レイリーがフリードを倒し、マルスがヴァーリを倒したちょうどその頃、リアス達一同は晃一を攫ったバルパーを追って、郊外の森に来ていた。
「はぁ、はぁ!くっ!?しつこい奴らめ!!」
「さぁ、追いかけっこは終わりよ。今彼を解放すれば半身消滅で済ませてあげるわ。どうするのかしら?」
「くくくっ!誰が悪魔などの言葉に耳を貸すか!第一、貴様らは誘い込まれたのだ!!」
「?誘い込まれた?」
バルパーは懐から水晶を取り出すと、魔力を水晶に込めていく。すると、空に巨大で分厚い大剣が現れて、その切っ先はリアス達を捉えていた。
「くくくっ!!それは自我を持つ聖剣!名を
巨大な聖剣の刃がリアスへと迫る中、リアス本人は自分に迫る刃に向かって――
「はっ。」
バキイィィィイイイインッ!!!
片手で弾いて粉々に砕いたのであった。
「へ?」
「なるほど?それなりには硬いみたいね。でも、私を堕とすには“熱さ”が足りなかったみたいね❤」
「ば、馬鹿な!?え、巨人の聖剣が!!?
(あ、あり得ん!?巨人の聖剣の頑強さは山をも抉るほど!!それを、たかが女悪魔の細腕で砕かれるなどあり得ん!?)」
「それじゃあ、さようならね❤」
「や、やめ『パァン』―――」
バルパーは晃一を置いて逃げようとするが、リアスは破滅の魔力を使い、バルパーを破裂させて抹消し、彼は灰となってこの世から消えたのであった。
そんな中、朱乃が晃一に近付いて脈を測る。
「朱乃、小猫、どう?」
「大丈夫、眠っているだけですわ。かなり弱っていますが、休めば回復するでしょう。」
「相棒の方も問題なさそうです。」
「そう。それは良かったわ……それで、いつまで隠れて覗き見しているつもりかしら?……堕天使の長、コカビエル。」
リアスが振り向かずに後ろへ問うと、そこには黒髪の長髪に白スーツ、堕天使の証したる黒い翼をした男が空に立っていた。
「これはこれは、グレモリー家の淑女に名を覚えてもらっているとは。光栄な事だ。」
「慇懃無礼な挨拶はいいわ、堕天使コカビエル。貴方が陰で行ってきた悪行も全て解っているし、何より、貴方が神の名を騙って女の子を攫っていることは周知しているわ。」
「これはこれは、随分な物言いだな?
何か証拠はあるのかな?」
「ウチには有能な人材が多くてね。貴方が教会の人間に甘言を流して、甘い汁を啜っている事を既に知っているわ。」
「ほう?そこまで言うとは……流石はリアス・グレモリー、挑戦的な小娘だ。だが、ここで貴様らを打ちのめし、我が雌奴隷にしてくれるわ!!」
コカビエルは光の槍を召喚すると、リアスに向けて放っていくが、リアスはその槍の雨を最小限の動きで躱していく。
優美な動きで用意に躱していくリアスの余裕な表情に、コカビエルは一瞬ムッとするが、それでもまだ自分が有利だと思っているようで攻勢を緩めない。
コカビエルは光の槍を打ち止めると、今度は光の輪を生み出して、リアスへと投擲する。
次にコカビエルが選んだのは、貫くのではなく切る攻撃であり、それを読んだリアスは服を僅かに切り裂かれるだけで済むように躱すが、服はズタズタに切り裂かれていく。
「……随分余裕ではないか小娘。何様のつもりか知らないが、次で終わりだ。」
「そう?それは構わないのだけど……ふぅ、暑いわねぇ。」
「!?」
そう言ってリアスは突然ボロボロになった服を脱ぐと、待っていたのは生まれたままの裸のリアスではなく、美しい赤のビキニタイプの鎧を身に纏った姿だった。
そして、リアスの右腕には赤黒い籠手が填められていたが、コカビエルはそれよりもリアスのオスを誘う肉体を魅入っていた。
悪魔の女になど欲情するはずがない。
そう思っていたコカビエルの眼前にいるリアス、彼女から漂ってくる強い雌の香りに、股間を熱くさせていく。
「ふ、ふんっ!流石は卑しい女悪魔らしいだらしない身体だな!」
「そう言いながらアソコを勃起させてるのは、誰かしら?」
「!!?」
「でも……そんな粗末な物じゃ誰も感じさせられないでしょうけど❤」
「っ!!!?この雌がぁぁぁぁぁっ!!!!!!だったら叩きのめして犯してくれるわ!!!!!」
「琰魔竜の盾!」
リアスのあからさまな挑発に怒ったコカビエルは、光の輪と光の槍を無尽蔵に作り出して、リアスに向けて放っていくが、その攻撃は黒い竜の盾で防がれる。
コカビエルは怒りで頭が爆発しそうになっていたが、リアスが例え死んでも駒を使って、転生させて奴隷として使えば良いと考えていた。
そして土煙が止み、ボロボロになっているリアスを見ようとするも、そこには無傷で立っている彼女がいるだけであった。
「な!?ば、馬鹿な!?何故、何故生きているのだ!?あれだけの浄化の光を受けて平気な訳が無い!!
あの黒い盾といい、一体何なのだ!?」
「騒がしいわね。この程度なんてこと無いわ。それに、私、貴方に構ってる暇が無いの。
さぁ、行くわよ……“琰魔竜”レッド・デーモン!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!
リアスの右腕の篭手から深紅の光が現れ、彼女の背後から一体の巨大な黒いドラゴンが現れる。
琰魔竜レッド・デーモン、このドラゴンがリアスがマルスから賜った竜であり、かつて何体もの竜を襲い、喰らったとされる恐怖の竜である。
「おい、リアス。あのカラスもどきを食えば良いのか?」
「そうよ、ただし楽に殺してはダメ。じんわりと、ゆっくりと己の身の程を教えてあげるの。」
「ふんっ!容易い!ゴアアアアアアアアアアアっ!!!!」
「っ!!?く、来るな化け物!!?」
コカビエルは必死に逃げ惑うが、レッド・デーモンはまるで余裕とばかりに彼を追い立てながら攻めていく。
レッド・デーモンの硬い鱗はコカビエルの光を受けてもびくともせず、コカビエルは逃げ惑う事しか出来なかった。
そんなコカビエルに飽きたのか、彼に追いつくと尻尾で地面に叩きつけ、その衝撃でコカビエルは動けなくなり、リアスはそんな彼に歩み寄る。
右手に破滅の魔力と琰魔竜の魔力を混ぜた、黒い魔力を纏わせながら。
「貴方を倒して、さっさと終わりにするわ。」
「ま、待って……くれ……!頼、む……。」
「駄目よ。それじゃあね、堕天使さん❤
破滅の龍光!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
「や、やめ…………!!!?」
リアスの放った赤黒い魔力を受けたコカビエルは、身体が塵のようになって崩れていき、虚しく声を挙げる暇もなく消え去ったのだった。
「ふぅ。何となく感覚で使ったけど、悪くない感じだったわね。」
「お疲れ様ですリアス。とても激しい魔力でしたわ。」
「流石です。」
「朱乃、小猫、ありがとう。はぁ、疲れたし淫に帰ってお風呂に入ってからみんなの相手したいわ。魔力を補給しなきゃ。」
そう言ってリアスは朱乃、小猫を連れて淫に戻るのであった。
そして、ちょうどその頃……。
マルスがある場所に向かおうとしていた時に、リアスを探していた兵藤 一誠と出会い、喧嘩を売られたが軽く叩きのめしていた。
「……もしもし、俺だ。今さっき邪魔が入ったが、これから京都の方に向かう。それと、少々邪魔が入ったから帰りが遅れる。帰るまでの間、蓮華と桃香、華琳に権限を預ける。また連絡する。」
「ぐっ!!?こ、この野郎……!?」
「ずいぶんと喧嘩腰じゃないか。俺はお前に何かした覚えは無いんだが?」
「ふざけんな!!リアス部長がお前と親しげに話してるのを見たんだ!!!それに俺に対しても素っ気なくなって……お前が部長や朱乃さんになにかしたんだろ!!?」
「ずいぶんな言い草だな。生憎だが俺はお前に絡んでる暇はない。」
「ふざけんな!!!叩きのめしてでも逃さねぇ!!
ハアアアアアアアッ!!!!」
「しつこい男は嫌われるぞ。」ドシュッ!!
「けふっ!!?」
「その力と記憶、奪っておくか。」
マルスのその言葉の後に一誠の意識は暗転するのであった……。
その後、マルスは一誠を彼の自宅のベッドに転移させると、新たな獲物を求めて“京都”へと向かうのであった……。
いよいよ“狐”を狙います。
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