気持ちが通じ合った公爵令嬢と田舎貴族は契りを交わすそうです 作:品☆美
「アアああァぁッ!?」
膣を襲った破瓜の痛みは快楽に蕩けていた私の意識を戻すには充分過ぎた。
股から先が裂けたと錯覚するほどの痛みで悲鳴を上げる。
自分の声だとは思わない程に獣じみた咆哮が耳を震わせた。
膣から桃に愛液とも尿とも違う何かが流れるのを感じる。恐らくは破瓜の血、それもかなりの出血量だ。
一瞬にして天国から地獄へ叩き落された。
とにかく痛い、痛いのだ。内臓を熱い刃物で切り裂かれたような激痛。
脳が痛みに支配されて思考が覚束ない。息をする事さえ難しい。
体を竦ませて一瞬でも痛みが引く事を願う。そんな私の背に何かが触れた。
驚いて頭を上げると心配そうに私を見つめるリオンの顔がそこにあった。
その瞬間、今まで自分が何をしていたかを思い出す。
「大丈夫かアンジェ!?」
私を労わるその優しさが逆につらい。痛みと情けなさで目から涙がポロポロと流れ落ちる。
「ごめんなさい 嫌いになっちゃヤだ 捨てないで」
「落ち着け、大丈夫だから安心しろ」
そうしてリオンは幼子をあやすように私を抱き締める。
恥ずかしい、どうしようもなく後悔の念が襲ってくる。
破瓜の痛みを我慢してでもリオンに気持ち良くなって欲しかったのに、逆に気遣われるなんて最悪だ。
「いいか、まずゆっくり息をしろ。鼻で空気を吸って口から吐き出せ」
手本としてリオンが深呼吸を行う。それを真似て私も深呼吸する。
吸って、吐いて、吸って、吐いて、吸って、吐いて。
呼吸が安定してくると痛みも徐々に和らいでいく。
それと反比例するように深い絶望が私を苛んでゆく。
よりにもよって初体験で失敗してしまった、絶対に面倒な女だと思われた。
体の相性は結婚をする上で重要な要素だ。子を為す事が重要視される貴族社会では閨の相性が悪い事は離婚理由になりえる。
せっかく両想いになって一日も経たない内に躓くなんて。
声を押し殺して泣く私にリオンは申し訳ない顔をする。
「ごめん、俺がアンジェを抱きたいなんて言ったから。きちんと婚礼まで待つべきだった」
「リオンは悪くない。私がいけないんだ」
そう思うのは本心だった。どうして私はいつも肝心な所で失敗を重ねるのか。
「無理するな、中断していい。アンジェがつらい方が嫌だ」
私は気遣ってくれるリオンを抱き締める。
もう泣いて過ごす夜は嫌だ。リオンが隣に居ない人生も。決して私から離れて欲しくない。
どんな困難もリオンと一緒に乗り越える。その為ならいくらでも頑張れる。
「最後までして欲しい。私に消せないリオンの痕を遺して。私をリオンの物にして」
覚悟を決めリオンに告げた、それでも彼が拒むなら止むを得ないが。
「良いんだな?続けるぞ。もしダメなら直ぐ言えよ」
「うん、わかった」
そうして私達は性交を再開し始めた。
※
膣から陰茎が抜けず痛みを感じないようにゆっくりと体勢を変える。
ベッドの上に胡坐をかいたリオンの上に私が腰かける対面座位の体位。
リオンの陰茎はずっと私の胎内で硬さを保ったままだ。
「その、私に構わず
「良いんだよ、惚れた女を満足させず一方的に抱くのは雄の沽券にかかわる」
「女の私にはよく分からない矜持だ」
「アンジェに気持ち良くなって欲しいのさ」
そう言われると何とも面映ゆい。照れる顔を誤魔化すようにリオンと唇を重ねる。
何度もキスを重ね続け、やがてお互いの舌を絡め合うディープキス。
交じり合った唾液はもちろんリオンの吐息すら甘く感じてしまう。
夢中になってお互いの唇を貪り合う。
快楽と多幸感によって私の膣が徐々に湿り気を帯びヒクヒクと蠢き始める。
キスによって齎される快楽によってか、それとも膣から分泌された愛液を感じ取ったのかリオン陰茎が再び脈動を始める。
まだ膣がヒリヒリするが痛くて動けないという程ではなかった。
これなら再び交合を始めても大丈夫なはずだ。
先程まで体を引き裂く凶器に思えてた陰茎だが、今はリオンが私に欲情している証拠のようで愛おしかった。
唇を重ねたままリオンの首に両手を絡める。私の胸がリオンの胸板によって歪む。
逆に私の腰に回されていたリオンの両手は自由となり、私の全身を撫で始める。
首筋、肩、乳房、乳首、臍、陰核、臀部、肛門、太腿。
性感帯と呼ばれるあらゆる箇所をリオンの指が蹂躙し私の肉体という器に快感を注ぎ込む。
今まで以上に膣から愛液が沁み出し、私とリオンが繋がった部分を濡らしていく。
いつしか私はリオンの腰に自ら両脚を絡めると無意識に腰を振り始めていた。
膣はまだ熱を帯びて痛みがもあったが、その痛みさえも凄まじい快感だった。
快感、苦痛、愛情、哀しみ、憐憫、嫉妬、喜び、平穏。リオンが与えてくれる総てが愛おしくて私を狂わせる。
「リオン 好き 大好き 愛してる」
愛情とも欲望とも判別できない言葉を口にする。そのどちらも正しくどちらも間違っていた。
あらゆる感情が交じり合ったマーブル模様。
快楽を貪り獣じみた欲望に突き動かされたままお互いの体を求め合う。
そうして自分の望むまま腰を動かしてたが予想以上の体力の消耗に体力が尽きた私の両手から力抜けるとベッド上に倒れ込む。
リオンはゆっくりと私を追い詰めるように体を前へ倒して私の体に覆い被さる。
この体位は正常位。破瓜の瞬間と同じだった。
此処から先はやり直し。愛情を伴った恋人同士の交合であり、快楽に酔った獣の番いの交尾。
「動いて良いかアンジェ?」
確かめるまでもない問いだった。
私の額にキスをしてくれるリオンがあまりに愛しくて、私は返事とばかりに膣に力を込める。
ゆっくりとした抽送だったが、それ故にリオンの陰茎は私の膣を確実に抉り蹂躙する。
陰茎が一往復する度に私の膣が別の物に造り変えられる錯覚に陥る。
初体験同士故に抽送の角度や速度にズレが生じるが、それが新たな刺激となり快感が私の脳を焼く。
「んァ! あがッ! ひィ! おゥ!」
陰茎で突かれる度に私の口が出る嬌声はあまりに動物じみ咆哮だった。
公爵令嬢としての慎みも優雅さも初々しさも無い欲望のまま声をあげる己が恥ずかしい。
両手で口を覆い必死に喉から出かかる嬌声を圧し留めていると抽送のスピードが徐々に衰えてゆく。
完全に動きが止まりリオンが心配そうな表情で私を見つめていた。
「大丈夫か?気分が悪いなら止めるぞ」
私を思いやっての行動なのに、快楽に染まった肉体はその優しさを無粋と感じてしまう。
「変な声が出ちゃう。獣みたいな声を出して雰囲気を壊したくない」
そう告げた瞬間、リオンの指は私の乳首と陰核を抓った。
「ひィあアあァァぁぁ!?」
不意打ち同然の行為で敏感な箇所から送り込まれた刺激で口から洩れた嬌声が室内に鳴り響く。
「声ぐらい何てことない。むしろアンジェが気持ちいいと分かって嬉しい」
先程よりゆっくりとした速度で抽送が再開される。違いはリオンの手が私の体を愛撫する事。
頬、首、乳房、乳首、臍、尻、腿、陰核。
何処かを触れる度に少しだけ違う嬌声を出す私は淫らな楽器と化した。
リオンから与えられる刺激で恥も外聞もなく快楽を貪るのが気持ち良過ぎて何度も私は
そんな私とは対照的にリオンは苦し気な表情をしている事に気が付いた。
同時に膣に感じる陰茎が前以上に膨張して痙攣を始めている事実に何が起ころうとしているのかを察する。
「そろそろ
避妊具もなく膣内に射精すれば子を孕む可能性が付き纏う。
婚礼前に妊娠など政略結婚としては問題があり過ぎる。本当なら外に射精してもらうのが正しいのだろう。
だが今の私は一匹の雌だった。胎外にリオンの子種が放出されるのは雌としての自分を否定された気分になる。
四肢をリオンの体に絡みつけ唇は否定の言葉を呟かないようにリオンの口を塞ぐ。
彼との間に少しでも空間が存在する事が嫌でリオンの体を抱き締める。
そして発せられた言葉は私の生涯で最も淫らな言葉。
「
次の瞬間、股間に衝撃を感じて目の前が白くなる。
再開されたリオンの抽送は私の安全など考慮しない程に激しかった。
ひたすらに眼前の雌を蹂躙し孕ませようとする剥き出しな雄の暴力的過ぎる本能。
今までの行為でリオンがどれほど紳士的に私を労わってくれたのか理解できた。
体ごと叩きつけられていると錯覚するほど激しい抽送。
ペース配分も考えず一瞬でも早く少しでも奥へ一滴でも多く膣の奥へ射精したいという雄の性衝動。
リオンの総てが私に向けれていると思えば思う程に体はリオン受け入れてしまう。
限界が近いのか抽送の速度が速まったのに往復する距離が縮まる。
放たれる子種を受け入れようと思った矢先、突如リオンの動きが止まる。
私を抱く腕に込められた力を強めリオンは私を見つめる。
「アンジェ 愛してる」
その言葉が鼓膜を震わせ、意味を理解した脳を焼き私を快感の頂きへ誘う。
陰茎を咥え込む膣が隙間を無くし放出される子種を一滴も逃すまいと収縮する。
リオンの体が痙攣した次の瞬間、愛液・尿・破瓜の血のいずれとも違う熱い何かが膣の奥で弾けた。
呻き声を出しながら己の体を支えきれなくなったリオンが私の体に被さってくる。
リオンの体の重さと体温、膣内に
※
気が付くと私はリオンに抱き締められていた。
「おはようアンジェ」
おはようと言っても時刻は深夜な事実がおかしくて笑いが込み上げる。
初めての性交後に味わう倦怠感は不思議と嫌に感じられなかった。
汗や体液で体のあちこちがベタベタするのはいただけないが。
せめて体を拭きたいと体を起こすと視界に何かが紛れ込む。
間違いなくリオンの陰茎だった。
「なぁリオン、男は一度
「ごめん、アンジェが寝顔が可愛かったから無理」
逆を言えば寝ている私を襲ってたのか貴様。
冷ややかな視線を送ると恐縮するリオンが愛しくて笑みがこぼれる。
それでも視界の隅に留まった陰茎から目が離せない。
アレが先程まで私の膣を蹂躙してたという事実に下腹の奥が熱くなる。
ろくに恋も自涜もしてこなかった私は一度味わった愛と快楽にズブズブと依存してしまう。
どうにか言い訳を作ろうとして指を動かして言葉を濁す。
「あのなリオン、閨の相性は婚儀に於いて重要な要素だと私は思うんだ」
「うん?」
「だから、もう少しだけ詳しく確かめ合う必要があると提案する」
「つまり?」
分かって言ってるだろお前、女性にこんな事を言わせるな。
少し、いや結構ムカついたぞ。
喉元まで込み上げた怒りを噛み殺し、息を整えベッドの上に横たわる。
リオンが居る方向に恥丘を向け両手で膣口を開く。
膣に
羞恥に身を焦がしながらも必死にリオンの慈悲を乞う。
「もう一度、私を愛して欲しい」
私がそう告げるとリオンは嬉しそうに私を押し倒して唇を奪う。
最終的に抱き潰された私が彼のプロポーズを受け入れたのは日が昇った昼前になってからだった。
ベッドヤクザ・バルトファルト卿爆誕。
最初から気持ちいいエッチより痛かったエッチが気持ち良くなる方がエロいと思うのでその方針で。
もっと簡潔に書く予定でしたがファンアートに興奮してアンジェを抱き潰すリオンになってしまいました。
私は男性向けのエッチ描写が上手くなく、読むのも書くのも女性視点の作品が多いのでこうなりました。
今作も本来はリオン視点のR-18小説の予定でしたが、作品のクオリティを上げる為にアンジェ視点に変更しました。
此処までが本来書く予定だったのですが、ファンアートで得たインスピレーションによってあと数話を投稿する予定です。
しばらくお待ちください。
追記:今章のエッチシーンをamanda kenny様と阿洛様にファンアート化していただきました。
ありがとうございます。
amanda kenny様 https://www.pixiv.net/artworks/107973412
阿洛様 https://www.pixiv.net/artworks/112112863