ニクスがクローデットに重傷を負わされた後、マルスとバーヴァン・シーは一度淫に帰り、ニクスの治療をしていた。
「酷いもんだな、ここまでやるか?」
「あぁ、私怨丸出しで笑えない相手だった。」
「そんなにやばい相手だったんですか?」
牛金の問いにマルスは、呆れたように答える。
「シスコン……妹愛に溢れてたんだが、その妹愛が異常だった。」
「それはまた……。」
流石の牛金ですら呆れた様子になり、その場にいる者達は頭を抱えていた。
その中でトモエが答える。
「雷雲の将、クローデット……。
私の友人の姉君であると聞いた事があります。
実力だけで言えば、かなりの実力者であると……。」
「それなら、私も知ってますよ。
大陸で実力者と言えば他にもいます。」
「そうなのか?シズカ。」
マルスの問いにシズカは頷くと、大陸での強者の名を出す。
「まず1人は、“歴戦の傭兵”エキドナ。
かなり手強くて、実力で言えばクローデットに並ぶわね。
それで2人目がカトレアっていう人なんだけど、今は武器屋を営んでるらしいの。」
「武器屋と傭兵か。気になりますねぇ……。
そういえば旦那、あの褐色の姉ちゃんは?」
「褐色?あぁ、ブランウェンとかいう戦士か。
あいつなら部屋で大人しくしている。
その相棒の竜も治療中で、しばらくは動かないらしい。」
「そうですかい。」
「そういえば、黒は?」
「黒なら桔梗と焔耶、祭を連れて、旦那達のいた世界に遊びに行ってますよ?」
牛金の言葉にマルスは頭を抱えたのであった……。
◆◆◆
その頃、黒こと王平は桔梗と焔耶、祭の3人を連れて、クイーンズブレイドの世界を、正確にはクイーンズブレイドの世界の酒を楽しんでいた。
「ふぅ、酒自体は悪くはないが……些か甘ったるいな。」
「確かにな。それにしても……。」
4人のテーブルの周りには、桔梗、焔耶、祭を襲おうとして返り討ちにあった愚かな男達が倒れていた。
「全く、黒よりも弱いとは嘆かわしいな。」
「確かに。淫の男でももう少し粘るぞ?」
「骨がなさすぎる。」
「あ、あはは……。とりあえず店を出ようか。
僕会計してくるよ。」
黒は会計を済ませると、桔梗達と店を出た。
すると、豪快に笑う声が聞こえてきた。
「あーっはっはっはっ!!見事じゃなお主達! あれだけの悪漢を4人で締め上げるとは!」
「「「「?」」」」
黒達が後ろを振り向くと、そこには黒と同じくらいの身長でありながら、ゴツゴツした篭手と巨大な戦斧を背負っている少女がいた。
「えっと……?」
「おっとこれはすまんな!わしは鋼鉄姫ユーミル!
この先の鋼鉄山で武器屋を営んでいるのじゃ。
お主ら3人もクイーンズブレイドに出るのか?
出るのであれば、わしら鋼鉄山の武器を持つが良いぞ!」
「?黒よ、この娘は何を言っておるのじゃ?」
「えっと、つまり武器なら自分達の所でって言ってるみたい。……えっと、ユーミルちゃん「わしはお主よりも年上じゃ、ちゃん付けするな!!」あ、す、すみません!?」
ユーミルに斧を向けられてびっくりする黒。
年下に見えるが、ユーミルはドワーフという種族であり、年も見た目より上である。
「ところでお主は、どこの国のものなのじゃ?
見たことの召し物じゃが。」
「わしらは中華、淫の国ものじゃ。」
「いん?聞いたことないのう?」
「それなら今から観に来ますか?」
「なに?」
黒はユーミルを連れて人気の無い所にゲートを作ると、桔梗達と共に淫にユーミルを連れて来た。
「なっ……!なな、なんじゃここはーーーーー!?」
ユーミルは初めて見る異世界の国に驚き、声を挙げる。
しかし、さらに驚いたのは自分達ドワーフが造るよりも質の良い皿や硝子細工、アクセサリーと有ったが、一番驚いたのは材質の良い武器の数々であった。
「この槍も、斧も!!わしらの使っている素材では追い付けぬ程の品物!
一体どのような素材を使えば……。」
「おっ♪なんや、お嬢ちゃんが“どわーふ”っちゅう鍛冶の人かいな?」
「お主は誰じゃ?」
「ウチは李典!真名は真桜や、よろしゅう♪
んでどうや、淫の品の数々は?」
「……悔しいが、わしらドワーフではまだ敵わん。
じゃが、わしはこれだけの品物を作れるお主らに感動している!
そこで何じゃが、わしら鋼鉄山と取引をしてはもらえんか?」
ユーミルの言葉に真桜は腕を組み、豊かな胸を揺らす。
すると、何かを思いついたのか手を叩く。
「せや!それならマルスはんに聞いて見たらどうや?
マルスはんはこの大陸の皇帝やさかい、大半は許すと思うで?」
「そうなのか?それならば、そのマルスとやらの所に案内してくれ!早速商談じゃ!!」
ユーミル、彼女は意外と商売根性が逞しいのかもしれない……。
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