フレイヤ・ファミリアに所属する、Lv.6の第一級冒険者であり、オラリオ最速の称号を有する【
「うおおおお!!」
とは言え、彼が今居るのはダンジョン中層。普通の冒険者であれば危険地帯であれど、Lv.6となった今のアレンにとっては、散歩にも等しい環境であった。
「はぁ・・・! はぁ・・・! くそっ・・・!」
しかし、そんな第一級冒険者も、膝を着き、汗を流し、遠目から見ても分かるほどに、疲労困憊であった。
傷を着いた様子も、なんらかの毒を受けた様子も無い。それでも確かにアレンは今、間違いなく窮地の真っ只中であった。
「どうなってやがる、全然治まらねぇぞ・・・!」
彼の身に起こっている変調。身体の奥底から燃えるような、胸を掻き毟りたくなる程に強い情動。
それは特別な毒でも、何かしらの呪いを受けた訳でもない。なんて事のない、ただの生理現象。
アレン・フローメル19歳、現在発情期である。
「うぉぉぉらぁぁぁ!!!」
いや別に、獣人に発情期という明確な期間などありはしないのだが。強いて言えば、人間と同じく年中発情期ではあるものの、しかし、それでも敢えて言うならば思春期、というやつだった。
好きな人が気になって仕方が無い。
一発でいいからやってみたい。
なんのことは無い。
ずっと強くなることばかりを考えて来たが故に、ランクアップし、力を着け、少しだけ余裕が持てるようになったこの時期に、拗らせに拗らせた性欲が今、爆発しただけのこと。
しかし、色恋沙汰とは自ら切り捨て、ほぼ無縁の生活を送って来たアレンに、そんな詳細な症状など分かる筈も無く。
その二つ名に恥じぬ凄惨さで湧き出るモンスターを轢き殺し、再生される地形を片っ端から更地にして行き、衝動の赴くままに下へ下へと潜って行った。
そうして、正気に戻った頃にはそこは深層一歩手前の36階層。
途中、階層主をやったにも関わらず、未だに身体は火照り。これ以上やっても効果は薄く、今の状態では危険だと判断して戻ることを決めた。
勿論、帰りも爆速で、目につくモンスターは片っ端か蹴散らして、少しでも身体の火照りを治めようとするが、やはり効果は無かった。
頭にあるのは、敬愛する主神の湯浴み姿(妄想)。
目を瞑ればより鮮明に、声までも再現してしまい・・・。だからずっと両目をガン開きのまま、例え自身の疾走による風が当たろうとも全く意に返さず、ダンジョンを駆け抜けて行った。
ダンジョンを出て、ホームに戻り、オッタルとやり合っても、やはりどうにもならなかった。オッタルからは珍しく、良い一撃だと褒めるようなことを言われた気がするが、本気でどうでもよかった。
あぁ゛〜゛ッ・・・ムシャクシャする・・・。
何処ぞのエルフとは異なり、アレンは元から男。そういう処理の仕方だって知ってるし、これまでも何度かやったことがある。
なにせ、敬愛する美しき女神のような、いや実際に女神なお方が居て、そして何よりもアレンは一人の戦士だった。
戦えば戦うほど、血が滾れば滾るほどに、戦闘後は身体が火照って仕方なくなる。
いつもならそこから疲れ果てるまで戦闘や訓練を繰り返し、それでも尚治まらない場合は、自分で処理をしてこれまでやって来たが・・・。
しかし、今回ばかりはそうもいかなかった。処理しても処理しても、一晩立てばまた湧き上がる。最早少しだけそれが癖になって、朝一に抜くのが日課になってしまったほど。
最近では、無意識に喉がゴロゴロと鳴るようにもなった。幸いなのは、傍から聞けば唸ってるようにしか聞こえず、不機嫌なんだと勘違いされ、いつも以上に周囲には人が居ないが・・・いや、実際ある意味では不機嫌なのだが。どちらにせよ、アレンにとっては有難かった。
だがそれも、流石に色々と限界だった。
昨晩なんて、神フレイヤが夢に出て来て、その後の夢の展開は全く覚えていないが、朝目を覚ますと全身に染み渡る心地よい感覚と股に湿る不快な感覚がした。
夢精していた。アレンは言葉を失った。
やばい、本気でヤバい。
何がヤバいって、そろそろマジで本物の神フレイヤを襲いかねない自分自身に何よりも危機感を抱いていた。
いや、襲った所で魅了されて終わりなので最悪な結末になることは無いのだが。そういう、やれたやれないの話ではなく、単純に敬愛するお方への不敬行為そのものが、アレンは許せなかった。
なので、本当に不本意極まりないが、アレンは歓楽街へと訪れた。立場が立場なだけに下手に顔を出すと騒ぎや噂になるため、フードを被って。
「あれ? 僕くん、ここは子供が来る場所じゃぐはぁッ・・・!」
途中、子供扱いしてお家に帰らせようとした馬鹿な娼婦共を蹴散らしつつ、辺りに目をやり、適当に・・・なんか、こう・・・良い感じの娼婦を・・・。
「・・・・・・」
そう言えば女を買いに来たんだ、と。
目的を再確認してゲッソリしたアレンは、全く気が進まず、けれども己の分身はやたらと乗り気で、女を物色し始めた。
別に、経験とか技術とか、そういうのは求めていない。
一切動かなくていい、喋ることも、接触もほぼほぼNGでいい。
性欲処理、文字通りの性欲処理をしに来ただけ。だから、見た目がそこそこ良ければそれで良かった。
因みに、アレンの言う見た目の基準が美の女神フレイヤなため、そんな美姫がこんな歓楽街の大通りで見つかる筈もなく。
なんかもう面倒臭くなったアレンは、取り敢えず適当に声を掛けて来た女と共に宿に入った。
宿に入って、入って・・・・・・すぐに出て来た。金だけ渡して。
「・・・・・・」
いや何をしてるんだ、とアレン自身そうツッコみたかった。
だが仕方無かったのだ。いざその時になると、どうしても目の前で脱ぐ女をそういう対象に見れない。
ベタベタと触ろうとしてくる娼婦に、嫌悪感すら覚えた。
そして何より、頭を巡る神フレイヤの湯浴み姿(妄想)。
それを思い出したら、なぜだか興奮と罪悪感が凄まじいことになりそう、居ても立ってもいられず、こうして出て来てしまった。
しかし、だからと言って性欲が解消された訳では無い。
渋々、また適当な娼婦の誘いに乗って・・・でもやっぱり無理で。イライラだけが余計に溜まっていく中、気付けば時間も過ぎ、結果的に相手の見つからないアレンは大人しくホームで一人慰めることとなった。
一発・・・だけでは足らなかったので、追加でもう数発。そこまでしてやっと眠れたかと思えば、目を覚ますとムラムラとしだした。
本格的にマズイと、アレンは冷や汗を流した。
その日もダンジョンに潜って、オッタルとやり合って、なんか話し掛けて来ようとしたオッタルをガン無視して、その後もヘトヘトになるまで訓練をして、疲れた体で寝れば、どうしてか夜中に目が覚めて、イライラしながらも昨日と同じく歓楽街へと向かい、子供と勘違いして来たヤツをぶっ飛ばし、娼婦の誘いに乗ってみてはやっぱりダメで金だけ渡して立ち去り、結局家で一人自分を慰めて・・・。
そんな中々に堪える日々を送っていたある日、転機が訪れた。
またいつものように歓楽街を歩いて、適当に誘われるのを待っていると、その女は目の前で立ち塞がった。
「アンタがここ最近、妙な遊びをしてるって言うローブ男かい」
「なんだテメェ・・・」
ローブから覗くように女を見れば、自身より頭一つ分上の位置にあるその顔に、見覚えがあった。
アマゾネスらしき褐色の肌、男受けしそうなクビレた腰と豊満なバスト、それらを惜しげも無く晒す、生地の少ない服装。
そして、腰まで伸ばされた黒髪と、その一部が片目を覆う勝ち気な印象のその女は。
イシュタル・ファミリアの
「着いて来な」
聞くに、そこそこ好戦的な女であった筈だが、アレンの挑発を無視するように背を向け、その言葉を残すとさっさと歩いて行ってしまう。
このまま歓楽街を歩いた所でいつもの二の舞になるだろうと思ったアレンは、気に食わないながらもその後を追い、そして辿り着いたイシュタル・ファミリアの本拠地と思われる娼館で、とある扉の前まで案内された。
「こっから先に、地下へと続く道がある。別の奴がアンタを案内するから、ソイツに着いて行きな。案内されたその先に、そこらの娼婦じゃ足元にも及ばないナニかが待ってる。アンタが何処の誰だかどうでもいいが・・・ま、私はあまりオススメしないけどね」
「・・・・・・」
まぁ、つまり。知らぬ間にアレンはイシュタル・ファミリアにとっての上客になっていたのだ。
寄りにもよって自身のファミリアと同じく、美の女神が率いるイシュタル・ファミリアか、と。今更なことを考えながらも、アイシャへと金を渡し、物は試しと扉を開く。
中は薄暗く、必要最低限の光源しか灯っていない。しかし、第一級冒険者にしてみれば十分過ぎる明かりの先に、確かに年端も行かぬ少女が待っていた。
「こちらへ」
それだけを言って背を向ける少女に、大人しく着いて行く。
一定の距離を保ったままその少女を観察し、どうやら彼女は見た目通りの少女に過ぎず、先の【
周囲を見渡しても、罠の類が仕掛けてある様子は無い。
イシュタル・ファミリアにとっての金の成る木であれば、もう少し厳重にしていてもおかしくない筈だが、と。
自身がフレイヤ・ファミリアの【
「こちらです」
そうして辿り着いたのは、先と変わらぬなんの変哲もない扉。また地下へ降りるのか、と辟易しかけたアレンだが、この部屋の中でアナスタシア様がお待ちです、という案内役の少女の言葉に、少し緊張してドアノブに手を掛ける。
「あら、初めましての方ですね」
果たして中に居たのは、なるほど、見てくれから察せられる程度には、娼婦としてこれ以上無い身体を持ったエルフの美女であった。
自身が敬愛する神フレイヤに比べれば、その豊満な肉体は美という観点から見れば少し肉が付き過ぎて、黄金比のようなかの女神の美貌には適わないが、こと男を堕落させることに関して言えば、人間の中ではトップクラス。
まぁ、及第点だな、と。部屋にあった椅子から立ち上がり、大きな胸を揺らして笑顔で出迎える彼女の姿に、既にギンギンに反り勃つ戦車を無視して、アレンはそう評価した。
「俺からの希望は三つだけ。一つ、余計なことは喋るな、一つ、過度な接触を行うな、一つ、今日のことについては他言無用だ、喋ったら殺す」
ここ数日の娼婦とのやり取りでアレンの中で固まった必要最低条件。それをスラスラと読み上げ、言うだけ言って黙り込んだアレンに、アナスタシアは不思議そうに目を瞬かせた。
そして、豊満な胸の下で少し重そうに腕を組みら顎に指を当てて、んー・・・と考え込む。
「えっと・・・はい、なんとなく事情は察しました。であれば、お顔は拝見しない方が良さそうですね。少し、お待ち下さい」
呼び鈴を鳴らし、自身を案内した少女が部屋に入って来て、アナスタシアは何かを伝えると、少女は出て行った。
「何を・・・」
「少々小道具を。隠す必要も無いので申し上げますと、拘束具を取りに行って貰いました」
「こ、拘束具・・・?」
思わぬ単語に、手錠に繋がれたアラれも無い姿の神フレイヤの妄想が頭に浮かぶアレンだったが、流石に理性で押さえ込んだ。
それよりも拘束具である。そんなアブノーマルな趣味、アレンには無いので断ろうとするが、しかし同時に発情して火照った身体は少しだけ期待していた。
別に、縛られるのが好きという訳では無い。
ただ、なんでもいいから、このムラムラを解消出来るのなら・・・まぁ、試してみるくらいはいいか、と。
「お持ちしました」
「あら、ありがとう」
「っ♡ い、いえ・・・それでは、失礼します」
再び少女がトレイに載せた器具持って部屋に入り、それをテーブルに置くと、アナスタシアが労うかのように少女の下腹部をトントン♡ した。
そこは頭を撫でる所じゃないのか、と純粋に疑問に思ったアレンだったが、持って来られた器具の数々に言葉を失った。
「なっ・・・なんだ、それは・・・」
「え、何って・・・拘束具、ですけど・・・」
目隠しは、まだ分かる。だがそれだけだ。その他の、やたらとゴツくて黒い拘束具と首輪らしきものには流石に待ったを掛けたアレンだが、何に驚いているのかが分からないアナスタシアは、また可愛らしく首を傾げた。
「その、黒いヤツと首輪だ、何に使う」
「・・・あぁ、これは」
別に全てを使う訳ではなく、セットで持って来てもらっただけです、と。
なんの事は無いように言うアナスタシアに、使う訳では無いと分かって胸を撫で下ろすアレンだったが、ほんの少しだけ残念がっている自分が居て、頭を振り払った。
「・・・それで、俺はどうすればいい」
「まずはこちらを。口元に着けて、顔をお隠し下さい」
「・・・・・・」
渡されたのは、四角形の布から二本の紐が飛び出ている黒色のマスク・・・と言うより、フェイスカーテン。
もっと他に無かったのか、と思うものの、別に断る理由も無いので言われた通りに着ける。
「それではベッドの方に、こう・・・寝そべる形で横になってもらえますか」
「ん・・・」
まぁ、とは言え、仮に拘束具を使われたとしても、第一級冒険者であるアレンからしてみれば、なんの付与もされていない拘束具などただの紙切れも同然。
そんな自らの力に絶対の自身があるからこそ、アレンは特に警戒もせずに大人しく従う。
「失礼します」
うつ伏せに寝ると、アナスタシアもベッドに乗り、顔に近い場所に陣取った。
漂う香りは、いつもの彼であれば精々が、良い匂いだな、程度で済むのだが、発情した今の彼ではそれだけでも頭がクラっと来てしまう程には、強烈なモノだった。
何かしらのお香を炊いているのかと思ったが、そういう感じでも無い。香水とはまた別の、敬愛する女神と同種の、色香を極めたモノが漂わせる男殺しの香り。
咄嗟に目を瞑り、妄想に逃げるアレンだが、その妄想と実物の匂いが相まって、余計に捗ってしまう。
しかし、目を覆われようとしていた布の感触に我に返り、待ったを掛ける。
目隠し、目隠しだ。
マズイ、それはマズイ。
それをされると、もうずっと女神のあられも無い姿がエンドレスに再生されてしまう。
それは・・・本当にマズイ。
だからこそ、拒否しようとしたアレンだが、悲しいかな。発情した今の彼では、上手い言い訳が見付からず、しかもちょっと期待している自分がいる為、少しの逡巡の後に結局着けることとなった。
「・・・・・・」
「それともう一つ、耳栓を付けさせて頂くのですが、その前にこれから行うことを簡単にご説明します」
「・・・・・・」
「最初はこのままの状態で、股座(またぐら)の付近や臀部を刺激させて頂きます」
「・・・・・・」
「その後、下のお召し物を脱がせて頂き、局部へのマッサージとなりますが、何かご意見はございますか」
「・・・・・・いや」
「畏まりました。それでは、耳栓を着けさせて頂きます」
あ、すご・・・♡
視界を塞がれるだけならまだしも、冒険者として不意打ちや敵の位置の把握の為に寝ている間も聴覚を働かせていたアレンにとって、無音の世界とは正しく別世界であった。
外の情報の一切が遮断され、暗闇の中で降臨する女神が、自分だけを見ている。
『ふふ、アレン。可愛いアレン、もっと貴方の声を聴かせて♡』
近付き、身を寄せる神フレイヤ(妄想)が、己の下半身へと手を伸ばす。
そして・・・。
「ッ゛・・・♡」
ソッと、お尻に手を這わされた。
普段の彼女であれば、決してやらぬであろう安易な接触に、しかし今のアレンにとっては何物にも得難い神の寵愛。
スリスリ♡ と撫でられる感覚に、自然と足が広がっていく。
『あら、もっとして欲しいの? 仕方無い子ね♡』
「あぅっ゛・・・♡」
お尻から這うように、開かれた股関節へと触れられ、ビクンっ♡ と腰が浮き上がる。
浮き上がった腰を、そのまま降ろすことは許さぬかのように手を這わされ、スリスリ♡ スリスリ♡ と擽ったく、そして気持ち良い感覚が腰を痙攣させる。
「ぁ゛、ぁぁ・・・フ・・・ぃャ・・・様ァ・・・♡ んぐっ」
『あら、猫が喋っていいなんて、私言ったかしら?』
昂ったアレンが、何やら聞いてはいけないような事を言い出したので、アナスタシアは気を利かせて咄嗟にギャグボールを噛ませた。
その名前が誰かまでは上手く聞き取れなかったが、しかし、その人を傷付けたくなくて、恐らく想い人であろう人のために、こうしてお店に訪れたと言うのはなんとなく察していたので、その上での予定に無い行動なのだが。
完全に自分の世界に入ったアレンにとっては、寧ろご褒美以外の何物でもなかった。それこそ、不測の事態に妄想が即座に対応してくる程度には、もうホント最高のシチュだった。
まぁ、アナスタシアからすれば、こんな所に来るのではなく、普通にそのヒトへ想いをブツけろというのが本音ではあるが。
「ん゛ー♡ んんっ・・・♡」
『それから服も、
上げた腰が仇となり、ローブをたくし上げ、スルりと脱がされるズボンとパンツ。その時、空いた穴へと通されていた尻尾が擦れ、思わぬ快楽が電流のように背筋を駆け巡った。
(あ、バレた・・・♡)
驚いた顔の神フレイヤ(妄想)が、一拍置いて笑みを浮かべる。嗜虐心を煽られたかのような、最も覚えのあるその表情。
獲物を見つけた時の狩人の目付きに、アレンはどうしようも無く興奮してしまった。
トントン・・・♡
「ッ゛・・・♡」
トン・・・トン・・・♡
「んン゛っ・・・♡♡」
スリスリ・・・♡
「んうっ゛♡」
尻尾、ではない。その根元、尻尾の付け根である腰周りをノックされ、撫でられ、それら全てに否応無しに反応してしまう。
尻尾の毛が逆立ち、ビンビンに伸びて戻らない。
頭をぶん殴られたような快楽の衝撃に、顔は傍にあった枕に突っ伏し、腰だけは自身の意思に反して上がり続ける。
『いいわ♡ いい♡ アレン、あぁ、アレン♡ 魅せて♡ もっと貴方を魅せて♡』
「にぃ゛〜ッ・・・♡ にぁ゛あぁ〜ッ・・・♡♡」
媚びるような、自分のモノとは思えない、文字通りの猫撫で声だった。
早く、早く♡ もっと、もっと凄いのを♡
その声に応えるかのように、両手でお尻を持たれると、広げられた穴の中へと、指がヌプププ♡ とすんなり挿入って来た。
「んにゃぁ゛ッ・・・♡♡」
『あらあら♡ そんなにも喜んでくれるなんて嬉しいわ♡』
慣らすように、馴染ませるように、回転させたり、腸壁を撫でられたり、出し入れされたりする。
初めての筈なのに、元々痛みには慣れていたのと、発情し切った今のアレンの身体では、それすらも快楽に感じる。
ある程度、アナルの中を探索されていると、突如としてコリっ♡ と明らかに異質な感触を感じ取った。
「んん゛ッ・・・!?♡」
指が止まり、先の異質な感触の周辺を、ぐにぐに♡ と円を描くように撫でられる。先のような衝撃は無くとも、じくじく♡ と痺れるような快楽が断続的に下半身全体へと行き渡る。
『そう、ここなのね♡ 貴方の弱点♡』
弱点。それは、決して知られてはいけない筈のモノなのに、あぁ、どうしてだろう。嬉しそうにそう告げる神フレイヤの声を聞く(妄想)と、何故だか無性に嬉しくなって心が満たされていく。
「んにぃ゛・・・♡ なぁぉ゛・・・♡ んなぁ゛・・・♡」
『あらあら、どうしたの? そんなにおちんちんフリフリして♡』
強い快楽に反して、イけぬおちんちんを。
腰を上げて宙ぶらりんになった勃起ちんぽをブラブラ揺らして、我慢汁を飛び散らせて、ここを触って欲しい、虐めて欲しいと、主張する。
それを慈愛の目で見詰める神フレイヤは、しかし、おちんちんではなく、その下。パンパンに膨れ上がった玉袋へと、空いた手を這わせた。
「ふにぃ゛ッ・・・!?♡」
『あら、凄く重い♡ こんなにズッシリさせて・・・イケナイ子ね♡』
もみもみ♡ もみもみ♡
柔らかな快楽が刺激されるが、射精感が募るばかりでやはりどうしてもイけない。
もっと、もっと♡ と、そんなアレンの心情を表すかのように尻尾を腕に巻き付けて、必死に強請る。
『もう、仕方無いわね・・・♡』
「んにゃぁ゛・・・♡」
その想いが通じたのか、遂におちんちんを触ってくれると期待したアレンだが・・・。しかし、その手が定位置から離れることは無く、代わりに先程と同じ、こりっ♡ とした衝撃がアナルから全身に走った。
「んん゛ぁッ゛・・・♡♡ ぁ゛ァ゛ッ・・・♡」
こりこりっ♡ ぐにぐに♡ こねこね♡
一度では終わらない。ずっと、ずっと、全身を襲う嵐のような快楽に、ずっと突っ張っていた両足が膝立ちになり、足の指をキツく閉じる。
ダメ、足りない。こんなんじゃ、この快楽は逃がせない。
そう思っても、最早まともに抵抗することなど出来ず。
アレンはここ数日で、いや、今までやって来たオナニーなんか比にならない快楽と共に、絶頂した。
「にぁあ゛ぁぁ゛ァッ゛〜〜〜ッ゛♡ ぁぁ゛、ア゛ぁ・・・ッ〜〜゛っ♡♡」
溜まりに溜まっていたもの、全てを一気に吐き出すほどの力で、ベッドに向かってブチ撒けた。
それでも尚余りある子種が、絶頂後のおちんちんからドクドクと溢れ出し、キンタマを揉む手が効率良く外へと排出させていく。
「ァ゛・・・♡ ぁぁ゛・・・♡」
ここ数日の鬱憤が一気に晴れた事による虚脱感と、視界を覆う目隠しの所為で、アレンは神フレイヤに頭を撫でられながら、久方振りに深い深い眠りに着いた。
◇
「オラァ・・・!」
「むっ・・・!」
フレイヤ・ファミリア、その訓練場にて、アレンの一撃を受け止めたオッタルは僅かに目を見開く。
元より、速さはあったものの、重さに欠けるアレンだったが、ここ最近は突如としてその欠点も克服していたが、代わりに精密さを欠くようになっていた。
心当たりとしては、団員からの、いつも異常に怖いのでどうにかして欲しい、という苦情が来ていたので、それ関連かと思って、偶には団長らしく団員の悩みでも相談してみるか、と声を掛けようとして無視されていたのだが・・・。
どうやらその悩みも解決し、一段と成長したらしいことを肌で感じたオッタルは、思わず笑みを浮かべた。
「なに笑ってやがる!」
「むぅ!?」
しかし、巨漢の猪男の笑みなど傍から見れば、怖いか、或いはアレンのように怒りを覚えるものでしか無く。
さらに威力が増した一撃に、思わず唸り声を上げてしまう。
だがそれでもオッタルはLv.7の、アレン以上の第一級冒険者。即座に切り替え、対応し、結果的に圧倒する勢いで攻め返した。
「はぁ、はぁ・・・!」
「ふぅ・・・!」
それから何度かの激突の末。別に殺し合いをしている訳では無い二人は、ここらが潮時だろうと戦闘を中止する。
「・・・アレン、どうだ。この後ダンジョンにでも」
「うるせぇ、話し掛けんな」
まだ余力のあるオッタルは、良い汗を掻いて気分が良かったのもあり、偶には団員との親睦を深めるという名目で、この数日で何がアレンをそこまで変えたのかを聞き出すために、らしくも無いことを提案してみたが、案の定、一蹴されて終わった。
訓練場のど真ん中に取り残された、小さな獣耳と威圧感のある目を少しだけ伏せる巨漢の男というのは、なんとも言えない哀愁が漂っていたが、そんな事などアレンには知った事ではなく。
また、背を向けて訓練場を出て行くアレンの尻尾が、珍しく機嫌が良さそうに立っていた事も、目を下に向けていたオッタルにとっては知らぬ事だった。
あのファミリアの幹部なら、この程度の妄想とかいつもしてそう(偏見)。