ座っていて入ってきた俺に気がつくとこっちに身体を向けた。

 

 

「お前の部屋だが今空き部屋が物置になってるから今日は俺の部屋で寝てくれ」

 

「私なら大丈夫です。どこでも寝れますから」

 

「そう言うな。ほら」

 

 

リビングから繋がるドアを開けそこにバルムンクを連れてゆき電気のスイッチとか説明して部屋のドアを閉めた。

 

ひと世代前ならエロ本の片付けとかがあっただろうが現在はスマホ一つで事が済む良い時代になったものだ。

 

 

「ふぁーあぁっ」

 

 

大きなあくびをしてからソファーに寝転がり寝る事に。

 

 

次の日の朝に物音で目を覚まし目を向けるとリビングへと入って来たバルムンクと目が合った。

 

 

「おはようございます、、起こしちゃいましたよね、、?」

 

「おはよ。まぁ、大丈夫だよ」

 

 

二度寝をしようと思ったがバルムンクが居るので諦め起き上がり身体を伸ばした。

 

 

「朝飯はパンとコーヒーで良いか?」

 

「ありがとうございます、、」

 

 

あくびをしながらキッチンへと行きトースターにパンを放り込みお湯を沸かしあくびをしながら焼き上がったパンを皿に乗せカウンターの上へと置き、カップにインスタントのコーヒーの粉を入れお湯を注ぎカウンターへ。

 

フレッシュとスティックシュガーと共に席へと行き朝食の準備を済ませた。

 

 

「「いただきます」」

 

「今日は物置を片付けてバルムンクの部屋にする予定だけど。なんかしたい事あるか?」

 

「私は特にないです。あの、私も手伝いますね」

 

「そうだな。さっさと終わらせたいから手伝いを頼む」

 

 

頷いたのを見てから飯の続きを食べコーヒーを飲み少しのんびりと。

 

 

「・・・」

 

 

対面して座るバルムンクを見ると昨日よりは警戒が解けた様で表情は少し柔らかくなっていて警戒姿勢の仕草も解けていた。

 

それでも態度はまだ硬いがよしとしよう。

 

 

「そろそろやるか」

 

「はいっ、ご馳走様でした」

 

「お愛想さまでした」

 

「少し待ってて下さいね」

 

「ほいよ」

 

 

そう言うとバルムンクは洗面所へと行き制汗剤のスプレーを使う音がした。

 

その間に食器を下げ洗ってから倉庫となり開かずの間だった部屋のドアを開けた。その瞬間に埃っぽい匂いが漂いなんとも言えない気持ちになる。

 

 

「それで、どうすれば良いですか?」

 

「とりあえずいる、いらないの分別とゴミ捨てだな。それから掃除」

 

 

そう言って部屋に一歩踏み出すと埃が舞った。

 

 

「あはは、、いつからこの部屋を開けていないのですか?」

 

「記憶にある限り三年は開けてないと思う。とりあえず頑張ろう」

 

 

そんなわけで部屋にあるいらない物を家の外へと出してゆく。我ながら良くここまで溜め込んだと感心しながら。

 

 

そして夕方頃には2人とも埃まみれになりながら掃除を終える事ができていた。

 

 

「おぉーめっちゃ綺麗になったな」

 

 

視線の先には見違えるほどに綺麗になった部屋。詰め込まれたゴミは袋に入れられ埃は掃除され、新築と間違える程だ。

 

 

「あはは、、どうしてこんなにゴミを溜め込んでたのですか?」

 

「俺の仕事がメンタルケアって話したよな?」

 

「はい、聞いていますよ」

 

「メンタルイカれてる奴の相手をしているとたまーにそっちに引っ張られるんだよ。ボケた老人がゴミを家に溜め込むって話を聞いた事あるか?」

 

「あります。ゴミ屋敷とか呼ばれてるあれですよね?」

 

「そうそう。あれの原因は物が無いと不安という心理状態から起きる行動で必要だと思った物を溜め込むからああなるんだよ」

 

「なるほど」

 

「まぁ俺の場合は仕事でのストレスを解消する為に爆買いしてとりあえずこの部屋に突っ込むって事をしてたんだけどね」

 

「あはは、、、」

 

「こないだの患者は酷かったぞ?名前は伏せるが引きこもったキル姫を外に出す為にあらゆる手段を使って。それでも出てこないからムカついたから解体業者呼んでそいつの家を取り壊してやろうかと思ったわ」

 

「あははは、、、はは、、はぁ、、」

 

 

とんでもなく乾いた笑い声に我に返りとりあえず夕飯を食う為に外に行こうとした。

 

 

「ちょっと待ってて下さいね」

 

 

そう言って洗面所へと行くと制汗剤スプレーを使う音がしてバルムンクは戻って来た。

 

 

「お待たせしました」

 

 

ついでに着替えた様で会った時と同じ格好をしていた。

 

 

「悪い、俺も着替えるわ」

 

 

埃まみれな事を思い出し俺も着替える事に。それから2人で夜のサフラン商店街へと。

 

 

「何か食べたい物あるか?」

 

「私は、、マスターにお任せします」

 

「まぁまぁ、掃除の手伝いのお礼だからなんか好きなの選べよ」

 

「それなら、、」

 

 

そう言って建ち並ぶ店を眺めしばらくしてスパゲッティ屋を指差していた。

 

 

「了解。行こうか」

 

 

店に向かい歩いてゆくと俺の背後をついて来た。

 

 

「「いただきます」」

 

 

なんやかんやでメニューを頼みスパゲッティを食べるバルムンクを見ていた。スプーンとフォークを使い綺麗にスパゲッティを丸め口に運ぶ姿を。

 

 

「私の顔に何か付いていますか?」

 

「いや?大丈夫だよ」

 

 

ご飯を食べているバルムンクと目が合いしばらく目を合わせていると目線が逸らされた。

 

昨日に比べ目を合わせる時間が伸びている。少しは心を開いてくれているようだ。

 

 

スパゲッティを口に運ぶ度に綻ぶ可愛らしい顔を見てから俺もスパゲッティを食べる事に。

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

 

のんびりと夕食を食べ家へと帰る事に。店を出ると肌寒い気温が少し心地良い。

 

 

「なんかいる物あるか?せっかく自分の部屋できたんだからなんか欲しい物あるだろ?」

 

「私は、、大丈夫です。それに私は居候ですし遠慮しておきますね」

 

「まぁそう言うな。お前と異族討伐に行く気はさらさら無いが休暇が終わったらお前を現場に連れてくつもりだから、まぁ、給料みたいなもんだ」

 

「私をメンタルケアに連れて行くのですか?」

 

「あぁ、メンタルイカれてるやつは何するか分からんから自衛の為だよ。今まではエンシェント達や待姫ルームに居る奴らが来てたんだが予定が合わないと診察ができないからな」

 

「なるほど。私にできる事ならお手伝いしますね」

 

「なら交渉は成立という事でお前の欲しい物を買いに行くぞ」

 

「えっ、ちょっ、、マスターっ!」

 

 

バルムンクの手を引き再び量販店へと。

 

 

「なんでも良いから好きなの選びなよ」

 

 

量販店の真ん中で手を離し問いかけると困り顔で俺を見た。

 

 

「ほらほら、前も言ったが金なら気にするな。欲しい物選びなよ」

 

「・・分かりました。ならお店の中を見て来ますね」

 

 

と、言われたが暇なのでバルムンクが買い物している姿を見ている事に。結構悩みながら商品を見ているその横顔を見ていた。

 

 

「どうしました?私の顔なんて見ていても楽しくありませんよ」

 

「服とか買わないのか?お前は美人だからどんな服でも似合うだろ」

 

「冗談言わないで下さい。可愛い服には憧れはありますけどそんな服着たら目立っちゃうじゃないですか」

 

「そうか?服なんて自己満足だしそれに他人は自分が思うほど自分を見ていない」

 

「そうかもしれませんが私、目立ちたくないんです。目立っても良い事ありませんし」

 

「じゃあ俺が服を選ぶよ。明日は地上世界に遊びに行く予定だし」

 

「えっ?」

 

 

そう言って女物の服があるコーナーへと行くと慌てたバルムンクが付いてきた。

 

 

「どした?」

 

「1人で女性の服を選んでいたら変な人って思われてしまいますからついてきたんです」

 

「お気遣いせんきゅー」

 

 

そう言われればそうだと納得しながらバルムンクと共にハンガーに多々かけられている服を見ていた。

 

しっかしまぁようこんなに服の種類が多いこと多い事。ほぼ似た様なデザインのスカートが平気な顔して二つ陳列されていたりとよくわからん。

 

 

「なぁ」

 

「はい、どうしましたか?」

 

「このスカートとこのスカートの違いを俺に教えてくれ」

 

 

同じデザインのスカートを手に取りバルムンクに見せるとかなり悩んだ顔で両者を見比べ俺の顔を見た。

 

 

「そっくりですね。違いは、、ブランドぐらいではないでしょうか?」

 

「やっぱりそうだよな」

 

 

ちなみにだが皆が聞けば分かるようなメーカーの方が少し値段が高い。疑いの目で見た後にスカートを元の場所へと戻した。

 

 

「ん」

 

 

しばらくして俺はマネキンが着るワンピースを見つけた。そのワンピースは黒一色でボディーラインをくっきりとうつすタイトな物。それの横にバルムンクを並ばせると良い感じな気がする。

 

 

「これにするわ。これなら派手じゃないし良いだろ」

 

「この服なら大丈夫ですよ。ありがとうございます」

 

「それとカバンとか選んどけ」

 

 

そっから買い物を続けカゴの中はバルムンクの選んだ物で一杯になっていた。初日は選ばなかった事を思うと良い進歩である。

 

 

「こんなにたくさんありがとうございました」

 

「まぁ気にすんな。働く時頑張ってくれたら良いよ」

 

 

お礼を言われたのだが全てラグナ教会に請求すると思うとなんとも言えない気持ちに。

 

そんな心境のまま家に帰りバルムンクが風呂を出るのを待っていた。

 

昨日今日とバルムンクと共に過ごし様子を診ていたのだが問題が無さすぎる。精神的不安からくる仕草も落ち着くと共に少なくなり多動や発作などの症状も無い。

 

前の奏官にメンタルやられた奴だと思っていたがそんな気配すらない。

 

 

ならなぜラグナロクは俺にバルムンクを頼んだのだろうか?俺に頼んだところで異族討伐に行く事はないし仕事の補佐もエンシェント達で事足りている。

 

 

そこまで考えて俺は天井を見上げた。

 

 

『キラーズとバイブスが適合するには何か意味がある』というどっかの奏官が言い出した言葉があるのだがその言葉が正しいのなら俺とバルムンクが適合した意味が何かあるはずなのだがまだその意味は分からない。

 

ま、どーでも良いけど。そんな事よりも地上世界で泊まるホテルをスマホで探し二部屋予約しておいた。スマホって便利だわ。

 

 

「ふぅ、お風呂お先にありがとうございました」

 

「ん、交代な」

 

 

そんな事をしているとバルムンクはお風呂を上がりリビングへと戻って来ていた。そのまま入れ替わりで俺も風呂へと行く。

 

風呂場の前にある洗面台に多々置いてある制汗スプレーの缶を見ながら服を脱ぎ浴室へと行き頭からシャワーを浴びていた。

 

 

「さて、寝るか。明日は7時頃に家出る予定だからそのつもりで頼む」

 

「分かりました。あの、地上世界ってどんなところなのでしょうか?」

 

「んーまぁ簡単に言うと大都会だな?ビルとか建物がたくさんあって、コンクリートジャングルってやつだ」

 

「なるほど、楽しみにしていますね」

 

「おう、じゃ、おやすみ」

 

「おやすみなさい」

 

 

リビングに居たバルムンクとすこし話して各自部屋へ。一日ぶりの自室に入るとベッドの布団は丁寧に畳まれていてバルムンクの性格の良さが分かる。

 

そんなベッドに潜り込むと薄らとバルムンクの匂いがする。制汗剤の匂いなのか分からんが。

 

そんな事を考えているといつの間にか寝ていた。

 

 

次の日、バルムンクに伝えた時間より早く目を覚ましあくびをしながら部屋を出るとリビングにはすでにバルムンクの姿があった。

 

 

「おはよ。早いな」

 

「おはようございます。地上世界に行くのが楽しみで早く起きちゃったんです」

 

「遠足前の子供かよ」

 

「ち、違います!でも行くのは楽しみなのは本当ですよ」

 

 

からかって笑うと恥ずかしがりながらも笑っていて。それから飯の支度をして食べ終わってから各自の準備。

 

必要な物を鞄に詰め込み部屋を出るとすでにバルムンクは居た。

 

 

「おっ、似合ってるじゃん」

 

 

バルムンクは昨日買ったワンピースを着てくれていて黒一色のタイトなワンピースに身を包んでいた。

 

 

「そう言ってもらえて嬉しいです。ありがとうございます」

 

「お世辞じゃないぞ?」

 

 

顔立ちも良くスタイルも良いバルムンクなら何を着ていても似合うと思うのだが。

 

そんな事を思いながら家を出て教会へと行き地上世界へと転送してもらうことに。

 

昔はラグナ大陸最果ての土地、ワスレナの先にある『海』から飛び降りて地上世界へと行っていたのだが現在では転送装置で行けるようになっているらしい。科学の力ってすげー。

 

 

「ここが地上世界なんですね。サフランの街並みと全然違います」

 

 

地上世界の中心に聳えるユグドラシルのふもとにあるラグナ教会から外へ出ると立ち並ぶビル群がお出迎え。大きく息を吸うと都会、って匂いがする気がする。

 

 

「圧倒されると思うがすぐに慣れるよ」

 

「本当にすごいです。もう少し見ていても良いでしょうか?」

 

「ゆっくり見なよ」

 

 

目を輝かせながらビルを眺めるバルムンクを見ながら身体を大きく伸ばしていた。

 

 

「ありがとうございました。それで地上世界に何をしに来たのですか?」

 

「バイクに乗りに来たんだよ。行くぞ」

 

「バイクですか、、?」

 

 

バルムンクの手を引きしばらく歩くと胸に響く排気音がいくつも聞こえて来た。

 

 

「こっちは車とかバイクがあるんだよ。馬の何倍も速いぞ」

 

 

それからしばらく歩くとバイクがレンタルできる店へと来た。受付のオヤジに話しかけバイクを一台借りウエアを借りる事に。

 

 

「着替えてこい」

 

 

まだ状況が理解できていないバルムンクにウエアを押し付け更衣室へと放り込む。その後、俺も着替え待っていると着替えを終えたバルムンクが待合室へと。

 

 

「やっぱり美人は何着ても似合うな」

 

「そんなに見ないで下さい、、」

 

 

エナメル質のウエアに身を包み保護具を取り付け広場へ行き大型バイクを一台車庫から引っ張り出しエンジンをかけると胸に響く重低音が排気管から吐き出された。

 

 

「バイクも初めてだよな?」

 

「そうですね。乗ったことはありません」

 

「この棒に足乗せて俺にしがみついてろ。ヘルメットにマイクとスピーカーが付いてるから会話も可能だ」

 

 

しばらく暖機してバイクに跨り後ろを叩くと躊躇いながらも後ろへと跨った。

 

 

『出すぞ』

 

『はいっ!』

 

 

クラッチを開けギアを入れバイクを走らせる。普段1人で乗る時と違う感覚を感じながらコースを回ってゆく。

 

 

『バイクってなんだか良いですね。風が心地良いです』

 

『今日は天気良いからツーリング日和だしな。冬に乗ると寒くて二度と乗りたくなくなるけど』

 

『あはは、、』

 

『よし、外出るか』

 

 

二週ほどコースを回り身体を慣らしコースの外へと。アスファルトで舗装されている道路をひたすらに走ってゆく。

 

 

『ユグドラシルが見えます!こっちだと上まで見えないんですね』

 

『上は天上世界にあるからな。でけー木だ』

 

 

地上世界で見えるユグドラシルの大樹は幹のみ。上は天上世界にあるのだが一体全長は何メートルあるのだろうか。

 

そして、天上世界と違い聳えるビルに囲まれるユグドラシルを見るのも乙なものだ。

 

 

『どうしてマスターはバイクに乗り始めたのですか?』

 

『まぁストレス解消だな。こうやって何にも考えずにバイク乗ってると嫌な事も忘れるからさ』

 

『確かにそうですね。私にも運転できるかな』

 

『慣れればできるぞ?今はちょっと無理だけど今度練習してみるか』

 

『はいっ♪あっ、でもバイクなんて運転してたら目立ってしまいますよね、、』

 

『そーでもないだろ。見てみろよ周りを』

 

 

辺りの景色は遠くにビルとユグドラシルが見え、辺りには荒野が広がり一本の道があるだけ。

 

 

『こんなところでバイク運転してても誰も見てないし好き勝手しても誰にも怒られないぞ』

 

『あは、そうですね』

 

 

それからしばらく走りアスファルトの道が無くなり土道になったところでバイクを止め休憩する事に。

 

 

「んんーーっお前も身体伸ばしとけ」

 

「はい。んんーーーーっはぁ。なんだか気分がスッキリしました」

 

「ずっと同じ姿勢だと身体が凝るからな。ほいよ」

 

「ありがとうございます」

 

 

店で買った缶コーヒーを渡し景色を見ながら飲んでいた。普段よりも美味い気がするのは場所のせいだろう。

 

 

「なんか良いですねこういうの。旅行っていうか知らない場所に行く事の楽しさを覚えちゃいました」

 

「また来ようぜ。次はお前の運転でな」

 

 

そう言うと嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

 

 

「さて、そろそろ帰るか。ホテルのチェックインに間に合わなくなる」

 

「あっ、今日はこっちに泊まるのですね」

 

「たまにはな。それとちゃんと二部屋取ってあるから安心しろよ」

 

 

そう言ってバイクに跨りエンジンをかけると後ろにバルムンクが乗り、エンジンを吹かし走り出す。

 

 

 

『夕飯はなんか食べたいのあるか?』

 

『せっかくなので地上世界らしい物を食べてみたいですね。何かおすすめはありますか?』

 

『それがないんだよな。料理は天上世界とそんな変わらないからさ』

 

『そうなのですね。ちょっと残念です』

 

 

そう言っていてもバルムンクは楽しそうでインカムから鼻歌が聞こえてきていたり。多分本人は気付いていないから気が付かない事に。

 

 

しばらく走りふとミラーを見るとこちらへと向かう何かが見え、目を凝らして見るとヤギの様なツノを生やす魔獣、バイコーンの群れだということが分かった。

 

バイクの排気音に気付き寄って来たのかたまたま通りかかったのかは分からんが人間を捕食する化け物の接近に緊張感が湧く。

 

 

『バルムンク。後ろからバイコーンが来てる』

 

『えっ?あ、本当だ、、』

 

 

現在のバイクの速度は時速100キロちょっと。それでもバイコーン達は追い付きそうな速度で走ってくる。このまま街に逃げ込めばバイコーンまで街へとくるだろう。

 

 

『バルムンク、戦えるか』

 

『大丈夫です!ってこのままですか!?』

 

『速度緩めるからしっかりバランス取れよ!』

 

 

速度を落とすと俺の肩を掴みながらバイクのシートの上に立ち上がりキラーズに対応する神器『激龍爪・バルムンク』を構えた。

 

走行するバイクの上に立ち上がるバランス感覚は流石キル姫だ。

 

 

『指示をくれればその様に動く!たのんだぞ!』

 

『はいっ!ドラゴンキラーバルムンク、行きます!!』

 

 

速度を落とし俺たちはバイコーンの群れの中へと入る。それでも不安は無かった。

 

それは剣を振るうバルムンクの姿がミラーに写っているからだ。身長程ある長剣を軽々と振るいバイコーンを蹴散らしながら指示を叫ぶ。

 

 

『もう少し右にお願いします!』

 

『はいよ!』

 

『次は左です!』

 

 

バルムンクの指示通りにバイクを走らせようやくインカムから安堵のため息が聞こえた。

 

 

『今のバイコーンで最後です。討伐完了ですマスター』

 

『おっけサンキュー!』

 

 

長い様な短い様な戦闘を終えようやく大きなため息が溢れ路肩にバイクを停めて少し休憩。

 

 

「助かったよバルムンク。居てくれて良かったよ」

 

「いえ、お役に立てて良かったです。汗かいちゃいました」

 

 

そう言ってウエアのファスナーを胸下まで下げてあおいでいた。

 

 

「やっぱり強いな。もっと自信を持っても良いんじゃないか?」

 

「それはダメですよ。私より強いキル姫はたくさん居ますし私なんて全然です」

 

「まぁ、そう言うならそうなのかもしれんが」

 

 

可愛いし強いしスタイルも良い。卑屈になる要素なんて一つもないのに。そう思いながら暑そうにあおぐ姿を見ていた。

 

 

「さ、そろそろホテル行くか。今の時間は、、」

 

 

腕時計を見ると時刻は17時になろうとしているところ。チェックインの時間が18時だからのんびりとしている時間はない。

 

 

「行くぞ!間に合わなくなる!」

 

「えっ?急ぎましょう!」

 

 

バイクに飛び乗りエンジンをかけるとすぐにバルムンクが後ろに乗り、その直後スロットルを開けバイクを飛ばしてゆく。

 

 

それから大急ぎでホテルへと行ったのだがチェックインの時間を一時間程過ぎており予約していた部屋は一部屋取れずバルムンクと共に一部屋で過ごす事となった。

 

 

「同じ部屋ですまんな。遅れたこっちが悪いのだが予約すっ飛ばすとは」

 

「あはは、大丈夫ですよ。それにしてもお客さん多かったですね」

 

「こっちは祝日らしいからな。休みの日ぐらいホテルに泊まろうって魂胆だろ」

 

 

まぁそう言う俺もそのうちの1人だ。しかしシングルの部屋に2人放り込むのはどうなのかと思うが。

 

俺は気にはしないのだがバルムンクはどうなのだろう?ベッドに座っているバルムンクを見るとつま先を俺に向けていて手は膝の上にある。警戒姿勢ではないことから安心はしているようだ。

 

 

「とりあえず風呂入ってこい。それから飯食いに行くか」

 

「私が先に入って良いんですか?」

 

「もちろん。早く行ってきなよ」

 

 

お礼を言いながら風呂場へと行ったバルムンクを横目で見送り少しバルムンクの事を考えていた。

 

患者としては見ていないつもりだがついつい仕草を見てしまうのは職業病だ。そしてバルムンクは患者と呼べる程メンタルをやられていない。日常生活に支障は見れないし意思疎通もでき身体も動く。控えめなのは性格だし。

 

考えられる点として以前のマスターに何かをされ、それが深く心に傷として残っている。その傷に触れるのが完治への近道だろうがあいにくバルムンクを患者として見ていないので聞く気にもなれないが、大方癖の強いマスターにサマザマな事をされたのだろう。

 

 

そこまで考え考えるのをやめ、ベッドへと倒れ込み大きく身体を伸ばし晩飯をどこに食べに行こうかとスマホを見ていると一件のメッセが。

 

 

「お先にお風呂ありがとうございました」

 

「んっ、明後日から仕事になったからそのつもりでよろしく。それと晩飯何買いたいか考えておいてくれ」

 

「えっ、私がですか?」

 

「おぅ、俺はなんでも良いから好きなの選んでくれ」

 

 

そう言い残して風呂へと。

 

 

「ふぅ、決まった?」

 

 

風呂から出て部屋へと行くと俺に気がついたバルムンクがスマホを置き俺の顔を見上げた。

 

 

「あの、このお店に行きたいです」

 

 

スマホを開き俺に向けるとそこにはちょっと小洒落たお店が映されていた。地図で見るとこのホテルの近くの様だ。

 

 

「おけ、行くか」

 

「はいっ」

 

 

必要なものを持ちバルムンクと共にそのお店へと向かうことに。ホテルを出てナビを開きその通りにしばらく歩くと繁華街の一角にそのお店はあった。

 

 

「お〜良さそうな店じゃん」

 

「そうですね。サイトで見たよりずっとお洒落です♪」

 

 

嬉しそうなバルムンクを見ながら店のドアを開くと人はまばらですぐに席へと案内され座りメニューを開いた。

 

店の外観と同じく書かれたメニューも洋風で一通りメニューへと目を通してゆく。

 

 

「なんか飲むか?」

 

「飲むとは?」

 

「飲み物だよ。酒でもジュースでも好きなの頼めよ」

 

「本当ですか?じゃあお言葉に甘えちゃおっかな」

 

 

メニュー表で笑顔を隠しながら目を通し顔を上げた。

 

 

「マスターは決まりました?」

 

「決まってるよ。呼ぶか」

 

 

店員を呼びメニューを伝えると奥へと下がって行きしばらくしてビールとカクテルが席に届けられた。

 

 

「「乾杯」」

 

 

グラスを合わせ乾杯をしてメインのメニューが届くのを待つ事に。

 

 

「良いですね旅行って。また来たいです」

 

「休みが取れたら来ようぜ。次はバイクの練習だぞ」

 

「そうですね。それも楽しみです」

 

 

こうも喜んでくれると連れてきた甲斐があるというものだ。それからもバルムンクはずっと笑顔を浮かべていて楽しそうな様子。

 

 

「あの、おかわりを頼んでも良いですか?」

 

「おう、好きなのを好きなだけ飲めよ」

 

「ありがとうございます。どれにしよっかなー?」

 

 

笑顔で飲みたいお酒を決め店員を呼んでいた。

 

 

「このお酒も美味しいです。それにご飯も」

 

「旅行の醍醐味だよな。ホテルで飯食うよりも飯屋の方が美味しかったり」

 

「地上世界の他の場所は行った事あるのですか?」

 

「あーっと、カルコフェの街には行った事あるぞ。その街にバーがあって気さくな名物マスターに会いに」

 

「へぇー良いなーどんな人だったんですか?」

 

「噂通り気さくな人でサービスで酒飲ませてくれるんだよ。それをマスターの嫁が怒って喧嘩が始まったりで、まぁ、楽しい店だったよ」

 

「あはは、、いいなー私も行ってみたいです」

 

「今度行こうぜ。次は三泊ぐらいするか」

 

 

そんな会話で盛り上がり結論から言うとバルムンクはカクテルから始まりワインを飲み酎ハイを飲んで日本酒に手を出し散々ちゃんぽんしてぐったりとしていた。

 

 

「ごめんなさいますたぁ、、」

 

「おう、まぁ、楽しかったんだよな」

 

 

飲み始めてからバルムンクはずっと笑顔で話してたし相当楽しかったのだろう。

 

会計を済ませくたばってるバルムンクを介抱しながらホテルへと帰る事に。

 

 

「なんだかふわふわします」

 

「飲み過ぎってやつだな。ほら水」

 

「ありがとうございます、、」

 

 

渡したペットボトルの水を半分ほど飲み干しとろんとした目で俺を見つめていた。

 

 

「よし、寝ろ」

 

「はぁい、、」

 

 

着ていたコートを脱ぎそのままベッドへと寝転がるといつの間にか寝息を立てていた。

 

そんなバルムンクを見て寝げろを吐いても大丈夫な体制にしてコートをハンガーにかけ壁へとかけておく。

 

それから寝ているバルムンクを椅子に座りながら見ていた。時折り身を捩るがしっかりと寝ている様で吐く気配は無い。もう少し様子を見てから俺も寝ようと考えていた。

 

 

「ん、、」

 

「・・・寝言か」

 

30分ほど観察した後俺も寝る事に。床をみると冷たそうなフローリング、椅子の背もたれは直角であり寝るのは無理だろうと結論を出し俺はバルムンクの横に寝転がり寝る事に。

 

 

暖房を付けるまでもない室温と熱ったバルムンクの体温に気がついた時には眠っていた。

 

 

次の日、目を覚ますと俺に抱きつく様に眠るバルムンクの寝顔が見えまだ残っていた眠気は吹き飛び一瞬目を見開き寝姿を見た。可愛らしい顔は寝顔も可愛く安心し切った様に眠る姿に笑顔が溢れた。

 

 

「んん、、朝、、?」

 

 

すこししてからバルムンクも目を覚まし目を薄らと開け俺の顔をみると驚き目を見開きそのまま飛び起きていた。

 

 

「ま、マスター!?えっ、、?どういう事ですか?」

 

「覚えてないのか?昨日散々飲んで楽しんでた事」

 

「それは、、お店で飲んでたところまでは覚えていますけど、、。もしかして私、すごく失礼な事とかしていませんでしたか、、?」

 

「いや?普通だったと思うぞ?バルムンクが楽しそうでなによりだよ」

 

「そんなに私楽しそうでしたか?」

 

「楽しそうだったよ。ハメ外すのは良いけど次から気をつけろよ」

 

「・・・」

 

 

そう言うと赤面しながら顔を逸らしていた。それから服を着替え部屋を片付け天上世界に帰る事に。

 

 

「とりあえず飯食って帰るか」

 

「はいっ」

 

 

地上世界のラグナ教会付近にあった喫茶店に行き朝飯を食った後、近くをふらふらしてようやく俺たちは天上世界へと帰ってきた。ラグナ教会を出ると故郷、って匂いを鼻いっぱいに感じる。

 

 

「んんっーーなんだか帰って来たって気になりますね」

 

「あのユグドラシルを見るとな」

 

 

黄昏かけた空に聳えるユグドラシルの大樹を一目見た後家へと帰ってゆく。

 

 

「明日から俺の仕事に同伴してもらうが何か質問はあるか?」

 

「特にはありません。私はマスターが危なくなったら助けに入れば良いんですよね?」

 

「そう言う事。それを分かっててくれれば良いよ。後、退屈を潰せる物を用意しておけよ」

 

「退屈を潰せる物ですか?」

 

「おうよ、それ以外はやる事ないから何してても良いぜ?ラグナロクが来た時はパソコン持って来て仕事してたし」

 

「あはは、、明日体験してみてから考えておきますね」

 

 

風呂上がりに明日の説明をしておいた。診察を行うのは俺なので付き添いの人は暇なのだ。

 

そんな中でもエンシェントのネスだけは真面目に監視を行なっていたりと性格が分かったりと楽しいのだが。

 

 

「そんなわけでそろそろ寝るか。明日は、、7時には起きてくれよ」

 

「分かりました。それとマスター」

 

「ん、どうした?」

 

 

寝ようと部屋に行こうとした時バルムンクに呼び止められ振り向くとやや俯き不安気な姿をしていた。

 

 

「どうしたんだ?」

 

「あの、、昨日の夜って私、酔っ払って、その、、エッチな事とかしてませんよね、、?」

 

「してないけどどうしたんだ?」

 

「なら良いんです。私、楽しくお酒を飲む事ができたのが初めてで酔っ払ってあんまり覚えていませんでしたから、、」

 

「それだけ楽しい酒が飲めたんだからきにするな。それと、俺はお前の隣で寝てたが手を出してないってか触ってすらいないから安心しろ」

 

「あはは、、私って魅力ありませんよね、、女の子としての魅力っていうのか」

 

「・・・?」

 

 

話が変な方向へ向かっているので軌道を修正すべく席に座りバルムンクに座れと伝えると遠慮気味に席へと座った。

 

 

「とりあえず根本的な事を言うとお前は間違えている」

 

「何を間違えているのでしょう、、?」

 

「お前はかなり魅力的な女性の部類に入る。顔は可愛いしスタイルも良い、そして昔でいう男の後ろを歩くタイプの女だ」

 

「そうなのでしょうか、、?」

 

「自分の姿を鏡で見た事ないのか?」

 

「それは何度もありますけど、」

 

「お前はもう少し自分の魅力に気づいた方が良いぞ?もっと可愛い服を着ても良い、お洒落をしても良い。磨けば光るんだよお前は」

 

 

嬉しい様な恥ずかしい様な表情で話を聞き結局困った様な顔をしていた。

 

 

「お前がそう言うのは元々の性格もあるだろうが何か根本的な理由があるはずだ。まぁ、良かったら話してくれ。言いたくないのなら聞かないでおくからさ」

 

 

そう言うと唇を動かし、その唇は言葉を吐いた。

 

 

「私の前のマスターは私の事を女の子として見てくれなかったのです。そればかりか私の匂いに興奮するのに私には興味がなくて、、」

 

「匂い?」

 

「はい、私の、その、、脇とか足の匂いを嗅いだりブーツの匂いを嗅ぎながら1人でするのが好きな人で、、」

 

「お、おぅ、、ま、まぁ、、性癖は人それぞれだからな、、」

 

 

顔に影を落としながら話してくれた話に無理やり返事を絞り出し言葉を返した。

 

性癖は確かにそれぞれあるが理解し難い性癖の話を聞かされめまいがした。

 

 

「そういえば制汗剤をよく使ってたな」

 

「はい、匂いって自分では分からないので不安で、、」

 

「あぁーーー、、」

 

 

とりあえずバルムンクの行動の意味が分かった。やたらと制汗剤を使う理由はこれだったと。それとそいつにメンタルをやられて共鳴を解除し落ち込んでいたのをラグナロクが見つけ俺に依頼したのだと。

 

 

「俺は匂いなんて感じなかったぞ?それだけスプレーまいてればそうなるかもしれないが、、、」

 

 

ちらっと時計を見ると20時を回ったところ。まだ時間も早いし酒でも飲みながら話を聞くと言うこととなり2人して夜の街へと行き売店へと。

 

 

「好きなの買えよ。俺も付き合うから」

 

「ありがとうございます、、」

 

 

店の冷蔵庫から3本ずつビールやら酎ハイを選びつまみのお菓子を買い最後にウコンのパワーを2本買っていた。その時、俺の目は棚に並ぶコンドームを見つけた。

 

 

「バルムンクは女扱いされたいって言ってたがコレは使うのか?」

 

 

俺の視線を辿りバルムンクの視線もコンドームを見つけすぐに顔を真っ赤にして目を逸らしていた。その反応が楽しくて笑ってしまうのだが。

 

 

「じゃあもしもの時のために一箱買っておくか」

 

「私、お店の前で待ってますからね、、」

 

 

顔を真っ赤にしながら店の外へと行ったバルムンクをニヤニヤしながら見送ると店員から軽蔑する様な視線を向けられていた。

 

 

「お待たせ。帰るか」

 

 

会計を済ませ待っていたバルムンクに声をかけると顔を上げ俺を見てその後ろを付いて歩いて来た。

 

 

「さぁ飲もうぜ」

 

 

そう言ってテーブルの上に買ってきた酒とおやつを置きテーブルのふちにコンドームを置くと対面して座るバルムンクはまた顔を赤くした。

 

 

「どうしてこんなところに置くんですか、、?」

 

「しまうの面倒だし、まぁきにするな」

 

 

手を伸ばし缶を取るとバルムンクも続いて缶を取りプルタブを起こし乾杯。喉を鳴らしながら酎ハイを飲んでゆく。

 

一缶目を飲み終わるまでにバルムンクは何度も視線をコンドームへと向けては逸らすを繰り返していた。

 

 

「そんなにこれが気になるのか?」

 

「それは、、そうですね。気になってしまいます」

 

「ちなみに使った事は?」

 

「えっと、、ないです。前のマスターとはした事ありませんでしたし、、」

 

「なるほどね。それは勿体無い気がするのだけど」

 

 

良い女は匂いも良いのか?少し気になるが俺にそんな性癖はないのでスルー。

 

しかし痴話話だけで顔を真っ赤にするバルムンクをいじるのは結構楽しい。

 

 

「ついでに色々聞かせてもらうよ。1人でした事はあるのか?」

 

「ひ、1人でですか、、?」

 

「そうそう。分かりやすく言えばマスターベーション、またの名をオナニーだ」

 

「それは、、」

 

 

口を濁らせると新しく缶を開け一気に半分ほど飲むととろんとした目で俺を見つめた。

 

 

「それは私だって性欲はあります、、でも相手がいないから1人で慰めるしかありませんし。。そう言うマスターはどうなのでしょうか、、?」

 

「そりゃ俺だって性欲はあるから1人でするしそういう店にだって行くさ」

 

「それは、、そうですよね、、」

 

 

酎ハイを一口飲みテーブルの上に置いてあるコンドームを見た後、俺の顔を見た。

 

 

「私、してみたいんです。好奇心ってのもありますけどマスターなら良くしてもらえそうなので、、」

 

 

真っ赤にした顔で俺を見上げながらの言葉に鼓動が昂まり肉棒が勃ち上がるのを感じた。

 

 

「よし、じゃあそれ飲んだら部屋行くか」

 

「・・・はいっ」

 

 

返事を聞き缶を口に当て高くあげ残っていた酒を飲み干すと同じようにバルムンクも残りを飲み干し空になった缶をテーブルへと置いた。

 

そのまま立ち上がりバルムンクの元へと行き立つように手を伸ばすと温かい手が俺の手を掴み立ち上がり部屋へと連れてゆく。

 

 

「あの、これも、、」

 

 

バルムンクの左手がテーブルの上に置かれていたコンドームの箱を取り胸に抱くように持っていた。

 

 

「ま、初めては痛いっていうからなるべくリラックスして俺に身体を預けて欲しい」

 

「分かりました、、。お願い、しますね、、?」

 

 

ベッドに座りそんな事を話した後、バルムンクをベッドへと押し倒し俺を見上げる潤んだ瞳と目を合わせ頭へと手を伸ばし撫でると身を守るように目を閉じた。

 

 

「大丈夫だよ。ほら」

 

 

目を開けるように言うと不安そうな瞳のまま俺に頭を撫でられていた。

 

 

「落ち着くまで撫でてるから」

 

「ありがとうございます、、」

 

「でも寒いから布団はいるか」

 

「あは、そうですね、、」

 

 

バルムンクの上から退くとそのままバルムンクは布団に包まりその隣に寝転がった。

 

寒い時期特有の冷たい布団だが隣のカイロのように熱くなったバルムンクに身体を寄せると寒さはすぐに和らいだ。

 

 

「ほら、何もとって食ったりしないよ」

 

「それは分かっているのですか、、緊張しちゃって、、」

 

 

それからずっと頭を撫でていたのだがバルムンクの緊張は解ける事はなく身体は強張り小刻みに震えているのが分かる。

 

 

「ごめんなさいマスター、、やっぱり怖いです、、」

 

 

絞り出された震えた声が聞こえ髪を撫でる手を止めてバルムンクを覗き込むと泣き出してしまいそうな顔があった。

 

 

「始めてってのは記憶に残るものだから良いものにしてやりたいし、もう少し慣れてからにしようか」

 

 

良く考えればバルムンクと出会ってからまだ1週間も経っていない。そんなやつに身体を任せるのは嫌だろうと思い今夜は寝る事に。

 

 

「このまま枕になっていて欲しい。それは大丈夫か?」

 

「それぐらいなら大丈夫です。あの、本当にしないんですよね、、?」

 

「あぁ、しないよ安心しろ。ほら、寝るぞ」

 

 

そう言うと安堵するようなため息が聞こえしばらく髪を撫でていると小さな寝息が聞こえ、それを聞き俺も寝ようとしたのだが昂った感情が眠りを妨げて眠れたのはしばらくしてからだった。

 

 

次の日、それでもいつも通りの時間に目を覚まし仕事へ出かける準備をしようとバルムンクを起こしていた。

 

 

「おはよ。準備するぞ」

 

「おはようございます、、分かりました」

 

「その前に顔洗ってこい」

 

 

昨日の涙が乾いた跡が見えそう言うと顔を洗いに洗面台へと行き水の音の後に制汗剤を使う音がした。

 

 

それから職場であるラグナ教会へと行き職長と話し俺が担当するキル姫を教えてもらい早速面会をする事に。バルムンクを連れて患者がいる部屋の前へと来ていた。

 

 

「よし、今からお前の初任務となるのだが、まぁ、緊張せず何か俺に合ったらすぐに動いてもらえれば良い」

 

「分かりました。あの、頑張りますね」

 

「おけ、今の担当が終わればまた休みがもらえるから旅行でも行こうぜ」

 

「はいっ!」

 

「行くぞ」

 

 

ドアに2回ノックをしてから部屋に入ると椅子に座り酷く項垂れているキル姫の姿があった。

 

 

「あはは、、」

 

 

その姿を見て背後からバルムンクの乾いた笑い声が聞こえた。

 

 

「一日仕事してみてどうだった?」

 

「思っていたより緊張しちゃって時間が過ぎるのがあっという間でした。それとあの人大丈夫なのでしょうか、、?」

 

「あの状態を緩和させるのが俺の仕事だ。ああなった原因を探しメンタルケアをしていくってね」

 

「あはは、、マスターはどうしてこの仕事をしようと思ったのですか?」

 

「それはだな。精神おかしくなったキル姫が行き着く先は何か分かるか?」

 

「…暴走、だと思います」

 

「そうだ。なら暴走したキル姫がどうなるかも分かるな?」

 

 

キル姫の暴走、暴走に至るには様々な説があるがその内の一つとしてメンタルの乱れが挙げられる。

 

この仕事は暴走するキル姫を1人でも減らそうという責務がある。

 

 

「暴走したキル姫は力尽きるまで目に付く物全てを破壊します。そして、最後は力尽きるか討伐されるかの二択です」

 

「さすがキル姫良く知ってるな。キル姫は異族という脅威から人々を守る為に戦ってくれている。だから俺は少しでもキル姫達の為になりたいんだよ」

 

 

そう言うとバルムンクは優しい笑顔を見せてくれた。

 

 

その日から俺の仕事が始まり患者のメンタルが落ち着くまで二ヶ月の時間がかかった。

 

そして、診察完了の日がやってきた。

 

 

「よし、もう大丈夫だ。またなんかあったらすぐに来るんだぞ」

 

 

そう言うとそのキル姫はお礼を言い診察室を出て行った。その背をドアが閉まるまで見送り完全にドアが閉まった時、俺は大きなため息を吐いた。

 

 

「お疲れ様でした。本当に元通りになってましたね」

 

「多分な。心の傷ってのは目には見えないからいくらでも隠す事ができる。上部だけ取り繕う事も良くあるんだよ」

 

「じゃああの患者も傷を隠してるかもしれないって事でしょうか?」

 

「さあな。全身をくまなく見てたがそんな仕草は見れなかったし大丈夫だろう。あとは本人次第さ」

 

「そうなんですね」

 

「あーあーっ、疲れた」

 

 

椅子に座ったまま大きく身体を伸ばし次の予定を見るとまたしばらくの休みがあった。

 

 

「よし、明日から休みだから遊びに行こうぜ」

 

「そんなに休みがもらえるのですか?」

 

「患者が居なければやる事ないからな。その代わり患者が出れば呼び出されるけども。バイク乗りに行こうぜ」

 

 

椅子を回しバルムンクへと目を向けると嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

 

 

家に帰ると旅行の準備を済ませその後飯を食いに行く事に。肌寒いを通り越し寒い夜道を2人並んで歩いてゆく。

 

あの日からバルムンクは少しずつ行為に慣れようとしてくれるのだが未だ進展はなくお預けくらったまま。

 

 

「ーーー♪」

 

 

そんな俺の気を知らずバルムンクは以前より俺に慣れたようで笑顔を浮かべながら俺の隣を歩いている。

 

それでもしたいという気持ちは分かるので慣れるのをのんびりと待つのだけど。

 

 

「どうしましたマスター?」

 

「いや?飯なに食う?」

 

「私が決めて良いんですか?」

 

「おう、好きなの選べよ」

 

「ならどうしようかなー?」

 

 

サフランの商店街に立ち並ぶ飲食店を見渡す横顔を見ていた。しばらくして行きたい店が決まり俺の手を取ると引っ張るように歩んだ。

 

 

「あの店に行きましょう♪」

 

「おっけ、行くか」

 

 

手を引かれながら店へと入ってゆく。

 

 

次の日、俺とバルムンクは地上世界へと遊びに来ていた。少し長居したかったのだが仕事の予定が入り一泊2日の小旅行になってしまったのだけどそんな事気にならないほどにバルムンクは楽しそうで。

 

 

「よーっし、まずクラッチを切ってギアを入れて半クラッチにしてバイクを動かすんだ」

 

「えっと、、このレバーを引いて足でペダルを蹴って、、、」

 

 

バイクを2台借りてバルムンクに教えていた。おどおどした性格とは違い教えた事を素直に飲み込み半クラッチからギアを繋げ走り出せるまでに成長していた。

 

 

「走り出したらギアをシフトするんだぞ」

 

「はいっ!」

 

 

二時間ほど練習するとバイクを乗りこなす事ができていた。

 

 

「すごいな。俺が乗り出した頃はクラッチ操作に苦労したんだけど」

 

「マスターの教え方が良いからですよ♪後ろに乗るのも良いですけどこうやって運転するのも気持ち良いですね♪」

 

 

そう言ってバイクを止めようとした時油断をしてエンスト。がくんと揺れたバイクに驚いた顔をした後笑っていた。

 

 

「あっ、、油断しちゃいました」

 

「大丈夫大丈夫。全然良いよ。もっと自信を持て」

 

「あは、そうですよね。ねぇマスター外行きませんか?」

 

「そうだな。マイクの使い方は分かるな?」

 

「はい!じゃあ行きましょうか」

 

 

2人でコースを抜け外の道を走る事に。排気音を響かせ走るバルムンクの後を追いかけてゆく。

 

 

『すごく良い風ですね♪太陽も暖かいし気持ち良いです♪』

 

『ツーリング日和だな。良い日に来れて良かったよ』

 

『あは、雨だったらどうしてたんです?』

 

『ホテルで泣きながらてるてる坊主でも作ってたよ』

 

 

そんな話で笑いながらバイクを走らせアスファルトで舗装された道の終点へと来た。そこでバイクを止め缶コーヒーを飲みながら休憩。

 

 

「んんーーーっ止まると暑いぐらいですね」

 

 

大きく身体を伸ばした後そう言ってライダースーツのファスナーを胸下まで下ろし缶コーヒーに口を付けていた。

 

 

「これぐらいがちょうど良いよ。冬にバイク乗ると二度と乗りたくなくなるからな」

 

「風当たりますからね。夏はどうなんです?」

 

「走行中は良いが止まると地獄だ」

 

「あはは、、確かにそうですね」

 

 

そう言って目を手で覆いながら太陽を見上げていた。

 

 

それからしばらく休憩した後俺たちはバイク屋へと戻り日が落ちる前にはホテル付近に戻って来ていた。

 

 

「なんだか人が集まっていますけど何かあるのでしょうか?」

 

「なんだろうな?」

 

 

疑問を持ちながら歩いてゆくと電信棒に貼られたポスターを見かけ読んでみると冬の訪れを祝う祭りが行われるようで。

 

 

「そうなんですね。でも冬の訪れを祝うお祭りってなんだか珍しいですね」

 

「寒い冬が早く終わるようにじゃないかな?ほら、寒いと家から出たくなくなるし」

 

「それ分かります。寒いと朝お布団から出たくなくなりますし厚着をすると動きづらくなってしまいますからね」

 

「出店もあるみたいだから晩飯はここで食うか」

 

「そうですね。晩御飯を出店で食べるのを一度はやってみたかったんですよね♪」

 

 

そんなわけでバルムンクと人混みに紛れながら屋台立ち並ぶ道を歩んでゆく。そこには大勢の人が喋る声と笑う声、屋台の店員が呼び込む帰るが響き気分を高めてくれる。

 

 

「あは、良いですねこういうのも♪」

 

「たまにはな。それより何食う?」

 

「こういう場所なら、、たこ焼きとか焼きそばかな?マスターは何を選びますか?」

 

「俺もその辺だな。とりあえず買うか」

 

 

人が並んでいない屋台に並び2人分のたこ焼きを買って屋台を後に。そして買ったたこ焼きを食いながら再び道を歩いてゆく。

 

 

「もぉ、食べながら歩くのはあまり良くないですよ。それに変な目で見られてしまいます、、」

 

「普通ならな。でもこの場ではこれも正解なんだよ。周りを見てみろよ」

 

「周りですか?」

 

「そう、周り」

 

 

ソースと青のりが付いた箸を向けるとバルムンクがその方を見た。そこには同じように食べながら話し歩く人たちの姿が。

 

 

「祭りはこれが普通なんだよ。それに人の目なんて気にすんな」

 

 

そういうと悩んだ顔をしてからたこ焼きのパッケージを開け箸でつまみ口へと運んでいた。

 

 

「なんだか悪い子になったみたいです。あつっ、、あはは♪」

 

 

はふはふとたこ焼きを頬張る顔を見て笑った。

 

 

「それともう一つあってだな。缶ビール二つ」

 

「あいよ、1600ゼニーね」

 

 

俺が注文を頼むと屋台の親父が氷水に手を突っ込みその中から缶ビールを2本取り出しタオルで拭いていた。その間に財布から金を出し親父の前へと置く。

 

 

「まいどー」

 

 

受け取った缶ビールを一つ開栓しバルムンクに渡すと不思議そうに俺を見上げ俺も開栓して飲むと遅れてビールに口を付けた。

 

 

「この法外な値段も出店の楽しみなんだよ」

 

「あは、確かにその値段ならお店で生中3杯頼めちゃいますもんね」

 

「領収書も出ないから経費で落ちない完全自腹。だがそれが良いんだよ」

 

「なら私、自分の分は自分で出しますよ?お仕事を手伝ったお金持ってますし」

 

「そうじゃないんだよ。女に奢るってのが男の見栄であってこの場の楽しみなんだよ。細かい事言わずに奢られとけ」

 

「マスターがそう言うのなら、、じゃあ次は焼きそば食べませんか?」

 

 

以前のバルムンクなら何も頼まないという事を選択しただろう。だがバルムンクは自分の食べたい物を俺に伝えた。彼女の成長を感じながら焼きそばを売っている屋台へと歩いてゆく。

 

 

それから酒を飲み屋台で食い物を買い、食べながら歩いてゆくと屋台が途切れ祭りの執着地点である駅のロータリーへとたどり着いた。

 

そこには櫓が組まれ音楽が鳴り櫓を中心に様々な人が踊り歩く姿があった。

 

 

「サフランである盆踊りのようなものでしょうか?」

 

「そんな感じじゃないかな?」

 

 

大勢の人が踊っているが踊り方は人それぞれのようで誰1人として決まった踊りはしていない。統一感は全くないが自由な感じがして良い感じだ。

 

しばらく踊る人々を2人で見守っていた。

 

 

「どうせなら俺たちも踊ろうぜ。旅の思い出に」

 

「そんな!無理ですよ、、そんなことしたら目立っちゃいます、、」

 

「そうか?ならあの踊ってる人の中で目立つ奴は居るか?」

 

「目立つ人、、」

 

 

好き勝手踊っている連中を見ても誰も目立ってはいない。好き勝手すら踊りの一つとなり踊りの一部になっている。

 

 

「ここには俺たちの事を知っている人はいないと思うし、目立ったとしても明日には忘れているだろ。ほら」

 

「あっ」

 

 

バルムンクの手を引き踊りの中へと飛び込むとてきとーにバルムンクの手を引きなんとなく踊る。完全にその場で思い付きで手足を動かしバルムンクをリードすると動きに追従してくれていた。

 

 

「・・・」

 

 

その時見えたバルムンクの顔は恥ずかしさで顔を真っ赤にしているが楽しそうで、しばらくした時、目が合うと俺に向かいにっこりと微笑んだ。

 

 

「んんーーっなんか充実してた一日だったな」

 

 

その後、しばらく踊った後俺たちはホテルへと帰って来ていた。今回はこっちに来た時にホテルのチェックインを済ませたので問題なくホテルの部屋へ。風呂を済ませのんびりとしていた。

 

 

「そうですね。あの、楽しかったです」

 

 

バルムンクと部屋は同じ。なので今回の部屋は少し大きめである。それでもバルムンクと隣同士にベッドに座り酎ハイを飲んでた。

 

 

「私、少し自分に自信が持てた気がします。なんて言えば良いのでしょう、、?人の視線を気にする事がなくなった訳ではないのですが、、」

 

「そう思えるようになっただけ成長してるよ。元々の性格ってのは早々変わらないしバルムンクの性格は好きだぞ」

 

「あは、私も、、マスターの事好きですよ。あの、今夜なら私、大丈夫な気がします」

 

「ん、、」

 

 

その言葉を聞き返すのは野暮ってものだろう。少しの沈黙の後に酎ハイを一口飲んでテーブルの上へと置いた。

 

少ししてバルムンクも缶をテーブルの上へと置くと少し潤む瞳で俺を見上げた。

 

 

「電気消すか」

 

「そう、ですね、、」

 

 

ベッドの少し上にある照明のリモコンを操作し部屋の明かりは一瞬にして薄暗くなり、閉めたカーテンに外の明かりが浮かぶ。

 

そのせいか暗くしてあってもお互いの顔が分かるほどの暗さ。

 

 

「顔強張りすぎ」

 

「だって、、でも大丈夫です」

 

「まぁ慌てるなって」

 

 

バルムンクの方を向くとバルムンクも身体ごと俺の方を向き、その頭を撫でていた。

 

 

「リラックスリラックス」

 

 

髪の毛を何度も撫でていると顔の強張りが和らぎ少し落ち着いた表情へ。

 

 

「目を閉じて」

 

 

そう言うと目尻にシワができるほどに目を瞑りその姿に少し笑った後、唇に唇を重ねた。

 

瞑った目を薄く開き顔を見ると驚いた様に見開いた瞳が見え、その目はとろんと閉じていった。それを見届けたあとに目を閉じ唇に何度も啄む様にキスをしてようやく口を離すとその顔は赤らみどこか期待している顔に。

 

 

「もっと?」

 

「はい・・・」

 

 

再び唇を塞ぎ何度も唇を啄み、キスをしたままバルムンクをベッドへと押し倒す。

 

驚く悲鳴が聞こえたが嫌がる様子はなく覆い被さる俺の背に手を回しバルムンクからもキスをしてくれた。

 

 

「口開けて」

 

 

そう伝えると唇が僅かに開きその隙間へと舌を入れにゅるりとバルムンクの口内へ舌を滑り込ませる。その舌はバルムンクの舌を探し出し舌先をつついた後、纏まりつく様に舌へと絡み付かせる。

 

 

「ん、、、っ、、、」

 

 

塞がれた口から漏れる声を聞きながら舌を絡め、口を離しバルムンクの顔を見下ろすとそこには真っ赤になり潤む瞳が見上げる。

 

 

「なんだか、、凄かったです、、もうずっと身体が熱くて、、」

 

「この先をするともっと熱くなると思うけど」

 

「私、してみたいです。大丈夫ですよ、大丈夫です!」

 

 

意気込む返事に少し笑い一つキスをした。

 

 

「じゃあ脱ぐか」

 

「こ、ここでですか、、!?」

 

「ここでだよ」

 

 

そう言うと目を泳がせ諦めた様に頷いた。それを返事と受け取りバルムンクが着る真っ黒のスエットの裾を掴み上へと引き上げてゆく。

 

対抗する事なくスエットは捲り上げられてゆき真上に上がった両手からスエットは抜き取られた。

 

 

「あはは、、恥ずかしい、です、、」

 

 

スエットが抜けた瞬間、俺の目はブラジャーに持ち上げられているたわわな谷間を見た。その谷間はすぐに前に組まれた両腕に隠されたのだけど。

 

 

「これも取るぞ」

 

 

俺の手は背中にあるブラジャーのホックへと伸び弛みを作るとパチンとホックを外した。

 

手を離すと二つのホックが左右の脇腹に垂らしジト目を送る姿。

 

 

「分かりました、、。マスターも脱いで下さいね、、?」

 

「それはもちろん」

 

 

同じ色のスエットを脱ぎそれをベッドの淵に投げバルムンクを見ると目を逸らしていた。

 

 

「分かりましたよ、、こっち、見ないで下さいね、、?」

 

 

そう言われながらも横目で見ているとバルムンクはブラジャーの紐を肩から外し右肩からブラジャーを抜き取るとベッドの淵に置いた。

 

 

「取りましたよ、、」

 

 

そう言われ目を向けると胸の前で腕を組み細めた目を向ける姿。

 

 

「全部見せてよ」

 

「良いですけど、、あまり見ないで下さいね、、っ」

 

 

ゆっくりと手を解き背中に回すと隠すものがなくなった乳房が目の前に。

 

顔と同じ様に赤く色付きまだ触ってもいないのに乳首はぴんっと頂きで立つ。柔らかそうな乳房は呼吸するたびに上下に揺れる。

 

 

「そう言えば1人でするって言ってたけど胸は触るのか?」

 

「おっぱいはあまり触りません、、」

 

「へぇ、、」

 

 

そう聞いた後バルムンクをベッドへと押し倒し再び姿を見下ろした。そして右の乳首へと口を近づけ吸い上げた。

 

 

「あっ、、」

 

 

マシュマロの様な乳房とつんっと硬い乳首を吸い上げる不思議な感触を味わっているとバルムンクは目を閉じ快感の為か口を半開きにしながら吐息を漏らした。

 

 

「かわいい」

 

「そんな事っ、、ないですっ、、」

 

 

乳首を吸われる快感に悶える姿はとてもかわいい。

 

左右の乳首を吸い口を離し、両目を右手で隠す姿を見た。

 

 

「はぁっ、、人にされるのってこんなに気持ち良いのですね」

 

「喜んでもらえてよかったよ」

 

「でも、やられっぱなしは嫌なので私にもさせてもらいます」

 

 

言葉に疑問を思った時にはバルムンクは身体を起こし肩に手を回すと俺の乳首に吸い付いていた。

 

 

「おまっ」

 

 

思わず身を捩るがしっかりと掴まれ逃げることはできず吸い上げる音と真っ赤な頬を見て頭を撫でた。

 

 

「なんだか不思議な感じがしますね。男の人の乳首って小さくて可愛いです♪」

 

「そう言われるとなんか恥ずかしいな、、」

 

 

そう言っててれてれと笑うバルムンク。

 

 

「じゃあ次は下脱ぐか。ってか脱がせる」

 

「えっ、ちょっと、、!」

 

 

反論を聞きながらも手は止まらずスエットのズボンを引き抜こうとすると少し抵抗したがお尻が浮きするりとズボンは脱がされた。

 

閉じられた太ももの隙間からブラジャーと同じベージュ色の下着が見える。

 

 

「これもですよね、、」

 

「もちろん」

 

 

下着に手をかけると目を閉じ諦めた様で真っ直ぐに伸ばされた脚から下着が抜き取られ秘部が太ももの間に隠された。

 

 

「広げるぞ」

 

「待ってくださいっ!その前にマスターも、、」

 

 

そう言うと同時にズボンに手が伸ばされズボンと下着が同時に下ろされてゆく。

 

股間の引っ掛かりを通ると硬くなっている肉棒がバルムンクの目の前に現れ息を飲む音がした。

 

 

「これが挿入るんですよね、、」

 

「ちゃんと慣らすから大丈夫だよ」

 

「ちょっと触ってみても良いですか、、?」

 

「良いけど」

 

「ありがとうございます」

 

 

寝転がると興味深そうにバルムンクは勃つ肉棒の元へと行き鈴口から根本までじろじろと眺め、やがて手を伸ばし幹を包み込む様に握った。

 

 

「こんなに硬いんですね、、それに熱くて、、あはは、握ってる私も熱くなっちゃいます」

 

「そう言うバルムンクのおまんこはどうなってる?」

 

「きっと、いや、濡れてると思います、、。恥ずかしい、、」

 

「ふぅーん?隣おいでよ」

 

 

そう言うとバルムンクは俺の横へと寝転がり潤む瞳で俺を見上げた。

 

 

「きゃ、、くすぐったいです、、」

 

「ほら、脚開いて」

 

 

バルムンクの閉じられた太ももへ手を伸ばすと悲鳴が上がった。指先に少し柔らかな感触を感じながら言うとゆっくりと太ももは開かれ指先にとろりと熱と滑りを感じた。

 

 

「めっちゃ濡れてる」

 

「いやぁ、、恥ずかしい、、」

 

 

指先で膣口をつつくといやらしい水音が聞こえた。この音はバルムンクにも聞こえているのだろう。

 

 

「1人でする時はどっち触るの?」

 

「クリトリスを、、たまに下も触りますけど、、、」

 

「へぇ、、」

 

「やっ、、♡」

 

 

たっぷりと愛液が付いた指先で膣口の上でぷっくりと膨らむクリトリスを撫でると甘い声が聞こえた。

 

 

「やばっ、、きもちいいっ、、♡」

 

 

更なる快感を求める様にバルムンクは両脚は閉じるどころか大きく広げ手の妨げにならないようにしている。

 

 

「自分でそんなに脚広げてエッチじゃん」

 

「だって、、勝手に開いちゃうんでっ、、す♡」

 

 

クリトリスを指が撫でる度に敏感に反応し控えめに喘ぐ声をあげながら快感へと堕ちてゆく。

 

 

「きちゃうっ、、、もうイ、、、ッ、、♡」

 

 

大きな喘ぐ声と共に身を震わせ何度も荒く呼吸をすると恥ずかしそうに俺を見上げた。

 

 

「凄かったです、、。いつもはすぐにイカないのにすぐイッちゃいました、、♡」

 

「人にされた方が気持ち良いだろ」

 

「そう、ですね。じゃあ私もマスターの触りますね、、♡」

 

 

伸ばされた左手が肉棒を掴み上下に動く。手付きは不慣れだが健気な行動に目を細め姿を見ていた。

 

 

「もう少し強く握った方が良いですか?それともっと早く?」

 

「バルムンクにお任せするよ。思った様に触ってみて」

 

「分かりました。すごく硬い・・・」

 

 

結局バルムンクは優しく握りゆっくりと手を上下にさせてくれていた。物足りない快感だが気分は昂ってゆく。

 

 

「俺も触るね」

 

 

右手を伸ばし指先は秘部に触れ、クリトリスを押し潰すように撫でる。すると快感に悶え手の動きは止まりあえぐ声が。

 

 

「気持ち良くて、、手がとまっちゃ、、♡イっ、、、♡」

 

 

肉棒を握りしめながらバルムンクは達し恥ずかしそうな笑みを浮かべた。

 

 

「マスターお願いします。なんだかお腹の奥が疼いちゃって、、」

 

 

肉棒をさすりながら言われ一同キスをするとバルムンクの股座へと。

 

 

「挿入ぞ」

 

「はい、、、っ」

 

 

硬く勃つ肉棒を握り膣口に押し付けるとバルムンクは目を閉じその瞬間を待つ。

 

一呼吸置いてから肉棒は膣口を押し広げながらバルムンクの膣内へと入り込んでゆく。処女の秘部とはいえ滴るように湧いた愛液ですんなりと入り込んでゆく。

 

 

「んっ、、、あっ、、」

 

「痛むか?」

 

「大丈夫です、、」

 

 

半分程肉棒が入り込んだ時、バルムンクの口元が歪み動きを止め言葉をかけると両目を覆う右手の間から俺を見上げた。

 

 

「痛くはないですけどこんな奥まで入れた事ないから凄く気持ち良くて、、」

 

 

思わぬ言葉に欲望は燃え上がりゆっくりと入れるのをやめ、一気に根元まで膣内へと肉棒を押し込んだ。

 

 

「あっ、、すごい、、奥まできてる、、♡」

 

 

挿入しただけで顔は快感に蕩け口を何度もぱくぱくとさせる姿を見ていた。

 

 

「気持ち良いです、、♡マスター、、動いて下さい、、♡」

 

「その前に」

 

 

結合部へと手を伸ばし膣口を濡らす愛液を指に付けクリトリスへと。

 

 

「それ、、すごいです、、きもちいいっ、、♡」

 

 

クリトリスを押し潰しながら腰を小刻みに揺らすと堪える事ができなかった声が部屋へと散らばる。

 

 

「イッちゃ、、イクッイクっ、、♡♡」

 

 

身を震わせながら淫声をばら撒き少しぐったりと。

 

 

「もう疲れたのか?」

 

「まだ大丈夫ですけど、、気持ち良くて、、あんっ♡」

 

「次は中イキしろよ」

 

 

身体を起こすとバルムンクの両手を掴み快感に悶える姿を見ながら腰を動かす。両手を掴まれ隠す事ができない顔は快感に歪み半開きの瞳はとろんと快感に蕩け口は止めどなく淫らな声をあげる。

 

 

「キちゃうっ!すぐイッちゃっ、、!んんんんっ、、、、♡♡」

 

 

何回目か分からない絶頂を迎え荒く息を吐きながらぼんやりと。

 

 

「初めてで中イキするなんてほんと淫乱だな」

 

「ちがっ、、もぅ、、次は私が動きますね、、」

 

 

そう言われ肉棒を抜き寝転がると両足を震わせながら腰を跨ぎゆっくりと腰を落としてゆく。

 

 

「んっ、、♡恥ずかしいけど、、この体勢好きです、、♡」

 

 

根本まで腰を下ろし直立したまま俺を見下ろし微笑んだ。

 

 

「上手く動けるかな、、」

 

「好きに動いてみなよ」

 

「はいっ、、♡」

 

 

膝立ちのまま腰を上下させる姿を見ていた。ゆっくりとした動きだがたわわな乳房は動く度に揺れ快感に夢中なバルムンクは隠す事を忘れ夢中に腰を動かしていたが動きが止まった。

 

 

「気持ちいいけど、、ちょっと動きにくいです、、」

 

「こうやってやってみなよ」

 

 

そう伝えると膝立ちではなく足で跨ぐ様に座った。

 

 

「こうですか?」

 

「うん、それで動いてみなよ」

 

 

腰に手を付きバランスを取りながら腰を動かす姿を見ていた。

 

 

「さっきよりいいっ、、♡腰が勝手に動いちゃいます、、♡」

 

 

俯きながら夢中に腰を振る姿を見た後、結合部を見ると肉棒は愛液でぬらぬらと輝いていた。

 

ふと、手を伸ばしスマホを撮るとカメラを起動しその様子を写真に収めた。

 

 

「やっ、、」

 

「ほら、お前の愛液でぬるぬるになってる」

 

 

その写真をバルムンクに見せると顔は真っ赤に染まったが腰の動きを止める事はなかった。それどころか動きは早まり水音が響くほど。

 

 

「イッちゃ、、、♡♡♡」

 

 

身体を硬直させると俺に身体を預け何度も荒く息を吐いていた。そんなバルムンクの頭を撫でていた。

 

 

「上手だったよ」

 

「ほんとですか、、?嬉しい、、でもまだマスターはイッてませんよね、、?」

 

「俺ももう少しだから。体勢変えるぞ」

 

 

バルムンクを抱き寄せたまま身体を起こし体位は騎乗位から正常位へと。そして、射精へと向かい腰を掴み乱暴に腰を打ちつけてゆく。

 

 

「奥に、、っ♡当たってま、、っす、、♡♡」

 

 

同じくバルムンクも絶頂を迎えそうで膣内がきゅっと肉棒を締め付けるのを感じた。

 

 

「あぁっ、、イクっ、、♡」

 

「俺も、、、っ!」

 

 

尿道を精液が駆け上るのを感じた瞬間、肉棒を引き抜くとそれと同時に精液がバルムンクの身体へと迸った。

 

それは余韻に浸るバルムンクの唇まで飛び、胸、お腹、そして恥丘に精液の跡を残した。

 

 

「あは、、♡マスターの精液に汚されちゃいました」

 

「すまん、今拭くから」

 

 

ティッシュを何枚か取りバルムンクの方を見ると唇に飛んだ精液を指ですくい口に運ぶ姿を見た。

 

 

「なんだか変な味ですね、、それに匂いも、、。でもちょっと好きかも、、?」

 

 

精液を味わい不思議そうな顔をするバルムンクを見て笑った。

 

 

「次は口に出してやろうか?」

 

「えっ、、?それは、、、されてみたいかも、、」

 

 

照れながら言われた言葉に萎えていた肉棒がまた勃ちあがるのを感じた。

 

 

「とりあえず風呂行くか」

 

「そうですね。汗かいちゃいました」

 

 

ベッドから降りると少しダルそうにバルムンクもベッドを降りそのまま浴室へ。シャワーを出し2人して汗を流していた。

 

 

「どうだった?初めてのエッチは」

 

「そうですね、、自分でするよりも気持ちよかったです、、。ってこんな事聞かないで下さいよ、、」

 

「気持ち良さそうだったけどどうだったのかな?ってさ」

 

「もぅ、、」

 

「もう一回したいって言ったらどうする?」

 

「えっ、、?そのっ、、私も、、したいです、、♡」

 

 

そう言うと顔を晒したがまた俺の顔を見た。そんなバルムンクの手を引き浴室を出ると適当に身体を拭き部屋へと戻るとベッドに寝転がった。

 

 

「シャワー浴びたのにぬるぬるじゃん」

 

「だって、、♡マスターのだってもうこんなに硬くなってます、、♡」

 

 

寝転がると同時に秘部へと手を伸ばすとそこは奥から滲み出した愛液に濡れていた。

 

そしてバルムンクも手を伸ばし肉棒を扱いていた。

 

 

「そうだ、これ舐めてみても良いですか、、?」

 

「ん、良いけど」

 

 

思わぬ提案に頷くとバルムンクは手を離し肉棒の前へと。

 

 

「これがさっきまで私の中に入っていたんですね、、」

 

 

扱きながら肉棒を見つめる視線と目が合った。

 

 

「あは、、恥ずかしいけど、、舐めて、みますね、、」

 

 

小さく口を開くとその口は鈴口を咥え幹の半分まで咥え込んだ。そのまま不安そうに咥えたまま俺の顔を見た。

 

 

「その顔めっちゃエロいな」

 

「〜〜〜〜っ!見ないで下さいっ!」

 

「そう言われても隠すものもないから丸見えなんだけど」

 

「もぉ、、ほんとに恥ずかしいです、、」

 

 

そう言いながらも健気に肉棒を舐めてくれていた。仄暗い部屋に浮かぶフェラ顔は無性に興奮を込み上げさせる。

 

 

「口の中でぴくぴくしてます。気持ち、いいですか、、?」

 

「気持ち良いよ」

 

「良かった、、もう少し舐めますね、、」

 

「そうだ、こうやって舐めてよ」

 

「?」

 

 

バルムンクに頼むと恥ずかしそうな顔をしたが言った様に舐めてくれた。

 

 

「恥ずかしいです、、」

 

 

俺が頼んだのは口を離し棒アイスを舐める様に舐めてだった。最初は恥ずかしがっていたのだが今は肉棒を手で支えながら鈴口に舌を這わせてくれている。

 

 

「その顔エロすぎ」

 

「もぅ、、」

 

 

目を閉じ丁寧に舌を這わせてくれる姿に見惚れていた。むしろこんなに可愛い女の子にご奉仕され喜ばない奴はいないだろう。

 

フェラ顔を見ているとバルムンクは目を開け俺と目が合うと恥ずかしそうにまた目を閉じた。

 

 

「ふぅ、、お口疲れちゃいました、、」

 

「ありがと。おいで」

 

 

ご奉仕が終わり呼ぶと腰の上へと這い寄り肉棒を掴むとゆっくりと腰を下ろしていった。

 

 

「おまんこぐちょぐちょじゃん」

 

「だって、、♡舐めてたら欲しくなっちゃって、、♡気持ちいいっ、、♡」

 

 

こうして話している間もバルムンクは腰をくねらせ肉棒で膣内を掻き回す。その度にじゅぷじゅぷと水音が結合部から響く。

 

 

「マスターのが奥にっ、、♡気持ちいいっ、、♡」

 

 

気が付けばくねらせていた腰は打ち付ける様に動き快感を貪っていた。

 

 

「これ気持ちいいです、、♡いくいくっ〜〜っ♡♡」

 

 

子宮に向かい腰を打ちつけた後、きゅっと膣内が締まり肉棒が締め付けられた。

 

 

「ほんとエロいなお前」

 

「だって、、腰とまんないんです、、♡」

 

 

絶頂の余韻に浸りながらも腰をくねらせていた。

 

 

「交代するか」

 

「はいっ、、♡」

 

 

対面座位の状態からバルムンクをベッドへと寝かせ体位は正常位へ。身体を起こし見下ろすと恥ずかしさは消え快感を待ち望む姿が見える。

 

 

「脚上げるぞ」

 

「きゃっ」

 

 

両脚を掴み体の方へと返すと両脚は大きく開かれマングリ返しのポーズに。そのまま見下ろすとバルムンクの秘部が肉棒を咥え込む姿が見える。

 

 

「繋がってるところ丸見え」

 

「いやっ、、恥ずかしいですっ、、♡」

 

 

そのまま腰を動かすとカリ首に掻き出された愛液が膣口を伝い垂れ落ちていくのが見える。

 

 

「やらしいまんこだな」

 

「ちがいますっ、、♡見ないで、。くださいっ、、」

 

 

そう言って脚を下ろそうとするがしっかりと押さえつけ結合部は視線に晒されたまま。しばらくこの光景を楽しんだ後、ピストンを開始する。

 

 

「やっ、、♡奥っぅぅぅ、、♡」

 

「こりこり当たってるのが分かるぞ。奥突かれるの好きなんだ」

 

「好きになっちゃいましたっ、、♡きもちいいっ、、♡」

 

 

快感に歪む顔は隠される事なく視界に写り膣壁がきゅっと締め付けるのを感じた。

 

 

「イッちゃっ、、、♡」

 

「っ、、!」

 

 

バルムンクが達したと同時に肉棒を引き抜き口元へと行くと虚な目で鈴口を咥えてくれた。

 

 

「出すぞ」

 

 

こくりと頷くのを見た後、肉棒を扱き口の中へと向かい精を放った。

 

 

「んっ、、んんっ、、」

 

 

最後の一滴まで絞り出し肉棒を離すと不思議そうな顔が見えティッシュを何枚か引き抜き渡そうとした時にはごくりと飲み込む音が聞こえ微笑む顔が見えた。

 

 

「不思議な味ですね、、でもやっぱり好きかも?」

 

「ありがとな。これ飲んどけ」

 

 

飲みかけの酎ハイを渡すとそのまま飲み干し空き缶をテーブルへと置いていた。

 

 

「あは、エッチしちゃいましたね」

 

「そうだな。どうだった?」

 

「思ってたより気持ち良くてすごくよかったです。こんなに気持ち良いならもっと早くしてれば良かったです」

 

 

笑いながら大胆な発言をしていた。

 

 

「でも疲れちゃいました、、エッチってこんなに疲れるのですね」

 

「運動みたいなものだからな。明日の朝風呂入るか」

 

「そう、ですね。あの、マスターはどうでしたか?」

 

「気持ち良かったよ。ありがとな」

 

 

そう言って頭を撫でると心地良さそうな顔をしてくれた。

 

 

「よし、じゃあ寝るか」

 

「そうですね。冷たっ」

 

 

布団へと潜りバルムンクと抱き合っているといつの間にか眠りへと落ちていた。

 

 

 

 

それから俺とバルムンクの仲は格段と良くなったと思う。人目がある場所では相変わらずだが二人っきりの時は自分の意思を伝える様になりおどおどした態度は無くなった。

 

 

「明日はお休みですよね?」

 

「そうだな」

 

「なら、今夜しませんか?」

 

 

夕飯を食べている時にそう伝えられバルムンクの顔を見ると照れながら笑っていた。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 





ここまで目を通してもらいありがとうございました!

今回はバルムンクの2話目という事で前作のトラウマを乗り越えるをコンセプトにして全体的にしっとりと書き上げてみました!

バルムンクといえば控えめであり決して前に出るタイプではないので性格の表現、セリフに苦労しましたが再現率は高めに仕上がったのではないのでしょうか。


バルムンクの成長を感じてもらえれば幸いです。
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