※この作品はR-18です。

気持ちが通じ合った公爵令嬢と田舎貴族は契りを交わすそうです   作:品☆美

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第118.9章 The Adventures of Couple

 バルトファルト領を治める領主夫妻、まぁ俺とアンジェの事なんだけど。

 俺達は年に数回だけ二人きりの冒険を行うのがお決まりの習慣になっていた。

 伯爵とその妻なんて社会的な地位があると何をするにも相応の立ち振る舞いって物を求められる。

 おまけにうちは子沢山で子供が六人も居て、一番上の双子さえも王立学園に入学する年齢にまだ達していないから屋敷の中がとても賑やかだ。

 雑事を熟す使用人や子供達を躾ける教育係が居るとはいえ、ほぼ平民同然な男爵家の次男として育った俺に先祖伝来の教育法なんて持ち合わせる筈は無い。

 なのでどうしても子供達の教育に関してアンジェが担う部分はかなり大きい。

 しかも俺が就きたくもない役職を時々任されたり、危険なロストアイテムの依頼で領地を留守にしがちだからアンジェの負担は更に増える。

 どれだけアンジェが有能でも生きた人間だ、重圧に耐えきれなくなる時は必ず訪れてしまう。

 そうなる前に有能なアンジェを癒すのは夫である俺が担う重要な仕事だ。

 

 領地の一角にある別宅に籠って畑を耕すのが趣味な俺と違い、アンジェは息抜きに外へ出たがる。

 しかもダンジョンやら遺跡を巡って何か珍しい品を手に入れる冒険をしたくて堪らないらしい。

 俺には分からない感覚だけど、流浪の冒険者が興したホルファート王国じゃ冒険を嗜む貴族はそこそこ居る。

 それこそ義姉のドロテアさんの実家ローズブレイド伯爵家は数々の冒険で挙げた実績で名家として名高い。

 なのでアンジェが冒険を楽しみたいという気持ちを止めるのはかなり困難だ。

 とは言っても二十年近くも夫婦を続けていれば相手の趣味嗜好に付き合うのも嫌じゃなくなっていた。

 誰も訪れない別宅で野菜を耕し息抜きする、領地を離れて見知らぬ場所で冒険する。

 領主としての立場や親としての責任から解放されてただの夫婦になる時間は俺達夫婦には貴重な息抜きと言っていい。

 今回の目的地はとある浮島のダンジョン、目ぼしい宝物は発掘されモンスターもほぼ居ないような寂れた場所だ。

 探索を楽しんだ後は近くにある別の浮島の宿に泊まって次の日は観光と計画を伝え燥ぐアンジェはとても愛おしく感じる。

 そんな冒険であんな事態が起きるなんて、あの時の俺はまだ知らなかった。

 

※ ※ ※ ※ ※

 

 尻だ。

 凄くデカくて丸い尻が目の前にあった。

 筋肉と脂肪の比率から尻の持ち主が女である事がよく分かる。

 安産型と世間では呼ばれてる尻全体の幅が広くて出産が楽で子供をたくさん産めると思われて、実際にこの大きな尻の持ち主は既に六人の子持ちだ。

 俺はどっちかと言えば大きなオッパイ派なんだけど父さんが大きな尻派なのもよく分かる。

 まぁ父さんが尻派だから母さんに惹かれたのか、逆に母さんの尻が大きかったから尻派になったのかは分からないし知りたくもない。

 子供が五人も居て孫が十人以上も居るのに家族の前でイチャイチャする老夫婦の性的嗜好とか考えるだけでげんなりするし。

 それが自分の生まれた理由だとしたら立ち直れなくなりそうだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「聞こえてるのかリオン!」

「ちゃんと聞こえてるから落ち着けよアンジェ」

「この状況で落ち着いていられるか!」

「あんまり興奮するなよ、焦っても状況は良くならないぞ」

 

 聞こえてくるアンジェの声を必死に宥めながらこの状況を解決する方法を必死に考える。

 苛立つアンジェに急かされるとせっかくの良い考えも霧散してしまう。

 目の前にある壁は長い年月で風化が進み壊せなくはない、それでも破壊するとなればそれなりに時間がかかる。

 少なくても今日の予定は殆ど潰れてしまうのは確実だ。

 アンジェとしては年数回に俺と二人で冒険する折角の休暇、予定が狂えば狂った分だけ意気消沈するのは目に見えてる。

 

「アンジェ、尻がつかえて先に進めないなら体を引っ張って元に戻せないか?」

「ダ、ダメだ…」

「どうして?」

「今度は胸が邪魔で体を戻せない…」

「…そうか」

 

 俺の嫁さんは尻だけじゃなく胸の超一流の大きさだった。

 アンジェは『リオンが毎日のように揉むからだ』『子供を六人も産ませたリオンが悪い』と俺のせいにするが冤罪もいい所だぞ。

 確かに俺と結婚して子供を産んでから更に大きくなってるけど。初めて会った十代の若い頃だってかなり大きかった。

 体がムチムチと肥える全ての原因が俺にあるとは思わないで欲しい。

 俺だって三十歳を越えた辺りから腹回りの贅肉が付きやすくなったし、屋内での机に向かう仕事が増えてから簡単に筋肉の衰えがちだ。

 なので自分の領地いる間は領軍の訓練に参加したり、休日の畑仕事でなるべく体を使うようにしてる。

 さすがにアンジェを減量目的で訓練に参加させるのは無理がある。

 他の領地と比べてうちの訓練は男でもかなり過酷だと評判だし、アンジェが胸や尻を震わせて動くのを他人の目に晒したくない。

 アンジェのオッパイも尻も俺の物だ、そもそも生まれた子供達が美味しそうにアンジェの母乳を飲むのだって俺は嫉妬するんだぞ。

 

「取り敢えずは穴を広げられないか試してる、少しジッとしてろ」

「分かった」

「じゃあ、いくぞ」

 

 帯剣してる無骨な剣や冒険に必要だと持ってきた携帯用スコップでひび割れた壁を少しずつ崩せば穴が広がってアンジェも無事に脱出できる筈だ。

 そう思って持ってきた荷物から目的の物を取り出そうと屈むとアンジェの尻と視線の位置がちょうど合う。

 

 デカい、めちゃくちゃデカい。

 何だよこれ、アンジェより体格が良い俺の尻よりデカい。

 普段はドレスに隠れてるけど、薄い布地の冒険服だと大きさを否応なく意識しちまうだろ。

 素肌が剥き出しになってるよりも、こうやって服に隠れてる方が想像力を掻き立てられて逆にいやらしい。 

 そもそもアンジェが着てる冒険服もいけない。

 どうして冒険用に誂えた服なのにやたら布が薄くてんだ?

 どうして冒険用に誂えた服なのに胸の谷間と両脚が露出してるんだ?

 アンジェ曰くこの衣装はレッドグレイブ公爵家に代々伝わる由緒正しい冒険服で、魔法で加工したから防御力が高く機動性を損なわないと聞かされている。

 

 嘘だ、絶対嘘だろコレ。

 こんな衣装を嫁や娘に着せるとか、レッドグレイブ公爵家の当主は変態性癖の持ち主ですか?

 どう考えても歴代当主が嫁さんと夜の生活を愉しむ用に誂えた服ですよね?

 あんな厳つい顔をした義父や美形の義兄が嫁にこんな冒険服を着せてアレやコレをしてると想像するだけで、知りなくもないレッドグレイブ公爵家の秘密を知ったようで気が滅入る。

 絶対にこの冒険服は娘達に受け継がさない、鋼の意思を以ってアンジェを説得しよう。

 

 でも、今の危機的状況でアンジェの尻を目の前に突き付けられると理性がどうにかなりそうだ。

 肉付きが良くて柔らかいデカい尻を知ってるからこそ、逆に布で覆われた状況に興奮すると言いますか。

 俺の中で性欲と好奇心が入り混じり、気付くと指がアンジェのドレスの裾を抓んでる。

 

『いや、流石にそれはマズいだろ』

 

 頭の中はそう思っていた筈なのに、気付くと俺の手はアンジェのスカートを捲り上げていた。

 

「お、おいッ!?リオン!!」

 

 慌てたアンジェの声が聞こえたけど今の俺はアンジェの尻に夢中だ。

 デカい、太い。

 普段はあんまり意識してないけど周りの環境が違うと改めて実感してしまうなぁ。

 日焼けせず染みさえない真っ白な肌はツヤツヤして瑞々しい果実よりも数倍柔らかそうだ。

 この大きくて幅広の尻なら安産で元気な子供達を何人も産めた理由がとてもよく分かる。

 尻と繋がった太腿も滑らかで産毛さえ見えず肌触りは最高だろう。

 好き者な貴族がアンジェを見たら一夜を共にするだけで大金を積むのも間違いなしな極上の肢体。

 まぁ、そんなの許さないけどな!

 アンジェを抱くのは夫の俺だけの特権だし!

 アンジェに子供を産ませるのも俺だけ!

 手を出そうとする男が居たら国王だったとしても地の果てまで追い続けてやる!

 

「おい!何か言えリオン!」

 

 いかんいかん、阿呆な考えをしてたら随分と時間を浪費したみたいだ。

 焦れたアンジェの声がかなり圧力を増してる、このままだと救出に成功しても怒られかねない。

 でも手触りが良さそうなこの尻を撫でられないままアンジェを助けるのかぁ。

 絶対に柔らかくて叩いたらとても良い音がしそうなんだけど。

 

「リオン!!」

「落ち着けアンジェ」

「下半身が肌寒い!私をどうするつもりだッ!?」

「…ちょっと道具が引っ掛かっただけさ。今から作業を始める」

「本当だな」

「苦しかったらすぐに言えよ、別な方法を考えるから」

 

 結局アンジェを助け出すまでにかなりの時間を費やす事になった。

 力任せに崩すとひび割れて脆くなった壁全体が一気に崩落する可能性は捨てきれない。

 少しずつ丁寧にアンジェの体に近い箇所を崩し穴を拡げる、もし道具が無ければ一日がかりの作業になってた筈だ。

 ようやく助け出した時には陽がかなり傾き、俺達は予定を切り上げて飛行船に戻るしかなかった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

※ ※ ※ ※ ※

 

「…………」

「落ち込むなアンジェ、こんな時もあるさ」

「…………」

「宿に着いたら美味い料理でも食おう、落ち込んだ時はまず飯だ」

「太りたくないから食事は要らん……」

 

 必死に慰めてもアンジェは何も言わない。

 数時間も壁に挟まったアンジェの体を気遣って強引に俺が背負っているのも不満に感じるんだろう。

 まぁアンジェを背負ってる理由はそれだけじゃないんだけど。

 背中にアンジェを背負うとずっしりとした重みが俺の背中に感じられて、ムチムチとした柔らかい体が強制的に押し付けられる。

 大きくて温かい二つの塊が俺の背中で変形するのは手で揉むのとは違った趣で気持ち良い。

 同時に俺の体温も少しずつ上がって股間の辺りが徐々に疼き始める。

 このまま一気に押し倒したい気持ちが大きくなるが、強引に事を進めたらアンジェの機嫌が一気に悪くなるのは確実だ。

 まずは宿で体を休めるのを優先しないと。

 

 飛行船に戻るまでアンジェはずっと落ち込んだままだった。

 俺が操縦してる間も黙り込んで周囲の空気が淀んでいくのを感じる。

 このまま屋敷に帰っても暫くは落ち込んだ気分が続くだろう、そうなると領地運営に支障が出かねない。

 バルトファルト領の統治にはアンジェの優れた政務処理能力や外交力が不可欠だ。

 何とかしてご機嫌を取らないとマズいなぁ。

 そんな考えが幾つも頭の中でぐるぐる回しながら俺達は近くの浮島へ向かった。

 

 

 今夜泊まる宿は貴族より平民の客が多い。

 高級な宿はどうしても値段が高いし身分の照会も必要だ。

 バルトファルト伯爵夫妻の肩書を感じずに冒険を楽しむなら自然と泊まる宿の傾向はそれなりの値段でもてなしもそこそこな宿になる。

 食事は外食で寝泊まりだけするような宿だけど、身分から解放されてその土地を満喫する方がアンジェはお気に入りらしい。

 だけど今夜のアンジェはご機嫌斜めと来ている、何しろ部屋に入るなりベッドにふて寝し始めたぐらいだ。

 いつもなら冒険服を脱ぐ程度はするのにそれすらしないとか普段のアンジェなら俺が同じ事をすれば間違いなく怒るはず。

 俺に八つ当たりする気は無いみたいだが、とにかく暗い。

 放っておくとそのまま飯を喰わず朝まで眠らず落ち込んだまま屋敷に戻る事になる。

 

「ほらアンジェ、取り敢えず美味そうな物を買って来たから温かい内に食えよ」

「要らん」

「そんなに気に病むなよ、あの程度の失敗を俺が言いふらすような男だと思ってないだろ」

「……」

「食べなきゃ体調が崩れてこれからの予定が狂っちまうんだろ?」

「私はしばらく水と野菜だけを食す…、痩せるまで穀物と肉類は口にしない…」

「いや、それは流石に無理あり過ぎ」

 

 ダメだこりゃ。

 アンジェは何かに躓くと徹底的に落ち込んで立ち直るまでかなり時間がかかる。

 最高の伯爵夫人の姿とか理想の母親像みたいな目標がアンジェの頭にあって、失敗したりズレが生じると自分がダメな女だと思い込んじまう。

 たぶん公爵家のお嬢様や王子の婚約者として厳しく育てられた影響だな、失敗で自分の評価が落ちる事に人一倍敏感だ。

 わざわざ俺と婚約する為に王都から辺鄙な田舎を訪れて領地経営に勤しむ姿を俺は見てきた。

 うちの領地近くの社交会で優雅に振舞うアンジェの姿を見れば一回や二回の失敗でそう簡単に評判が落ちない事は分かると思うんだが。

 

 こんな時に採るべき行動は一つだ、とにかくアンジェを褒める。

 俺の嫁は最高だと褒めちぎって自信を回復させて頭の中から失敗した記憶を追い出すしかない。

 問題はその方法を誤ると逆にアンジェの機嫌を更に損ねる危険性があるって事だ。

 生半可な誉め言葉なんかじゃとても賢い俺の嫁はすぐに見破ってくる。

 そうなったら怒りの矛先が俺に向かって暫くは夫婦関係が気まずい日々を送る事になっちまう。

 だけど敢えて危険な場所へ足を踏み入れなきゃ価値ある宝は得られない。

 冒険者だったご先祖様に倣って俺も死地に飛び込みますか。

 

「まぁ、あの程度の失敗なら笑い話になるから気にすんなよ。見てたのは俺だけだし」

「よりにもよって見られた唯一の相手がリオンという事が問題だ」

「何でだよ?俺は別にアンジェの失敗を笑うような真似はしないぞ」

「最近は碌に外出せず屋敷で仕事を熟していたから運動不足だと自分でも気付いていたが、まさかあんな失態を犯すとは…」

「命に別状が無くて良かったよ、これからは領地に居る時は俺も運動に付き合うって」

「最近はお前との閨の回数も減っていたな。醜く太った妻を抱く気にはなれんという訳か」

「流石にそれは自分を卑下し過ぎだぞ」

 

 そりゃ確かに夜の交わりが減ってたけど、それは領地を離れていたとかアンジェの体調を気遣ったとか相応の理由がある。

 流石に俺も三十代だぞ。

 毎日のようにアンジェを抱いてた十代の頃やムラムラしたらつい押し倒した二十代の頃と比べて慎みを覚えて性欲も治まった。

 あと純粋に子供達が成長してくると人目を憚らずイチャイチャするのは父親として領主としてマズいと思うんです。

 俺は父さん母さんと違ってまだ隠居してないから、公爵家から嫁を貰ってるから相応に振舞わないといけないの。

 だから俺の顔を知っていそうな奴がほぼ居ない平民の利用客が多い旅先の宿なら思う存分にアンジェとイチャイチャ出来るって道理だ。

 俺の行動はアンジェのご機嫌を良くするという極めて合理的な判断に基づいている。

 決して、決してアンジェの冒険の最中にムチムチした体を見て興奮したり背負った時に体の感触に滾った訳じゃないのだ。

 泊まった部屋は二人用、ベッドは共有。

 そんな状況ならどう考えても相応の行為が推奨されてるはずだもんね。

 

 取り敢えず俺もベッドに乗ってアンジェの体を近づく。

 領地の屋敷で過ごすときは俺達は同じベッドで寝てるからアンジェは抵抗せずに今の状況を受け入れる。

 さらに近付いてアンジェの体に触れてみた、これも特に抵抗しないままで終わった。

 いくら俺が女心に疎い男でもアンジェが拒否するならそこまで強引に迫らない。

 こうやって俺がベッドで近づく事を受け入れる時点でアンジェに拒絶の意思が無い事の証明だ。

 まずは軽くアンジェの体を撫でる、最初から快感を与える真似をするほど俺も愚かじゃない。

 あくまで普段から行ってる愛情表現に加えて体に傷が付いていないか確かめる医療目的の撫で方を続ける。

 最初は強張ってたアンジェの体も俺が辛抱強く撫で続けたら少しずつ柔らかさが戻ってきた。

 アンジェの警戒心が薄れるまで何度も何度も丁寧に体を撫でて緊張を解きほぐす。

 特に肩や首周りは大きな乳房や椅子に座って長時間の事務作業をしているの影響で凝りやすいと普段からぼやいてる。

 本来なら妻の体調管理なんで貴族がやるべき事じゃない、適当な使用人に任せて夫は自分に必要な事をするべきだと生粋の貴族なら目を顰めるだろうな。

 

 でも俺は全く気にならない。

 この気難しい元お嬢様の世話は少し手を焼く程度がちょうど良く感じる。

 あまりに完璧過ぎるとそれはそれで俺の立場が無くなっちまう、今でも領地経営の大部分をアンジェの才覚で補ってもらってるけど。

 とにかく俺はアンジェが大好きで奉仕する事に忌避感を持ってない事は確かだ。

 なので俺がこうやってアンジェの体を撫でて揉み始めても拒絶されるような状況は滅多に起きない。

 人生の半分近くをアンジェと一緒に過ごしてきて培った信頼の賜物だ。

 肩や首周りが終わったら次は背中や腰回りに移る、重要なのはいきなり体の前面を撫で揉もうとしない事。

 その気になった時を除いていきなり胸や股間を撫でようとすれば手痛い反撃が待ち構えている。

 とにかくじっくりと時間をかける、夫婦の時間に焦りは禁物だ。

 

 しばらくアンジェの背面を撫でて強張った部分を揉んでいるとだいぶ体の緊張が解れてきたのが掌ごしに伝わってくる。

 この段階になればそろそろ次の段階に移っても拒否はされないだろう。

 アンジェの体を後ろ抱くように体を寄せて、そのまま豊満な乳房を下から掬い上げるように手を添えた。

 下手すりゃ頭と同じぐらい大きなアンジェの乳房はとても柔らかくて、持ち上げると俺の指が深く食い込んで圧倒的な重量と存在感を伝えてくる。

 そりゃこれだけ重い物を胸にぶら下げてたら首や肩が凝るのは当たり前だ。

 俺は大きなオッパイが大好きだけど女になりたいとは思わない、あくまでオッパイは揉んで舐めて堪能するに限る。

 

「んっ…。はぁ…」

 

 アンジェの声がだんだんと熱を帯びて艶めかしく変化してきた。

 俺が胸を揉んでも拒否せず叱り飛ばさないって事は俺を受け入れても良いと思い始めている事に違いない。

 そのままオッパイに掌を当ててる位置を少しずつ変えつつ揉み続ける。

 これだけ大きくなるとオッパイを揉むの一苦労だ、でも愛情と性欲があれば全く苦にならない。

 アンジェの冒険服が薄い高級生地で仕立てられて良かったとここに来て感謝する気持ちまで湧いてきた。

 何しろオッパイの柔らかさと温かさを損なう事無く揉み続けるのが可能だからだ。

 ごめんなさい、歴代のレッドグレイブ公爵家当主の皆さん。

 常識外れな冒険服だと思っていたけどこうやって着ている嫁の体を堪能するのに最適です。

 貴方達の子孫である美しいアンジェリカ嬢は俺みたいな成り上がり貴族に娶られて何人もの子供を産み領地の繁栄に尽力するという過酷な状況に置かれています。

 俺には生涯浮気をせずにアンジェだけを愛し続ける事ぐらいしか出来ません。

 

 心の中でアンジェといやらしい冒険服を創り上げたレッドグレイブ公爵家の御先祖様に謝罪と感謝を告げながら更にオッパイを揉む。

 すると服越しに硬い物が触れた、明らかに金属とは違うその感触は肉が硬直した時とよく似た硬さだ。

 俺の記憶と経験が正しいならコレはアンジェの乳首、どうやらアンジェの体は俺の愛撫で相応に反応してくれたらしい。

 やっぱりオッパイが大きいと服越しでも分かるぐらい乳首や乳輪がデカくなるんだな。

 そう思いながらオッパイを揉んでると少しずつ不満が脳と股間に堆積していく、やっぱりオッパイは直に触るのが一番気持ち良い。

 

 というかこれでも我慢してきたんですよ俺は。

 大好きなアンジェの体をムラムラしながら丁寧に撫でて揉み解すとか拷問に等しいでしょ。

 さっきまでアンジェに尽くしてきたんだ、今度が俺が好きなようにやる番だ。

 もう我慢しなくて良いと考えたら遠慮なんてしない、左手でアンジェのオッパイを揉みながら右手だけを使い何とか服を脱ぎ始める。

 結構な苦労をしたがこういう時に大事なのは勢いだ、やる気があれば大抵の困難は思いの外簡単に片付く。

 アンジェの肩に俺の顎を乗せて次の手立てで何か良い案が無いもんかと考えてると視界にある場所が飛び込んでくる。

 レッドグレイブ公爵家伝来の冒険服は胸元が大きく空いて胸の谷間がまる見えだ。

 やっぱりこの服は危険だな、そう考えても俺の手が止まる事は無い。

 そのまま冒険服の隙間に手を入れると柔らかくて温かくて潤った肌触りの感触が掌から伝わった。

 うん、オッパイは直に触るのが一番だ。

 

 

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「こらっリオン、下着がズレるだろうが」

「いやさぁ、この流れだとどうせヤるんだからさっさと脱いじゃえよ」

「あまり下着の替えを用意していないのは知っている筈だ。わざわざ皺になるような真似は控えろ」

「じゃあアンジェもさっさと脱いでくれよ、俺はとっくに脱いだから」

「どうしてお前はそうした事だけは熱心なんだ」

「其処は俺の嫁さんが魅力的だからいけない」

 

 とにかくアンジェを褒める、褒めて褒めてご機嫌を取って落ち込んだ気分を立ち直させる。

 その為なら俺が道化扱いされるぐらいは安いもんだ。

 今まで続けた愛撫の効果もあってアンジェは性交する気になってくれたらしい。

 俺もアンジェも性交自体は大好きだからこれで昼間の嫌な記憶を塗り潰せる。

 

 ベッドに寝転びアンジェの準備が整うのを待っていると、急に背中へ手を回してゴソゴソと何かをし始めた。

 何かが外れる小さな音が聞こえたとぼんやり考えてたらアンジェは自分の冒険服の胸部分に手を当てて思いっきり突っ込む。

 そのままゆっくりと戻した手が持っている長い赤い布。

 よく目を凝らして確認すると、アンジェが握っているそれが真っ赤なブラジャーだと漸く気付いた。

 予想もしないアンジェの行動に度肝を抜かれる、というか胸部の穴にはそんな使い方があったのかよ。

 そんな事を考えてたら目の前がいきなり真っ赤に染まった。

 どうやら俺が驚きのあまり警戒心が薄くなった隙をアンジェに付け込まれたらしい。

 俺の顔にまだアンジェの体温が残っているブラジャーを思いきり押し当てられる。

 拒否しようにもベットに寝転んで力が入らない体勢な上に、アンジェが結構な力を込めて俺の視界を遮った。

 

「何で視界を隠すんだよ」

「お前の事だ、私の着替えを舐め回すように盗み見るつもりだろう」

「……いやいやいや、そんな事はありませんよ」

「声が震えているぞリオン、私の準備が整うまでそれを顔に付けていろ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 あぁ、こうなったらアンジェの命令を素直に聞くしかないか。

 でもあんまり嫌な気分にはならない、きっと顔を覆ってるのがアンジェの脱ぎたてブラジャーだから。

 体温はもちろん体臭まで放つブラジャーはもはや単なる下着じゃない。

 少なくても俺にとっては金を払って手に入れる価値がある宝物だ。

 だけどこんな本音を口にしたら流石にアンジェから変態呼ばわりされかねない。

 お互いの体で知らない場所が無いぐらい分かり合ってると思ってるが言って良い事と悪い事の判別はある。

 アンジェがドン引きして今夜の性交を取り止めるのは流石に嫌だった。

 

「もう見ていい?」

「ダメだ、今日はずっとそのまま私を見ないで繋がれ」

「それはひど過ぎるでしょ、俺がいったい何したって言うんだよ」

「さっきから私の体を好き放題に愛撫し続けたぞ」

「だってアンジェも拒まなかったじゃん」

「そもそも昼間の騒動に関しても原因の一部はリオンにある」

「えぇ……」

「お前が何度も孕ませるからどんどん私の体が崩れて太りやすくなった、考えて見れば思い当たる節が多過ぎた」

「どう考えても八つ当たりだろそれ」

「私がどれだけ涙ぐましい努力で体型を維持してると思っている」

 

 確かにアンジェが散歩なり社交ダンスの指導で運動を熟し、食事に関して節制してるのは知っていた。

 俺も自分の体が三十代に入ってから若い頃より筋肉が付き難くなった代わりに脂肪が増えてるのは自覚してる。

 アンジェは今まで四回の出産で六人の子供達を産んだけど、産後から性交の再開まで三ヵ月から半年の期間を設けていて産褥期の体型変化は見せてくれなかった。

 夫の俺が敢えて首を突っ込んでアンジェを刺激しないよう気遣ったつもりだけど、アンジェ本人はそれが気に食わなかったらしい。

 

「悪かった、俺が悪かったよ。許してください」

「どうせ今夜も理由を捻り出しては私を抱く魂胆のくせに」

「そりゃまぁ」

「お前はどうしてそう、盛った動物のように事ある毎に私と交わろうとする」

「仕方ないだろ、俺が抱きたい女はアンジェだけなんだから」

 

 仕事や付き合いで王都や他の領地に行けば嫌でも美しい貴族の御婦人方や御令嬢を目にする機会がある。

 彼女達を綺麗だと思っても抱きたいと思うかと問われたら答えは否だ。

 もし俺が他の女を抱きたいと思える男なら絶対に側室や妾を囲っておりだろう、伯爵という地位はそれだけの権力を備えている。

 だけど今まで俺と体の繋がりを持った女はアンジェだけ。

 これは別にアンジェの実家であるレッドグレイブ公爵家に配慮した結果じゃない。

 何というか、とにかく俺はアンジェに心底惚れこんで、他の女に対して欲情できないというのが俺なりの結論だ。

 良く考えないまま思わず口にした言葉だったけど相当な惚気だなコレ。

 俺の言葉を聞いたアンジェは妙にそわそわし始めてる。

 

「本当にお前という男は……」

「いや、まぁ、申し訳ない。アンジェが嫌なら無理にとは言わないから」

「別に交わらないとは言っていない。ただ私の体型や子供の数や世間の風評に気を払え欲しいだけだ」

「分かった、分かりました」

「……それでは始めるか」

「今は俺が下だからアンジェが挿れてくれよ」

「……仕方ないな」

 

 アンジェがそう呟くと俺の体に覆い被さって互いの位置を調整する。

 とっくに限界まで勃起している俺の陰茎とアンジェの秘裂は前戯が必要無いほど濡れていた。

 ずっとアンジェの体を揉み続けたのが功を奏したのは何百回と体を重ね導き出した経験則。

 俺達はお互いの何処がどんな風に気持ち良くなるかを熟知し合っている。

 そのままアンジェの秘裂は抵抗も無く俺の陰茎を吞み込んだ。

 

「……ふぅ」

「……はぁ」

 

 この充足感は何だろうな?

 十代や二十代の頃にしていた性行為とはまるで違う、心身が充実した壮年期に入った影響なのか性欲に支配される事がほぼ無くなった。

 世間一般じゃ三十代ぐらいになると夫婦間の交わりが減って倦怠期になり、結婚相手に飽きて浮気やら離婚の危機に陥ると聞いている。

 だけど俺達に関しては不思議とそんな気分にならない。

 もちろん仕事の忙しさや体調の変化で性交の回数自体は減っている、だけど義務感として交わってる訳でもない。

 お互いを理解し合ってるから殊更に求め合う必要が無いと言うか、不思議な充実感の中で俺達は生きている。

 

 何度も何度も亀頭が膣内の襞を擦りながら往復を繰り返す。

 若い頃の荒々しさや速度を感じさせない、でも俺とアンジェはお互いが最も気持ち良くなれるやり方を熟知していた。

 それは手早く性行為を済ませる為じゃなく、最も効率良く絶頂して何度も何度も繰り返し交われる事を目的とした腰の動き。

 こうなると我が家が子沢山になるのも仕方ないのかもしれない。

 俺達は可能な限り体力の消耗を減らしながらより深い快楽に溺れている。

 

「う゛ぅ゛っ゛!」

「お゛ぉ゛お゛っ゛!」

 

 ちょうど亀頭が膣奥を小突いた瞬間に互いの性感が極限まで昂って同時に絶頂した。

 獣じみた呻きを出した後に股間が心地好い解放感で弛緩する。

 断続的に精液が膣内に放出されるが、アンジェの膣は柔らかくても抜群の締まりを保ち精液を一滴さえも漏らさなかった。

 絶頂した後はどれだけ体力が残っていても次の性交を開始するまで時間がかかるが、俺達にとってその時間は決して退屈じゃない。

 

「まだ遠慮も無く思う存分に射精したな?」

「しょうがないだろ、アンジェが気持ち良過ぎるんだから」

「……孕んでいたらどうするつもりだ」

「そりゃあアンジェと俺の愛の結晶だから嬉しいに決まってる」

「いつもより勢いが良かった気がするが私の勘違いだろうか」

「ん~、場所の解放感ってのはあるだろうなぁ」

 

 貴族ともなれば屋敷のあれこれは部下や使用人に任せるのが当たり前だ。

 主人や子供のベッドメイクも重要な仕事の一つだけど、いろんな痕跡が残るシーツやら布団やらを片付ける時はどうしても夫婦仲の事情を家族以外の誰かに知られる。

 領内にある別宅に行けばそんな気苦労はしなくて済むけど、そっちはそっちで当主と妻が逢引きしてると思われるので頻繁にやれるもんじゃない。

 だからこういう俺やアンジェの知らない宿に泊まる時が一番解放感がある。

 そう考えたら二人きりで冒険に行くのも悪くない習慣だ。

 

「まだ交わる気か」

「アンジェもそのつもりだろ」

 

 互いに軽口を叩き合いながら唇を重ねた。

 抜ける事無くアンジェの膣内に捕らわれている陰茎は既にさっきまで全く変わらない硬さを取り戻している。

 結局俺達は夜が明けるまで何度も繰り返し交わり続け、屋敷への帰還が一日ズレ込む事になった。




レッドグレイブ・アヴェンジャードレスはエロい。(確信
2026年明けましておめでとうございます。
潮里潤先生のモブせかコミカライズでアンジェが着ている胸空きスリットな冒険服はどう見ても冒険に向いていません。(設定では生地と魔法文字で強化してあります
そんなドレスを着たアンジェにセクハラをするリオンを描いてきましたが本格的なセクハラシーンを描いた特別回になります。
今までと比べて本番のセックスがやや淡泊なのは今後のシーンに関係するからです。
そこに辿り着くまではまだまだ遠い…。

追記:今章の挿絵はタカミ様、9430様、ばんしぃ様、またあおうね様にイラストを描いていただきました。

本当にありがとうございます。

タカミ様 https://www.pixiv.net/artworks/137814532
9430様 https://www.pixiv.net/artworks/138475236
ばんしぃ様 https://www.pixiv.net/artworks/111765772(成人向け注意
またあおうね様 https://www.pixiv.net/artworks/120390999(成人向け注意

ご意見・ご感想を戴ければ今後の励みにしたいと思います。
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