※この作品はR-18です。

娼館でTSエルフが働くのは間違っているだろうか   作:榊 樹

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ちょっと残酷描写あるので苦手な人は注意を。


第七話:妖精の宴

 

強さとはなんなのか。

あの時の夢を見る度に、強くそう思った。

 

 

『ゲゲゲゲェッ! なんだい、いつも偉そうにふんぞり返ってる不細工な連中の癖に、口程にも無いじゃないか!』

 

 

後になって知った、イシュタル・ファミリアの最強。

見るもおぞましき容姿だが、その巨体に宿る力は正に暴力の権化。

 

手も足も出なかった。

無論、力の差が分かっていなかった訳では無い。

少なくとも、自分よりは格上。相対した時にそう思ったから、せめて自身の手を不安そうに握っていた姫が逃げる時間くらいは稼ごうと命を懸けたつもりが、最初の一撃で簡単に沈められてしまった。

 

 

『ぁ、あぁ・・・ぃや・・・』

 

 

その時の私を、今でも思い出しては殺したくなる。

朦朧とする意識の中で涙を流し、ゲラゲラと下品に笑い見下す化け物の前で地に伏せて、ただただ死の恐怖に怯えていた。

 

動かなかった、動けなかった。

心を完全に折られた。たった一撃で、プライドも今まで抱いていた自信も、何もかも粉々に打ち砕かれた。

 

物語の騎士は、所詮、物語の中だけのお話。

何も出来やしない、無力な小娘が思い上がった罰なのだと、そう思い、ただ許しを乞うように命乞いをした。

 

 

『ぃ・・・ぃや、死に・・・たく、ない・・・』

『んん? ははっ、命乞いかい!? イイねぇ、もっと聞かせておくれよ。そうでなきゃ、もっと痛い目に逢うよぉ』

『ッィ゛ッ!!? ァ゛あぁ゛ぁッ゛ァ゛!!』

 

 

その巨体を支える短く太い足が、倒れ伏す私の片腕に乗りかかった。

ゴキゴキと、嫌な音がした。痛みが心を支配し、何も考えられなかった。

 

 

『ご、ゴメンなさィ゛ッ! ゴメンなざィ゛!ごめンナザィ゛!!』

『ゲゲゲゲッ! 良い、良い声だァ! ほーれほーれ、もっと鳴かないと、次はもう片方もイっちゃうよォ!』

 

 

なんだっていいから、この痛みから解放されたかった。

 

どうして私がこんな目に遭っているのか、私が何か悪い事でもしたのか。

顔中を涙や鼻水でグチャグチャに濡らし、グリグリと踏んづけられる醜い脚を見ながら、自分に降り掛かる理不尽に神さえ呪おうとした。

 

だがそんな時、あのヒトの声がした。

 

 

『待ってッ!』

 

 

悲鳴のように鋭く、けれど不思議と心地良さを抱く綺麗な声だった。

それ程大きな声では無かったけれど、私の泣き叫ぶ声も、化け物の醜い笑い声も掻き消すかのように、辺りはシンと静まり返っていた。

 

 

『戻る、戻ります。貴女達のモノに。抵抗はしません。だから、もうこれ以上、その子を虐めないであげて下さい』

 

 

振り返ると、そこには地面に額を当てた少女の姿が。

 

何をしているのかは、その時は理解出来なかった。

けれど、闇夜の中、シルクのような白金の髪を僅かな街灯に照らし、服が汚れるのも厭わず、微動だにしないその姿に、貴女だけはそれをしてはいけない、やめてくれと、心が叫びそうになった。

 

 

『ァ、あァ゛・・・ぁぁ゛・・・』

 

 

だがそれ以上に、私は彼女の行いの邪魔をしたくなかった。

彼女は許しを乞うていた。私の為に。私をこの痛みから解放する為に。

 

やめて欲しい、でもやめて欲しくない。

 

どちらの想いが強いかなんて言うまでもなくて、誰がこの事態を招いたのかも忘れ、ただ縋るように私はそのヒトを見ていた。

 

 

『ゲゲゲェッ、最初からそうしていれば良かったのさ。随分と様になってるじゃないか、えぇ? 土下座って言うのかい? みすぼらしくて醜いアンタにお似合いの格好だよ』

 

 

そう言いながら足が離れ、安堵した私を背に、姫に近付く化け物。

そちらに意識を向ける余裕は無くて、痛みを少しでも和らげるために荒い息を繰り返していると、グイッと首根っこを掴まれた。

 

 

『なにボサッとしてんのさ。アンタも一緒だよ』

 

 

見上げると、片腕に姫を担いだ化け物の顔が、蔑むような目でこちらを見下ろしていた。

 

 

『ぃ、や゛・・・やだ、助けッ・・・!』

 

 

化け物の根城に行くのが恐ろしくて。また悲鳴を上げそうになった私の足に、痛みと衝撃が走った。

腕の時と同じ、あの太く短い足で踏み潰された感覚。

 

声にならない悲鳴を上げた私を、化け物は冷たく見下していた。

 

 

『あんまり五月蝿いと、もう片方もイクよ』

『ヒィッ・・・!』

 

 

最早、逃げようとすら思えなくて、無抵抗になった私は姫とは違い、ズルズルと雑に引き摺られていく。

 

あまりにも情けない幕引き。見るも耐えない、敗者の末路。

自分が撒いた種だった。下らない正義感に突き動かされ、身の程も知らずに動いた結果がこの有り様だった。

 

その後、眷属化のために神イシュタルの前に引きずり出された私は、この先の未来も抵抗出来ぬようにと魅了された。

いや、魅了と言うにはあまりにお粗末な、目を合わせただけという、あまりに呆気ない方法で堕とされ、そんな私を神は嗤った。

 

お前のような軟弱な奴は初めてだ。

だが、堅物(エルフ)はやはりこうでなくてはな。

 

屈辱的だった。自分が惨めで仕方が無かった。

けれど、それ以上に女神の魅了というものは想像を絶するモノで、どんな罵倒だろうとそのお声を聞くだけで、脳がドロりと溶けたような感覚に陥った。

 

もう一度、あの声で見下されたい。

もう一度、あの御御足(おみあし)で踏まれたい。

 

イシュタル様、イシュタル様。あぁ、イシュタル様。

全ては貴女のために、この身は貴女様だけのために・・・などと。なんと浅ましく、愚かだったことか。

 

私がその悦楽に浸っていた裏側で。

私を救って下さった御方が、私が救い出そうとした御方が、どのような辱めを受けていたかも知らずに、よくもまぁ何処の誰とも知れぬ神のために、そんな戯言を吐けたものだ。

 

知らなかった。

いや、イシュタル・ファミリアがそういうことを生業としているのは知っていた。けれど、それを、まさかそんな・・・我らエルフの貴き御方にまで強要していたなどと、思ってもみなかった。

 

その事実を悟った時、冷や水を、全身にぶっ掛けられたような衝撃だった。

茹だっていた頭が、一気に冷めるような感覚だった。

 

僅かな布地の、露出の多い卑しい服を着て、薄汚い豚のような男に腰を抱かれて扉の奥へと消える姿。

咄嗟に止めようとして、そして傍に居たアマゾネスに押さえ付けられた。

 

他の子の客を奪うのはルール違反だとか、上客なんだから粗相をするなとか、そんな下らないことを言われた気がしたが、殆ど耳に入って来なかった。

レベル差もあったのだろうが、それ以上にあまりの衝撃で脳が理解を拒み、身体が思うように動かなかった。

 

嗚咽混じりに、掠れた声で"やめろ"と叫んだ。

このまま行かせてしまえば、部屋の中で何が行われているのか。このファミリアに身を置けば、いくらそういうのに無縁の生活を送っていた私でも、いやでも分かる。

 

一夜だけとは言え、お金という対価で自らの体を明け渡す。

見ず知らずの男にハジめてを奪われ、夜が開ければゴミのように捨てられる。

 

それを、そんな鬼畜の所業を、あの方はさせられていいたのだ。私が、あの色欲魔の魅了などというモノにうつつを抜かしている間に。

 

許せる訳が無かった、許せる筈も無かった。

 

だが、その怒りを爆発させるのは後だ。兎にも角にも、逃げなければ。アイツを、あの御方に触れる穢らわしい豚を殺し、今すぐにでも救い出さなければ。

 

状況を飲み込み、現状を理解した私は、押さえ付けられる身体に喝を入れ、立ち上がろうとする。

けれど、現実は残酷だった。

慌てたように押さえ付ける周囲のアマゾネス達を無視し、立ち上がろうとして・・・扉を隔てた壁の向こう側。あの御方が消えていった部屋の中から、声が聞こえた。

 

そういう事をする前提の建物だから、それなりに防音に優れてはいたが。しかし、それでも耳を立てれば聞こえて来る程度に、微かに聞こえた。

 

 

『ぉ゛ッおぉ゛ォ〜〜〜ッ゛♡♡』

 

 

なに、なんだ、今の声は。

今の、下品で、下劣な、獣のような声は、一体何処から・・・。

 

固まる私に、けれど声は次第に大きくなっていく。

その声に、私が向かおうとしていた扉の向こうから聞こえて来る声に呆然としていると、押さえ付けていたアマゾネス達が、呆れたように溜め息を吐いた。

 

 

『あーあ、まーたやってるよー』

『完全にぶっ壊れちゃったねー。ま、好みじゃないから別にいいけどさ』

 

 

"また"・・・?

また、とは・・・なんだ。

何が、起こっている。あの扉の向こうで、何が行われている。

 

理解出来ず、ただただ呆然とするしかなかった。

もう抵抗する意思が無いと悟ったのか、アマゾネス達は私から離れ、各々の仕事に戻っていく。

 

けれど、拘束が解かれた私は動くことが出来ず、最早鮮明に聞こえるようになった獣のような()()かの嬌声が、鼓膜を揺らし続けた。

 

 

 

気付けば、私はダンジョンに居た。

 

もう、どれほど潜っているのか。どれだけ(ほふ)っているのか分からず、矢継ぎ早に襲い掛かって来るモンスターを、一心不乱に刻み続けた。

 

強く、強くならなければ。

もっと、もっと、もっと・・・!

足りない、足りない、足りないィッ・・・!

 

今まで何をしていた。

今まで何を考えていた。

今まで何を思って、生きてきた・・・!

 

どうしてこんなにも弱い。

私は、どうして・・・こんなにも無力なんだ・・・!

 

 

視界が鮮血に染まり、周囲には魔石が地面を埋め尽くすほどに落ちていた。

モンスターは、もう居ない。

近場だけでなく、戦闘音を聞き付けて遠くからやって来たモンスターも倒したから、恐らくここら一帯の区画は、暫くモンスターは出現しないだろう。

 

でも、それでも、全く足りなかった。

時が経てば経つほどに、自身の無力さが浮き彫りになる。

どれだけモンスターを殺そうと、どれどけステイタスが上がろうとも、まるで届かない。

 

アイツを、あのフリュネ(化け物)を殺して、あの御方を救い出すには。

こんなものじゃ、到底足りなかった。

 

 

『強く・・・強く、なりたい・・・』

 

 

あの忌々しいスキルが発現したのは、そんな時だった。

 

 

 

 

身に付けた衣服から鮮血を滴らせ、ダンジョン内を歩く。

日課とも言える、いつものダンジョン探索という名の武者修行を終え、帰路に着いている所だった。

 

全身に浴びた返り血をそのままに。【緋色の妖精(スカーレット)】という二つ名に恥じない装いでギルドまで赴き。

魔石の換金ついでに、バベルに併設されているシャワールームで汚れを落として、ホームへと向かう。

 

既に日は傾き、昼とは異なる喧騒がオラリオを包んでいた。

暗黒時代の全盛期に比べれば随分と活気の戻って来たオラリオだが、それでも日暮れの人通りは何処か物騒さが残っていた。

子供や老人は居らず、誰もが程度の差はあれど武装をしていた。風貌からも察せられるような、彼らの殆どはダンジョン帰りの冒険者であり、街道に面する店を賑やかしていた。

 

そんな喧騒を無視して、フードを目深に被ったルイは人混みを歩く。

彼女の装いは、このオラリオの地に於いて、やや厚着しているという点以外はそこまで不自然ではないため、あまり衆目を集めることは無かったが、やはり視界の不明瞭さでは難があった。

 

しかし、ルイとて伊達にLv3(第二級冒険者)としてソロでダンジョンに潜り続けている訳では無い。視界だけでなく、音や気配を感じ取り、誰にぶつかる事も、触れる事すらも無く、人混みをすり抜けていく。

 

だが、そうであるにも関わらず、誰かとぶつかった。

そこまで強く当たった訳ではなく、お互いの肩が軽く触れ合った程度。

気配がしなかった事に驚きはしたものの、改めて意識を向ければ、なんてことは無い。相手が平時でも気を抜かない相当な実力者だったと言うだけの話。

 

 

「・・・すみません」

「待ちなさい」

 

 

レベル4か、それ以上。別段、ルイに敵対する意思も、関わりたい気持ちも無いため、角を立てぬ程度に謝罪をし、すぐに踵を返そうとした。

 

しかし、鋭い声とともに肩に置かれた手がそれを阻止する。その声に足を止めたルイは、背を向けたまま顔を顰めた。

 

聞き覚えのある、久しい声だった。

出来る事なら、二度と聞きたくない声だった。

 

顔を見れば、きっと抑えきれなくなるだろうから。

足を止めたまま、決して振り向くことなく、次の言葉を待つ。

 

 

「私も不注意でしたが、貴女もそれではまた同じことを繰り返してしまう。キチンと前を向いて歩きなさい」

「・・・・・・」

 

 

聞けば聞くほどに、その声が心の奥から黒いナニかを湧き上がらせてくる。

嘗ては自分も同じように抱いた正義をその胸に、自身の行いが正しいと信じて疑わない彼女の凛とした声が、疎ましくて仕方が無い。

 

あぁ、最悪だ、と大きな溜息が出そうになったのを、歯を食いしばって必死で堪える。

 

もうあの方以外どうでもいい、とどれだけ切り捨てようとしても、捨て切れなかった存在。

嘗ての憧れが、気付けば憎悪に変わり、それを自覚したくなかったから、もう会うつもりが無かった大切な肉親。

 

その不穏な気配を、僅かながらにも感じ取ったのか。ルイを呼び止めたエルフ、【疾風】のリュー・リオンもまた不機嫌そうに顔を顰めた。

 

 

「・・・なんです、その態度は。いいですか、こんな大来でそのようにフードを」

「まぁまぁ、リオン。その辺にしておきなさいよ」

 

 

険悪な空気が漂う直前、リオンと共に居た赤髪の、今のオラリオに於いては知らぬ者が居ない正義を謳うアストレア・ファミリアの団長。

紅の正花(スカーレット・ハーネル)】こと、アリーゼ・ローヴェルが仲裁に入った。

 

 

「アリーぜ、しかし・・・」

「それにほら、注目も集めちゃってるわよ」

「え・・・あ・・・」

「いやー、ごめんね。ウチの団員が余所見してて。今色々と物騒だから、この子もビビっちゃってね」

「なっ!? わ、私は別にビビってなど・・・!」

「いえ、それでは私はこれで」

「あ、ちょ、待ちなさい! まだ話は・・・!」

 

 

不名誉な誤解を抱かせたままなのでは、と別の意味で引き留めようとしたリオンを、アリーゼが止める。

 

その声を背に、ルイは振り返ることなく足早にその場を離れる。

だって、あのまま話を続けていれば、嫉妬と憎悪でどうにかなってしまいそうだったから。

 

故郷に居た頃よりも随分と楽しそうな姉の姿。何も言わず置いていった癖に。自分だけ友と呼べるような人を見付け、自らの真っ直ぐな正義に殉ずるその姿は。

 

穢れ、堕ちる所まで堕ちた今のルイにとっては、あまりにも眩し過ぎた。

 

 

 

 

予想外の邂逅があったものの、無事にホームがある歓楽街へと辿り着き、人目を避けるために裏路地を歩く。

表を歩かないのは、この区画で素性を隠したいという者が珍しくないため、こうしてフードを被っているだけでは、客引きに勘違いされてしまうから。

 

金で女を買い、欲望を発散する。生涯を共にする訳でも、特に親しい訳でも無い男女が同じ閨を共にするど、ルイには理解出来ない。

出来ないが・・・しかし、それを強く否定出来るほど、今の彼女が清らかな訳では無いし、何よりも敬愛する御方がそのような行為を強要されているのだから、表立って非難することも出来ない。

 

だがそれはそれとして、そんな下衆な輩共と同類扱いされるのが我慢ならないから、こうして路地裏を移動するのだが・・・。

それでも、歓楽街という場所が場所なだけに、こうした裏道にも盛る猿共は存在する。

 

初めて遭遇した当初は、あまりのカルチャーショックに説教してしまったが、悲しきかな今では慣れたもの。せめて室内でやれ、と顔を顰めはするものの関わることはせず、足早に目的地であるホームの地下へと向かう。

 

そうして、辿り着いた部屋の前で。敬愛するエルフの王族が住まう部屋の扉の前で、控えめにノックをする。

 

 

「・・・?」

 

 

ノックをして、返事が無かったことに首を傾げる。

仕事部屋に居るのであれば、部屋の掃除をしている小間使いがそれを知らせるから、不在ということでは無い筈。

 

失礼と思いながらも、返事が無いままドアノブに手を掛ける。

そうして、ゆっくりと扉を開いた先で見た光景に、ルイは思わず息を飲んだ。

 

 

「・・・・・・ッ♡」

 

 

大きなベッド。大の大人でも三人は寝れそうなベッドの上で、彼女は寝ていた。

 

王族という尊き身分であり、にも関わらず今や本来の名を語ることすら許されなくなったエルフの姫君。

エミリア改め、アナスタシアが、局部を隠しただけの下着のような物という、普段よりも露出の多い装いで、仰向けに、規則正しく胸を上下させながら安らかに眠っていた。

 

 

「・・・・・・♡」

 

 

無防備だった。あまりにも無防備なその姿に、ダンジョン帰りのルイの欲望が否応なしに反り勃つ。

 

喰いたい、犯したい。目の前に横たわる極上の雌を貪り尽くしたい。

 

反動付きのスキルに、マインドダウン直前までの魔法行使により疲労困憊になるまで探索を続けた身体は、しかしその欲望によって活力が溢れ出てくる。

 

理性など、とうの昔に弾け飛び、それでも身に染みるエルフの性がアナスタシアを起こさぬよう配慮して、静かに彼女に覆い被さる。

 

彼女の脇の下に手を着き、眼前に広がる甘美な果実に目が奪われた。

私は一体なんてことをしているのかと、疑問に思うことすらなく、ルイは欲望に逆らうことなく、そのまま顔を埋(うず)めた。

重力を物ともしない、張りがあり、しかし吸い付くような柔らかさを持つ胸が、顔全体を優しく包み込む。

 

あぁ、心地好い。

 

気を抜けば、一息で眠り着いてしまいそうな心地良さに、全身の力が緩む・・・・・・ただ一部を除いて。

 

 

「・・・・・・♡」

 

 

呼吸するだけで、甘く芳醇な香りが肺を埋め尽くした。

もっと嗅ぎたくて、アナスタシアの背中に手を回し、しっかりと抱き締める。

 

 

「すぅぅぅ〜〜ッ・・・・・・はぁぁぁ〜〜ッ・・・♡♡」

 

 

密着させた身体。起立するちんぽがアナスタシアの腹部に擦れ、ゾクゾクするよつな快楽に自然とヘコヘコ♡ ヘコヘコ♡ と腰が動き出す。

 

そうして、一頻り楽しむと、今度は少し過激に。

布一枚、隔てられたオマンコに亀頭を押し付ける。

 

 

「んぅ゛〜〜ッ・・・♡ ぅ゛ッ♡ ぅぅ゛♡」

 

 

ヘコヘコ♡ ヘコヘコ♡

溢れ出した我慢汁でマーキングをするかのように、亀頭を執拗に擦り付け、パンティをコーティングしていく。

 

チラリとアナスタシアの様子を見れば、穏やかな寝顔のまま起きる気配が無い。

それを確認したルイは、今度は裏筋を押し当て、腰を大きくグラインドしていく。

 

先っぽから根元まで、余すことなく堪能するように擦り付け、ルイの頭を次第に馬鹿にしていく。

快楽のあまり呼吸が荒くなり、肺が酸素を取り込もうとする。しかし、それ以上にアナスタシアの匂いを嗅ぐことを優先したい心が鼻を谷間に押し付け、酸欠となった頭は只管に快楽を求め出した。

 

 

「ンゥ゛ッ・・・♡ ォ゛ッ・・・♡ ホッ゛・・・♡ ・・・ォ゛ぉッ♡ ぉお゛ッ〜〜ッ゛・・・ッォ゛♡♡♡」

 

 

びゅーッ♡ びゅーッ♡

 

抱き着くルイと眠るアナスタシアの身体の隙間に、子種が吐き出された。

ドロドロとした感触がお腹に伝わり、しかしそれでも尚ふたなりちんぽはドクドクと脈打ち、アナスタシアの腹部を汚していく。

 

王族への不敬という背徳感と極上のマンズリによる脳がキューッ♡と閉まるような快楽に、思わず瞳が上を向く。

そうして一通り出した後になって、漸く身体を起こす。

 

ぬらァ〜♡ と自身とアナスタシアの体に橋を作る白濁の液体。

射精後の罪悪感よりも先に、その淫らな光景に情欲が湧き上がり、またちんぽが反り勃ち始める。

 

 

「・・・・・・♡」

 

 

そうして、再び性欲に脳が支配された頭で、ルイは思った。

もっと、もっと汚したい。目の前に横たわる美を、極上の雌を、自分のモノにしたい。

 

性欲、独占欲、支配欲。平時のルイであれば、穢らわしいと唾棄すべき感情が胸に渦巻き、ルイの思考を奪う。

 

そんな時だ。寝ている筈のアナスタシアがモゾモゾと動き出した。

 

 

「んん・・・♡」

「・・・・・・ッ!?」

 

 

マズいと思ったのも束の間、固まるルイを他所に、アナスタシアは足を開いた。

足を開き、そして再び寝息が聞こえて来る。

 

どうやらただの寝相だったようで、ホッと息を吐くルイは、けれど目の前に広がる絶景に息を呑んだ。

 

 

「さ、先っぽ・・・先っぽ、だけなら・・・♡」

 

 

そうして、遂には誘惑に負けたルイは、行動に移す。

 

無防備な王族の寝込みを襲うという所業に対する興奮と未知の快楽への期待が高まる中、ちんぽの棒の部分を掴み、ルイの我慢汁で張り付いた下着の上からおまんこへ照準を合わせ、慎重に腰を押し出す。

 

まるで生娘のようにキツキツなおまんこ。事実、その通りなのだが、このおまんこが使い込まれたか否かを考えている余裕など、ルイにはなかった。

 

 

「ふぉ゛ォ゛ッ〜〜ッ゛ォ゛ォ゛ッ゛♡♡」

 

 

下着越しで、先っぽしか入っていないとはいえ、無数のヒダが亀頭を包み込み、嘗ての比ではない程の快楽がルイを襲う。

 

ダメ、ダメだ。これは、これ以上は、絶対に後戻り出来ない。

早く抜かないと、早く、早く・・・♡

 

冒険者の勘が、警鐘を鳴らす。

足腰がガクガクで碌に力が入らないまま、必死に腰を引こうとして・・・違和感に気付く。

 

 

「ぁ、ぁれ・・・抜け・・・ない・・・?」

 

 

逃がさないとばかりにギッチリ吸い付くおまんこが、ルイの亀頭を離さない。

 

「ひぎゅぅッ゛♡」

 

 

下手に抜こうとすれば、ヒダが擦れ、快楽が甘く痺れる電流となってちんぽから脳天まで駆け抜ける。そして、力が抜けると自然と腰は元の体勢に戻り、溢れ出す我慢汁とアナスタシア愛液が潤滑油となって、先程よりも僅かにちんぽが深く挿入る。

 

それでも懸命に引き抜こうとするルイだったが、Lv差をものともしない快楽の嵐に何度も失敗を繰り返し、果てにカリまでグッポリ♡ イッてしまった。

 

 

「は、 ァッ゛・・・ッ!♡ ァ゛・・・はッ゛♡♡」

 

 

抜けない、絶対に抜けない。

そう確信してしまえるほどの絶望感がルイを襲い、ちんぽの脱出を諦めさせた。

 

中出しは、ダメだ。流石にそれは、それだけは絶対にダメだ。

 

荒く呼吸を繰り返し、ここに来てエルフの(さが)が勝ったのか、目を開いて全力で耐え抜く。

幸いにも、今この時も信じられないくらいの快楽が身を襲ってはいるが、それでもなんとか。まだなんとか耐えることは出来る。

 

後は、アナスタシア様が起きるのを待って、そしておまんこから解放してもらうだけ。出来る事なら寝込みを襲っていたなどと、しかも性行為までしようとしていたなどとバレてしまうが、この際、己のプライドなど二の次だった。

 

兎に角、中出しだけは。それだけは絶対に回避しなければと、全精神力を総動員して耐えるルイの覚悟を、けれどもお尻をモゾモゾと動かし始めたアナスタシアが容易く打ち砕く。

 

 

「んぅ・・・♡」

「ひッ゛・・・ぎぅッ!?♡ や、やめぇ゛・・・♡」

 

 

お尻を左右にフリフリ。交互に上下にフリフリ。

動きとしては、本当に僅かなもの。傍から見れば、動いているのかすら怪しいほんの少しの動作。

 

 

「だ、ダメッ♡ や、中はァ゛・・・ッ♡ そこだけは、出したらっ゛♡」

 

しかしそれでも、感覚が研ぎ澄まされ、敏感になった今のルイにとってはちんぽ全体をシゴき倒されたようなもの。

下着越しの無数のヒダが容赦無く亀頭に襲い掛かり、ルイを呆気なく果てさせた。

 

 

「やだやだッ♡ イグっ♡ イグっ♡ もう、ダメッ♡ 出ちゃッ゛・・・ッ・・・ぅ゛ウゥ゛ッヴぅ っ゛ ぅ゛♡ ぅぅ゛ぉお゛ッ ォ゛ ぉ〜〜ッ゛ッ゛ォ゛ォ♡♡♡」

「・・・・・・ッ♡」

 

 

ビューーーッ゛ッ゛ッ♡ ビュルルルルッ〜〜〜ッ゛♡♡

 

過去一で勢いがあり、濃ゆくてネバネバとした、孕ませることしか考えてない子種が、ルイの尿道を激しく刺激しながらアナスタシアのおまんこに吐き出された。

普通なら一発で妊娠確定な子種も、しかし薄い下着と未開通の処女膜によって子宮どころかおまんこの奥にすら到達出来ずに奇跡的に防がれた。

 

 

「ァ゛━━━━━━ッ゛・・・・・・♡♡」

 

 

スッカラカンになるまで一気に吐き出したルイは、流石に体力の限界なのか、そのまま気絶するように眠りに落ちた。

 

 

「・・・・・・」

 

 

そして、一夜共にするだけでも数百万ヴァリスは吹っ飛ぶ、高級な身体(寝具)に身を預け、泥のように眠るルイを・・・。

 

 

「・・・・・・♡」

 

 

最初から最後までずっと起きていたアナスタシアは、慈しむように優しく包み込んだ。

 

 




次回、ムッツリ女狐の予定。
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