そして“銀”に“白”が出会う。
駒王町から外れた所に在る寂れた廃教会、その地下室には巨大な釜があり、中にはグツグツと煮え滾るお湯が沸いていた。
その光景を見ていたフリードが何やら忙しなく動いている男、バルパー・ガリレイに声を掛ける。
「うへぇぇ、すごいグツグツ煮えてらぁ。なぁ、バルパーよぉ、この釜でなにか作るわけ?」
「クククッ!この釜にはなぁ、特殊な薬品と湧き水で沸かした蒸留水を精密なバランスで配合していてな。この中に魔力の高い存在を入れると、それそれは良い魔結晶が出来るのだよ。」
「そこに“あいつ”をぶち込むわけ?」
フリードが視線を向ける先には、手足を縛られ、猿轡をされている晃一が横たわっており、バルパーは晃一を見て下卑た笑みを浮かべた。
バルパーは晃一の純度の高い魔力に興味を持ち、彼を素材にすれば最高の聖剣が造れると思ったのだ。
「今までの不良品どもとは比べ物にならない程の純度の魔力……!あれだけの魔力を宿した者ならば、良い素材になり、さらに最高の聖剣が生み出せるだろう!!
さぁ!!いよいよ新たなる聖剣誕生の時だ!この小僧を生贄に「させるとお思いかしら?」!?」
その声と共に後ろを向くと、そこには兵藤 一誠を除いたオカ研の面々と数人の男女が立っていた。
「あれれ〜?リアス・グレモリー達かよ。良くここが分かったなぁ。てか、あの鬱陶しいガキは?来てたらぶっ殺そうと思ったのによ〜。」
「兵藤くんには知らせていないわ。あなた達はここで完全に終わらせてあげる。」
「ふんっ!邪魔をさせてなるものか!フリード、わしは聖剣の作成に入る。邪魔をさせるなよ!?」
「はいはい〜。んじゃまぁ、先ほど拝謁賜りましたエクスカリバーちゃんで悪魔達をぶっ殺しパーリィーしますかね♪」
「……下品で不遜な物言いね。お仕置きが必要かしら。」
「グレモリーさん、ここは俺がやります。
皆さんは先に行ってください。」
そう言って前に出たのは、銀髪の青年……レイリーであり、その手にはレイリーが主から賜った剣が握られている。
「あれあれ?悪魔の味方するの。それじゃあ殺るしかないなぁ?」
「……本当に吐き気がする。お前みたいな奴が平然と生きてるのを見てると無性に腹が立つ。」
「はぁ〜〜?随分な上から目線じゃん。生意気でぶっ殺してぇ〜〜!」
「ならさっさと始めるか。時間の無駄だ……行くぞ。“アーサー”。」
その呟きと同時にレイリーの背後から、巨大な騎士の様な相棒たる存在、“騎士の覇王ソーディアス・アーサー”が剣を携えて現れたのであった。
「な、何だよその化け物は!?」
「俺の友、騎士の覇王であるアーサーだ。」
「アーサーって……まさか、アーサー王の事か!?お前もまさか聖剣計画の被検体か!?」
「
お前ら外道の集まりには。」
「あ"ぁ!?何だ『スパッ!』だって――――」ゴト
フリードはレイリーの抜いた剣の一閃によって、首を切り落とされた。その時に自分の胴と首が別れたのを見たが、声を上げること無く絶命した……。
◆◆◆
その頃、駒王町の一画にある公園、そこでは銀髪に黒スーツの男、マルスがベンチに座ってスマホを操作していた。
そこに1人の同じ銀髪をした青年が歩み寄ってきて正面で立ち止まった。
「探したぞ。この世界で最も強い気配の持ち主。」
「……。」
「ここ最近、悪魔や教会、天界に関係なく手を出して尽く殲滅し、手中に収めている淫魔がいるという話を聞いてね。今世の赤龍帝以上だと聞いていたが……
まさかこんな所でお目にかかれるとは思いもしなかったよ。」
銀髪の青年、ヴァーリ・ルシファーは笑みを浮かべながらマルスに挑戦的な笑みを浮かべる。
すると、マルスはスマホを見ながら答えた。
「……色々聞きたいことはあるが、人に質問する前にその闘気はしまった方が良いぞ。色々と勘違いされる。それと……その見え隠れしている白龍も下げたほうが良い。」
「っ!?まさか“アルビオン”に気付いていたとはね。キミはますます規格外だな……すぐにでも手合わせしたいくらいだ。」
「手合わせ、か。」
マルスは溜め息をついてスマホをしまう。そしてヴァーリの方を見た。その瞬間、ヴァーリは眼力だけで吹き飛ばされた。
「ぐぅっ!!?何だこの威圧感は!?魔王……いや、最早神のそれだ!?」
「この程度の覇気に恐れてたら、手合わせなんてしてられないな。悪いが、所用があるんだ。また今度な。」
「そうしてあげたいが、まだ付き合ってもらいたいな!今度はこちらも本気で行くぞ!!
ゴオオオオオオオオオオオオッ!!!
「……サイラオーグと同じか。」
白い閃光が止めば、全身を純白の龍のような鎧に包んだヴァーリの姿。空へ舞い上がり、閃光の如くマルス目掛けて拳を突き立てた。
しかしマルスは自身に向かって振られた拳を……さも当然のように左手ひとつで受け止めた。
「何!?この禁手を……白龍皇の鎧を纏った俺の拳を止めた、だと!?」
「確かに力と速さは中々だ。そこらの雑魚なら一撃だろうな?だが、これくらいの力なら
「っ!……はは、ははは!全く規格外だよキミは!!だがこちらが全力を出しているのに、そちらは全力を出さないのは無礼ではないかな?」
「ほう?無礼か……それは失礼した。なら言った以上、
起きろ、
マルスの呼びかけと共に、彼の中に眠る巨大な皇も帝も超えた激しき竜王が目を覚ます。
『ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』
「な、何だ!?そのドラゴンは!?」
「俺の相棒、“激竜王”ガイアール・オウドラゴンだ。あと、確かこうだったか?……
「!!!!?」
ヴァーリは驚愕した。相手は自分の禁手を見ただけで容易く禁手化をしてみせたのだ。禁手化の光が収まれば、そこには赤黒い竜王の鎧を纏ったマルスの姿が。
その放たれる威圧感にさしものヴァーリも離れようとしたが、マルスはそれを許さず一瞬で懐に入り、ヴァーリの腹部に拳を振り抜く。
ズガアアァァッ!!
「がはぁぁぁっ!!!?」
たった一撃。拳の一撃を受けただけで禁手化した鎧がバラバラに砕け散った。吹き飛ばされた先の木に激突して止まるが、ヴァーリはもう身体が動けなかった。弱々しくマルスに手を伸ばすが、受けたダメージがあまりに重く、そのまま気絶してしまった。
そんなヴァーリの姿を見たマルスは、ヴァーリに歩み寄ると、彼にある魔術をかけてからバーゲストを呼んだ。
「マルス様、お呼びでしょうか?」
「バーゲスト。悪いがこいつを淫の俺の部屋に運んでくれ。……任せてもいいか?」
「承知いたしました。」
バーゲストがヴァーリを抱えて淫に戻ると、マルスはリアス達の下へと向かうのであった……。
次回、コカビエル死す!
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