少し長めに作りました。
戦闘描写、かなり大変ですね……。
次回はエロです!
「ま、待ちな!」
「ん?」
メナスを淫に送り、砂漠から近くの町へと辿り着いたマルスと愛紗は、その町の宿で一休みしようとしたが、それは町を襲いに来た山賊団を2人で始末した。その翌日、旅を再開した2人の前に、1人の少女が声を掛けてきた。
茶色のロングヘアーに派手な魔道士風のローブを着ており、赤いハイヒールを履いているが、マルスは彼女の手に持つ生き物のような杖を見ている。
「(あれは……なんだ?明らかに下級クラスの魔のようだが。なぜ杖なんだ?)」
「こ、この!私を無視するな!!あんたらが何者か知らないけど、明らかに普通の人間じゃないのは分かってるんだ!!
あんた達はこの“ニクス”が消し炭にしてやる!!」
「何故襲われなければならない?
私もご主人様も、襲われる理由がない。」
「り、理由なんてどうでもいいんだ!ふ、
「フニクラ?誰だそれは?どこにいる?」
愛紗が尋ねるも、フニクラの事に気づいていないらしく、マルスが答えた。
「愛紗、彼女の持つ杖……それがフニクラだろう。
何かと思えば、セトラと同じ系統の“小悪党”か。」
「ご主人様、何か知っているのですか?」
愛紗が尋ねると、マルスはニクスとフニクラを見ながら答える。
「セトラのように知性のある存在だが、奴はセトラのように気さくなタイプではない。
どちらかといえば相手に依存させて、寄生して支配する小悪魔だ。」
マルスの言葉に怒りを覚えたのか、フニクラの触手がニクスを強くキツく縛り上げる。
その力はまさに暴力のようであった。
「な!?ふ、フニクラ様!?どうなさった、ふぎぃぃっ!!?き、キツい〜〜!!!
フニクラ、様ぁぁぁ!!い、痛い!!?、痛いです!!?やめて、止めて下さい!!!?」
「図星を突かれて彼女に八つ当たりか?
自分ではやり返そうともしない小悪党……いや、小物以下だな。」
その瞬間、フニクラの眼が強く光るが、マルスは待っていたように力を発動し、フニクラの頭を掴むと凄みをぶつける。
「いい加減にしろよ?それ以上ふざけた真似すれば、“死”以上の苦しみを味わわせるぞ?」
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオっ!!!!』
マルスの覇気、彼の相棒であるガイアール・オウ・ドラゴンの咆哮にフニクラは、マルスの言葉が真実であり、これから自分が何をされるかを察したのか、フニクラは無様にもニクスを見捨てて逃げ出そうとしている。
痛みから解放され、気絶仕掛けているニクスを抱きかかえるマルスは、そんなフニクラを白い目で見る。
「見下げた奴だ。愛紗、下がってろ。」
「はっ!ご主人様。」
「“デーモン・ハンド”。」
『オオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』
マルスの影から伸びる無数の白い腕がフニクラを掴むと、そのままマルスの影に吸い込まれていった。
「お見事です、ご主人様。それで、その者の始末は?」
「一度淫に連れて行く。」
「それは……。」
何やら物言いたげな愛紗は、ニクスに対してジッと見ており、それを見たマルスは彼女に言う。
「そこで彼女の話を聞くだけだ、判断するのもその後だ。変化を望むのなら良し、そうでなければ記憶を消して帰す。」
マルスはそう言うと、ニクスと愛紗を連れて淫へと戻るのであった……。
◆◆◆
「ぅ……うぅん……?あれ、ここは?」
「気が付いたか、……ニクスとか言ったな。」
「!!?」
マルスの姿を見たニクスは咄嗟に辺りを見渡し、フニクラを探すが、マルスは静かに答える。
「あの杖なら俺が預かってる。アレを返すかは後だ。後あんたの身体なら治した。かなり酷い状態だったからな。」
「え……。あ、ありがとう、ございます……。
あの、なんで……?」
「質問を質問で返してすまないが、なんであんたはクイーンズブレイドに参戦してる?
特段何かが秀でている訳ではないだろうに。」
マルスの問いにニクスは俯き、苦しげな表情になる。しかし、彼女は勇気を振り絞って口を開く。
ニクスの母はヴァンス伯爵城の最下層労働者であり、彼女はその娘として産まれ、幼い頃より周囲から小突かれ、馬鹿にされながら育ってきた。
けれども、ニクスの母親は小麦を使わずおいしいお菓子が作れる優れた料理人であり、ニクスはそんな母が大好きであった。
ある日、城の者にエリナという者の誕生日パーティーのためにお菓子を作るように命じられたが、エリナは食べてもいないのに「貴族は紛いものを食べない」と言い、その日からニクスの母親は厄介者扱いされ、生活がさらに苦しくなり、病死してしまった。
貴族たちはニクスの母親に薬どころか仕事を休ませることすらせずで、ニクスはそんな者達を憎みながらも、気弱で何の才能も持たない少女に抗する術はなかった……。
ある日、ニクスはエリナの気まぐれで真夜中に山奥の泉の水汲みを命じられ、そこで導かれるように古代の秘宝“フニクラ”を手にしたのである。
「フニクラ様を手に入れてからの私は強くなれて、それでクイーンズブレイドに参戦することにしたの。
女王となって奴らを……お母さんを殺し、馬鹿にした奴らを見返してやるまで。」
「……。」
「でも、私が魔法を失敗した時、成功して得意になっている時、特に理由が無い時、フニクラ様は容赦なく私に罰を与えてきたの。
私は……今ある力を失うことを怖いの……!
今の力を無くしたら、私は……私は………!」
震えながら身体を抱き締めるニクスが、涙を流すのを見て、マルスは彼女の頭に手を置いた。
「ぇ………?」
「あんた……いや、ニクス。お前、強くなる覚悟はあるか?」
「覚、悟……?」
「あぁ、もしお前にその覚悟があるのなら……俺がお前にフニクラ以上の力を与えよう。その力を操る術を教えるし、誰にも負けないようお前を鍛え上げる。
無いのであればフニクラも返すし、金輪際お前にも関わらない。ニクスは……どうしたい?」
自分を見るマルスの真剣な眼差し、それを見たニクスはベッドから勢いよく落ちるも、マルスに頭を下げる。
「何でもします……!!苦しくっても、乗り越えます……!私は……強くなりだい!!
お母さんを侮辱して、見殺しにした奴らも!!
私を嗤った奴らも!!!
私は、全員を見返してやる!!!!!」
ニクスの泣きじゃくった顔を見たマルスは、彼女に手を伸ばす。
「契約成立だ。よろしくな、ニクス。」
その日、ニクスはマルスの指導の下、強くなることを決意したのであった……。
◆◆◆
2日後、マルスは淫を出てクイーンズブレイドの世界にニクスを連れて戻ると、2人で行動していた。
その中でノワにリベンジをしようと現れたエリナとクイーンズブレイドを行う事になったのだが、エリナは余裕そうである。
「なによ、よく見たら昔家にいた召使いじゃない。
夜逃げしたんだっけ?……まぁどうでもいいけど?
てか、そこの男はあんたの?」
「……。」
「まぁ良いわ。あんたなんてお呼びじゃないの。あたしはあのハーフエルフをぶっ殺すために来てんだから!
もうこの際あんたでも良いわ。アタシのストレス発散になるのなら。」
「……。」
「ちょっと、なんか言いなさいよ。
頭だけじゃなくて耳も悪いわけ?」
「……黙りなさいよ、人間のクズ。」
「……はぁ?」
ニクスの反論にエリナはカチンと来たのか、ニクスを睨みつけるが、ニクスはそんな事は気にしていないのか、ため息を吐く。
「あんたの事、よくよく考えたらビビる価値もなかったわ。家柄と親の権力とたまたま得ただけの呪言、運動神経しか取り柄がなくて、お姉ちゃん大好きなだけのクズ、ビビる事もなかったのよ。」
「何?あんた、本当に頭悪くなったの?
もういいわ……力の差を理解出来ないなら殺すだけよ。」
「おぉ〜っと!何やら不穏な気配!!
さぁ~!今回は、エリナ対ニクス!!
クイーンズブレイド予選!スタート!!
(後であのイケメンと話してみよ〜っと!)」
司会をしている天使ナナエルが開戦を告げると、エリナは槍を構える。しかし、そんな中で構えすらしないニクスをエリナは睨みつける。
「何してんのよ?構えなさいよ。
すぐに殺してあげるから。
まぁ、構えないなら……それで良いけど!!!」
エリナは構わずにニクスを殺そうと槍を振るう。
その瞬間!
パチンッ……ボオオオオオオオオオオオンッ!!!
「んぎあああああああああああああっ!!!!!?」
槍を振るったエリナの身体が突如爆発し、炎に包まれたエリナは吹き飛び、その綺麗な体は火傷だらけとなった。
「どう?熱い?強めの火力で焼くと相当痛いわよね?」
「ぐううぅぅぅっ!!!?このぉぉぉぉぉっ!!!
何してくれてんのよぉぉぉぉぉぉっ!!!?」
パチンッ……ボオオオオオオオオオオオオオンッ!!
「あがあああああああああっ!!!?腕が!!?腕がぁぁぁぁぁ!!!?」
「
早く降参したほうが身のためよ。」
「平民風情が見下してんじゃ『パチンッ…ボオオオオンッ!!』〜〜〜〜〜っ!!!!!!?があ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!!?
喉、がああああああ!!?」
「ピンポイントで喉を焼いたわ。これで呪言は使えないわね?あと、私やノワを“殺す”とか言ってたけど、それは脅しになってないわ。
アンタみたいな弱虫、私のほうが殺せるもの。」
「っ!!!!?」
エリナはこの時初めて、“恐怖”を感じ、飛び退くと震えながら槍を構える。
本来の人間なら逃げ出す所だが、貴族としてのプライドからか逃げるような事はしない。否、できなかった。
「ところであんたは覚えてる?
お母さんがせっかくあんたの為に作った菓子をあんたは“貴族は紛いものを食べない”って言って食べもしなかった。
あんたらみたいな奴には解らないでしょうね?
食べる物が無くて餓死する人間の気持ちなんて。」
そう言うとニクスは右手を上に挙げると、巨大な火球を創り出した。
その巨大な火球を目の当たりにしたエリナの股下には、黄色い水溜りが出来ており、その目に映るニクスが魔女に見えていた。
「あんたはさっき、私やノワを殺すとか言ってたよね?学のないあんたに言っておくけど……。
“
エリナは叫びたかった。
助けて!お姉ちゃん!!助けて!!!と。
しかし、声は出ず足や全身は恐怖で震えて動けない。
「じゃあ、さようなら……。」
ニクスが手を下ろした瞬間、火球がエリナに迫って落ちてくる。
それと同時にエリナの意識は暗転した……。
◆◆◆
マルスSide
エリナとか言う奴は泡を吹き、白目を向いて気絶している。火球は当たる直前にニクスが消したので、世界全体にニクスの力と彼女の無様な姿が曝されている。
「……。」
「審判、どうしたの?」
「ふぇ!?あ!こ、この勝負!ニクスの勝利!!」
天使の言葉にニクスはエリナを一瞥する事なく、俺の方に駆け寄ってくる。
「マルス様、勝ちました!」
「ああ、よくやったニクス。流石だが……これで良かったんだな?」
「はい。何だか胸がスッとしました!
何か今までの思いが少しは晴らせた気がします。」
「そうか。なら近くの宿に向かうか。」
俺とニクスは近くの宿のある町に向かった。
しかし、ニクスの強化……いや、この場合は“狂化”だな。
ニクスには元々魔法の才能があった。それをモルガンと俺の指導の下で徹底的に鍛え、炎だけではなく他にも2つの系統を身に付けた。
それによってニクスの能力とセンスは、フニクラがいた頃よりも高い、だからノワと同じで実戦を重ねれば……。
「(俺も負けてはいられないな。)」
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