駒王学園で生徒達は新たに、ゼノヴィアとイリナという転校生を加え、それから変わらない日常を過ごしていた。
そんなある日の放課後。
「えぇ、みんな。緊急なんだが午後は全ての部活動を中止して帰るように。理由は通り魔が発生しているからだ。犯人は不明、捕まるまでは全ての部活動を中止。下校時も固まって帰ること。」
担任からそう言われ、その日は晃一とアーシア、村山で一緒に帰ることにした。
「いやね、通り魔なんて。」
「通り魔なんて……一体誰が?」
「分からないけど、何だか嫌な予感が「み~つけた☆」!?」
晃一達3人が帰路についていると、不気味な剣を携え狂気染みた笑みを浮かべている男、フリード・ゼルセンが現れる。
フリードを見た瞬間に晃一は2人を護るように立つ。
「あれ〜?女の子の前で気取っちゃってる〜?
ひゃはは!イイねぇ、潰しがいあるわ~☆」
「お前が、通り魔……。」
「大正解〜☆まぁ俺様はこの出来立てほやほやのエクスカリバーちゃんの試し切りをしてたってわけ〜☆☆
ひゃはは〜☆
楽しかったよ〜☆みんな、ひぃ〜ひぃ〜言って逃げ回ってたからさぁ☆!!」
楽しげに自分の事を話すフリードに、悪寒を隠さない晃一は怯えるアーシアと気丈に立つも震える村山を前に立つ。
「……村山さん、アーシアを連れて逃げて。なるべく早く追いつくから。」
「晃一さん!?でもそれだと!?」
「晃一くん、警察に言ったほうが良いよ!」
「多分、警察に言っても無駄だと思う。
どうやっても捕まらない人だよ?
斬り掛かってきたフリードに荷物で応戦する晃一は、アーシアと村山を庇いながら柔道で投げ飛ばすと、その瞬間に叫ぶ。
「行って!!!それでマルスさん達に伝えて!!」
「っ!!」
「え!?あ、アルジェントさん!?」
アーシアは悲痛な顔を浮かべながらも、村山の手を掴んでその場から逃げ出す。
「おいおい、流石に逃がすわけ……あ?」
フリードがアーシア達を追おうとしたが、目の前には晃一が立っていた。
「アーシア達に手を出したら、潰すぞ。」
「あっれぇ?マジのナイト気取り〜☆
はっは〜!おかしい、おかしすぎて腹が痛いよ!
まぁ、俺ちゃんとしてはお前さえ殺せれば良いんだけど。」
「僕?どういう事だ?」
「あれ?忘れちゃった〜?
お前、俺ちゃんをぶっ飛ばしてくれたじゃん。
……マジで痛かったんだよね〜?」
フリードの言葉に怪訝そうに見る晃一、彼からすればフリードの存在は全く頭に入っておらず、言葉の意味が分からなかった。
そんな彼の様子を見ていたフリードは、こめかみをヒクヒクとさせ、怒りを露わにする。
「あっそ〜?印象すら残ってない。
ならそれでも良いよ〜……殺すだけだから。」
「っ!!」
振り下ろされる凶刃、それを晃一は覇気と先読みで読んで、フリードの姿勢が崩れるように跳ね返す。
刃がいくつもに分かれるが、不可思議な武器はマルスとの特訓で慣れていた。
「はぁ!!」ダァンッ!!
「げはぁ!!?きいぃいいぃぃ〜!!なんで死なねぇんだよ!!とっとと死ねよ!!!」
「動きが単調なんだよ。武器は強いけど、あんたは強くないな。」
「こっのクソがぁぁぁっ!!ナメた事ほざいてんじゃねぇよ!!」
「五千枚瓦正拳!!!」ダアァァァァンッ!!!
「このっ!!?……なっ!足!?ゲボぉぉぉぉッ!!?」
晃一の鋭く重い正拳中段突き、コレを受けたフリードは思い切り吹き飛び、ゴミ山に頭を突っ込む。
「不思議な武器や強い相手は山程相手にしてきたんだ。簡単には負けない!」
「へぇ?なら、キミは楽しませてくれそうだね。」
「え?」
背後から聞こえてきた声に振り返ると、そこには白く輝く“
◆◆◆
「はぁ……ふぅ。メリュジーヌ、恋、付き合わせて悪かった。ありがとう。」
「うん、恋、楽しかった。」
「ボクも久々に本気が出せたよ。マルス、ありがとう。」
晃一がフリードと対峙していた頃、淫の領内にある山の一つ、そこではマルスと恋、メリュジーヌの3人が訓練をしており、その余波により山は形を変えていた。
「ふぅ、書簡仕事ばかりだと鈍るなぁ。」
「今は平和なんだし、それも仕方ないと思うけどね。」
「恋、平和好き。ご飯が美味しい……!」
「恋はいつもでしょ?」
他愛もない雑談をしながら城に帰っていく3人、そんな時、マルスの影から思春が現れる。
「マルス様、至急お伝えしたいことが。」
「何だ、思春?何かあったか?」
「アルジェントより、晃一が危ないとのことです。」
「……なに?」
思春のその言葉を聞いた瞬間、マルスは王の顔になる……。
◆◆◆
そんな中、晃一とフリードが戦っていた場所、そこでは“
「水の技と武術、かぁ。なかなか楽しめたよ。さて、あとは“楽しみ”が来るのを待つだけだ。」
“白い鎧の男”はそう言うと、空へと飛んで消えていった……。
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