もし、あのとき、あのあと少女たちの身に悲劇が√ 作:クラーク・マッケンジー
金城は、常に不機嫌だが、今日はいつもより不機嫌だった。
壁に背を預けて、ハムの様な腕を組み踵で床を鳴らす。ニキビだらけの弛んだ頬を吊り上げて、豚っ鼻からフゴフゴと荒い息を吐きながら、何度も何度も時計を見ては舌打ちを繰り返す。
「いつまで待たせんだよ、クソがッ」
腹違いの弟と比べられ、常に苛立ちを覚える金城は、その鬱屈した感情を同じ学園の生徒や有名人の N を炎上させて晴らしている。
しかし、今日に限ってスマホの充電をし忘れ、朝礼のときには充電が切れてしまった。
「チッ、クッソ遅えな。マジムカつく」
その上、予定の時間になっても迎えの車も来ない。金城は苛立って、無意味に校舎を歩き回り始めた。画面が真っ黒なスマホをいくら眺めようがどうにもならず、金城には普段の行いから充電器を貸してくれる友人もいない。
そんな金城の耳に、不愉快な羽音が届いた。ギョロっと血走った瞳を向けると丸々太った蚊が一匹、金城の眼前を飛んで行った。途端にうなじが熱を帯びる。
「クソ! 痒ぃい! クソクソ! 死ね!」
金城は蚊を叩き潰そうとした。しかし縦横無尽に飛び回る蚊を仕留めることはできない。さらに腹立たしいことに、蚊は逃げ去ることな金城の周りを煽る様に飛び回る。
「クソが! 死ね! 死ね!」
金城は何度も空中で両手を打ち鳴らすが短い手足に太った身体では一向に仕留められず。無様なその姿をさらに嘲笑うかの様に蚊が飛び回る。そのまま、一生蚊と鬼ごっこを続けるだろうと思われたが、蚊を追って曲がり角を飛び出しながら、「パンッ!」と手を叩くと、打った手のすぐそばに浮世離れした美貌が現れた。
「ゲッ! く、九条」
そこにいたのは、学園の上位カーストに位置する美少女であるアリサ・ミハイロヴナ・九条だった。金城は滝の様な汗に塗れた冴えない顔を歪めながら、しどろもどろに言う。
「九条、その、今ちが、蚊がな。痒くて」
元々、上位カーストの人間を嫌っている金城だが、純日本人ではないのにこの学園の生徒会長になろうとしているアリサのことは特に嫌っていた。討論会の際にはヤジを飛ばしていたほどだ。そんな相手に不意に出くわし、金城はしどろもどろに言葉を放つ。
しかしアリサはそんな金城の言葉に何の反応も返さない。
「く、九条?」
立ったまま、カクンと落ちた頭。恐る恐る覗き込んだサファイヤの様な瞳は焦点が合っていない。
「おい、なんだ? ふざけてんのか? 揶揄ってんのか? おい!」
金城は無反応なアリサを、だんだんと苛立った金城は怒鳴りつける。
「おい! 聞いてんのか? 九条!」
しかし、それでもアリサは無反応。その長いまつ毛を伏せたまま、ピクリとも動かない。
「クソッ、なんなんだよ。聞こえてんなら返事しろよ!」
「……Да」
怒りのまま金城が声を荒げると、物言わぬ人形だったアリサの微かに開かれた唇の間から、小さな声が漏れた。
「何つったんだ?」
「……Да」
「あ? 何だ? ロシア語か? ちゃんと日本語で言えよ!」
「……はい」
アリサは金城に顔を向けると、抑揚のない声で返事をする。その生気の無い表情と虚ろな瞳に金城は一瞬気圧される様にたじろいだが、すぐに気を取り直して叫ぶ。
「返事してんじゃねえよ! 俺の言ってること聞いてんのか? 無視すんなよ、おい!」
「はい……聞いてる」
そんな怒鳴り声に対してアリサは機械の様に淡々と返事をする。だんだんと、金城はアリサのその無反応さが不気味に思えてきた。
「おい、マジで揶揄ってんのか?」
「……揶揄ってなんていないわ」
「どうなってんだ? こりゃいったい……」
「……生徒会室で、催眠術の実験をしていたら、かかってしまったの」
「は?」
金城が呆けた声を出す。
「催眠術? 催眠術って、あのテレビとかでやってる、胡散臭いやつか?」
「……そう。久世くんが本に書かれた通りにやったら、催眠術にかかってしまったみたい」
アリサはまたも淡々と返す。その無表情な顔と抑揚のない声、現実味のない話から、彼女が正気であるとは金城には思えなかった。タチの悪い冗談だと切り捨て様にも、アリサが金城にこんなことをいう理由がない。ドッキリかと思って辺りを見回すが、近くには人影どころか隠れられる様なスペースもない。
「つまりなんだ? 久世がかけた催眠術のせいで俺の言うことを聞いてるってことか?」
金城は半信半疑でそう訊ねると、アリサはコクリと頷いた。
「……はい」
「そうか……」
現実味のない話だ。今でも八割方嘘だと金城は思っている。
「……そうかぁ」
ムクムクと湧き上がる欲望が金城の胸を高鳴らせる。そこいじの悪さが滲み出た眼がアリサの身体を上から下へ舐める様に見る。
いつもなら「孤高のお姫様」にこんな視線を向ける男は侮蔑の眼差しで射抜かれるが、いつまで経ってもその冷たい眼差しも、侮蔑の言葉も飛んでは来ない。
無表情のまま動かないアリサの姿に、金城はスラックスの上柄でも分かるほどビンビンに勃起ししていた。
「九条、着いてこい」
「……はい」
金城は人気のない場所を目指して歩き出した。選んだのは、校舎外れの多目的トイレだ。
アリサは金城に言われるがままに、多目的トイレへと着いていく。その従順な姿に金城はほくそ笑む。
「着いたぞ」
多目的トイレの個室に入り、鍵を閉めると金城がアリサに言う。
「……はい」
しかしアリサはやはり機械の様に返事をするだけだ。そんな反応にも金城は気を悪くするどころかさらに笑みを深める。金城は便座に腰掛けると、目の前にアリサを立たせる。
「そうだなぁ。まずは……そうだ。土下座しろ」
「……はい」
アリサは言われた通りに便座に座る金城の目の前で、綺麗な土下座をしてみせる。サラサラとした長い銀髪が掃除されているとはいえトイレの床に流れる様に広がった。その無様な姿に金城はますます気を良くした様子で、ニタニタと笑いながら言う。
「おいおい九条さんよぉ、マジで催眠術かかってんのか? そんな簡単に言うこと聞くなんてよお?」
「はい……私は今、催眠術にかかってます……」
「へへっ! じゃあよ、謝れよ!」
「……ごめんなさい」
「何に謝ってんだよ?」
「……ごめんなさい」
金城は太ももに肘を付けて顎を撫でる。
「何が悪いか分かってねぇみたいだな。仕方ねぇから教えてやるよ。感謝しろ!」
「……ありがとうございます」
「あのなぁ、伝統ある征嶺学園の生徒会長はこの国のリーダーにふさわしい人間がなるもんなんだよっ! お前みたいな、外見だけの雑種の平民がなれるもんじゃねえし、なろうって考えることが烏滸がましいんだよッ! 分かるよなぁ! 分かるって言えよッ!」
「はい……私は征嶺学園の生徒会長にふさわしい人間ではありません……」
「そうだろうが! だからよぉ、土下座して謝れよ。お前みたいな雑種の平民が、俺の上に立とうとしてすみませんでしよってな」
「はい……私は征嶺学園の生徒会長にふさわしい人間ではありません。私なんかが、あなたの上に立とうとして申し訳ございませんでした……」
「へっ! そうだよなぁ!」
金城は満足げに笑う。
ここまで来れば金城はもう完全にアリサが催眠状態であると信じていた。
「謝って済んだら警察はいらねぇよな、九条」
「はい……」
「俺をイライラさせたんだから、責任とれや」
「はい……私は金城くんをイライラさせてしまったので、責任をとります……」
「そうだ。じゃあ、責任とって服を脱げ」
「はい……金城くんをイライラさせてしまったので、責任をとるために服を脱ぎます……」
アリサは無表情のまま立ち上がると、学制服のボタンを外し始める。その一挙手一投足もまるで人形の様に機械的だ。そうして、白いシャツを脱ぐと淡いピンクのブラジャーに包まれた大きな胸が露わになる。その扇情的な光景に金城は思わず舌なめずりをする。
「へへっ! 良い眺めだな!」
「……ありがとうございます」
「じゃあ、次は下を脱げ」
「……はい」
アリサがスカートの留め具を外すと重力に引かれて床に落ちる。トイレの床に落ちたスカートから、白いソックス、白い肌のにブラジャーと同じピンクのショーツへと視線が移る。
「そのままゆっくり回ってみろよ」
その指示に従って、アリサはその場でゆっくりと回り始める。
「へへ……エロい身体してんな」
金城はゴクリと唾を飲む。細身ながらも女性らしい柔らかさを感じさせる肉感的な肢体に、たっぷり盛られた乳房と形良い尻に思わず目が釘付けになる。
「……うぉ」
金城が感嘆の声を漏らす。この美少女のストリップ前にしては、疑心は消え去り金城の股間が熱くなる。
「へへ……九条」
金城はアリサに近づくとその胸元へと手を伸ばした。
「ーーおっと、触る前に聞いとくか。催眠はどうなると解除されるんだ?」
「……マーシャは肩を叩かれると催眠がとけていたわ」
「なるほどな。じゃあ肩に触らない様にすればいいのか」
「はい……」
下着姿のままコクンと頷くアリサ。その均整の取れた美しい肢体に金城は舌なめずりをすると、彼女の胸を鷲掴みにする。
「うぉ、柔らけえな……」
ブラジャー越しに感じる柔らかい感触に、金城の顔がだらしなく緩む。
「……っ」
アリサは無表情のまま、小さく息を漏らした。無抵抗なアリサの胸に指を這わせ感触を楽しむ金城。日本人離れした雪の様に色白な肌に指を押し込むとどこまでも沈んでいく。
「九条の胸、マジででけえし、柔けえな」
金城が鼻息を荒くして、アリサの胸を揉みしだく。
「なあ、他の奴に……久世のやつに触らせたことはあんのか?」
「いいえ、まだ誰にも触らせたことはないわ」
「へえ、じゃあ俺が九条の初めてなんだな」
「はい……あなたが初めて」
コンプレックスの塊である金城にとって、比べられる相手がいないのは気分のいい。金城はさらに調子に乗って、水色の下着をグイと上に引き上げる。ブラジャーと一緒に胸が持ち上がり、下乳と胸の間の蒸れた空間から、アリサの甘い体臭を濃縮した様な匂いが立ち込める。
「ーー! うぉお……!」
その匂いに金城は一瞬で理性が吹き飛び、匂いの元に顔を埋めた。
「あぁあ? 何だこれ? マジヤベェ。女って全員こんな匂いがすんのか?
それとも、九条だからか?」
アリサの胸を頭に乗せたまま、鼻先を直接彼女の肌に擦り付け、肺いっぱいに匂いを吸い込む。肺がアリサの香りで満たされる感覚に金城は酔いしれる。
そしてーー、
「レロォ」
「ーー!」
金城の白い舌苔塗れのナメクジのような舌に乳房の付け根を舐められて、アリサの体がビクッと跳ねる。
「レロレロぉ」
「ーーっ!」
そして、そのまま舌を滑らせて、乳房の頂き、乳輪手前まで舐め上げる。
「匂いは甘いのに、しょっぺえな」
「ーー、……」
「でも、うめぇよ。九条の胸はよぉ!」
金城はそう言うと、またも舌を滑らせて今度は乳房にしゃぶりつく。
「レロレロぉ! ジュルルルゥウ!!」
「……ぁ、……!」
アリサが思わず声を上げる。
「何だ? 感じてんのか? 正直に答えろよ」
「はい……金城くんに胸をしゃぶられて、感じてるわ……」
普段であれば、金城相手にこんなことをされても嫌悪感からアリサが快感を覚えることはなかっただろう。しかし、催眠によって相手が誰であるかというフィルターなく、ただ行為が純粋に身体に働きかけた結果、アリサは甘い疼きを感じていた。
「そうか、なら今度から感じたならもっと喘げ。とびきり下品にな! レロレロぉ! ジュルルルゥウ!!」
アリサの言葉に気を良くした金城はさらに激しく乳房を責め立てる。
「ーー! あ……ん、うっ……ぅぁ……はぁ……ぁっ!」
「いいぞぉ! もっと喘げぇ! レロォ」
「あっ……ぁ、あぅ、っんん!」
アリサの新雪の様な穢れない肌が唾液のテカリと、所々に紅斑が浮かび上がっていた。独りよがりな胸責めにも、催眠状態のアリサには快感としてしか伝わってこない。
「あぅ、はぁ……ん、ぁっ!」
金城がようやく乳房から口を離す。彼の唾液でテラテラと光る胸の頂上、アリサの乳首は限界まで勃起し、フルフルと震えていた。ショートケーキのイチゴの様に、最後に取っておいたそれに、金城はゆっくりと唇を近づけていく。
「ーーふぁ……、あぁあああっ!」
興奮を隠せない金城の鼻息でも感じてしまうほど、下ごしらえされたアリサの乳首。金城がそれに歯を立てれば、それだけで彼女は軽く達してしまう。
「あはぁ! んっっんあぁぁ!」
身を震わせるアリサ。ビンビンに勃起した乳首は、コリコリと弾力があり、金城はその感触を楽しみながら舌で乳首を転がす。
「あはぁ! あっっんん! ああ!」
金城の口の中で飴玉の様に弄ばれてアリサは何度も軽い絶頂を繰り返す。そんなアリサの様子に気を良くした金城はさらに激しく責め立てる。
「あぁ……んぁぁ……やぁあ……」
片方の乳房を手で揉みしだきながら、もう片方の乳房に吸い付く。金城が口を離すと、唾液でテラテラと光る乳首はイチゴの様に真っ赤に充血し、ピンと上を向いていた。
「レぉん、ちゅぶぶっーー。はぁ、はぁ……」
金城のズボンは股間部分がパンパンに膨れ上がり、頂上は色が変わるほど先走り液で濡れていた。
「やっちまいテェが、時間と場所がなぁ……。それにーー」
放課後の校内とはいえ、これ以上時間をかければリスクは増す。どうせやるなら、場所を変えたい。迎えの車も、もうとっくに来ているだろう。何より、どうせなら彼女の痴態を映像で残したい。自分が彼女を支配している様を、永遠に残しておきたい。金城は思考の大部分を劣情に支配されてなお、生来の意地汚さ故に保険を欲していた。
「あ〜ちくしょう。スマホが有ればなぁ……。って、そうかぁ、九条」
「……はい」
「お前のスマホを貸せ。ロックを外してな」
「……はい」
アリサは、脱ぎ捨てた衣服の中から、スマホを取り出すと、金城に手渡した。
「へへっ! これで最悪、催眠が解けちまっても、脅せる材料が手に入ったぜ。おい、九条」
アリサのスマホを手に、再び便座に腰掛ける金城は、カメラを起動すると彼女に命じる。
「お前は俺の合図の後、そうだなぁ……。時間もねぇから、俺のモノを扱け! いやらしく、丁寧にな」
その言葉の後に、アリサの頭がガクンと前に倒れ、直後ぼんやりとした表情で顔を上げた。その様子に催眠がかかった事を確信した金城が録画ボタンを押すと一拍後、合図を出す。アリサのスマホに下着姿で、紅潮した彼女の姿が記録される。
「ほら、早くしろ」
「……はい」
アリサは金城の前で跪くと、彼のベルトを外しズボンのチャックを下ろす。
むわっと雄の匂いがアリサの鼻に突き刺さる。ボクサーパンツを押し上げ、パンパンになった金城の逸物。
「ッォォオオ!」
アリサは下着越しに金城のモノを撫でる。不意に与えられた刺激に金城の身体は跳ね、ボクサーパンツから亀頭が飛び出した。アリサはそのまま形を確かめる様に指を這わせる。
「クッ! 自分で触るのとは、全然、ちげぇッ!」
「……」
アリサは無言で金城のモノを取り出すと、それを上下に扱く。先走り液で十分濡れた金城のモノは、アリサの手の上下運動に合わせてヌチュヌチュと湿った音を立てていた。彼女の手はひんやりと冷たく、それがまた金城には快感だった。
「マジやべぇーーけど、黙ってやられるのがなぁ。そうだ、いつもみたいな口調で喋れ。表情もな」
「……はい。ーー何? 私の指で感じてるの?」
途端にアリサの瞳は虚なまま、口元にニヤーっとした笑みを浮かべた。 紅色に染まった頬と合わせ酷く蠱惑的な、悪戯っぽい表情を浮かべると、指の動きが単調な上下から、指がバラバラに動いて動きに変化をつけてきた。
「ーーッ! クゥ!」
「あら、どうしたの? そんなに私の手でされて気持ちいいの?」
アリサは愉しそうに金城を責めて笑う姿は、我儘お姫様と言った様子だが、やっていることは歴戦の娼婦のそれである。
金城の肉棒がピクピクと震えるのを、嬉しそうに見るアリサの姿が記録されていく。
「ーーッ! あ、あぁ! 気持ちいいぞ!」
「へぇ〜そうなんだぁ? じゃあ、もっと気持ちよくしてあげるわ」
アリサは金城の亀頭を掌で撫でると、反対側の手で彼の陰嚢を揉みしだく。
「うぉ! それ、やべっ!」
「ふふ……気持ちいいのね?」
アリサは手コキと玉揉みで金城を責める。
「あぁあ! やべぇって、マジで」
「……そう。そんなに気持ちいいのならーー、だ、射精してもいいのよ?」
「ーーッ!!」
アリサの囁きに、金城は呆気なく射精した。
「キャッ!」
ブルルルッっと爆音を幻聴が聞こえるほど、激しい射精。鈴口にアリサの手がなければ間違いなく彼女に降り注いでいたであろう、夥しい量の射精にアリサは驚き、思わず声を上げた。
「はぁ……はぁ……」
射精の快感で頭が真っ白になる金城。床に垂れた精液の匂いが立ち込める中、アリサは自分の手のひらに残るその雄汁を眺め……、徐にそれを口に運んだ。
「ーーん」
そして、そのまま舌で舐めとると、ゴクリと喉を鳴らして飲み込む。それを信じられないものを見る目付きで見つめる金城。
「ーーッ! お、お前……」
「……苦いわ」
アリサは顔を顰めてそう言いつつも、手に付着した金城の精液を舌で舐めとり始めた。
「……何よ。男の人ってこうして上げると喜ぶんじゃないの?」
「あ、あぁ。そうだけどよ……」
「なら、黙って見てなさい」
アリサはそう言うと、金城の射精を受け止めた掌から指の一本一本まで舌を這わせて精液を舐めとっていく。その様子に金城は思わず生唾を飲み込んだ。そして、金城の肉棒が再び熱を帯始めーー、
「もういい! 十分だ!」
金城がストップをかけた。これ以上は目に毒だった。
「……そう」
「どこで覚えたんだよ……。もしかして久世の奴とヤリまくってんのか?」
「そんなわけ無いじゃない。久世君とは……、まだそんな関係じゃないもの」
「じゃあ、どこで……」
「これくらい、ファッション雑誌に載ってるわ。初めてだったけど、どうだったかしら?」
アリサは小首を傾げて金城に訊ねる。
「あ? あぁ……良かったぜ」
「そう、ならよかったわ」
アリサはそう言ってニッコリと笑った。金城はこの場で、やってしまいたい衝動を何とか抑え込む。
「とりあえず、床に溢れたやつ、片付けとけ」
金城のその指示に従って、アリサはトイレットペーパーで床に飛び散った精液を拭き取り始めた。その間に、金城は自分の股間汚れを拭うと、今録画したデータを自分のスマホに転送する。もちろん、忘れずにアリサの携帯のデータは削除しておく。そして、少しだけスマホを操作すると、
「さてと、じゃあそろそろ帰るか……。九条!」
そう言って、便座から立ち上がりズボンを履く。アリサも床に飛び散った精液を拭き取り終えると、下着姿のまま立ち上がる。
「いいか、よく聞けよ。ーー……」
◇◆◇◆◇
「……あれ? 私、寝てたの?」
アリサは、目を覚ますと辺りを見回した。彼女がいるのは、見慣れた生徒会室だ。どうやら仕事中に寝てしまっていたらしい。
「あれ? もう、今日は帰るつもりで、昇降口に向かって、夢? ーーって! もうこんな時間!?」
壁に掛かった時計を見ると、時刻はいつもならとっくに帰る時間をゆうに回っていた。慌てて携帯を確認すると、心配性の姉であるマリヤからのメッセージ通知で画面が埋まっていた。
「……はぁ」
アリサはため息をついて、マリヤに電話する。
「もしもし、マーシャ。無事って……、別に何も無いわよ。生徒会室で仕事してたら、少し寝てしまっただけ、今から帰るわ」
アリサが電話を切ると、席を立つと背中を伸ばした。
「何だか喉がイガイガするし、風邪かしら」
アリサはそう独り言を言うと、生徒会室を後にした。
◇◆◇◆◇
数日後、金城はとあるホテルの一室にいた。
彼はベッドに腰掛け、祈る様に指を組んで、部屋の扉を穴が開くほどに見つめていた。
ここ数日は、アリサの手淫の映像を見返しながらオナニーに耽る日々だった。そしてようやくホテルや録画機器等全ての準備が済み、アリサを呼び出すことにした。
あの日、金城がアリサにかけた催眠は4つ。『今後金城の言動に疑問や違和感を持たない』、『金城からの着信には必ず出る』、『携帯越しに金城の声を聞いたら催眠状態になる』、『毎日、動画などでセックスの予習をしておく』である。先ほど電話をかけて、ホテルに来る様に命じたが、実際に来るかどうかは賭けになる。果たして、本当に上手くいくのか。やっぱりあの日犯しておくべきだったのではと、思う事数十分。
「ーーッ!」
コンコンとドアノッカーの音に反応して顔を上げる金城。彼はすぐに立ち上がると扉まで歩いて行く。そして、扉を開けるとそこにはアリサが立っていた。
色白な肩が丸出しになった黒いオープンショルダーのトップスにチェックのスカートという、学園の制服とはまるで違う装いのアリサ。
「ーーぅお」
金城は思わず、ゴクリと唾を飲み込んだ。今すぐその身体を貪り尽くしたい衝動が身体中を駆け巡る。
「……来たな」
「ええ、来たわよ」
しかし、その感情を何とか押し殺し、平静を装うと部屋に招き入れた。
今回は初めから普段通りの言動で振る舞う様に命じてある。ただ、これから行われる行為に違和感を覚えない催眠は掛けている。
「じゃあ、入れ」
金城が促すとアリサは部屋に入ってくる。そして、扉を閉めるとーー、
「ぐちゅッ―――ぢゅるるッ! れろぉ、んちゅ」
「ーーッんんんん!」
金城がアリサの頭を抱える様に抱きしめると、目の前の唇を奪った。アリサの桜の花弁の様な瑞々しい唇に、金城の荒れ放題の唇が重なる。
「ちゅ、んッ! ちょ、っと、んんんーーっ!」
「ぢゅるる、んッ! ちゅ! れぉ」
金城の蛭の様な舌がアリサの唇を裂いて、アリサの口内に侵入する。アリサの歯茎や上顎を金城の舌が舐め回し、彼女の舌を絡み取り吸い上げる。
「んんん! ちゅぱッ!」
「ーーっふんん!」
あまりの激しさにアリサは息継ぎをする暇もなく酸欠になるが、それでも構わずディープキスを続ける金城。そして、唇を離すと二人の間に唾液で出来た糸が伸びる。
「はぁ……はぁ……、ちょっと、いきなりね」
アリサが顎まで垂れた二人の唾液を拭う。
「へへっ、我慢できなくてよぉ。でもいいだろ? 『お前は俺のことが大好きなんだから』、『俺に何をされても嬉しいよな』」
「それは、そうだけど……。ちょっとは落ち着きなさい。……こっちもよ」
そう言って落としたアリサの視線の先には、彼女のむき出しの脚に押し付けられた、金城のパンパンの張り詰めた陰部があった。キスの最中も、その存在を主張をしていたそれは、金城のズボンどころかアリサの太腿も、ネチャネチャの粘液で湿らせていた。
「まあ、ちっとは落ち着いたからよぉ。座れよ、九条」
「ええ、そうね」
金城に手を引かれてアリサは部屋へを入っていく。金城はムードもそっちののけで、アリサをベッドに座らせると、カメラの準備を仕出した。
「ねぇ、シャワーを浴びてきたいのだけど……」
「我慢できないから、そのままでいい。準備できたぞ」
「はぁ、わかったわ」
アリサは諦めた様にため息を吐くと、カメラのレンズに視線を移した。
「それじゃ、質問に答えろ。まずは自己紹介だ」
「アリサ・ミハイロヴナ・九条よ」
「名前だけじゃなくて」
「そんなの知ってるでしょ、……はいはい。私立征嶺学園高等部1年B組、生徒会会計をしているわ」
「年齢と生年月日」
「11月7日生まれ、15歳よ」
「何かそれを証明できるものはあるか?」
「証明って……、そうね……」
アリサは傍に置いた鞄から生徒証を取り出すと、カメラの前に翳した。
「これでいいかしら?」
「おう、サンキュー」
通常で有ればアリサはこんな迂闊な行為は行わない。しかし、催眠状態であるアリサは金城の指示に疑う事なく従う。
「じゃあ、脱いでいくか。座ったまま上だけで、下着もそのままでいいぞ」
「はいはい」
アリサは呆れを隠さずに返事をすると、トップスの裾を待ち上げて、ブラジャーを露出させる。
「ーーっ」
金城はゴクリと唾を飲む。アリサの雪の様に白い肌に映える黒いレースのブラが露わになる。
「でかい胸だな。何カップあるんだ?」
「……ギリギリEカップよ」
「へぇ、そうか。じゃあブラも外せ」
「ええ、わかったわ」
アリサはブラを外すと、それをベッドの上にそっと置いた。ブラジャーに包まれ、窮屈そうに収まっていたアリサの豊満なバストは、解放された反動で大きく弾みながら元の形に戻った。
我慢の限界を迎えた金城は、カメラはそのままに、アリサの隣に腰掛ける。血走った眼でアリサの乳房を凝視する金城の視線に、アリサは居心地が悪そうに身じろぎをする。
「ーーッ」
そして、そっとその双丘に手を伸ばすと、下から持ち上げる様に揉みしだく。
「んっ……」
「うぉ! 柔らけぇ!」
思わず感嘆の声を漏らす金城。手に吸い付く様な触り心地はまさに至高だった。そのまま胸を鷲掴みにしてたぷたぷと揺さぶると、それに呼応して乳房が形を変える。
「おお、改めて思うが、すげぇ……」
「ーーッ」
金城の掌に収まりきらない乳房を揉み続けると、アリサはくすぐったそうに身を捩った。その反応を見て、金城は一旦手を止める。
「なあ、今から何するんだ?」
「そ、それは……」
軽く閉じた指で口元を隠し、恥かしげに俯くアリサ。
「何恥ずかしがってんだよ。ちゃんと言えよぉ」
「その……、せ、セックスよ」
「そうだなぁ! 今から俺と九条はセックスするんだよなぁ!」
金城のテンションが上がる。アリサが自分との行為を肯定した。それだけで、射精してしまいそうだった。
「じゃあよぉ、どんなセックスするのか教えてくれよ」
「……気持ちよくなるためだけの、生産性のないセックスよ」
「つまんねぇ言い方だなぁ。まあいいか。それで、具体的にはどんな事をするんだ?」
「ぐ、具体的にって……」
「だから、具体的にだよ。例えばーー」
金城はアリサの首筋に舌を伸ばす。
「ーーッ!」
「こうやって首筋を舐めたり、キスしたり」
そのまま舌を滑らせて耳たぶを甘噛みする。
「あぅ……っ!」
アリサの背筋にゾワっとした感覚が走り、思わず声を上げる。そして、金城は次に彼女の乳房へと顔を近づけていく。
「ちゅる……れろぉ……」
「んくッ! ーーっはぁ」
金城はアリサのピンク色の乳輪を舌でなぞると、そのまま乳首へと吸い付いた。そして、舌先で転がすようにして刺激を与えると、すぐにピンと張り詰めた。
「ちゅぱ……れろぉ……」
「んん! っふ……ぁ!」
アリサの口から甘い吐息が漏れ、その表情は既に快楽に蕩け始めていた。金城は乳房から口を離す。
「ほら、他にどんな事をするんだ? ちゃんと予習してきたんだろ?」
「……ぁ、あっ……、それはーーんっ、ぅぁ……っ、んぅ……っ!」
「それとも、サボったのか? サボったなら、罰を与えないとなぁ」
金城はアリサの乳首を摘み、コリコリと刺激を与える。
「ーーッ! あ、ああ! した、したわ、ちゃんと、んんっ! み、見てきたぁーーぅん!」
「なら、早く言えよ。これから、どんな事をするんだ?」
「いっーー! い、いっぱいキスしてぇーーんんぅ!」
「どんなキスだ?」
「しっ、舌と舌を絡ませて、するっ、唾液まみれにぃ、んんっーー! な、なるキスーーんんっ! んむぅぅ!」
アリサが言い終わる前に金城は彼女の唇を奪った。そして、そのまま舌を伸ばして絡め合う。
「ちゅる……れろぉ……」
「んんッ! んっ! ふぅっ!」
最初は戸惑っていたアリサだが、すぐに自分からも積極的に舌を絡め始める。互いの唾液を交換し合い、口内を蹂躙し合う様な激しいディープキスに二人は夢中になる。やがてどちらからともなく唇を離すと、
「こんなキス、今までにしたことあるか?」
「はぁ、はぅ……、な、無いわよ。キスなんて、家族とのチークキスくらいで、それ以外は……」
息が上がったまま、少し口籠るアリサに金城は問いを重ねる。
「家族以外は?」
「その、……少し前に、久世君の頬にしたわ」
アリサは俯いて言い淀むが正直に答える。金城はその答えに、心の中の劣等感、嫉妬心が一気に燃え上がった。金城は乱暴に、アリサの顎に手を添えて持ち上げると、自分の方を向かせる。そして、再び唇を重ねた。
「んっ……ちゅる……んんっ! れぉ……ちゅぱっ! んん、んんぅーー!」
先ほどよりもより激しく絡み合う舌と舌。互いの唾液を交換し合い、それを飲み下すたびに頭がボーっとしてくる様な感覚に襲われる。酸欠で、意識も朦朧としてきてもなお、金城とアリサの唇は一片の隙間なく交わり続ける。
「んちゅ……れろぉ……んんっ! んっ、んんッ!」
金城はキスをしながらアリサをベッドに押し倒すと、そのまま馬乗りになる。
「き、金城、君……」
「もう、二度と久世の奴にそういうことするんじゃねぇぞ」
「え、ええ……」
「わかったな?」
「わ、わかった……。もうしないから……」
アリサは金城の迫力に気圧されながらも答える。その答えを聞いて満足したのか、少し表情を和らげる金城。
「ふふ、何? 嫉妬しちゃったのかしらーー! んんんっ! ちゅ……んむぅぅ!」
アリサが言い終える前に、金城は再び彼女の唇を塞いだ。そして、そのまま舌を滑り込ませる。
「んっ! ちゅ……れろぉ……」
今度は先ほどよりもゆっくりとした動きでアリサの口内を舐っていく。金城のふごふごと荒い鼻息とアリサの甘いが混じり合い、部屋の中には淫靡な水音が響き渡っていた。
「ん……ちゅるっ! んんっ! はぁ……んっ!」
金城の舌の動きに合わせるように、アリサも自分の舌を絡ませる。そのたどたどしい動きに金城は興奮し、さらに激しく責め立てる。
「んんっぅ! んちゅ……れろぉ……んんっ!」
「はぁ、はぁ……」
やがて、金城はアリサの唇から自分の口を離した。
「ご、ごめんなさい……、もう、言わないわ。だから、その……、もう、許して……ひぃゃーー!」
アリサは光のない潤んだ瞳で金城を見上げると懇願した。その仕草に金城の理性は完全に吹き飛んだ。そして、アリサの首筋に吸い付くとそのまま舐め回す様に愛撫を始めた。
「ちゅぱっ! れろぉ……」
「あぅ! はぁぁ!」
首筋から鎖骨へと徐々に下に向かっていき、乳房に到達するとその先端を口に含む。そして、舌先で転がすように刺激を与える。
「ぢゅぱっ……、ぢゅるるるるっ」
「んっ! ああっ、あっ!」
金城はアリサの乳房にしゃぶりつくと、そのまま強く吸い上げる。その度にアリサは身体を震わせて反応する。
「やぁっ、あっ! んんっ! あぁーー♡」
そして、カリッと乳首に歯を立てられた刺激で、アリサの身体が大きく跳ねる。ピクピクと小刻みに震えるアリサのスカートは股の部分から、じんわりと水気を吸って変色していた。
「はぁ……、はぁ……」
アリサは顔を紅潮させ肩で息をしている。その姿に金城の股間は痛いほど張り詰めていた。
「何だ、先にイッちまったのかよ、九条」
「はぁ、はぁ……、だ、だって……」
「まあ良いぜ。俺は心が広いからな」
金城は立ち上がると、部屋に備え付けられた冷蔵庫からペットボトルのミネラルウォーターを二本取り出した。そして、そのうち一本をアリサに投げる。
「ほらよ」
「あ、ありがとう……」
金城は自分も水を飲むとカメラを三脚から外すと、それを手にベッドに腰掛けた。そして息を整え水分を摂ったアリサに命じる。
「ほら、自分が気持ちよくなった分、俺のモノも気持ちよくしてくれよ」
「わ、分かったわ……」
アリサは金城の股の間に跪くと、ベルトを外してズボンを下ろす。そして、下着の中から彼のモノを取り出すと、その大きさに思わず息を飲む。
「おいおい、どうした? 怖気付いたか?」
「そんなわけ無いじゃない」
「じゃあ、勉強してきた成果を見せてみろよ」
「言われなくてもやるわよ、……んん、ぇろーー」
アリサは口に溜めた唾液を金城の陰茎に垂らすと、それを潤滑油にして上下に擦り始める。
「どうかしら? 気持ち、いい?」
「お、おうッ……なかなか良いぞ」
アリサは亀頭部分を重点的に責め立てる。唾液で滑りが良くなった竿を手で握り上下に動かしながら、もう片方の手で陰嚢を優しくマッサージする様に揉みほぐす。
「だけど、これだと前回を一緒で成長が見えないなぁ」
「な、何よ! まだ、準備で、ここから本番なんだから!」
アリサはムッとして言い返す。金城はニヤッと笑って言った。
「じゃあ、それをしてくれよ」
「……分かったわ」
アリサは金城の脚の間に身体を入れて密着させると、金城にキスマークだらけにされたふわふわの胸で、金城の肉棒を包み込んだ。そして、そのまま上下に擦り始める。
「はぁ……っ、んんっ、んんっ。ど、どうかしら? 気持ちいい?」
「んぁあ、最高だぜ」
アリサは、自分の乳房が金城の陰茎を包み込み圧迫する感覚とそれをあの『孤高のお姫様』であるアリサがやっているという事実に、実際の刺激よりも遥かに大きな興奮を覚え始めていた。事実、その先端からは先走り汁が次から次へと溢れ出し、彼女の胸を汚していく。
「はぁ……んっ、ふぅっ、んんっ♡」
アリサは自分の胸で金城に奉仕をしているというシチュエーションに酔いしれていた。そして、自然と口からは甘い吐息が漏れ出していた。
「ふふ、【かわいい】」
「ん? なんて言った?」
「気持ちいい? って聞いたのよ」
「ああ、気持ちいいぜ」
「そう……。じゃあもう少し動かすわよ……」
アリサは金城の陰茎がアリサのきめ細やかな肌に刺激され続ける。
「はぁ……っ、んっ♡ んんっ♡」
アリサは乳房を上下させつつ、時折亀頭の部分を優しく撫で回す様に愛撫する。アリサの唾液と、金城の先走り液とが混ざり合い、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋に響く。
「はぁ……っ、んんっ♡」
アリサは熱っぽい視線で金城の肉棒を見つめる。そして、自分の乳房がその剛直を包み込む様に上下する光景にさらに興奮を高めていく。
「んぐっ、で、出ちまう」
「ーーいいわ、出しても」
アリサはそう言うと、さらに強く胸を押しつける。そして、陰茎を根元から搾り取る様に乳房を動かすと、ついに限界を迎えた金城の陰茎が大きく脈打つと鈴口から勢いよく白濁液が飛び出した。それはアリサの顔や髪に飛び散り汚していく。
「うぉッ!」
「きゃっ!」
勢いよく飛び出した白濁液がアリサの顔にかかり、その美しい顔を汚していく。しかし、彼女はそれを嫌がったり避けようとしたりはせず、むしろ積極的に受け入れていた。
「はぁ……っ♡ すごい量、それにすごい、臭い……」
前髪から精液を滴らせるアリサ。片目は垂れた雄汁で塞がれて、谷間には泡だった二人に体液が混ざり合ってできた白い水たまりができていた。それを彼女は前回の様に指で掬うと、口に運んだ。しかし、アリサは前回とは違い、真っ白でドロドロの白濁液をすぐには飲み込まず、真っ赤な舌の上に乗せると、金城に見える様に大きく口を開いてみせた。
「く、九条ーー」
「んっ……、ちゅるっ」
金城にしっかりとアピールした後、口を閉じてゆっくりと喉奥に流し込む。
「んっ……ごくっ」
そして、そのまま飲み込むと最後に大きく喉を鳴らした。その一連の動作を金城は瞬きもせずに見つめていたが、アリサの喉が上下するのを見て我に帰る。
「はぁ……っ♡ どう? 気持ちよかったかしら?」
「……ああ、最高だったぜ」
「そう、なら良かったわ」
アリサが髪に残った精液を拭おうとすると、金城がその手を取って止めた。
「どうしたの?」
「いや、せっかくだしよ」
金城は途中からは存在を忘れていたカメラを九条に向ける。そして、精液滴るアリサの姿をカメラに収めると、
「さっきのやつもう一回やってくれよ」
「ええ、わかったわ……」
そうして、アリサの淫靡な様を余すことなく記録した金城はアリサに簡単に片付けを命じて、自分はシャワーを浴びに浴室へ向かった。
そして、再び金城はベッドに一人で腰掛けていた。先ほどと違い金城はバスローブ姿で、浴室からはシャワーの音が聞こえる。
「ふぅ……」
金城は一息つくと、カメラを確認する。そこには先ほどまでのアリサの痴態が映し出されていた。
「くくく……っ」
金城の口から思わず笑いが漏れる。それは自分の思い通りに事が運んだことに対する満足感からだった。
これで万が一、今後催眠が効かなくなったとしてもアリサは自分に逆らえないだろう。
そして、とうとうアリサがバスローブを着て浴室から出てくる。
「お待たせ」
「あぁ」
金城は手に持っていたカメラを三脚に戻すと、アリサと共に肩がぶつかる程の距離で座った。二人の体重でマットレスが沈み、自然と肌が触れ合う。
金城が視線を向けると上気し血色の良くなった肌、水気を帯びて一部が頬に張り付いた銀髪、そして何よりバスローブの上からでもわかるその豊満な肢体。
金城はゴクリと唾を飲み込む。金城は彼女の腰に手を回し抱き寄せる。見つめ合う二人はまさに、美女と野獣といった有様だった。これが絵本の物語で有れば、お姫様のキスで野獣の呪いは解けてるところだが、
「ちゅ……んんっ♡」
これは現実。醜悪な男が生き方を改めることもなく、お姫様にかけられた呪いも解けることはない。
ゆっくりと、互いの唇に吸い付く。最初は啄むような軽いキスから、徐々に舌を絡ませ始める。
「んっ……ちゅるっ♡ れろぉ♡」
アリサは金城の首に腕を回して抱きつく様にして深い口づけを続ける。二人の唾液が混ざり合い、淫靡な水音を立てる。
「はぁ……っ♡ んむっ♡」
やがてどちらともなく口を離すと糸を引いた唾液が切れる前に再び唇が触れ合う。そして、今度は金城の方から積極的に攻めていく。彼女の唇を貪るように何度も角度を変えながら、口内に舌を侵入させる。
「んっ♡ ちゅるっ♡ んんっ♡」
アリサは金城の舌を受け入れ自らも積極的に絡めてくる。互いの唾液を交換し合い、それを飲み下すたびに二人の体温が上がっていく様な錯覚に陥る。そして、しばらくしてどちらともなく口を離すと二人の間に銀色の橋がかかる。
「はぁ……っ♡ はぁ……♡」
金城は息も絶え絶えといった様子のアリサをベッドに押し倒すと彼女のバスローブの紐に手をかける。気がつくと、アリサの手もまた、金城の怒張を優しくさすっていた。
「おいおい、九条ぉ。待ち切れないのか?」
「……そ、そんなこと無いわ……」
口では否定しながらもアリサの手は金城の剛直から離れない。金城が紐を解いて、バスローブを剥ぐと、そこには一糸纏わぬ神々しい裸体があった。その肌理細やかな白磁の様な美しい肌と豊満な乳房にまず目が奪われる。そこからさらに下がっていった先、そこには髪色と同じ薄い茂みとピタリと閉じた女性器があった。固く閉じたその割れ目。しかし、その隙間からはすでに透明な液体が垂れており、ヒクヒクと震え、抉じ開けられる時を今か今かと待っていた。
「ここも最後に写しとくか」
金城はベッドサイドに置いてあったスマホを手に取ると、アリサの裸身を撮影する。
「ちょっと、少しはムードとか考えられないの……」
「いいから、記念だよ記念。ほら、よく見える様に広げて見せろよ」
「もう……、わかったわよ」
アリサは金城の陰茎から手を放すと自分の膝裏に手を回し、M字に脚を開く。そして、自らの手でその割れ目を押し開くとピンク色の膣内が露わになる。そこはすでに愛液で溢れておりヒクヒクと痙攣していた。
「くく……っ! いい眺めだ」
金城はスマホを近づけて撮影する。アリサはその羞恥に耐えながらも、さらに指で膣口を広げて見せる。生物の内側、本来で有ればグロテスクなはずのそこは、しかし彼女の美しさと相まって芸術品の様な完成された美しさを醸し出していた。
「ほら、今から何してもらうのか言ってみろ、九条」
金城はスマホのカメラを動画に切り替えると、アリサに指示を出した。
「い、今から、その……っ」
アリサは顔を真っ赤にしながら口ごもる。しかし、金城が催促すると観念した様に口を開く。
「私の、その……女性器に、金城君の男性器をーー」
「そんな言い方じゃ、萎えちまうだろッ! 勉強したんじゃないのかぁ? ほら、ちゃんと言えよ」
「ーーっ! わ、私のお、おまんこに……金城君のおちんぽを挿入して……、その、セックスをします……」
「ただのセックスか?」
「……いいえ、快楽目的の、自堕落でふしだらなセックスよ」
「生だけどいいいんだな?」
「ええ、金城君は責任なんか取らなくていい。子供ができちゃいかもしれない、将来を棒に振るかもしれない、そんなリスクまみれのバカな、バカになっちゃうセックスをしましょう」
「くく、いいぜ。じゃあ、バカみたいなセックスしてやるよ」
金城はそう言うとスマホを放り投げると、膝立ちになってアリサの広げた脚の間に入る。そして、彼女の秘部に剛直をあてがうとゆっくりと押し込んでいく。
「んっ……んんっ……!」
アリサはシーツを握りしめて耐える。亀頭が割れ目を押し開き膣内に侵入する。そして、そのままゆっくりと腰を落としていき根元まで飲み込む。金城の怒張した陰茎を膣壁が入って来るなと締め付けてくるが、そんな抵抗を諸共せずにアリサの最奥を目指して突き入れる。
「はぁ……っ、んぁっ、んんッーー」
アリサの認知が下劣な催眠に歪められてもなお、最後まで金城に陵辱に抗う彼女の秘所であった。しかし、それも等々限界に達し、初めてを失った証の血涙を流すと抵抗をやめた。
「もぅ、全部挿入ったかしら?」
「あぁ、これで根本まで全部だ」
「……そう」
アリサは短く返事をすると、愛おしい物でも撫でる様な手つきで、自らの腹の上を撫でた。
「ここまで届いてるのね」
「……そうだな」
幸せそうに微笑むアリサだが、その光の無い瞳からは一筋の涙が溢れた。それは破瓜の痛みから流れたものか、それとも催眠に侵されていない本当の彼女の心が流したものか。
「んんっつ、ぁああああッ!」
突然、アリサの腹から脳天まで電流が奔り、脳内で爆ける。金城がピストンを開始したと気がついたのは、その衝撃から数秒遅れてだった。
「おい、ぼーっとするなよ!」
「あぐッーー! ま、待って、まだ、これ以上、うごかない、でーー」
「くく、『気持ちいいだろ?』九条」
金城はアリサの細い腰を両手で掴むと激しく揺さぶる。その度にベッドが軋み、その振動で彼女の豊満な乳房も上下に揺れる。
「あぐっ! んあっ! ああっ♡」
「ほらっ! もっと声出せよッ!!」
「はぁ……っ♡ んっ♡ んんッ!」
金城はより強く腰を押し付けると子宮口をこじ開ける様にして亀頭をねじ込む。そしてそのままグリグリと円を描くように動かすとアリサの口から嬌声が上がる。
「あっ♡ んっ♡ んぐっ♡」
「はは、どうだ九条。ほらほらぁ」
「はぁ……っ、んんっ♡ ああっ♡」
暗示の効果で痛みより、快感の方が大きくなったアリサ。感じ始めたことで、抵抗をやめたアリサの膣内は、早くも雄に媚びる動きを学習していた。金城の肉棒をアリサの膣内は熱く柔らかく包み込み、無数の襞が絡みつく。そして、時折締め付ける様な動きを見せ、まるで別の生き物の様に陰茎を刺激する。
「ほらっ! 言えよッ!」
「はぁ……っ♡ きも、ちいい……♡」
「……くく、やっと正直になったか」
快楽を求めて金城の剛直を離すまいと締め付けるアリサの雌孔。金城は四方八方から吸い付いてくるそれから、肉槍をゆっくりと引き抜いていく。
「ぅぁーー♡」
アリサの膣内を余すことなく擦り上げる金城のカリが膣口に達すると、杭を打つかの様一気に突き入れる。
「はぁ……っ♡ んあっ♡ ああっ♡」
「はは! どうだ? 気持ちいいだろう?」
「あぐっ♡ んんっ♡ ああッ♡」
アリサの膣壁が痙攣し始め、彼女の絶頂が近いことを感じ取った金城はさらにペースを上げる。パンッパンッと肉同士がぶつかり合う音が部屋に響き渡り、それに比例して二人の呼吸も荒くなっていく。
「ちょっと、待っへ♡ こんな、激しっ♡」
「いいからイケッ! イってしまえっ!」
金城はアリサの腰を掴むと思いっきり引き寄せた。それと同時に子宮口を突き上げる。
「んぁあああぁっ♡♡ ♡」
バチンバチンと脳内で爆ける閃光が、アリサの意識を真っ白に染め上げていった。そして、それと同時に膣壁が収縮し、子宮口が亀頭にむしゃぶりつく様に吸い付いた瞬間、金城は欲望を解き放った。
「くくッ! 出すぞっ!」
「ああぁ♡ 熱いぃ♡」
ドクンドクンと脈打つ剛直から大量の白濁液が吐き出され、膣内を満たしていく。その熱さにアリサは身体を弓なりにしならせながら絶頂に達した。
「んんぁああああああっーー♡」
プシュ、プシュっと、潮を吹きながら仰け反るアリサ。そしてぐったりと脱力するとベッドに倒れ込んだ。
「はぁ……っ♡ はぁ……っ♡」
「おいおい、もうバテたのか? まだ一回しか出してないってのによ」
「はぁっ……♡ んんっ♡」
金城は息を切らすアリサに覆いかぶさると耳元で囁く。彼の声に反応するように膣内がキュンっと締まるのを感じた。その甘い締め付けに応える様に再び勃起し始める陰茎の感触を膣壁で感じると、アリサは小さく声を漏らした。
「も、もう。元気すぎ……」
「いいだろ? オナってばっかだったから、回数には自信があんだよ」
だらんとベッドの上に投げ出されたアリサに掌を金城が掴む。アリサの脳内を大切な記憶がーー違うーー、思い出、ーー目の前の彼、ーー久ーー金城君ーー、上書きされる。
恋人同士の様に指を絡ませる金城に応える様にアリサも握り返した。
「ほら、もっと楽しもうぜ」
「……うん♡」
「今度はお前が動いてみろよ」
「わかったわ」
二人は繋がったまま、抱き合うように体位を変える。今度はアリサが上になり金城を下にすると、ゆっくりと前後に動き始めた。
「んっーー♡ んふっ♡」
「くく、いいぜ……っ! そのまま続けろよッ」
アリサは金城と固く指を絡めたまま、動画で見た騎乗位を行う。腰を持ち上げて再び落とす、その緩慢な動作を繰り返す内にだんだんとコツを掴んできたのか、次第にその動きを速くしていった。
「んっ♡ んんっ♡ はぁ……♡ はぁ……♡」
「ほら、頑張れよ」
「うんっ♡ 頑張るからっ♡ もっと気持ちよくなってぇ♡」
アリサはそう言うとさらに激しく動き始めた。彼女の動きに合わせて、キスマークの残る豊満な乳房が上下左右にぶるんぶるんと揺れ動く。そして、その動きに合わせて金城の剛直を包み込んだままの彼女の膣内もギュッギュッと搾り取る様に蠕動を始めた。
「はぁ……っ♡ んんっ♡ はぁっ♡」
「くく! いいぜ九条。いや、アーリャ」
「んっ♡ んぅーーふぇ」
アリサは一心不乱に腰を打ち付け続けていたアリサの動きが止まる。
「何だ? ダメか? 久世はそう呼んでるだろ? それとも久世の奴だけが特別か?」
「ちが、えっ? アーリャは愛称で、親しい人が呼ぶあだ名でーー」
「何だよ、これ以上ないってくらい仲良くしてるだろッと」
バスンっと金城が下から突き上げる。
「んんッーー♡」
「なあ、いいだろアーリャ?」
金城は再び腰を振り始める。それに合わせて下からリズミカルに突き入れながら、「アーリャ」、「アーリャ」と繰り返す。
「だ、ダメっ♡ 動きながら、名前呼んじゃぁーー、あたま、わかんなくなっちゃーーッ」
「バカになるんだろ、アーリャ? 今日はさぁ、そういうセックスするんだろ? そうだよなアーリャ?」
アーリャと呼ぶ金城の姿で、大切な誰かが上書きされていく。頼りになって、ダメダメで、優しくて、適当で、かっこいい、アリサをアーリャと呼ぶ男の子の姿が、目の前の金城の姿に置き換わってーー。
「は、いっ♡ そうっーーッ♡ わ、わたひはもう、バカになるから! だからーーっ」
もっと気持ちよくして、と言おうとしたところで、アリサは下からの突き上げで言葉を止めた。
「くく、そうかよ。アーリャ、お前は俺にどうして欲しいんだ?」
「はぁっ♡ あぁっ♡」
「言わないとわかんねーぜ? 『ちゃんとお願い出来るまでイクな』。それとも俺を焦らしてるのか?」
金城はそう言うとさらに激しく動き出す。アリサが懇願しようとするたびに、それを邪魔するために、肉棒がアリサの膣内を蹂躙し、子宮口を何度もノックする様に責め立てる。そのたびに彼女の口から嬌声が上がるせいで、言葉を紡ぐことができないでいた。
「ほら、アーリャ? 言わないとわかんねぇぞ?」
金城はそう言うと再び動きを緩める。その剛直が膣内を引っ掻く様にギリギリまで引き抜かれると、ヒダヒダが絡みつくようにうねって引き止めようとする。そんなアリサの無意識の行動に気を良くしたのか、金城は再びゆっくりと奥まで挿入すると子宮口を亀頭で押し潰す様に動く。
「ひぃ♡ んんっ♡ んくぅ♡」
「なんだ、またイキそうじゃないか? イカないのか? イケないのかぁ?」
「んぐぅ♡ だめぇ♡ イキっ♡ イカせッ♡♡」
「何言ってんだ? わかんねぇな?」
「おねがいっ♡ もう、限界なのッ♡ だからぁ! イカせてぇ♡♡」
「そうかよッ!」
金城はアリサを引き倒すと、そのまま身体を入れ替えて正常位になる。そして、そのまま一気に突き入れた。
「んぁああッ♡♡」
「くく、いいぜ! アーリャ!」
「んんっ♡ あっ♡ ああっ♡♡」
アリサは金城に抱きつき、その背中に手を回すと必死にしがみつく。そんなアリサを金城はさらに強く抱きしめ返すとその唇を奪った。舌を絡ませ合い唾液を交換するような激しいキスをしながら、下半身も激しく打ち付ける。この雌は俺のものだと、マーキングするかのようにアリサの膣内を蹂躙する。
「んっ♡ んぶっ♡ んんッ♡」
「はぁ……っ、そろそろイクぞ」
「んんっ♡ きてっ! 出してぇっ!!」
「俺の優秀な種付けザーメンで孕め! アーリャ!!」
「んっ♡ あぁっ♡ イーーッ♡♡ ♡」
ビュルルル!! ドピュッドピューーー アリサの子宮口に密着した亀頭から大量の白濁液が放たれていく。その一滴一滴を子宮の中で感じながら、アリサもまた深い絶頂を迎えた。収縮を繰り返し、三回目とは思えないほど夥しい量の精液に吸い付く子宮口。催眠のせいでこの一晩のまぐわいでアリサの膣はすっかり金城専用の雌孔に成り果てていた。そして、長い射精が終わると、アリサの膣内からずるりと金城の肉棒が引き抜かれた。破瓜から初めてポッカリと開いた膣口からは、剛直を追いかける様にして秘所からドロリと精液が溢れ出た。
「はぁ……っ♡ ふぅ……♡」
絶頂後の虚脱感により力なく横たわるアリサを尻目に金城は息を整えると、ノロノロとした動きで彼女の側まで寄ると、二人の淫液に塗れ白く泡だった肉棒を彼女の口元へ差し出した。
「ほら、綺麗にしろよ」
「はぁ……、はぁ……はぁ……。んむ……っ、ちゅるっ♡」
アリサは言われるがまま、金城の竿に付いた汚れを舐め取る。
「はぁ……っ、んっ♡ んぅ、ちゅぱっ♡」
陰毛に顔を埋めながら陰嚢まで垂れた淫液を舌で拭い、愛おしそうに亀頭を舐め回しながら残った精液を吸い出すと、最後に鈴口に残った最後の一滴を名残惜しむ様にねっとりと舐めとった。そして、そのまま全てを飲み込むと、アリサはようやく肉棒から口を離した。
「はぁ……♡ んっ♡ これで……いい?」
「ああ、よく出来たな」
そう言って金城が彼女の頭を撫でると、彼女は嬉しそうに目を細めた。
「さて……」
アリサのお掃除で、少し熱を取り戻した彼の分身。持久力には自信があった彼だが、自慰とは違い気力体力など吸い出されるような本物のセックスでは、すぐに次は無理で、休息を挟むことにした。
汗塗れの身体を大の字にアリサの横に投げ出す。目を閉じて、次は何をしようかと思案する。下劣な笑みを浮かべながら、金城は浅い微睡の海に浸かっていった。
◇◆◇◆◇
金城からの命令とはいえ、出て欲しくないと、頭の片隅で僅かに残ったアリサが叫んでいた。
一度目のコールには出なかった。電話を掛けるには遅すぎる時間だ。眠っていてもおかしくない時間、だが対面座位で交わる金城はもう一度掛けろと急かしてくる。逆らうことなく、再びのコールしようとスマホを操作しようとすると、相手から折り返しがかかってくる。画面を確認した金城が勝手にスマホを操作して電話を繋げてしまう。
『あ、もしもし?』
出来れば聞きたくなかった声。
「……こんばんは、久世君」
金城と繋がったまま、政近との通話を続けるアリサ。
『おお、こんばんは・・・・・・どうした? なんか用か? 』
「別に、用ってほどじゃ・・・・・・」
言葉を濁すアリサに、いつもの様に政近からからかいが飛んでくる。
『どうした? 急に俺の声が聞きたくなっちゃったのか?』
「…………」
無駄に低めの声が聞こえてきたがアリサは返事が出来なかった。金城が、アリサのビンビンに反り立った乳首の周りをカリカリと引っ掻いてきたからだ。
「ちょ、ちょっと……」
「ほら、久世の奴になんか言ってやれよ」
悪びれることなく、ニヤニヤと笑いながらアリサに命令する金城。金城の声が聞こえてません様にと祈りながら、アリサは通話を続けた。
【……悪い?】
アリサは平常心を取り戻す為に、政近のからかいにロシア語で返す。すると電話の先で、ゴンッと何か打つかった音がした。
「……? 何の音?」
『いや……ところで今、なんて言ったんだ? 』
「『バーカ』って言ったのよ」
『あっそ・・・・・で、何の用? 』
用事と言われてアリサは固まった。用事などない。金城が命令したから意外に理由などないのだが、それを伝えるわけにはいかない。アリサは必死に頭を回転させて、何とか言葉を繋ぐ。
「……その、一人だとサボっちゃうって言ってたでしょ? 勉強、大丈夫かなって思ったのよ」
『…………』
アリサは我ながら苦しい言い訳だと思っていたが、対して政近は黙ったままだ。
「……まさか」
『いや、サボってはないぞ? 一瞬アニメの誘惑に揺らいだが、ちゃんと打ち勝ったから。マジで、マジで』
「…………」
アリサの胸に中に呆れとともに、暖かい何かが満たされていく。彼女は久世君と話をすることで、取り返しのつかない傷の痛みが少し引いていく様な気がしていた。
「試験は明日よ? 今が踏ん張り時じゃないの」
『ま、そうなんだけどさ……悪いね、根性なしで』
「そうは言わないけど……」
アリサの胸の内を見透かしてか、金城の手が彼女の腹を撫で回す。
『どうもモチベが上がらんのですよ……むしろ、お前はこういう時どうやってモチベを維持するんだ?』
「……モチベーションを維持するも何も、モチベーションが途切れたことがないから分からないわ」
『……マジかよ。スゲーなおい』
くすぐるようなものではなく、愛撫するような指の動きにアリサは声を抑えるのがやっとだった。金城の手が彼女の下腹に伸びる。
「そうね……私はむしろ、いつも時間に追われてる感じね。まだやり残したことはないか、まだ詰められるところがあるんじゃないか、って考えてたら、モチベーションなんて気にしてる暇はないわ」
『……本当にすごいな』
他の男とセックスしながらのセリフとは知らない政近は、素直に感嘆の声を上げる。
『それじゃあまあ、邪魔してもあれだし……俺もアーリャを見習って、もう少し頑張ってみるさ。わざわざありがとな』
「え、あ……」
『ん?』
ようやく自然と電話が切れる、アリサが油断した瞬間、金城がいきなり腰を動かしてきた。
不意の刺激に、アリサは声を抑えられなかった。その様子を見た金城が嗜虐的な笑みを浮かべている。
『どうした?』
「…………」
『? 』
電話口の政近の声に返事をしようにも、金城の突き上げのせいで、アリサが声を出せば艷言のような何かになってしまうだろうことをわかっていた。
【まだ……ダメ……】
眼の前の金城にもう少し待って欲しいと懇願する。その艶やかな呟きが政近の脳を撃ち抜いていることに気がついていないアリサ。その甘いおねだりを受けた金城は少しだけ動きを緩めるが完全に止まりましなかった。
「んんっ♡ 自分で電話させたくせに、んちゅ♡ 嫉妬しちゃうなんて……んんっ♡」
その後なんとか取り留めのない話をして、政近との通話を終えることができた、アリサを金城は直ぐ様押し倒し、唇を貪り、どちゅんどちゅんと腰を打ち付けた。
「んっ♡ んんっ♡」
政近との会話中、我慢していた分も合わさって、夥しい快楽を叩き込まれアリサは頭が真っ白になっていく。無意識に金城の腰へ脚を絡ませてがっしりとホールドし自らも金城の舌を絡め、唾液を貪った。
「ほら! イケぇ! イケよ!!!」
「んむーーっ♡♡♡」
ビクビクっと痙攣しながら絶頂するアリサ。キスハメをしながらポルチオアクメを叩き込まれた彼女はそのままゆっくりと意識を手放していった。
◇◆◇◆◇
「ーーャちゃん。アーリャちゃん!」
「ーーッ! な、なによ、マーシャ。急に大きな声だして。ビックリするじゃない」
「急にって、何度も呼んでたじゃない」
心配そうに妹であるアリサを見つめるマリヤ。
「そ、そう。ごめんなさい。少しぼうっとしてたかも」
「アーリャちゃん、最近変じゃない?」
「そうかしら。少し疲れてるだけよ」
「そう……」
強がるアリサを見つめるマリヤの不安は膨らむばかり。そんな二人の会話を遮るように着信音が鳴り響く。
「あっ! ごめん、マーシャ。大事な電話だから出るわね」
そう言って、部屋を出るアリサの姿をマリヤは眺めることしかできなかった。
第一部完
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